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5章 もふもふいっぱい?
166.作って売って大儲け!
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宿のベッドでゴロゴロしてからログアウトして、夜食を食べてきたよ。明日は休みだから夜ふかししちゃうぞ~。
というわけで、ログインです。
「二人ともいない……」
しょんぼり。
外は日付が変わって明るくなってた。
リリとルトからは『弟子ルートのミッションがあるから、先にチェックアウトした』ってメッセージが来てる。
今日中にチェックアウトしないと、宿泊料かかっちゃうもんね。
というわけで、朝日の中で再び露天風呂を楽しんでテンションを上げてから、僕もチェックアウト。良いお宿でした~。
「まずはアイテム作りかな!」
攻略アイテムの販売をお知らせしたから、早めに作った方がいいよね。
第三の街から離れるのに名残惜しさを感じながら、第二の街にあるホームに転移する。
「――おお?」
なんだか外が騒がしいような?
ホームの窓から覗くと、たくさんの人が集まっていた。
「まだエリアボス攻略アイテムセットは販売されてませーん。他のアイテムをお求めの方はお先にお入りくださーい!」
指示を出して列を整理してるのはタマモ。
列に並ぶ人と入店する人で分かれてるけど、圧倒的に列にいる人が多い。
「これは、早く作らないとヤバい?」
タマモありがとー! と念を飛ばしてから、店内に駆け込む。
まずは買い取ったアイテムを回収。
そして、自動作成に【ペイントボール】【ファイアボム】【麻痺ボム】【青乳牛のお守り】【煙幕】のレシピを登録して、必要な素材を投入。
煙幕は新たに作った攻略アイテムだよ。敵の視界を妨害する効果があるアイテムなんだ。
ペイントボールをより効果的に使えるように利用してもらおうと思って。僕が使った【花舞】スキルの代わり。
続々と出来上がる攻略アイテムを『北の森林エリアボス攻略アイテムセット』として商品登録して販売カウンターに設定した。
購入者の希望に合わせて、それぞれのアイテム数を変えられるようになってる。でも、買えるのは、一つのアイテムは最大五個で、一日一セットまで。制限しないとすぐに売り切れちゃうだろうから。
「ふぃー……」
僕、がんばった!
続々と買いに来るプレイヤーを眺めて、達成感を味わう。
みんな、ペイントボールを最大数で買っていくなぁ。あと、ファイアボムの売れ行きもいい。
ファイアボムの素材は事前にルトが掲示板で情報を流してくれてたみたいで、買い取ったアイテムで十分賄えそう。
「……素材ゲットしたら知り合いの錬金術士に作ってもらった方が早いんじゃないかな?」
ちょっと疑問を呟く。別に僕の店に売る必要ないよね?
「モモさんが作った、という特別性が大切なんですよ!」
「あ、タマモ」
ニコッと笑って話しかけてきたタマモに、「列整理ありがとー」と手を振る。お礼にハグする?
パッと両腕を広げたら、「あぅ……幸せ……」と呻きながら抱きつかれた。お疲れさまでーす。
「モモさんが高値で買い取ってくれるから、ペイントボールを買う資金にするためっていう人も多いよ」
「アイリーンだ。久しぶり~」
ゲーム内でアイドル活動してるアイリーンは、普段ファンの人と過ごしてることが多いらしく、会うのは僕のコンサート以来かも。
タマモに抱きつかれたままアイリーンに手を伸ばしたら、優しく握手してくれた。
「久しぶりね。次のコンサート予定は決まった?」
アイリーンがそう言った途端、店内がちょっと静まった。気にせず話してた人も、次第に雰囲気に気圧されたように口を噤む。
これ、すっごく注目されてるよね?
「まだだよー。でも、そろそろ第三回の参加者抽選を始めようかなって思ってる」
「私にお任せください!」
「うん、タマモのこと頼りにしてるよ」
僕がにこにこと微笑んだら、タマモが「うふふ~ふふふふ~」と笑み崩れた顔で照れた。
「第二回参加者は当選確率が下がるんだよね。ざんね~ん」
「アイリーンとはいつか共演したいな」
当選確率についてはなんとも言えず、前に会った時に話したことを言ってみる。
アイリーンのアイドル活動を参考にできたら、もっとファンの人に喜んでもらえる気がする!
「もちろんよ! いつでも声を掛けてね」
「はーい。楽しみだねぇ」
ウインクするのがすっごく様になってていいなー。
僕もパチッとウインクしてみる。前に特訓したからできてるはず!
「可愛い!」
「……カッコいいがよかったなぁ」
「カッコいい(可愛い)よ?」
「本音は括弧の中でしょ」
「ザッツライト! 可愛いモモさん、またね」
ニコッと笑ったアイリーンが手を振って店を出て行った。
アイドル経験値の高さを感じる。僕もがんばらないと!
「モモさん、抽選はどんな方法にします? そろそろ転売対策を本格的に考えようと思ってるんですけど」
「うーん。転売かぁ……」
そんな人いる? でも、タマモがわざわざ言うってことは、ありえるんだろうな。
「――抽選券は譲渡不可にしよう。予定が合わなくて参加できない人の分は、後から再抽選に回す感じで」
「なるほど。……システムで設定できそうですね」
ヘルプなどを参照して、タマモが頷く。
第二回の抽選で外れた人を今回の第三回で当選しやすくする条件を追加して、お店でのアイテム購入者と買取にたくさんアイテムを入れてくれた人への抽選券の配布を、三日後から開始することにした。いらない人は受取拒否できる。
三日後なのは、それくらい経てば、エリアボス用の攻略アイテムセットを買い求める人の数も落ち着くだろうから、ってタマモが言ったから。
「次のコンサートはどんな感じにしようかな~」
楽しみがいっぱいだね!
というわけで、ログインです。
「二人ともいない……」
しょんぼり。
外は日付が変わって明るくなってた。
リリとルトからは『弟子ルートのミッションがあるから、先にチェックアウトした』ってメッセージが来てる。
今日中にチェックアウトしないと、宿泊料かかっちゃうもんね。
というわけで、朝日の中で再び露天風呂を楽しんでテンションを上げてから、僕もチェックアウト。良いお宿でした~。
「まずはアイテム作りかな!」
攻略アイテムの販売をお知らせしたから、早めに作った方がいいよね。
第三の街から離れるのに名残惜しさを感じながら、第二の街にあるホームに転移する。
「――おお?」
なんだか外が騒がしいような?
ホームの窓から覗くと、たくさんの人が集まっていた。
「まだエリアボス攻略アイテムセットは販売されてませーん。他のアイテムをお求めの方はお先にお入りくださーい!」
指示を出して列を整理してるのはタマモ。
列に並ぶ人と入店する人で分かれてるけど、圧倒的に列にいる人が多い。
「これは、早く作らないとヤバい?」
タマモありがとー! と念を飛ばしてから、店内に駆け込む。
まずは買い取ったアイテムを回収。
そして、自動作成に【ペイントボール】【ファイアボム】【麻痺ボム】【青乳牛のお守り】【煙幕】のレシピを登録して、必要な素材を投入。
煙幕は新たに作った攻略アイテムだよ。敵の視界を妨害する効果があるアイテムなんだ。
ペイントボールをより効果的に使えるように利用してもらおうと思って。僕が使った【花舞】スキルの代わり。
続々と出来上がる攻略アイテムを『北の森林エリアボス攻略アイテムセット』として商品登録して販売カウンターに設定した。
購入者の希望に合わせて、それぞれのアイテム数を変えられるようになってる。でも、買えるのは、一つのアイテムは最大五個で、一日一セットまで。制限しないとすぐに売り切れちゃうだろうから。
「ふぃー……」
僕、がんばった!
続々と買いに来るプレイヤーを眺めて、達成感を味わう。
みんな、ペイントボールを最大数で買っていくなぁ。あと、ファイアボムの売れ行きもいい。
ファイアボムの素材は事前にルトが掲示板で情報を流してくれてたみたいで、買い取ったアイテムで十分賄えそう。
「……素材ゲットしたら知り合いの錬金術士に作ってもらった方が早いんじゃないかな?」
ちょっと疑問を呟く。別に僕の店に売る必要ないよね?
「モモさんが作った、という特別性が大切なんですよ!」
「あ、タマモ」
ニコッと笑って話しかけてきたタマモに、「列整理ありがとー」と手を振る。お礼にハグする?
パッと両腕を広げたら、「あぅ……幸せ……」と呻きながら抱きつかれた。お疲れさまでーす。
「モモさんが高値で買い取ってくれるから、ペイントボールを買う資金にするためっていう人も多いよ」
「アイリーンだ。久しぶり~」
ゲーム内でアイドル活動してるアイリーンは、普段ファンの人と過ごしてることが多いらしく、会うのは僕のコンサート以来かも。
タマモに抱きつかれたままアイリーンに手を伸ばしたら、優しく握手してくれた。
「久しぶりね。次のコンサート予定は決まった?」
アイリーンがそう言った途端、店内がちょっと静まった。気にせず話してた人も、次第に雰囲気に気圧されたように口を噤む。
これ、すっごく注目されてるよね?
「まだだよー。でも、そろそろ第三回の参加者抽選を始めようかなって思ってる」
「私にお任せください!」
「うん、タマモのこと頼りにしてるよ」
僕がにこにこと微笑んだら、タマモが「うふふ~ふふふふ~」と笑み崩れた顔で照れた。
「第二回参加者は当選確率が下がるんだよね。ざんね~ん」
「アイリーンとはいつか共演したいな」
当選確率についてはなんとも言えず、前に会った時に話したことを言ってみる。
アイリーンのアイドル活動を参考にできたら、もっとファンの人に喜んでもらえる気がする!
「もちろんよ! いつでも声を掛けてね」
「はーい。楽しみだねぇ」
ウインクするのがすっごく様になってていいなー。
僕もパチッとウインクしてみる。前に特訓したからできてるはず!
「可愛い!」
「……カッコいいがよかったなぁ」
「カッコいい(可愛い)よ?」
「本音は括弧の中でしょ」
「ザッツライト! 可愛いモモさん、またね」
ニコッと笑ったアイリーンが手を振って店を出て行った。
アイドル経験値の高さを感じる。僕もがんばらないと!
「モモさん、抽選はどんな方法にします? そろそろ転売対策を本格的に考えようと思ってるんですけど」
「うーん。転売かぁ……」
そんな人いる? でも、タマモがわざわざ言うってことは、ありえるんだろうな。
「――抽選券は譲渡不可にしよう。予定が合わなくて参加できない人の分は、後から再抽選に回す感じで」
「なるほど。……システムで設定できそうですね」
ヘルプなどを参照して、タマモが頷く。
第二回の抽選で外れた人を今回の第三回で当選しやすくする条件を追加して、お店でのアイテム購入者と買取にたくさんアイテムを入れてくれた人への抽選券の配布を、三日後から開始することにした。いらない人は受取拒否できる。
三日後なのは、それくらい経てば、エリアボス用の攻略アイテムセットを買い求める人の数も落ち着くだろうから、ってタマモが言ったから。
「次のコンサートはどんな感じにしようかな~」
楽しみがいっぱいだね!
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