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6章 どたばた大騒動?
198.特別なお仕事
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イグニスさんのことを説明したら、モンちゃんは『頭痛が痛い』みたいな顔をしてた。レアナさんは「あらまぁ」と微笑んでる。少し口元が引き攣っているように見えなくもないけど。
「……そうか。それなら、お前に様子見を頼んだほうがいいのか?」
「どういうこと?」
「俺は国王陛下から、定期的に古竜の様子を確認するよう頼まれてるんだ。本来まだ報告を上げる時期じゃないんだが、目立った動きがあったからには、一応確認する必要がある」
さすが国一番のテイマーだ。国王から頼み事をされるなんて。
「第二の街の門衛さんには、イグニスさんの話をしたよ?」
「冒険者一人、しかも異世界からの旅人の報告じゃ、信憑性が薄いし、上には届いてないだろうな」
なんと。せっかくがんばってお話したのにぃ。
しょんぼりと肩を落としていたら、慰めるように頭をポンポンと撫でられた。
「……僕が改めて様子を見に行ったところで、信憑性がないなら、意味ないってことになるんじゃない?」
「俺がモモから聞いたことを報告として上げれば問題ない。モモの情報が正しいと、俺が保証することになるからな」
当たり前のようにさらっと言ったけど、それって、モンちゃんが僕のことすごく信頼してるってことだよね。なんか嬉しいかも。
上目遣いで窺ったら、モンちゃんは「うん?」と不思議そうに首を傾げた。レアナさんが微笑ましそうに見守ってる。
「様子見ってなにするの?」
「古竜が暴れる様子がないか、困ったことはないか――とにかく古竜の周りで異常がないかを確認するんだ。万が一、人に対して悪感情が芽生えていたら、それを解消するよう努めなけりゃならねぇからな」
「へぇ、よくわかんないけど、おしゃべりして『困ったことありませんかー』って聞けばいいんだね?」
僕が頷きながら言ったら、モンちゃんはなんとも言えない表情で「簡単なことみたいに言いやがる」と呟いた。
どういう意味だろう?
「……モモが、それをできるって言うんなら、そうしてくれるのが一番良いな。くれぐれも不興を買わねぇようにするんだぞ」
「うん、たぶん大丈夫」
イグニスさんのことをよく知ってると断言はできないから、曖昧にしか答えられない。
「モモなら、やらかすことはあっても、たいていのことは大丈夫にしてくれる気がする」
「それは褒められてるのかな?」
「好きなように受け取れ」
「そっか。じゃあ、ありがとー」
「自己肯定感が高いのは良いことだ」
僕の長所です。
ふんす、と胸を張ったところで、モンちゃんから紙を渡された。『依頼書』と書かれてる。
〈テイマー・モンハから上級特別任務『古竜の観察』を依頼されました。はじまりの街・ノース街道サクノ山で古竜を観察し、その様子をモンハに報告しましょう〉
アナウンスの後、改めて依頼書を確認する。達成報酬は『???』となってた。なにをもらえるんだろう?
というか上級特別任務って初めて聞いた。
ヘルプによると、異世界の住人の中でも、王や領主から任された依頼のことを特別任務と呼ぶらしく、特級・上級・中級・下級で分かれてるらしい。
いきなり上級かー。よくわかんないけど、すごそう。
「受けてくれるよな?」
「うん、任せてー」
イグニスさん、怒らせたら怖いだろうけど、普通に話すだけなら問題ないはず。
僕が請け負ったら、モンちゃんは「第三の街が心配だ」と言って、レアナさんを連れてそそくさと帰っちゃった。
あの街、そんなにヤバい状態なのかな? そんな感じには思えないんだけどなぁ。
不思議に思いながらも、とりあえず受けた任務をがんばろうと、ノース街道に向かうことにした。
◇◆◇
イグニスさんがいるところまでは、長い洞窟を通らなきゃいけない。
良い機会だからテイムしたモンスターたちとの連携を高めようと思って、召喚してみた。
「【召喚】スラリン、ユキマル」
突進土竜が掘った穴を通るので、体が大きなショコラたちは喚べない。ということで、今回はスライム二体と一緒に進むよ。
「きゅい!」
「ぴぅ!」
やる気十分なスラリンの横で、ユキマルが周囲を見渡した途端、ピカッと白く光った。泡光スキルで周囲を照らしてくれてるんだ。便利!
「敵が近づいてきたら、警戒色お願いねー。スラリンは攻撃だよ」
指示を出すと、二体ともぽよんと跳んで『まかせてー』と答えてくれた。ほんと頼りになる仲間だよ。
僕は補助スキルを使っておこうかな。
天からの祝福と天の祈り、あとは歌唱スキルの意気高揚と回復効果アップ。これくらいでオッケー?
二体を先頭にして、突進土竜が掘った穴をてくてくと進む。
「ぴぅ」
「きゅーい!」
ユキマルが赤く光ったかと思うと、少し後に現れた突進土竜にスラリンが体当たりをした。
怯ませたところで、突進土竜を包み込むようにして溶解・吸収し始める。ユキマルは応援するように体を揺らしていた。
「このへんのモンスターは、もうスラリンたちの敵にならないねー」
適正レベルを考えると、スラリンがちょうどいいくらい? 多少ダメージを受けても、僕の回復スキルでなんとかなってるし、問題なさそう。
この調子でサクサク進んじゃおー!
「……そうか。それなら、お前に様子見を頼んだほうがいいのか?」
「どういうこと?」
「俺は国王陛下から、定期的に古竜の様子を確認するよう頼まれてるんだ。本来まだ報告を上げる時期じゃないんだが、目立った動きがあったからには、一応確認する必要がある」
さすが国一番のテイマーだ。国王から頼み事をされるなんて。
「第二の街の門衛さんには、イグニスさんの話をしたよ?」
「冒険者一人、しかも異世界からの旅人の報告じゃ、信憑性が薄いし、上には届いてないだろうな」
なんと。せっかくがんばってお話したのにぃ。
しょんぼりと肩を落としていたら、慰めるように頭をポンポンと撫でられた。
「……僕が改めて様子を見に行ったところで、信憑性がないなら、意味ないってことになるんじゃない?」
「俺がモモから聞いたことを報告として上げれば問題ない。モモの情報が正しいと、俺が保証することになるからな」
当たり前のようにさらっと言ったけど、それって、モンちゃんが僕のことすごく信頼してるってことだよね。なんか嬉しいかも。
上目遣いで窺ったら、モンちゃんは「うん?」と不思議そうに首を傾げた。レアナさんが微笑ましそうに見守ってる。
「様子見ってなにするの?」
「古竜が暴れる様子がないか、困ったことはないか――とにかく古竜の周りで異常がないかを確認するんだ。万が一、人に対して悪感情が芽生えていたら、それを解消するよう努めなけりゃならねぇからな」
「へぇ、よくわかんないけど、おしゃべりして『困ったことありませんかー』って聞けばいいんだね?」
僕が頷きながら言ったら、モンちゃんはなんとも言えない表情で「簡単なことみたいに言いやがる」と呟いた。
どういう意味だろう?
「……モモが、それをできるって言うんなら、そうしてくれるのが一番良いな。くれぐれも不興を買わねぇようにするんだぞ」
「うん、たぶん大丈夫」
イグニスさんのことをよく知ってると断言はできないから、曖昧にしか答えられない。
「モモなら、やらかすことはあっても、たいていのことは大丈夫にしてくれる気がする」
「それは褒められてるのかな?」
「好きなように受け取れ」
「そっか。じゃあ、ありがとー」
「自己肯定感が高いのは良いことだ」
僕の長所です。
ふんす、と胸を張ったところで、モンちゃんから紙を渡された。『依頼書』と書かれてる。
〈テイマー・モンハから上級特別任務『古竜の観察』を依頼されました。はじまりの街・ノース街道サクノ山で古竜を観察し、その様子をモンハに報告しましょう〉
アナウンスの後、改めて依頼書を確認する。達成報酬は『???』となってた。なにをもらえるんだろう?
というか上級特別任務って初めて聞いた。
ヘルプによると、異世界の住人の中でも、王や領主から任された依頼のことを特別任務と呼ぶらしく、特級・上級・中級・下級で分かれてるらしい。
いきなり上級かー。よくわかんないけど、すごそう。
「受けてくれるよな?」
「うん、任せてー」
イグニスさん、怒らせたら怖いだろうけど、普通に話すだけなら問題ないはず。
僕が請け負ったら、モンちゃんは「第三の街が心配だ」と言って、レアナさんを連れてそそくさと帰っちゃった。
あの街、そんなにヤバい状態なのかな? そんな感じには思えないんだけどなぁ。
不思議に思いながらも、とりあえず受けた任務をがんばろうと、ノース街道に向かうことにした。
◇◆◇
イグニスさんがいるところまでは、長い洞窟を通らなきゃいけない。
良い機会だからテイムしたモンスターたちとの連携を高めようと思って、召喚してみた。
「【召喚】スラリン、ユキマル」
突進土竜が掘った穴を通るので、体が大きなショコラたちは喚べない。ということで、今回はスライム二体と一緒に進むよ。
「きゅい!」
「ぴぅ!」
やる気十分なスラリンの横で、ユキマルが周囲を見渡した途端、ピカッと白く光った。泡光スキルで周囲を照らしてくれてるんだ。便利!
「敵が近づいてきたら、警戒色お願いねー。スラリンは攻撃だよ」
指示を出すと、二体ともぽよんと跳んで『まかせてー』と答えてくれた。ほんと頼りになる仲間だよ。
僕は補助スキルを使っておこうかな。
天からの祝福と天の祈り、あとは歌唱スキルの意気高揚と回復効果アップ。これくらいでオッケー?
二体を先頭にして、突進土竜が掘った穴をてくてくと進む。
「ぴぅ」
「きゅーい!」
ユキマルが赤く光ったかと思うと、少し後に現れた突進土竜にスラリンが体当たりをした。
怯ませたところで、突進土竜を包み込むようにして溶解・吸収し始める。ユキマルは応援するように体を揺らしていた。
「このへんのモンスターは、もうスラリンたちの敵にならないねー」
適正レベルを考えると、スラリンがちょうどいいくらい? 多少ダメージを受けても、僕の回復スキルでなんとかなってるし、問題なさそう。
この調子でサクサク進んじゃおー!
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