もふもふで始めるのんびり寄り道生活 便利なチートフル活用でVRMMOの世界を冒険します!

ゆるり

文字の大きさ
307 / 555
8章 新たな地へ

304.魚……さかな?

しおりを挟む
 ほのぼの釣りの予定が、うっかりとハラハラ転覆危機一髪に変わっちゃったけど、なんとか楽しめたよ。

 新餌『いかいかえくせれんと』を使ったら、小さいマグロっぽいモンスター黄鮪オウマグロをゲットできた。念願の赤身魚だー!

 鰹っぽいモンスター旨鰹デリカツオも釣れたんだ。
 船釣りだったからか、大物の魚が結構釣れて嬉しい。

 海賊烏賊パイレイカは現れなかったけどね!
 現れたら、それはそれで対処が大変だっただろうけど……イカ欲しかったなぁ。

 そんなことを考えつつ、スタ島の浜辺に帰還。
 スラリンたちの漁の成果は、船上だと落ち着いて確認できなかったから、ここで確認がてら調理しようと思う。
 海鮮パーティーだよ♪

「おぉ……クーラーボックス十五個もある……」

 クーラーボックスには二十匹の魚介類を入れられる。それが十五個ってことは、三百匹くらいの魚を獲ったってことだ。
 ほぼスラリンたちの成果。すごいなぁ。

 ぽいぽいとクーラーボックスから取り出していく。
 僕が釣ったのよりは小さめな魚が多いかな? 質だと釣り、量だとスライム漁がいい感じ。

 はじまりの街サクの近くで獲れる魚とはどれも種類が違う。見た目は似たようなのもあるけど。どれも、美味しそうー。

「きゅぃ(たくさん獲れたね!)」

 スラリンが嬉しそうに跳ねる。ユキマルも「ぴぅ(がんばったもんね)」と揺れてた。

「うん、スラリンとユキマルのおかげで、魚いっぱいだよー」

 スラリンたちと話しながら獲った魚を確認していた手が、不意に止まる。
 なんか不思議なものがあるぞ……?

——————
竜落子シードラコ
 水属性のモンスター
 ドラゴンの下位種と言われることがあるが真偽不明
 食用にはならない
——————

 ドラゴンの下位種!?
 真偽不明とはいえ、見た目が青いタツノオトシゴって感じだから、ドラゴンと言われればそうかもしれないと思える。

 スラリンたち、すごいもの獲ったなぁ。食べられないらしいけど、錬金素材にはなる?
 錬金布に載せてレシピ検索。

——————
【喚び笛(ドラゴン)】レア度☆☆☆
 吹くとドラゴンを召喚できる笛
 召喚するドラゴン種は選べない
 召喚したドラゴンを従えることができるかは、使用者の能力によって変わる
〈レシピ〉
竜落子シードラコ】+水魔石
——————

ドラゴンを召喚できるの!?」

 驚きすぎて声が出た。

 スラリンたちが「きゅぃ(仲間増える?)」「ぴぅ(ドラゴンはちょっと怖いけど、頼りになりそうだね)」とそわそわしてる。

 ごめん、今のところ召喚するつもりないや。だって従えられなかったら怖いじゃん! ルトやモンちゃんに怒られそうだし。
 イグニスさんを呼べる笛だけで十分です!

「見なかったことにします!」
「キュオ(それがいいと思うわ)」

 オギンが頷いた。ドラゴンを召喚するリスクをわかってくれてるのはオギンだけだよ……
 僕は冒険は好きだけど、危険は回避したいのです。

 竜落子シードラコをポイッとアイテムボックスに収納して、魚の確認作業に戻る。
 もうビックリするようなものは出てきませんよーに!

 しばらく黙々と確認して無事に終わった。

「——ふぃ~、うん、あとは美味しく食べられそうなものだけだね!」

 ホッとしたよー。
 胸を撫で下ろしながら、たくさん獲れた青い魚を眺める。これ、青鱗魚セイリンウオなんだよ。青鱗セイリンを取れる魚。
 帰る前に青鱗セイリンに加工して、神聖水を確保しておこう。

 青鱗魚セイリンウオはサファイアみたいな透明感のある青い鱗を纏った綺麗な魚だ。水族館にいたら人気出そうだなぁ。
 青鱗セイリンは、万水亀フルトガメへの捧げもの以外にも使えるかも?

 気になったから、早速確かめてみる。
 まずは青鱗セイリン作製だ。錬金布に青鱗魚セイリンウオを載せて錬金!

 すると、青鱗セイリン青鱗魚セイリンウオの身ができた。
 身は加熱して食べるのがオススメらしい。白身魚だったよ。

 次に青鱗セイリンを錬金布に載せてレシピ検索。
 いくつかレシピが出てきたけど、その中で気になったのは——

——————
【スプラッシュボム】レア度☆☆☆
 水属性のボム
 範囲内の敵に中ダメージを与える
〈レシピ〉
 青鱗セイリン+水魔石

青妙薬せいみょうやく】レア度☆☆☆
 飲むと、十分間水中でも呼吸できるようになる
〈レシピ〉
 青鱗セイリン始薬草スタヤクソウ始魔草スタマソウ+神聖水

青碧せいへきの杖】レア度☆☆☆
 魔術発動体になる杖
 水属性攻撃力と耐性が10%上がる
 装備レベル制限なし
〈レシピ〉
 青鱗セイリン+木の枝+水魔石
——————

 結構いいアイテム作れるね?
 スプラッシュボムは範囲攻撃できるし、いくつか持っといてもいいかも。

 青妙薬は水守りの下位互換って感じ?
 水守りを作るにはレアアイテムの神の石が必要だし、普通は青妙薬をたくさん用意して、水の神域を攻略するんだろうな。
 泉に潜る許可は他の方法で入手しなきゃいけないと思うけど。

 青碧の杖は装備レベル制限がないから、予備で持っててもいい気がする。
 僕が今使ってる杖、制限レベル超えるまでバージョンアップし忘れそうなんだもん……

「んー……青妙薬は、みんながスタ島に来るようになったら売れるかも? あ、別の場所で素潜りしたい人にも需要がありそう。キーリ湖とか、潜ったらなんか発見がありそうだし」

 いろいろ考えてみるけど、そういう遊び方をする人はあんまりいなさそうだなと思っちゃった。作っても売れる数は限られてるかもなぁ。

 とりあえず一通り作ってアイテムボックスに入れておく。

「きゅぃ(ご飯作らないの?)」
「作るよー。今日は海鮮バーベキューにしよっか!」

 せっかくいろんな種類の魚介類が揃ってるんだし、満遍なく楽しみたい!
 ということで、バーベキューコンロと炭を準備した。これを使うと、雰囲気が出るよねー。

 魚の他にも、祭りで仕入れておいた貝やエビも網の上に並べて焼く。

「にゃ(いいにおいがするにゃー)」
「イカはまだ並べてないよ?」

 珍しくヒスイが魚に反応してる。
 その視線の先を追ったら、旨鰹デリカツオがあった。ヒスイは鰹も好きなの?

 そういえば、猫ってカツオ節好きだよねー。
 ちょっぴり好奇心が湧いて、旨鰹デリカツオを錬金して旨鰹節デリカツオブシを作ってみた。
 カツオ節が一瞬で作れるって、改めて考えると錬金術ってすごいよね!

「にゃー!!」
「おわっ!?」

 ヒスイが飛びついてきたから、砂浜に倒れちゃった。僕が持ってるカツオ節を、ヒスイがハグハグと食べ始める。食いつきがよすぎ!

「そんなに好きだった?」
「にゃうにゃう」

 まともに話す冷静さもないらしい。思わず笑っちゃった。
 カツオ節を砂浜において、好きに食べてもらう。

 僕たちはバーベキューを楽しむよー。

「魚も貝も焼けてるね。これにお塩とかおしょう油を垂らして……貝にはバターもいいね」

 味付けをして完成。

「いただきます!」
「きゅぃ(いただきます!)」

 みんなで挨拶して、好きなものを取って食べ始める。
 うまうま。ほどよく脂が落ちて、食べやすい。

「ぴぅ(ボク、この魚好き)」
黄鮪オウマグロだね。これ、美味しいよねー」

 鮪は生でも美味しいだろうから、今度お寿司を作ってリリにご馳走してあげよう。リリはお寿司好きだもんね。

「キュオ(熱々だけど美味しいわ)」
「もふ(はぐはぐ……うまうま……)」

 オギンとピアも楽しんでくれてるみたい。
 みんなで食べるとさらに美味しく感じるね!

しおりを挟む
感想 2,531

あなたにおすすめの小説

番外編・もふもふで始めるのんびり寄り道生活

ゆるり
ファンタジー
『もふもふで始めるのんびり寄り道生活』の番外編です。 登場人物の説明などは本編をご覧くださいませ。 更新は不定期です。

もふもふと味わうVRグルメ冒険記 〜遅れて始めたけど、料理だけは最前線でした〜

きっこ
ファンタジー
五感完全再現のフルダイブVRMMO《リアルコード・アース》。 遅れてゲームを始めた童顔ちびっ子キャラの主人公・蓮は、戦うことより“料理”を選んだ。 作るたびに懐いてくるもふもふ、微笑むNPC、ほっこりする食卓―― 今日も炊事場でクッキーを焼けば、なぜか神様にまで目をつけられて!? ただ料理しているだけなのに、気づけば伝説級。 癒しと美味しさが詰まった、もふもふ×グルメなスローゲームライフ、ここに開幕!

異世界に召喚されたけど、戦えないので牧場経営します~勝手に集まってくる動物達が、みんな普通じゃないんだけど!?~

黒蓬
ファンタジー
白石悠真は、ある日突然異世界へ召喚される。しかし、特別なスキルとして授かったのは「牧場経営」。戦えない彼は、与えられた土地で牧場を経営し、食料面での貢献を望まれる。ところが、彼の牧場には不思議な動物たちが次々と集まってきて――!? 異世界でのんびり牧場ライフ、始まります!

【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。

鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。 鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。 まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。 「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。 ──────── 自筆です。

【完結】小さな元大賢者の幸せ騎士団大作戦〜ひとりは寂しいからみんなで幸せ目指します〜

るあか
ファンタジー
 僕はフィル・ガーネット5歳。田舎のガーネット領の領主の息子だ。  でも、ただの5歳児ではない。前世は別の世界で“大賢者”という称号を持つ大魔道士。そのまた前世は日本という島国で“独身貴族”の称号を持つ者だった。  どちらも決して不自由な生活ではなかったのだが、特に大賢者はその力が強すぎたために側に寄る者は誰もおらず、寂しく孤独死をした。  そんな僕はメイドのレベッカと近所の森を散歩中に“根無し草の鬼族のおじさん”を拾う。彼との出会いをきっかけに、ガーネット領にはなかった“騎士団”の結成を目指す事に。  家族や領民のみんなで幸せになる事を夢見て、元大賢者の5歳の僕の幸せ騎士団大作戦が幕を開ける。

嘘つきと呼ばれた精霊使いの私

ゆるぽ
ファンタジー
私の村には精霊の愛し子がいた、私にも精霊使いとしての才能があったのに誰も信じてくれなかった。愛し子についている精霊王さえも。真実を述べたのに信じてもらえず嘘つきと呼ばれた少女が幸せになるまでの物語。

異世界で焼肉屋を始めたら、美食家エルフと凄腕冒険者が常連になりました ~定休日にはレア食材を求めてダンジョンへ~

金色のクレヨン@釣りするWeb作家
ファンタジー
辺境の町バラムに暮らす青年マルク。 子どもの頃から繰り返し見る夢の影響で、自分が日本(地球)から転生したことを知る。 マルクは日本にいた時、カフェを経営していたが、同業者からの嫌がらせ、客からの理不尽なクレーム、従業員の裏切りで店は閉店に追い込まれた。 その後、悲嘆に暮れた彼は酒浸りになり、階段を踏み外して命を落とした。 当時の記憶が復活した結果、マルクは今度こそ店を経営して成功することを誓う。 そんな彼が思いついたのが焼肉屋だった。 マルクは冒険者をして資金を集めて、念願の店をオープンする。 焼肉をする文化がないため、その斬新さから店は繁盛していった。 やがて、物珍しさに惹かれた美食家エルフや凄腕冒険者が店を訪れる。 HOTランキング1位になることができました! 皆さま、ありがとうございます。 他社の投稿サイトにも掲載しています。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。