もふもふで始めるのんびり寄り道生活 便利なチートフル活用でVRMMOの世界を冒険します!

ゆるり

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6章 どたばた大騒動?

235.レイドイベントの後には

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 レイドイベント終了とストーリークリアのアナウンスがあって、盛り上がってるみんなと合流した。

 みんなが一番興奮してるのは、イグニスさんを見たことのようにも思えるけど。イグニスさんの見た目、強そうでカッコいいもんねぇ。

「おかえり、モモ」
「ただいまー、ルト。……あ!」

 出迎えてくれたルトを見て思い出す。
 僕、ルトをイグニスさんに紹介するつもりだったのに忘れてた!

 ルトはホッとした感じで笑ってる。僕が忘れてることに気づいてたな。言ってくれたら良かったのに。

「俺、古竜エンシェントドラゴンの友だちは欲しくねぇから」
「いろいろ助けになってくれるかもよ?」
「それ以上に苦労が多そう」

 そう言われてしまうと僕も納得しちゃうからなにも言えない。

「ちぇっ、ルトも巻き込もうと思ってたのに」
「モモだけで手一杯だ」

 どういう意味?
 まぁ、ちょっと苦労を掛けてる気がしなくもないので、イグニスさんに紹介するのは諦めよう。間接的に巻き込めばいいんだし。

「モモさん、お疲れさまです!」
「タマモもお疲れー」

 瞬間移動のような速度で駆け寄ってきたタマモに手を振る。元気そうで良かったー。

「死に戻りしかけたって聞いたけど、タマモちゃんはモモがいるだけで元気いっぱいだねぇ」

 リリがほのぼのと言いながら微笑んでる。タマモ、死に戻りしかけたの?

「モモさんがいれば、疲れなんて吹っ飛びますから。モモさん、古竜エンシェントドラゴンとのツーショットありがとうございます!」
「うん? よくわかんないけど、楽しめたってこと?」
「はい! 大きな竜に乗る小さいウサギ、最高にカッコよくて可愛かったです!」

 興奮した感じでニコニコしてるタマモに、僕も微笑む。客観的に見てみたかったから、スクショを送ってと頼んでおいた。

「あ、そういえば、イグニスさんに乗って第三の街の周囲を飛んでたら、霊峰近くで天兎アンジュラパの集団と出会ったよー。可愛かった!」
「は……」

 タマモが笑顔のまま固まった。リリが小声で「萌えの過剰供給」って呟いてる。
 想像だけできゅんきゅんしちゃう? その気持ち、僕もわかるかも。天兎アンジュラパの集団は本当に可愛かったし。

「これから祝勝会するんだってよ。街中はもうパーティー状態みたいだし。聖夜に合わせたマーケットも開かれてるぞ」

 ルトがタマモの状態をスルーして、僕を街中へと促す。

「街の人、対応が早すぎじゃない? ついさっきまで、街が襲撃されてたんだよ? 街に被害が出なかったとはいえ、もうお祭り騒ぎなの?」
「ここしばらくずっと警戒状態だったから、安心感からテンション爆発したんじゃね?」

 リリや希少種会のみんなもゾロゾロと引き連れて街に入ると、どこもかしこもイルミネーションで煌めいていた。飾り付けるのが早いね!? さすがゲーム世界……?

「モモ、レイドイベント活躍度一位だったから、報酬もいっぱいだったでしょ。ストーリークリアの報酬は私たちと同じかな?」
「え、一位ってなに?」

 慌てて通知を確認した。イグニスさんとの散歩中にたくさんアナウンスがあったけど、ほとんど聞き流してたんだよね。空から見る景色が楽しすぎたんだもん。

「――あ、ほんとに一位だ……」

 運営から『レイドイベント活躍度一位報酬』という連絡が来てて、たくさんの報酬がプレゼントされてた。報酬の詳細は後で確認しよう。便利そうな素材やアイテムがいっぱいで嬉しい。

 ストーリークリア報酬は【領主家パーティーへの招待状】だった。そこで褒賞をもらえるらしい。美味しい料理も食べられるんだって。忘れずに行かなくちゃ!
 一番の報酬は、その後に書かれてた【王都滞在許可証】だけど。これがあれば、王都に入れるんだよ!

「一緒に王都に行く?」
「うーん、タイミングが合えば、かな」
「そっか。一応、私たちが行くときに連絡するね」

 リリと約束して微笑む。
 王都は西のキーリ湖エリアを進んだところにあるらしいし、僕とスラリンたちだけでも行けるはず。エリアボスがいるわけでもないみたいだから。

 今はそれを考えるよりも、街中の雰囲気が気になってしかたないんだけど! すっごくクリスマス感いっぱいで楽しい!

「あれ、ホットワインだって! ノンアルコールの! 美味しいのかな?」
「ああいうのは、シナモンとかフルーツとか入って、普通のワインより飲みやすくなってるはずだぜ。モモにはたくさんがんばってもらったから、俺がおごってやろう!」

 たくさん並んでる屋台を見て、ツッキーが一目散に駆け出した。たぶん、アルコール飲料を買うついでにおごってくれるんだと思う。

「……ツッキーはお酒飲めるのかぁ」
「成人してるからにゃ。――あたいはシュトーレンを買ってきてあげるにゃ」
「別におごってくれなくていいんだよ?」

 僕はレイドイベントを楽しんでただけだから、ねぎらわれる必要はないんだけど。
 ムギは「子どもにクリスマスプレゼントを贈るだけにゃ」と言って、買いに行った。そっか、クリスマスプレゼントか。

「——僕もみんなにプレゼント贈りたい!」

 もふもふ教のみんなのおかげで東のエリアボスを倒せたし、ストーリーが上手くいったのはピアやユキマル、スラリンのおかげだし。みんなにお礼代わりのプレゼントをしたい。聖夜のマーケットで買おうかな?

 ツッキーにもらったホットワイン(ノンアルコール)を飲みながら屋台を物色する。

 ちょっと渋みがあるぶどうジュースにオレンジやシナモンなどのハーブが入った飲み物は、大人な感じがして楽しい。美味しいのは普通のジュースだと思うけど。お子様舌なのはしかたないよね。

 ムギが買ってきてくれたシュトーレンは、砂糖でコーティングされた焼き菓子だった。洋酒の風味とドライフルーツが美味しい!
 ソウタももらって、嬉しそうに食べてた。

「クリスマスらしいプレゼントがいいかな~?」

 可愛い置物とか売ってるけど、いまいちピンと来ない。自分でケーキでも作ろうかなぁ。
 僕が悩んでたら、傍でルトがフッと笑った。

「モモが贈って一番喜ばれるプレゼントは、歌って踊ることじゃね? みんなに約束してたんだし、ちょうど祝勝会もあるんだから、そこで披露してやればいいだろ」
「おお? ナイスアイディア!」

 そっか、プレゼントって物じゃなくてもいいんだね。
 それなら楽しいパーティーをしちゃおう♪

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