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7章 世界が広がっていくよ
255.準備万端です?
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領主城で美味しいものいっぱい食べて満足!
お店で売る料理の参考にもなったから、パーティー参加して良かったー。すぐさま家に帰っていろんなレシピで料理作っちゃったよ。熱中しすぎて、もう朝になっちゃった。
「すき焼き風おにぎり! うまうま~」
現在試食中。
どうしてもすき焼きを冒険中に食べやすい感じにしたくて、おにぎりに入れてみた。牛っぽいモンスターのお肉を甘辛く煮付けたんだ。おにぎりの中心には、うずらの卵みたいな大きさのモンスターの卵を半熟味玉にして入れてる。
「きゅぃ(お肉に卵が絡んで美味しいねぇ)」
「ぴぅ(ボク、この味好き~)」
「お、ユキマルのお気に入り? 僕もこれ好きー」
僕たちも食べられるように作り置きしてアイテムボックスに入れておこう。
「きゅーきゅい(私、このナッツチョコレートバーが好きよ)」
「さすがナッティ。それが好きだろうなぁって予想通り」
ナッティがカリカリとバーをかじってる。
バーは見るからに栄養補助食品っぽいクッキーなんだけど、しっかり味にこだわったんだよ。隠し味はコーヒー!
「キュオ(だし巻き卵も美味しいわ)」
「でしょー。串に刺して、食べ歩きしやすくしてあるんだ!」
別で用意した串を一緒に料理すれば、たいていの料理は串に刺さった状態で完成すると発見したので、いろいろと作ってみた。
揚げ物とか、おでんとか、焼き魚とか。なんでも片手で持って食べやすいよー。きっと売れるはず!
「寒いところでほかほか料理を食べられるように、カップ入りでも用意したんだー」
「くるる(鍋料理?)」
「うん! 味はすき焼きとか、キムチ鍋とか、しょうゆ寄せ鍋とか、豆乳鍋とか……いっぱい!」
レベルキャップ解放を目指して、北の霊峰に挑戦してる人が多いらしいので、需要があると思うんだよねぇ。セーフティエリア内も寒いから、あったかいものを食べたくなるはず。
「キュオ(モモは商売上手ねぇ)」
緩やかに尻尾を振りながら褒めてくれたオギンに「もっと言ってくれていいんだよ?」と胸を張る。褒め言葉はいくらでも歓迎します。
「きゅぃ(モモは北の霊峰にいつ行くの?)」
スラリンが期待に満ちた目で見上げてきた。戦う機会があるのが嬉しいんだろう。
「うーん……今日行く?」
東の鉱山ダンジョンとどちらを優先するか考えてたけど、北の霊峰の方がササッと終われそうだよね。ついでに魔術も鍛えたい。
「きゅぃ(行く! 僕、流星を使ってみたいな)」
「あ、そっか。覚えてから一度も使ってなかったねー」
スキルリストで習得させたスキルだけど、クールタイムが長いから使い所が難しかったんだ。北の霊峰のモンスターなら強いだろうし、試してみるのはいいかも。
「ぴぅ(ボクの謎光線も!)」
「そうだね。ユキマルも新しいスキルを試そっか」
「キュオ(北の霊峰なら、私が活躍しやすいわよ?)」
「うん、頼りにしてるよ!」
レベルキャップ解放を目指すパーティメンバーは、今のところスラリンとユキマルとオギン。あと二枠あるけど、どうしようかなぁ。
「きゅーきゅい(寒いところも、強いモンスターとの戦いも、私は苦手だわ……)」
「ナッティが活躍できる機会は他であるから! 気にしないでー」
しょんぽりと尻尾を垂らすナッティを慰める。たぶんナッティは東の鉱山ダンジョンですごく活躍してくれるはず。それまでは他の子に活躍を譲ってあげて。
「くるる(そうそう。僕も行かないしー)」
「ペタも行かないんかい」
一緒にナッティを慰めてくれるのかと思ったけど、ペタは不参加表明をしただけだった。なんで?
「くるる(寒いところキライー)」
「そうなんだ? 無理強いするつもりはないから、じゃあペタはお留守番ね」
「キュオ(じゃあ、あとはショコラとピア?)」
「うん。ショコラも強いし、ピアはいざという時がんばってくれるだろうから」
ピアはほぼふらふら遊んでるだけになりそうだけど。
そんなことを思いつつ、パーティー編成決定!
オギンを除く全員分の防寒対策があるのを確認して、早速北の霊峰に出発だ。
◇◆◇
イグニスさんがやって来た時ぶりの北の霊峰は、白い雪で覆われてやっぱり寒い。僕は自前の毛皮があるから、人間ほど寒さを感じずにいられてると思うんだけど。
「ほかほかアイテムどうぞー」
すぐさま防寒アイテムを配布して、僕も使用する。あったかーい。
久々に雪ん狐の服も着た。オギンがちょっと嬉しそう。似てるもんね~。狐仲間!
街から離れると地面を覆う雪が深くなり、僕やスラリン、ユキマルはオギンに乗って移動する。快適だ。
「くまま(【岩槍】ー!)」
「キュオ(【氷柱】)」
「もふ」
敵のモンスターが現れると、ショコラとオギンが遠距離攻撃で先制してくれる。
ピアもなんか言ってるけどたぶん意味はない。ショコラたちの戦いぶりを『すごーい』って楽しんでるだけだと思う。
僕も魔術を鍛えるぞ! 氷属性には火属性が効く――つまり火魔術のレベリングをするのに良い機会だ。
「【火の矢】!」
杖で敵を指したら、ビュンッと矢の形の火が飛んだ。モンスターに当たった瞬間に、破裂するように火の粉が散る。
魔術って派手な見た目だよねぇ。体感的には蹴り技の方がスカッとするから気持ちいいんだけど、見るのは魔術の方が好き。
みんなで敵の攻撃をできる限り避けながら、ガンガンと攻撃を与え続ける。
「きゅぃ(雪を【発射】ー!)」
スラリンが周囲にあった雪を取り込み、勢いよく発射した。それはすでに瀕死状態になっていた敵に当たり、体力を削り切る。
「みんな、がんばったね~。この調子で行こうか!」
まだこの辺りは霊峰の下層だから、サクサクとバトルを進められる。それなりに経験値をもらえるから、中層に着く頃にはスラリンたちのレベルアップもできて、もっと戦いやすくなってるかも。
お店で売る料理の参考にもなったから、パーティー参加して良かったー。すぐさま家に帰っていろんなレシピで料理作っちゃったよ。熱中しすぎて、もう朝になっちゃった。
「すき焼き風おにぎり! うまうま~」
現在試食中。
どうしてもすき焼きを冒険中に食べやすい感じにしたくて、おにぎりに入れてみた。牛っぽいモンスターのお肉を甘辛く煮付けたんだ。おにぎりの中心には、うずらの卵みたいな大きさのモンスターの卵を半熟味玉にして入れてる。
「きゅぃ(お肉に卵が絡んで美味しいねぇ)」
「ぴぅ(ボク、この味好き~)」
「お、ユキマルのお気に入り? 僕もこれ好きー」
僕たちも食べられるように作り置きしてアイテムボックスに入れておこう。
「きゅーきゅい(私、このナッツチョコレートバーが好きよ)」
「さすがナッティ。それが好きだろうなぁって予想通り」
ナッティがカリカリとバーをかじってる。
バーは見るからに栄養補助食品っぽいクッキーなんだけど、しっかり味にこだわったんだよ。隠し味はコーヒー!
「キュオ(だし巻き卵も美味しいわ)」
「でしょー。串に刺して、食べ歩きしやすくしてあるんだ!」
別で用意した串を一緒に料理すれば、たいていの料理は串に刺さった状態で完成すると発見したので、いろいろと作ってみた。
揚げ物とか、おでんとか、焼き魚とか。なんでも片手で持って食べやすいよー。きっと売れるはず!
「寒いところでほかほか料理を食べられるように、カップ入りでも用意したんだー」
「くるる(鍋料理?)」
「うん! 味はすき焼きとか、キムチ鍋とか、しょうゆ寄せ鍋とか、豆乳鍋とか……いっぱい!」
レベルキャップ解放を目指して、北の霊峰に挑戦してる人が多いらしいので、需要があると思うんだよねぇ。セーフティエリア内も寒いから、あったかいものを食べたくなるはず。
「キュオ(モモは商売上手ねぇ)」
緩やかに尻尾を振りながら褒めてくれたオギンに「もっと言ってくれていいんだよ?」と胸を張る。褒め言葉はいくらでも歓迎します。
「きゅぃ(モモは北の霊峰にいつ行くの?)」
スラリンが期待に満ちた目で見上げてきた。戦う機会があるのが嬉しいんだろう。
「うーん……今日行く?」
東の鉱山ダンジョンとどちらを優先するか考えてたけど、北の霊峰の方がササッと終われそうだよね。ついでに魔術も鍛えたい。
「きゅぃ(行く! 僕、流星を使ってみたいな)」
「あ、そっか。覚えてから一度も使ってなかったねー」
スキルリストで習得させたスキルだけど、クールタイムが長いから使い所が難しかったんだ。北の霊峰のモンスターなら強いだろうし、試してみるのはいいかも。
「ぴぅ(ボクの謎光線も!)」
「そうだね。ユキマルも新しいスキルを試そっか」
「キュオ(北の霊峰なら、私が活躍しやすいわよ?)」
「うん、頼りにしてるよ!」
レベルキャップ解放を目指すパーティメンバーは、今のところスラリンとユキマルとオギン。あと二枠あるけど、どうしようかなぁ。
「きゅーきゅい(寒いところも、強いモンスターとの戦いも、私は苦手だわ……)」
「ナッティが活躍できる機会は他であるから! 気にしないでー」
しょんぽりと尻尾を垂らすナッティを慰める。たぶんナッティは東の鉱山ダンジョンですごく活躍してくれるはず。それまでは他の子に活躍を譲ってあげて。
「くるる(そうそう。僕も行かないしー)」
「ペタも行かないんかい」
一緒にナッティを慰めてくれるのかと思ったけど、ペタは不参加表明をしただけだった。なんで?
「くるる(寒いところキライー)」
「そうなんだ? 無理強いするつもりはないから、じゃあペタはお留守番ね」
「キュオ(じゃあ、あとはショコラとピア?)」
「うん。ショコラも強いし、ピアはいざという時がんばってくれるだろうから」
ピアはほぼふらふら遊んでるだけになりそうだけど。
そんなことを思いつつ、パーティー編成決定!
オギンを除く全員分の防寒対策があるのを確認して、早速北の霊峰に出発だ。
◇◆◇
イグニスさんがやって来た時ぶりの北の霊峰は、白い雪で覆われてやっぱり寒い。僕は自前の毛皮があるから、人間ほど寒さを感じずにいられてると思うんだけど。
「ほかほかアイテムどうぞー」
すぐさま防寒アイテムを配布して、僕も使用する。あったかーい。
久々に雪ん狐の服も着た。オギンがちょっと嬉しそう。似てるもんね~。狐仲間!
街から離れると地面を覆う雪が深くなり、僕やスラリン、ユキマルはオギンに乗って移動する。快適だ。
「くまま(【岩槍】ー!)」
「キュオ(【氷柱】)」
「もふ」
敵のモンスターが現れると、ショコラとオギンが遠距離攻撃で先制してくれる。
ピアもなんか言ってるけどたぶん意味はない。ショコラたちの戦いぶりを『すごーい』って楽しんでるだけだと思う。
僕も魔術を鍛えるぞ! 氷属性には火属性が効く――つまり火魔術のレベリングをするのに良い機会だ。
「【火の矢】!」
杖で敵を指したら、ビュンッと矢の形の火が飛んだ。モンスターに当たった瞬間に、破裂するように火の粉が散る。
魔術って派手な見た目だよねぇ。体感的には蹴り技の方がスカッとするから気持ちいいんだけど、見るのは魔術の方が好き。
みんなで敵の攻撃をできる限り避けながら、ガンガンと攻撃を与え続ける。
「きゅぃ(雪を【発射】ー!)」
スラリンが周囲にあった雪を取り込み、勢いよく発射した。それはすでに瀕死状態になっていた敵に当たり、体力を削り切る。
「みんな、がんばったね~。この調子で行こうか!」
まだこの辺りは霊峰の下層だから、サクサクとバトルを進められる。それなりに経験値をもらえるから、中層に着く頃にはスラリンたちのレベルアップもできて、もっと戦いやすくなってるかも。
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