秘密はいつもティーカップの向こう側 ~サマープディングと癒しのレシピ~

天月りん

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完走御礼

サマープディングと癒しのレシピ 完走ありがとうございました

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 第2作目『サマープディングと癒しのレシピ』をお読みくださった皆さま、ありがとうございました。
 美緒との出会いを通して、湊と亜嵐が”食べることは生きること”という命題を見つめ直す物語。
 たくさんの温かな感想や応援、本当に励みになりました。

 そして季節は冬へ――❄
 ローズメリーにも、クリスマスの香りが漂い始めています。

 12月は、3週連続で小さな物語をお届けします。
 クッキー作りに挑戦する美緒のお話や、湊と亜嵐の少し照れくさいクリスマス編など――。
 寒い季節にぴったりの、あたたかなエピソードをお楽しみください。

 さらに年明けからは、新章がスタート予定です。
 笑い、戸惑い、喜び、時に涙する。
 それぞれの想いを抱きながら、彼らは前へ歩み出す――そんな物語をお届けします。
 
 ティールーム・ローズメリーより、感謝を込めて。
 これからもどうぞよろしくお願いいたします☕


 天月りん


 ***

<おまけのおまけ 新たな師弟>

「師匠!藤宮くんも。これからよろしくお願いします!」

 そう言って白石さんは、俺の隣の席にすとんと腰かけた。
 すると亜嵐さんは、それまでの紳士然とした表情を、パッと捨て去った。

「弟子なら必要ない。私には湊がいる」

(……そっか、俺って弟子だったんだ……)

 亜嵐さんは俺にとって、アルバイトの雇用主でもある。なるほど、弟子も似たようなものかもしれない。
 うーむと内心唸っていると、白石さんは、至って元気に切り返した。

「じゃあ、アシスタント的な?」
「それこそ不要だ。湊にやってもらっているからな」
「それなら、茶飲み友だちってことで!」
「全て湊で間に合っている!」

 段々とヒートアップしていく二人の姿を、俺と翠さんはハラハラと見つめる。
 ついに白石さんが、痺れを切らしたように大きな声を上げた。

「じゃあもう、ガールフレンド候補ってことで!これならどうよ?藤宮くんにはできないでしょ!?」

 テーブルに手をつき身を乗り出す白石さんに、亜嵐さんは心底嫌そうな顔で首を振った。

「紳士として、レディに恥をかかせるわけにはいかない。だが――今後私は、君のことをレディとして扱わないことにする。だから……こほん。ローズメリーの末席に身を置くものとしての矜持を、ゆめゆめ忘れないように。――わかったな?美緒」

 腕を組み、ふいっと横を向いた亜嵐さんを見て、白石さんは立ち上がってぴょんぴょん飛び跳ねた。

「やったー!!ありがとうございます!師匠!」
「不作法だぞ、店の中で飛び跳ねるんじゃない。ウサギか、君は」

 ……どうしよう、とんでもない師弟コンビが生まれてしまった。
 そう思って振り返ると、翠さんは興味深そうな視線を白石さんに向けていた。

「やるわね、美緒ちゃん。なかなかの戦術家ぶりだわ」

(……こっちはこっちで、気が合いそうな二人だな……)

 紅茶と焼き菓子の香りが漂う店内に、賑やかな声が響き渡る。
 夏の日差しが窓から明るく差し込む、ある午後の出来事――。

 

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感想 1

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みんなの感想(1件)

トッコ
2025.12.01 トッコ

新シリーズですね!楽しみにしてました!
美緒ちゃんは積極的な女の子ですね。
続きが楽しみです。

2025.12.01 天月りん

トッコさん
感想をお寄せいただき、ありがとうございます。
そうなんです、白石女史はこの先、いろいろな騒動を巻き起こしていくんです……。
頑張りますので、今後ともどうぞよろしくお願いします!

解除

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