もふもふで始めるのんびり寄り道生活 便利なチートフル活用でVRMMOの世界を冒険します!

ゆるり

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5章 もふもふいっぱい?

173.着々と進めるよー

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 オレンジパンダちゃんから無事に逃げた翌日。
 お店にアイテムを並べ、リリとルトにゴムゴムトラップを売って、レナードさんに長靴を納品して報酬を受け取ってから、第三の街に向かった。

 挑むのは西のキーリ湖エリア。
 白翠獅子ヴェールオン星栗鼠ターゲアル、ホワイトスライムを探しながら、シーズンモンスターも倒すぞー!

「メロンパンとフロランタンは持ったし、準備万端」

 白翠獅子ヴェールオンの好物はメロンパン。星栗鼠ターゲアルはアーモンドたっぷりのフロランタンが好き。
 情報を集めてからすぐさまレシピを買いに行って、ちゃんとたくさん作っておいたんだよ。

 ホワイトスライムは薬草が好物らしいけど、称号効果であげなくてもテイムできる気がする。出会うのが難しいんだけどねー。

「油断しないぞー」

 たくさんの異世界の住人NPC冒険者に紛れるようにして、西のキーリ湖エリアに出発。
 キーリ湖は草原と森で囲まれてるらしい。強いと噂のモンスターはキーリ湖に近づかなければ問題ないらしいし、今日は森を探索してみる。

火の矢ファイアーアロー!」

 現れるモンスターは多種多様。でも、図書室でいっぱい調べたから、全鑑定スキルを使うまでもなく、どう戦えばいいかわかる。やっぱり知識は力だね!

 魔術や物理攻撃を駆使してモンスターを倒し、目的の存在を探す。

白翠獅子ヴェールオン~、星栗鼠ターゲアル~、ホワイトスライム~、おばけモンスター。出っておいで~!」

 呼びかけながら森を歩き、出会ったモンスターを倒すこと十分。
 なんか強そうなモンスターが近づいてくる気配を察知した。

「――おお?」

 魔術とゴムゴムトラップの準備をして待ち構える。
 藪をガサッと薙ぎ払うようにして現れたのは、黒い人影のような姿のモンスター。

「全鑑定っと。……【闇影ダークオンブル】かー。闇属性のシーズンモンスター。お決まりの物理攻撃が効かないタイプだね」

 ――シュアー!

 現れたのを目視してすぐに投げたゴムゴムトラップのおかげで、闇影ダークオンブルは地面でバタバタしてる。
 強いモンスターだと、アイテムの効果時間が短くなるみたいだし、早めに倒しちゃおう。

風の槍ウィンドランス!」

 ……一撃で倒せなかった。だよねー。
 次の魔術を放とうとしたところで、黒色の矢のようなものが飛んでくるのに気づいた。咄嗟に回避する。

「うわわっ!?」

 ギリギリのところで回避成功! エリアボス攻略のために回避スキル鍛えておいてよかったー。
 さっきの攻撃は闇影ダークオンブルの【闇矢】っていう攻撃らしい。闇属性の攻撃魔術を初めて見たよ。

 ゴムゴムトラップで捕らえてても、魔術攻撃は飛んでくるんだね。
 怖かったし、魔術を次々に放って倒すことにする。

風の玉ウィンドボール! 水の玉ウォーターボール! 木の玉ウッドボール! 土の玉アースボール! とどめにもう一回風の槍ウィンドランスだー!」

 覚えてる魔術をひたすら放ったら、ゴムゴムトラップが解除される前に倒しきれた。
 途中で飛んでくる闇矢はやっぱり怖かった! でもドロップアイテムはいい感じで嬉しい。

「【おばけのコア】十個! 効率いいね!」

 やったー、と喜びの舞をしちゃう。
 こんなことをやってる場合じゃないとは、わかってるんだけど。

「――のわっ!?」

 急に木の枝がしなって襲ってきた。
 これ、妖樹トレントだ! 木に顔がついてるようなモンスター!

火炎放射フレイムラジエーション!」

 ぼわっとすごい勢いで溢れた火が妖樹トレントを直撃した。だいぶ体力を削れたみたい。

 木の根や枝の攻撃を避けながら、火の玉ファイアーボール火の矢ファイアアローを放つ。火炎放射フレイムラジエーションはクールタイムが長いから困っちゃうなぁ。

「――いぇーい、勝利!」

 なんとか微ダメージ程度で倒しきった。負ったダメージもすぐ回復したし問題なし。
 次のモンスターを探しに移動しようとしたところで、木の陰にいる白い塊を発見!

「もしかして、ホワイトスライム?」
「ぴぅ」

 スラリンを白くしたようなモンスターがぴょこっと跳ねた。『こんにちはー』と言われた気がする。

「君のこと探してたんだよー」
「ぴぅ?」
「ねぇ、僕と一緒に冒険しない?」

 早速勧誘。称号効果でホワイトスライムにも好かれてるみたいだし、これでいけそう。一応薬草も準備してるけど。

 ホワイトスライムは『ぼく、つよくないよ?』と心配してるっぽい。でも、友だちになるのに強さは関係ないんだよ。

「暗いところでのライト代わりとか、テイムしてるスラリンと一緒に漁をするとか、活躍できる機会はいっぱいあるよ」
「ぴぅ……ぴ!」

 悩んでたけど『あなたのこと、なんだかすきだから、ついてくー』という感じの返事があった。やっぱりスライムに好かれる称号強すぎる。

「じゃあ、【テイム】!」

 このスキル久々だなー、と思いながらホワイトスライムにテイムを掛けた。
 すぐさまテイムの光る演出が始まって、アナウンスが聞こえてくる。

〈野生のホワイトスライムをテイムしました。モンスターカードが贈られます。名前をつけますか?〉

 おぉ、久々の難題が来た。僕、名前を考えるの苦手なんだよー。でも、ホワイトスライムが期待に満ちた目をしてるから、がんばって考えよう。

 真っ白なホワイトスライムを見ながら頭に浮かんだのは、雪だるま。ホワイトスライムは雪でできてないけど、なんとなくイメージが重なる。
 スノウマンっていう名前のモンスターはいた気がするし――。

「うーん……じゃあ、名前はユキマルで!」

 ルトに呆れられそう。リリには微笑ましげに見られそう。
 なんとなく想像できちゃったけど、もう決めたんだ!

〈ホワイトスライムの個体名をユキマルに設定しました〉

 アナウンスと同時に、ユキマルが『わーい!』と跳ねた。

〈【モンスター空間(草原)】に空きがあります。ホワイトスライム【ユキマル】を入れますか?〉

「入れてくださーい」

 ユキマルにバイバイ、と一旦お別れを告げる。
 次に召喚した時は一緒に冒険したいな。

「テイムモンスター三体目、ゲットだよ!」

 くるくる回って喜びを表現。
 この調子で白翠獅子ヴェールオン星栗鼠ターゲアルもゲットするぞー!

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