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5章 もふもふいっぱい?
165.今後の予定相談中です
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ライリーさんから逃げるように、そそくさと翡翠亭に帰還。
部屋ではリリとルトが寛いでた。
「遅かったな、モモ」
「うん。テイマーさんのとこに行った後、冒険者ギルドで情報集めてたんだー」
「へぇ?」
「良い情報あった?」
リリが興味津々な表情で尋ねてくる。ルトも掲示板に何事か書きながら、チラッと僕の方を見てきた。
「あったよー」
とりあえず、サブ職入手のための試練とモンスターの情報について話す。
お話のお供は、仙桃ミルクとウサギ印クッキー。仙桃ミルクはお店で買ったやつ。クッキーはモンちゃんにあげたのを思い出して、僕も食べたくなったんだよねー。
リリたちにも渡したら、どっちも気に入ってもらえた。特に仙桃ミルクは「美味しい!」「なんだこれ……もはやスイーツ」と二人を驚かせたみたい。
「――って感じで、僕はしばらくモンスターのテイムとサブリング入手をがんばろうと思う!」
「やっぱお前がワールドアナウンスのきっかけだったか……」
ルトにほっぺたをモニモニと揉まれる。僕は悪いことしてないよぉ!
「モモらしいね。でも、おかげでシーズンイベントにしっかり参加した方がいいってわかったし、ありがとー」
「どういたしましてー」
僕が冒険者ギルドで資料と格闘してる間、リリたちは早速裁縫士と鍛冶士のところに弟子入りしてきたらしい。
だからまだサブ職を得ることは考えてないけど、サブリングは早めに確保しておくんだって。
「ルト、掲示板書き終わった?」
「今、情報出し渋って煽ってるとこ」
「……なんで?」
リリの質問に対しての答えがおかしくない?
僕が首を傾げてたら、リリが呆れた感じで「あんまり調子に乗らないようにね」と注意した。
「おけ。――あ、モモ。攻略スレにボス戦攻略アイテム販売予定のこと載せたから」
「はーい! 明日にでも売り出せるようにするよ。木属性対応のアクセサリーは、販売時期未定だけど」
ルトと相談して、迷彩小竜対策のアイテムをドドンと売り出すことにしたんだ。
攻略者はバレるだろうけど、大した騒ぎにはならないだろうし、騒ぎになってもタマモたちがガードしてくれそうだし。
それより、みんなの攻略を助けてあげるのを優先したいな、と思って。
みんなー、早く第三の街においでー! 楽しいよー!
「あー……琥珀、入手がめんどいよな」
「うん。投網を売って、取ってきてもらうか考え中」
「そか。まぁ、その辺は好きにしたらいいんじゃね? アクセサリーはなくても攻略できるだろ」
「そうだといいねー」
ゴムも必要だし、僕が川に行って取ってくるのが早いかなー?
スラリンたちと川で遊ぶのも楽しいしね!
「サブ職のことも書いとくか?」
「うーん……そうだね。シーズンイベント参加推奨しといた方が良さそう。隠してたら、イベント終わってから『なんで教えてくれなかったんだー!』って言う人いそうだし」
「絶対いる」
「私も、後から知ったらつい言っちゃいそう」
ルトとリリが真顔で頷いた。
僕もその気持ちは理解できるから、ぜひお知らせしといてください。
「――よし、っと。大体情報は書き終わったはず」
「ありがとねー」
僕が掲示板に情報を載せるのが苦手なばかりに、ルトに頼っちゃった。ほんとありがたいよ。
「おう。――モモがテイマー目指すのを優先するってことは、しばらく天兎探しはなしか?」
「うん。残念だけど、天兎って霊峰の上層域にいるらしくて、そこの推奨レベルは35以上ってなってたから」
「うっわ……」
ルトが引いた顔をしてる。僕もその情報を見た瞬間、同じ顔してたと思う。
僕のレベルはまだ30に達してない。レベルが上がるごとに、次のレベルまでに必要な経験値量が爆上がりするから、35ってだいぶ遠いと思う。
しばらくはモンスターをテイムしながらレベリングかなー。
「30超えると、びっくりするほどレベルが上がりにくくなるらしいよ」
「そうなんだ?」
「攻略組も30くらいで足止めされてるらしいぞ」
リリとルトが追加してくれた情報で、より難度が上がった気がする。
野生の天兎に早く会いたいよー!
「この街周辺の推奨レベルはどうなの?」
「南――僕たちが来た方と西は25以上で、東と北の下層~中層が30以上だって。でも、今は特殊な討伐対象モンスターが湧いてるから、推奨レベルを上げるか検討中、ってギルドの人が言ってたよ」
検討中の情報はライリーさんからもらった。
やっぱり結界が効かないモンスター三種は強いみたい。この街でずっと冒険者をしてた人も苦戦することが多いらしいんだよねー。こわーい。
「うーん、この街、予想以上に結構危ない感じ?」
「街にモンスターが入ってくるかもって色んな人が言ってるし、それ関連のイベントが発生する気がするんだよなぁ」
首を傾げたリリに、ルトがゲーマーらしい視点で告げる。
ルト曰く「討伐対象モンスの討伐状況次第で難易度が変動する街防衛イベントが起こるんじゃないか?」だって。
そういうのあるんだ?
「え、討伐がんばった方がいい?」
テイムだー! ってルンルンしてる状況じゃないのかな。
「いや。イベントが起きるとしても、今すぐはない。全サーバーで、ほとんどのプレイヤーが第三の街に進んでからだろうな」
「そっか。それならまだ余裕ありそう」
予想だぞ、と前置きされたけど、ルトの言葉は説得力ある。
街防衛イベントの可能性は頭に置きつつ、今は好きなこと楽しんでようかな。自然とレベリングして、討伐対象モンスターとも戦うことになるんだろうし。
部屋ではリリとルトが寛いでた。
「遅かったな、モモ」
「うん。テイマーさんのとこに行った後、冒険者ギルドで情報集めてたんだー」
「へぇ?」
「良い情報あった?」
リリが興味津々な表情で尋ねてくる。ルトも掲示板に何事か書きながら、チラッと僕の方を見てきた。
「あったよー」
とりあえず、サブ職入手のための試練とモンスターの情報について話す。
お話のお供は、仙桃ミルクとウサギ印クッキー。仙桃ミルクはお店で買ったやつ。クッキーはモンちゃんにあげたのを思い出して、僕も食べたくなったんだよねー。
リリたちにも渡したら、どっちも気に入ってもらえた。特に仙桃ミルクは「美味しい!」「なんだこれ……もはやスイーツ」と二人を驚かせたみたい。
「――って感じで、僕はしばらくモンスターのテイムとサブリング入手をがんばろうと思う!」
「やっぱお前がワールドアナウンスのきっかけだったか……」
ルトにほっぺたをモニモニと揉まれる。僕は悪いことしてないよぉ!
「モモらしいね。でも、おかげでシーズンイベントにしっかり参加した方がいいってわかったし、ありがとー」
「どういたしましてー」
僕が冒険者ギルドで資料と格闘してる間、リリたちは早速裁縫士と鍛冶士のところに弟子入りしてきたらしい。
だからまだサブ職を得ることは考えてないけど、サブリングは早めに確保しておくんだって。
「ルト、掲示板書き終わった?」
「今、情報出し渋って煽ってるとこ」
「……なんで?」
リリの質問に対しての答えがおかしくない?
僕が首を傾げてたら、リリが呆れた感じで「あんまり調子に乗らないようにね」と注意した。
「おけ。――あ、モモ。攻略スレにボス戦攻略アイテム販売予定のこと載せたから」
「はーい! 明日にでも売り出せるようにするよ。木属性対応のアクセサリーは、販売時期未定だけど」
ルトと相談して、迷彩小竜対策のアイテムをドドンと売り出すことにしたんだ。
攻略者はバレるだろうけど、大した騒ぎにはならないだろうし、騒ぎになってもタマモたちがガードしてくれそうだし。
それより、みんなの攻略を助けてあげるのを優先したいな、と思って。
みんなー、早く第三の街においでー! 楽しいよー!
「あー……琥珀、入手がめんどいよな」
「うん。投網を売って、取ってきてもらうか考え中」
「そか。まぁ、その辺は好きにしたらいいんじゃね? アクセサリーはなくても攻略できるだろ」
「そうだといいねー」
ゴムも必要だし、僕が川に行って取ってくるのが早いかなー?
スラリンたちと川で遊ぶのも楽しいしね!
「サブ職のことも書いとくか?」
「うーん……そうだね。シーズンイベント参加推奨しといた方が良さそう。隠してたら、イベント終わってから『なんで教えてくれなかったんだー!』って言う人いそうだし」
「絶対いる」
「私も、後から知ったらつい言っちゃいそう」
ルトとリリが真顔で頷いた。
僕もその気持ちは理解できるから、ぜひお知らせしといてください。
「――よし、っと。大体情報は書き終わったはず」
「ありがとねー」
僕が掲示板に情報を載せるのが苦手なばかりに、ルトに頼っちゃった。ほんとありがたいよ。
「おう。――モモがテイマー目指すのを優先するってことは、しばらく天兎探しはなしか?」
「うん。残念だけど、天兎って霊峰の上層域にいるらしくて、そこの推奨レベルは35以上ってなってたから」
「うっわ……」
ルトが引いた顔をしてる。僕もその情報を見た瞬間、同じ顔してたと思う。
僕のレベルはまだ30に達してない。レベルが上がるごとに、次のレベルまでに必要な経験値量が爆上がりするから、35ってだいぶ遠いと思う。
しばらくはモンスターをテイムしながらレベリングかなー。
「30超えると、びっくりするほどレベルが上がりにくくなるらしいよ」
「そうなんだ?」
「攻略組も30くらいで足止めされてるらしいぞ」
リリとルトが追加してくれた情報で、より難度が上がった気がする。
野生の天兎に早く会いたいよー!
「この街周辺の推奨レベルはどうなの?」
「南――僕たちが来た方と西は25以上で、東と北の下層~中層が30以上だって。でも、今は特殊な討伐対象モンスターが湧いてるから、推奨レベルを上げるか検討中、ってギルドの人が言ってたよ」
検討中の情報はライリーさんからもらった。
やっぱり結界が効かないモンスター三種は強いみたい。この街でずっと冒険者をしてた人も苦戦することが多いらしいんだよねー。こわーい。
「うーん、この街、予想以上に結構危ない感じ?」
「街にモンスターが入ってくるかもって色んな人が言ってるし、それ関連のイベントが発生する気がするんだよなぁ」
首を傾げたリリに、ルトがゲーマーらしい視点で告げる。
ルト曰く「討伐対象モンスの討伐状況次第で難易度が変動する街防衛イベントが起こるんじゃないか?」だって。
そういうのあるんだ?
「え、討伐がんばった方がいい?」
テイムだー! ってルンルンしてる状況じゃないのかな。
「いや。イベントが起きるとしても、今すぐはない。全サーバーで、ほとんどのプレイヤーが第三の街に進んでからだろうな」
「そっか。それならまだ余裕ありそう」
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