もふもふで始めるのんびり寄り道生活 便利なチートフル活用でVRMMOの世界を冒険します!

ゆるり

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5章 もふもふいっぱい?

(番外編)スラリンと仲間たち

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 ぽよんと跳ねる。草原は居心地がいい。
 ここは不思議な空間だ。大好きなモモと出会ってから、ここに連れてきてもらったけど、あまり時間の長さを感じず、のんびりと穏やかな気分で過ごせる。

 もちろん、大好きなモモと一緒に過ごすのが一番楽しいけどね!
 早く喚んでくれないかな~。僕はモモとお魚とったり、モンスターを倒すのが好き。喜んでもらえると嬉しいもん。

 だから、僕はこの場所でもせっせと漁やバトルのイメージトレーニングをしてるんだ。
 前回の魚取りで、スキル【漁】を習得したから、次はもっとたくさん取れるはず!

『スラリン、何してるの?』
『魚をとる練習! ユキマルもする?』
『うん!』

 近づいてきたユキマルに漁のコツを教える。まだ初心者だから上手くないだろうけど、一緒にがんばろうね。

 最初は僕一匹だったこの空間も、今は三匹で過ごす場所になった。

 僕の次に来たのはピア。ビンクの丸いふわふわに丸っこい耳がついた感じのモンスターだよ。モモは「テディベアの頭みたいー」と喜んでた。
 召喚されてなくても、モモが感じてることはなんとなく伝わってくるんだ。

 ピアの次に来たのは、ホワイトスライムのユキマル。僕よりできることが多くて、ちょっぴり羨ましい。僕だって、もっとモモの役に立ちたい。
 でも、僕は先輩だから、ちゃんといろんなことをユキマルに教えてあげてるんだ。

 ……ピアはどうしたって?
 うん、あの子、すごくマイペースなんだよね。教えてあげようと思っても、『昼寝する~』ってどこかに行っちゃうの。もう、そんなんじゃ、モモに喚んでもらえないよ。

 ――そんなことを、モモにテイムされた仲間のオギンに愚痴ってる。

 オギンはこの場所にいないんだ。性質がこの空間に合わないんだって。
 良い話し相手だから残念だけど、モモにテイムされた絆を通じて、言葉を交わすことができるからまぁいいっか。

 あ、オギンは一番最近テイムされたモンスターだよ。大きな白銀の狐なんだ。カッコよくて羨ましい。

『またピアが逃げたんだよー。漁のやり方教えようと思ったのに』
『モンスターそれぞれ性質が違うのだから仕方ないんじゃない?』

 ふふ、と微笑ましそうに言うオギンに、ついプクッと膨れて拗ねちゃう。
 まるで丸河豚バルーンフグみたいだなって思うけど、モモも頬を膨らませることがあるから、お揃いだよ。

『そうかなぁ。……ペタは漁に興味あるかな?』
『あの子は湖で暮らすタイプだけれど、海でも泳げるらしいから、モモの釣りのお手伝いをできると思うわよ。一人で潜って、魚や貝をとってこれるかもしれないわね』
『そっか! じゃあ、いろいろ教えてあげよう!』

 海っていろんなモンスターがいるんだ。ちょっと危ないのもいるし、注意が必要。だから、僕が知ってる限りのことを教えてあげなきゃ。

 早速テイムの絆を通してペタに声を掛けてみる。

『ペター、今時間ある?』
『寝てる』
『……寝てたら返事できなくない?』

 一瞬、それなら今度にしようかな、って思っちゃったじゃん!
 オギンがくすくす笑ってるのが聞こえてくる。これ、どっちに笑ってるんだろう?

『ぼく、頭の半分で寝て、半分は起きてるんだ』
『え、そうなんだ!?』

 衝撃の事実だ。
 思わずぴょんと跳ねて驚いたら、横にいたユキマルも跳ねた。なんだか楽しくなって、ぴょんぴょんと跳ねちゃう。

 リズムはモモの歌【もふもふプリティ】だ。一緒にたくさん練習したから、ずっとリズムが記憶されてるんだ。楽しい~。

『――ハッ、違う、そんなことより、ペタ!』
『なに? ちなみに、さっきのは嘘だよ』
『え、本当だと思ってたよ!?』

 オギンが『あはは! スラリンってば、可愛いんだから』と笑ってる。
 可愛いと言われるのは嬉しい。だって、それは最高の褒め言葉なんでしょ? 言われる度に、モモがすっごく喜んでるもん。

『ねー、次にチョコ食べられるのはいつかなー?』
『ショコラ、相変わらずチョコが好きだね』

 急に話しかけてきたショコラにちょっぴり呆れちゃう。
 モモとご飯食べる度に、ショコラはチョコを使ったお菓子ばっかり食べてるんだよ。こうして、ここで過ごしている時にも頻繁に『チョコ食べたいなー』って言ってる。

『モモが作ったチョコのお菓子は大好物だよー。幸せの味がするからねー』
『……それは僕も分かってるよ』

 初めてモモが料理を作った頃から、僕はモモと一緒にいるんだもん。最初に食べたお刺身、美味しかったな~。
 もちろん、他の料理も美味しいよ。モモはどんどん料理が上手くなる。きっとこの世界で一番になれるよ!

『モンスター倒したら、くれるかなー?』
『うーん……くれると思うけど、バトルが今後増えるといいね』

 モモはあんまりバトルに喚んでくれない。
 それはこれまで、モモがテイマーじゃなかったから、指示を出しにくかったせいらしい。だから、これからはたくさん喚んでもらえるかも?

 ……でも、僕、他のみんなと違ってレベルが高くないから、どうだろう。
 漁で役に立つのは嬉しいけど、バトルでも活躍して、モモにカッコいいって思ってもらいたいな!

『――よし、僕もがんばる!』
『うんー?』

 急に僕が気合いを入れたから、ショコラは不思議そう。

『ふふ、応援するわ。私が一緒の時は、フォローしてあげるわよ』
『ほんとに? ありがとう!』

 オギンは一番戦闘能力が高いから、頼りになる。
 一番ステータスが高いピアは応用がきかないから、バトルで召喚される機会は少なそう。即死攻撃を使って一瞬で勝負をつけるの、モモはあんまりしたくないみたいだ。

『一緒にがんばるよー』
『うん、ユキマルもありがとう』

 むぎゅっと抱きついてくるユキマルに抱きつき返す。
 明日は僕たちを喚んでくれるかなー。

 ……あれ? 何かを忘れてるような?
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