虐げられた新妻は義理の家族への復讐を決意する

ましゅぺちーの

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28 動き出す

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ダリルと二人共に生きていくことを夢見た私は、翌日から早速動き出した。
彼は未だにブリントン公爵家の強大な力を恐れているようだったが、私の気持ちは変わらない。
何より、愛する彼を傷付けたのだ。
容赦はいらないだろう。


この日、フードを深くかぶって素性を隠した私はとある人物に会いに来ていた。


「お待ちしておりました」
「遅くなってごめんなさいね」


王都にある居酒屋の一室にて、老齢の女性が私を出迎えた。


「貴方はブリントン公爵家に昔侍女として仕えていたのよね?」
「ええ、二十年以上前……大旦那様がまだお坊ちゃまだったときのことですが」


彼女は昔ブリントン公爵家に侍女として仕えていた女性だ。
今回、私は彼女の元を訪れたのには理由があった。


「なら……大旦那様の弟君についても知っているかしら?」
「ええ、もちろんです。アレクシス様のことですよね」
「弟はアレクシスという名前だったのね」


お義父様の弟は大きな罪を犯した。
そのため、公爵家には彼の記録や肖像画などは残っていない。
だからこそ、彼を知っている人物を訪ねる必要があった。


「アレクシス様は罪を犯したと聞いたわ。兄の妻に横恋慕し、襲ったと」
「……」


その言葉に、彼女は黙り込んだ。


(……何かしら?反応が妙だわ)


アレクシスの犯した罪に対して何か思うところがあるのだろうか。
しばらくして、彼女が口を開いた。


「……私は、アレクシス様がそのようなことをするとは到底思えません」
「……何ですって?」


彼女はそのまま言葉を続けた。


「たしかにアレクシス様は兄君との仲が良いとは言えませんでしたが……女性を無理矢理襲うような方ではありませんでした」
「……それはたしかなの?」
「はい、むしろ悪女と呼ばれていたのは夫人の方でした!!!」
「……!」


それから彼女は苦虫を噛み潰したような顔で義母のことを語り始めた。


「あの方は自身の見た目の美しさや身分の高さを笠に着て好き放題していたのです。私たち使用人に対して横柄な態度を取り、大旦那様の婚約者でありながら多くの男性を誑かしておりました」
「お義母様が……」
「アレクシス様が罪を犯したと聞いたとき、屋敷の者は皆夫人が彼をその気にさせたに違いないと噂していました。傲慢な大旦那様とは違い、アレクシス様は温厚で紳士的な方でしたから」
「……」


たしかに、あの義母ならやりかねない。
次々と明かされる義母の本当の姿に、驚きを隠せない。


「……と、私はそう思っています」
「そう、貴重な話を聞かせてもらったわ。これは謝礼よ」


私はお礼の金貨が入った小包みをテーブルの上に置いて立ち上がった。


「貴方のおかげで穏便に問題を解決出来そうだわ」
「いえ、私はただ事実を述べたまでです」


彼女の証言のおかげで考えが変わった。
この事実があれば、あの家族を壊せるかもしれない。


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