もふもふで始めるのんびり寄り道生活 便利なチートフル活用でＶＲＭＭＯの世界を冒険します！

4章 錬金術士だよ？

132.もふもふアイテム作成中

　ムギたちからアイテムをゲットできたら、我慢できなくてホームに帰還する。工房に入って、いざ錬金術開始だー。
　錬金玉と錬金布を用意して、まずはレシピ検索をする。

「月狼ルナウルフの毛から作れるアイテムは――」

　錬金布にツッキーからもらった毛を置いて表示されたレシピは、ぬいぐるみっぽいものや洋服などの装備、アクセサリーらしきものなど。

「ぬいぐるみ、もふもふ可愛くてカッコいい！」

　月狼ルナウルフをデフォルメして可愛らしくなったぬいぐるみは、額の三日月模様がチャームポイントだ。これは売れるぞ……！

　アイテムの効果は『アイテムボックス外で持っていると、一晩の間、物理・魔力攻撃力+10、体力+20』だって。すごいね！
　夜間限定の効果ってことは、もしかして月狼ルナウルフ自体も夜の活動に向いてるのかな。スケルトンのヤナと違って、日中に弱体化するってわけじゃなさそうだけど。

「夢羊ドリームトンの羊毛と混ぜたらどうなるかなー？」

　試してみたら、僕の綿毛を使った時と同様に、月狼ルナウルフの毛を節約できるってわかった。効果が『睡眠（ログアウト）時に抱えていると、起床後（次のログイン時）一晩の間、物理・魔力攻撃力+7、体力+14』に変わっちゃうけど。

「――でも、ぬいぐるみを戦闘時に持っておくって大変だし、羊毛と混ぜた方が便利かな」

　というわけで、節約したレシピで作成してみる。
　あっという間に現れたのは僕と同じくらいのサイズの月狼ルナウルフぬいぐるみ。大きすぎなくていいね。

「もふもふ～」

　ちょっと遊んでから、ムギの毛を使ってみる。

「丸猫マンチクーンの毛と羊毛で、やっぱりぬいぐるみが作れるんだ！」

　予想通り現れたレシピで、早速作成した。リリに頼まれてるし、どんな効果であろうと必ず一個は作るつもりだったからね。

「完成！　もふもふ、ふわふわー」

　月狼ルナウルフのぬいぐるみと同じくらいのサイズだ。尻尾がふさふわで可愛い。
　効果は『睡眠（ログアウト）時に抱えていると、起床後（次のログイン時）四時間、物理・魔力攻撃力+7、素早さ+10』だって。これもすごい効果だ。

「問題は絹銀鼠シルクチンチラのベルベットだよねぇ」

　取り出したアイテムを眺めて「う～ん？」と首を傾げる。
　これはぬいぐるみになるんだろうか。なるにしても、他にどんなアイテムになるのか気になる。

　というわけで早速錬金布に置いてみる。
　レシピ検索をすると【絹銀鼠シルクチンチラのぬいぐるみ】というアイテムが真っ先に出てきた。やっぱりぬいぐるみにはなるのか。

　ふんふんと頷きながら、次々にアイテムのレシピを確認していく。毛と布という違いはあるけど、作れるアイテムはあんまり違わないような――。

「おお？　これはすごそう！」

　一際異彩を放つアイテムを発見しちゃった。【ステルスマント】っていう名前で、効果は『装備するとステルス状態で攻撃できる。攻撃を受けると、バトル終了までステルス状態が解除される』というもの。

「ソウタのステルス攻撃、結構効果的だったもんなー」

　モンスターに偶然避けられない限りはほぼ必中の攻撃だった。敵の弱点も突きやすいみたいで、与ダメージ量も大きかったし。

　そんな攻撃をアイテムを装備することで使用できるなら便利だ。ただし問題は、これがアクセサリーではないということ。

「僕じゃ装備しても効果が出ないかぁ……」

　洋服などは着れても、アクセサリーしか効果を示さないから、僕がステルスマントを装備しても意味がない。
　でも、ルトやリリにあげるならいいかな。

「――ダメだ。素材必要数が多すぎる」

　レシピをよく見て、ガックリと肩を落としちゃった。
　素材の必要数のところに、絹銀鼠シルクチンチラのベルベット×20と表示されてる。僕が持ってるのは三個。貯めるには時間がかかりそうだなぁ。

「一個作れるまで、アイテム製作は我慢しようかな」

　絶対ルトが欲しがるアイテムだと思う。
　絹銀鼠シルクチンチラのぬいぐるみも作りたいとは思うんだけど、今は便利アイテム優先だ。
　……一応、ぬいぐるみの方の効果も確認してみるけど。

「絹銀鼠シルクチンチラのぬいぐるみは他の毛と混ぜないと作れないのかー。効果は器用さ+10、精神力+7で、混ぜる毛によって効果発動条件が違う、と」

　羊毛と混ぜたら、他のぬいぐるみと同様に『睡眠（ログアウト）時に抱えていると』という条件だ。
　器用さって、生産活動とか敵の弱点を突くのに効果があるんだっけ？　精神力が高くなるとデバフがかかりにくくなるし、地味に便利だねぇ。

「――でも、ステルスマントの効果が一番すごいもんね。やっぱり今は我慢しよう。そんで、ソウタには定期的に毛繕いのお願いをしよう！」

　早速連絡をしておく。対価は羽が生える食べ物アイテムでいいかなー。僕が作れるものなら、渡しやすいしリストを作っておこう。

　ムギとツッキーの毛から作れるアイテムも便利そうなものが多いし、こっちも定期的に毛繕いをお願いしたいな。自分たちで毛繕いできるようになったら、アイテムの買い取りって形にすればいいし。

　それぞれに連絡してから、コーヒーを飲んで休憩する。チョコレートを食べて空腹度も回復したら、気分転換完了だ。

「さて、そろそろスキルを鍛えようっと」

　しばらく仮想施設に通わないとなぁ。
　早くエリアボス迷彩小竜カモフラミニドラゴンを倒せるようになりたい！