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7章 世界が広がっていくよ
274.超特急で行くよ
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アクセサリー作りをした翌日。早速ダンジョンに来てみた。
まだミッションを完全クリアした人はいないらしいし、できたら初クリアしたいなー。
「みんな、準備はいい?」
「きゅぃ!」
やる気いっぱいのスラリンたち。
本日のパーティメンバーはスラリン、ユキマル、ナッティ、ペタ、ショコラだ。ボス戦の時には一部交代するつもり。
「では、ダンジョンRTAはーじまーるよー!」
「きゅぃ!」
みんなで円陣を組んで『おー!』と気合いを入れた。
ここはもうダンジョンの中にある扉前だからそれなりに人目があるけど、気にしないもんね。
スラリンたちを引き連れ、まずは青の扉へ。今日だけでいくつ攻略できるかなー?
◇◆◇
ボス以外のダンジョン内構造は赤の扉の時と大して変わらなかったから、着々とマップとモンスター図鑑を埋めていく。
「——とりゃー!」
木属性ボムEXを投げると、土属性モンスターたちが吹っ飛んだ。そこをスラリンたちが襲い、追加ダメージを与える。あっという間に討伐だー。
「走れ~」
「くままー(ごーごー)」
スラリンたちをのせたショコラを先頭に、ダンジョン内を駆ける。
ボス部屋に行くのに必要な青魔宝はもう手に入れたから、あとはマップと図鑑を埋めて、ボス部屋の封印を見つけるだけ。
「——あ、マップ100%!」
「きゅーきゅい(そこを曲がったところから怪しい気配がするわ)」
「みんな、左折ー」
ナッティの罠探知の効果がすごい。ルトやタマモから聞いたけど、最後のボス部屋の封印を見つけるのを、みんな手間取ってるらしいのに。
指示通り進んだところは行き止まり。でも、青魔宝を近づけたら、あっという間に封印が解かれた。
「お、水でできた門だね」
「ぴぅ(進んだ先に怖い気配はあるけど、火の門よりは見た目安全そうだね)」
「確かに。火の門って、怖さが違ったよね」
ボスの気配が怖いのは変わらないけど、火の門よりは圧倒的に水の門の方がいい。なんか涼やかな感じがするもん。
「この先のボスは水属性の可能性が高いから、ショコラは一時帰還だね。ナッティはどうする?」
「……きゅーきゅい(がんばってみるわ)」
「うん、じゃあ、オギンだけ召喚しちゃおー」
ナッティの思いを受け入れて、ショコラをオギンに交代する。
「キュオ(ボスと戦うのね)」
「オギン、頼りにしてるよ」
自分の装備も水属性ボス対応へ変更。すごく強くなった気分だ。
「じゃあ、行くぞー!」
先頭を進むオギンに続いて、ボス戦に突入です。
〈東の鉱山ダンジョン【水のボス空間】に接続します。この先に進むと引き返すことができません。このまま進みますか?〉
視界が暗くなって聞こえてきたアナウンス。当然『進むよ!』と気合いを入れて答えたら、視界が開けた。
「おお? 水だー。で、君はなに……?」
一面が水になってる。足元びしょびしょ。浅い湖にいる感じ。でも、ところどころ深くなってる気がするから注意しなくちゃ。
中央には水色の鬣を持つ馬のようなモンスターがいた。
——————
【水霊馬】
水属性のモンスター。高い攻撃力と素早さが特徴。
——————
また説明が少ないなぁ。
でも、水属性なのは確認できたから良しとしよう。
「みんなー、相手は水属性だよー。あと、水が深くなってるところがあるから、足元に気をつけて戦ってねー」
注意をしてから各自に攻撃を指示する。攻撃がきたら回避優先で。
天からの祝福などの継続回復スキルを使って準備オッケー。
「——レッツ、バトルだ~」
「ヒヒーンッ!」
水霊馬がいななくのと共に、水がたくさんの矢のように飛んできた。
飛翔を使いつつ回避する。掠ってもほとんどダメージを負わなかった。アクセサリー効果すごい!
「きゅぃ!」
「ぴぅ!」
スラリンたちは周囲から水を吸収して吐き出すことで盾にしたようだ。オギンは氷の盾を作ってるし、ナッティはその盾に隠れてる。ペタは水操作をして水の矢を払い除けるのと同時に、水霊馬を水鞭で叩いてる。
……ペタの攻撃って、調教みたいだ。ちょっぴりそんなことを考えたけど、言葉にはしなかった。そんな余裕なかったから。
「ぴゃっ!?」
大量の水が僕たちを分断するように壁を作る。各個撃破するつもり?
僕たちだって攻撃するもんね!
「【風の玉】からの【風の槍】!」
まだレベル2までの風魔術しか使えないのが残念。もうちょっといろいろ鍛えるべきだなぁ。
でも、アクセサリーの効果ですごく効果が出てる! ついでに風属性ボムもくらえー。
「うぉっ、と……」
ボムが炸裂した勢いで、水霊馬の近くの水が大きく水飛沫を上げた。
スラリンはその水を吸収して噴射してる。それに怒った水霊馬が突進してこようとした。
「ぴぅ(謎光線)」
「ヒヒーンッ」
「あ、麻痺状態になってる! ユキマル、ナイス!」
スラリンに迫る前に水霊馬の動きが止まった。でも、あまり麻痺効果は続かなそう。さすがにボスモンスターは強いね。
「みんな、攻撃だー!」
どんどんスキルを叩き込み、攻撃がきたら回避。僕も水盾や回復薬を使ってみんなをフォローした。
しばらくバトルを続けてたら——
〈水のボス【水霊馬】を討伐しました〉
いぇーい、ピアがいなくても倒せたぞー。でも、さすがに初討伐にはならなかったみたい。それは攻略情報を流したから当然のことだけど。
〈水のボス【水霊馬】討伐報酬として、アイテム【青のピース】【水霊馬の鬣】が贈られます〉
初討伐報酬はなかったけど、ピースの他にもアイテムをもらえた。ボスの名前つきアイテムって、良い錬金素材になりそうだなぁ。
〈風魔術がレベル3になり、【風の刃】を習得しました〉
お、新しい魔術を覚えた!
効果は『風の刃で範囲内の敵を斬り刻む』だって。強そう。
「——青の扉クリア! 次に向かおう!」
気合いを入れ直して、RTA継続です。
まだミッションを完全クリアした人はいないらしいし、できたら初クリアしたいなー。
「みんな、準備はいい?」
「きゅぃ!」
やる気いっぱいのスラリンたち。
本日のパーティメンバーはスラリン、ユキマル、ナッティ、ペタ、ショコラだ。ボス戦の時には一部交代するつもり。
「では、ダンジョンRTAはーじまーるよー!」
「きゅぃ!」
みんなで円陣を組んで『おー!』と気合いを入れた。
ここはもうダンジョンの中にある扉前だからそれなりに人目があるけど、気にしないもんね。
スラリンたちを引き連れ、まずは青の扉へ。今日だけでいくつ攻略できるかなー?
◇◆◇
ボス以外のダンジョン内構造は赤の扉の時と大して変わらなかったから、着々とマップとモンスター図鑑を埋めていく。
「——とりゃー!」
木属性ボムEXを投げると、土属性モンスターたちが吹っ飛んだ。そこをスラリンたちが襲い、追加ダメージを与える。あっという間に討伐だー。
「走れ~」
「くままー(ごーごー)」
スラリンたちをのせたショコラを先頭に、ダンジョン内を駆ける。
ボス部屋に行くのに必要な青魔宝はもう手に入れたから、あとはマップと図鑑を埋めて、ボス部屋の封印を見つけるだけ。
「——あ、マップ100%!」
「きゅーきゅい(そこを曲がったところから怪しい気配がするわ)」
「みんな、左折ー」
ナッティの罠探知の効果がすごい。ルトやタマモから聞いたけど、最後のボス部屋の封印を見つけるのを、みんな手間取ってるらしいのに。
指示通り進んだところは行き止まり。でも、青魔宝を近づけたら、あっという間に封印が解かれた。
「お、水でできた門だね」
「ぴぅ(進んだ先に怖い気配はあるけど、火の門よりは見た目安全そうだね)」
「確かに。火の門って、怖さが違ったよね」
ボスの気配が怖いのは変わらないけど、火の門よりは圧倒的に水の門の方がいい。なんか涼やかな感じがするもん。
「この先のボスは水属性の可能性が高いから、ショコラは一時帰還だね。ナッティはどうする?」
「……きゅーきゅい(がんばってみるわ)」
「うん、じゃあ、オギンだけ召喚しちゃおー」
ナッティの思いを受け入れて、ショコラをオギンに交代する。
「キュオ(ボスと戦うのね)」
「オギン、頼りにしてるよ」
自分の装備も水属性ボス対応へ変更。すごく強くなった気分だ。
「じゃあ、行くぞー!」
先頭を進むオギンに続いて、ボス戦に突入です。
〈東の鉱山ダンジョン【水のボス空間】に接続します。この先に進むと引き返すことができません。このまま進みますか?〉
視界が暗くなって聞こえてきたアナウンス。当然『進むよ!』と気合いを入れて答えたら、視界が開けた。
「おお? 水だー。で、君はなに……?」
一面が水になってる。足元びしょびしょ。浅い湖にいる感じ。でも、ところどころ深くなってる気がするから注意しなくちゃ。
中央には水色の鬣を持つ馬のようなモンスターがいた。
——————
【水霊馬】
水属性のモンスター。高い攻撃力と素早さが特徴。
——————
また説明が少ないなぁ。
でも、水属性なのは確認できたから良しとしよう。
「みんなー、相手は水属性だよー。あと、水が深くなってるところがあるから、足元に気をつけて戦ってねー」
注意をしてから各自に攻撃を指示する。攻撃がきたら回避優先で。
天からの祝福などの継続回復スキルを使って準備オッケー。
「——レッツ、バトルだ~」
「ヒヒーンッ!」
水霊馬がいななくのと共に、水がたくさんの矢のように飛んできた。
飛翔を使いつつ回避する。掠ってもほとんどダメージを負わなかった。アクセサリー効果すごい!
「きゅぃ!」
「ぴぅ!」
スラリンたちは周囲から水を吸収して吐き出すことで盾にしたようだ。オギンは氷の盾を作ってるし、ナッティはその盾に隠れてる。ペタは水操作をして水の矢を払い除けるのと同時に、水霊馬を水鞭で叩いてる。
……ペタの攻撃って、調教みたいだ。ちょっぴりそんなことを考えたけど、言葉にはしなかった。そんな余裕なかったから。
「ぴゃっ!?」
大量の水が僕たちを分断するように壁を作る。各個撃破するつもり?
僕たちだって攻撃するもんね!
「【風の玉】からの【風の槍】!」
まだレベル2までの風魔術しか使えないのが残念。もうちょっといろいろ鍛えるべきだなぁ。
でも、アクセサリーの効果ですごく効果が出てる! ついでに風属性ボムもくらえー。
「うぉっ、と……」
ボムが炸裂した勢いで、水霊馬の近くの水が大きく水飛沫を上げた。
スラリンはその水を吸収して噴射してる。それに怒った水霊馬が突進してこようとした。
「ぴぅ(謎光線)」
「ヒヒーンッ」
「あ、麻痺状態になってる! ユキマル、ナイス!」
スラリンに迫る前に水霊馬の動きが止まった。でも、あまり麻痺効果は続かなそう。さすがにボスモンスターは強いね。
「みんな、攻撃だー!」
どんどんスキルを叩き込み、攻撃がきたら回避。僕も水盾や回復薬を使ってみんなをフォローした。
しばらくバトルを続けてたら——
〈水のボス【水霊馬】を討伐しました〉
いぇーい、ピアがいなくても倒せたぞー。でも、さすがに初討伐にはならなかったみたい。それは攻略情報を流したから当然のことだけど。
〈水のボス【水霊馬】討伐報酬として、アイテム【青のピース】【水霊馬の鬣】が贈られます〉
初討伐報酬はなかったけど、ピースの他にもアイテムをもらえた。ボスの名前つきアイテムって、良い錬金素材になりそうだなぁ。
〈風魔術がレベル3になり、【風の刃】を習得しました〉
お、新しい魔術を覚えた!
効果は『風の刃で範囲内の敵を斬り刻む』だって。強そう。
「——青の扉クリア! 次に向かおう!」
気合いを入れ直して、RTA継続です。
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