虐げられた新妻は義理の家族への復讐を決意する

ましゅぺちーの

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25 出生の秘密

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「ダリル様……これは一体……」
「この男の顔に見覚えは無いか」


私はダリルの部屋へと連れて来られ、彼から一枚の肖像画を手渡された。
そこに描かれていたのは彼そっくりの赤い瞳をした男だった。


(見覚えも何も、目の前にいるあなたにそっくり……)


「ダリル様、この方は一体……」
「――この男は俺の父親だ」
「父親……………?」


理解が追い付かなかった。
彼はウィルベルトの弟で、お義父様とお義母様の第二子のはず。
それなのに、他に父親がいるだなんて。


「父親はお義父様では……」
「違う、俺はあの人の息子ではない」


ダリルはゆっくりと首を横に振った。


「まぁ、親族ではあるけどな」
「と、いうことは……?」
「この男――俺の父親は、父上の実の弟だ」
「……!」


そういえば、以前使用人たちからダリルは義母の不貞によって出来た子供だという話を聞いたことがあった。


(どうしてお義父様の弟が……)


そんな私の疑問を読んだのか、彼が重い口を開いた。


「母上はな、この男に襲われたんだ」
「そ、そんな……!」


彼から聞いた話は衝撃的な内容だった。


「先代ブリントン公爵には弟が一人いて……兄の妻に横恋慕していたらしい。人妻だということも気にせず母上に猛アタックをしていたようだ」
「……」


彼の話を聞きながら、手元の肖像画をじっと見つめた。
穏やかで優しそうな表情をしている彼が女性を襲っただなんて信じられなかった。


「当然、母上は断った。それに逆上した父が、母を襲ったんだ」
「……」


私が想像していたよりもずっと深い闇がこの公爵家には存在していたようだ。


「そのことで父は処刑され、既にこの世にはいない。母はその後妊娠し、ブリントン公爵の子であることを強く願ったが…………生まれたのは赤い瞳を持った俺だった」
「ダリル様……」


彼は暗い表情で自らの出生の秘密を語った。
生まれてきてはいけないとはそういう意味で言っていたのか。


「そのせいで母上は今でも俺の瞳を見ると気が狂ってしまうらしい。――昔自分を襲った男にそっくりな赤い瞳をな」
「……」
「父も兄も、あの人の息子である俺のことを酷く嫌っている。当然だよな、存在そのものが母を苦しめているのだから……」
「――そんなことはありません!!!」


気付けば無意識にそう叫んでいた。


「狂っているのはあの方たちの方です!!!何の罪も無いダリル様にキツく当たるだなんて!」
「お前……」
「そんなこと気にしないでください、この世に生まれてきてはいけない人なんていないんですから」
「……」


そう言うと、ダリルの表情が少しだけ明るくなったように見えた。



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