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21 反撃
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「今日、王宮へ行ってきたようだな」
「……」
オーレリアと会った日の夜。
晩餐の時間にて、久しぶりにウィルベルトから声をかけられた。
義理の両親は旅行中で、部屋にはウィルベルトと二人きりだ。
人数が減った分楽だと思っていたが、義父と義母のいない晩餐会はいつもよりずっと苦痛だった。
私たち夫婦の間に会話は全く無かった。
「ええ……用があったので」
「そうか」
ウィルベルトは結婚したときからずっと無愛想だ。
元々愛されるだなんて思ってもいなかったから別に平気だが。
彼は鋭い目で私を真っ直ぐに見つめた。
「あまり勝手な行動はするなよ、公爵家の名誉にかかわる」
「……肝に銘じておきます」
ウィルベルトは出会った当時から何一つ変わっていない。
結局この人にとって一番大事なのは両親でもオーレリアでも無く自身の名誉なのだろう。
いくら両親に反対されたとはいえ、この結婚に抗えるほどの権力を持ち合わせていたはずの彼があえて何もしなかった。
それが何を意味しているのか。
(貴方は彼女を諦めたのよ、富や名誉を捨てきれずにね)
もっとも、自分が正しいと信じて疑わない本人はそのことに気付いていないみたいだが。
結局は私のこともオーレリアのことも不幸にした。
(自分で彼女を捨てておいて人のせいにして……何だかムカツクわね)
とうとう我慢の限界を迎えた私は、初めて反撃に出ることにした。
「そういえば今日……王宮でオーレリア様にお会いしましたわ」
「……!?」
ウィルベルトが珍しく動揺した。
やはり彼はオーレリアのことになるとらしくない姿を見せる。
「彼女に何かしたのか……」
「何故そのような考えになるのです?私はお会いしたと言っただけですが」
オーレリアに会ったと言えばすぐに私が彼女を傷付けたという考えに至る。
彼の勝手な妄想には嫌気が差す。
「とても礼儀正しい方でしたわ……それこそ、公爵夫人にもなれるほど」
「ッ……」
私の言葉を聞いたウィルベルトが辛そうに顔を歪ませた。
「お前に何が分かるんだ……オーレリアが私の妻になるためどれだけの努力をしてきたか知らないだろう」
「あら、それであんなにも教養が身に着いていたのですね」
彼女は彼女なりにウィルベルトの隣に立つための努力をしていたようだ。
それも彼のせいで全て水の泡となってしまったけれど。
「お可哀相に……そこまでしたのに旦那様に捨てられてしまうだなんて……」
「何だと?私はオーレリアを捨ててなどいない!」
「そう思っているのは旦那様だけですよ」
「何?」
ウィルベルトがギロリとこちらを睨んだ。
「旦那様は私との結婚が決まったとき少しでも抵抗しましたか?何も言わずに仕方が無いことだと受け入れたのではありませんか?」
「ッ……」
図星なのか、彼が黙り込んだ。
「違う……私は……オーレリアを本当に愛していたんだ……」
「口先だけなら何とでも言えますわ、旦那様」
「……」
オーレリアを愛していたと言っているが、行動には移さなかった。
結局のところ、全てを捨ててでも一緒になりたいと思えるほどの愛では無かったということだろう。
「ち、違う……私は……」
狼狽えて視線を彷徨わせる彼に最後のトドメを刺した。
「――全て、旦那様の選択なのです」
「……」
冷たく言い放つと、彼がショックを受けたように項垂れた。
「……」
オーレリアと会った日の夜。
晩餐の時間にて、久しぶりにウィルベルトから声をかけられた。
義理の両親は旅行中で、部屋にはウィルベルトと二人きりだ。
人数が減った分楽だと思っていたが、義父と義母のいない晩餐会はいつもよりずっと苦痛だった。
私たち夫婦の間に会話は全く無かった。
「ええ……用があったので」
「そうか」
ウィルベルトは結婚したときからずっと無愛想だ。
元々愛されるだなんて思ってもいなかったから別に平気だが。
彼は鋭い目で私を真っ直ぐに見つめた。
「あまり勝手な行動はするなよ、公爵家の名誉にかかわる」
「……肝に銘じておきます」
ウィルベルトは出会った当時から何一つ変わっていない。
結局この人にとって一番大事なのは両親でもオーレリアでも無く自身の名誉なのだろう。
いくら両親に反対されたとはいえ、この結婚に抗えるほどの権力を持ち合わせていたはずの彼があえて何もしなかった。
それが何を意味しているのか。
(貴方は彼女を諦めたのよ、富や名誉を捨てきれずにね)
もっとも、自分が正しいと信じて疑わない本人はそのことに気付いていないみたいだが。
結局は私のこともオーレリアのことも不幸にした。
(自分で彼女を捨てておいて人のせいにして……何だかムカツクわね)
とうとう我慢の限界を迎えた私は、初めて反撃に出ることにした。
「そういえば今日……王宮でオーレリア様にお会いしましたわ」
「……!?」
ウィルベルトが珍しく動揺した。
やはり彼はオーレリアのことになるとらしくない姿を見せる。
「彼女に何かしたのか……」
「何故そのような考えになるのです?私はお会いしたと言っただけですが」
オーレリアに会ったと言えばすぐに私が彼女を傷付けたという考えに至る。
彼の勝手な妄想には嫌気が差す。
「とても礼儀正しい方でしたわ……それこそ、公爵夫人にもなれるほど」
「ッ……」
私の言葉を聞いたウィルベルトが辛そうに顔を歪ませた。
「お前に何が分かるんだ……オーレリアが私の妻になるためどれだけの努力をしてきたか知らないだろう」
「あら、それであんなにも教養が身に着いていたのですね」
彼女は彼女なりにウィルベルトの隣に立つための努力をしていたようだ。
それも彼のせいで全て水の泡となってしまったけれど。
「お可哀相に……そこまでしたのに旦那様に捨てられてしまうだなんて……」
「何だと?私はオーレリアを捨ててなどいない!」
「そう思っているのは旦那様だけですよ」
「何?」
ウィルベルトがギロリとこちらを睨んだ。
「旦那様は私との結婚が決まったとき少しでも抵抗しましたか?何も言わずに仕方が無いことだと受け入れたのではありませんか?」
「ッ……」
図星なのか、彼が黙り込んだ。
「違う……私は……オーレリアを本当に愛していたんだ……」
「口先だけなら何とでも言えますわ、旦那様」
「……」
オーレリアを愛していたと言っているが、行動には移さなかった。
結局のところ、全てを捨ててでも一緒になりたいと思えるほどの愛では無かったということだろう。
「ち、違う……私は……」
狼狽えて視線を彷徨わせる彼に最後のトドメを刺した。
「――全て、旦那様の選択なのです」
「……」
冷たく言い放つと、彼がショックを受けたように項垂れた。
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