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番外編
オーギュスト公爵家②
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本音を言ってしまえば、公爵もアーノルドと同じ気持ちだった。
『誰とも関わりたくない』
だからこそ公爵はアーノルドに爵位を譲渡しようとしたのだ。
だけどアーノルドは公爵位を継ぐ気がない。
「・・・アーノルド。リリスのことを気にしているのか?」
公爵は浮かない顔をしていたアーノルドに尋ねた。
「はい。私は愛する妹を傷つけました。散々無視して最後には暴言を吐いて家から追い出しました。」
アーノルドは元々優しい人だった。
だからこそ余計にリリスのことで悔いているのだろう。
「使用人たちも皆そう言って辞めていくが・・・それに関しては私も同罪だ。お前だけが責任を感じる必要はない。」
公爵は優しい口調でアーノルドに言ったがその顔は生気を失っていた。
アーノルドは一瞬で父もリリスのことで頭がいっぱいなのだと悟った。
「・・・父上。リリスは今どうしているのでしょうか。」
アーノルドが父に遠慮がちに尋ねた。
「・・・平民の男と結婚して幸せに暮らしているそうだ。」
「そうですか。」
アーノルドはホッとした。
リリスは公爵邸に戻ってくることはなかったが違う形で幸せを手にしている。
リリスにとっては辛い記憶しかない公爵邸に戻ってくるなんてありえないよなと今になって思う。
あの時罵倒されなかっただけましだろう。
それにリリスは言っていた。
公爵邸での幸せだった頃の記憶は何一つ思い出せないと。
「・・・王妃陛下がリリスの結婚式に参列したそうだ。愛する人と幸せそうだったと言っていた。」
「・・・そうなんですね。」
兄として妹の晴れ姿を見るはずだった。
「幸せならいいです。」
アーノルドは父にそう告げて部屋を出て行った。
「・・・」
公爵は部屋に一人残された。
あの日から家族との仲は微妙なものになっている。
公爵夫人である妻は一切口を聞いてくれなくなった。
アーノルドともよそよそしいままだ。
(・・・爵位を、返上しよう―)
公爵はアーノルドが公爵位を継ぐ気がないのなら爵位を返上しようと考えた。
それが一番最善な方法だと思った。
長い間仕事が手につかなかった公爵は執務室にあるソファに横になって目を閉じた。
そしてシルビアが公爵邸に来る前のことを思い出していた。
リリスがよく笑顔を見せ、家族4人で幸せだった頃のこと。
いつから狂ったのだろうか。
シルビアを可愛がり、リリスを蔑ろにした。
結果、リリスは私たちを見限った。
シルビアの魅了にやられていたとはいえ自分もリリスを虐げたうちの一人なのだ。
しかもリリスに勘当を言い渡したのは紛れもなく公爵本人だ。
「あぁ・・・リリス・・・。」
どれだけ後悔しても最愛の娘はもう帰ってこない。
『誰とも関わりたくない』
だからこそ公爵はアーノルドに爵位を譲渡しようとしたのだ。
だけどアーノルドは公爵位を継ぐ気がない。
「・・・アーノルド。リリスのことを気にしているのか?」
公爵は浮かない顔をしていたアーノルドに尋ねた。
「はい。私は愛する妹を傷つけました。散々無視して最後には暴言を吐いて家から追い出しました。」
アーノルドは元々優しい人だった。
だからこそ余計にリリスのことで悔いているのだろう。
「使用人たちも皆そう言って辞めていくが・・・それに関しては私も同罪だ。お前だけが責任を感じる必要はない。」
公爵は優しい口調でアーノルドに言ったがその顔は生気を失っていた。
アーノルドは一瞬で父もリリスのことで頭がいっぱいなのだと悟った。
「・・・父上。リリスは今どうしているのでしょうか。」
アーノルドが父に遠慮がちに尋ねた。
「・・・平民の男と結婚して幸せに暮らしているそうだ。」
「そうですか。」
アーノルドはホッとした。
リリスは公爵邸に戻ってくることはなかったが違う形で幸せを手にしている。
リリスにとっては辛い記憶しかない公爵邸に戻ってくるなんてありえないよなと今になって思う。
あの時罵倒されなかっただけましだろう。
それにリリスは言っていた。
公爵邸での幸せだった頃の記憶は何一つ思い出せないと。
「・・・王妃陛下がリリスの結婚式に参列したそうだ。愛する人と幸せそうだったと言っていた。」
「・・・そうなんですね。」
兄として妹の晴れ姿を見るはずだった。
「幸せならいいです。」
アーノルドは父にそう告げて部屋を出て行った。
「・・・」
公爵は部屋に一人残された。
あの日から家族との仲は微妙なものになっている。
公爵夫人である妻は一切口を聞いてくれなくなった。
アーノルドともよそよそしいままだ。
(・・・爵位を、返上しよう―)
公爵はアーノルドが公爵位を継ぐ気がないのなら爵位を返上しようと考えた。
それが一番最善な方法だと思った。
長い間仕事が手につかなかった公爵は執務室にあるソファに横になって目を閉じた。
そしてシルビアが公爵邸に来る前のことを思い出していた。
リリスがよく笑顔を見せ、家族4人で幸せだった頃のこと。
いつから狂ったのだろうか。
シルビアを可愛がり、リリスを蔑ろにした。
結果、リリスは私たちを見限った。
シルビアの魅了にやられていたとはいえ自分もリリスを虐げたうちの一人なのだ。
しかもリリスに勘当を言い渡したのは紛れもなく公爵本人だ。
「あぁ・・・リリス・・・。」
どれだけ後悔しても最愛の娘はもう帰ってこない。
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