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8章 新たな地へ
312.転職って悩ましいね
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講座終了後に符のコピーを試してみたけど、見本とまったく違うものが出来上がった。
とほほ……成功まで道のりは長そう……
スキル習得は気長にがんばることにして、魔術士の転職について相談に行くよー。
てくてくと進んで、隣の塔に移動。ミューズさんに教えてもらった場所に着くと、大きく『魔術士転職相談所』と書かれた部屋があった。
「こんにちはー」
開放されていた入り口を通ると、カウンターに一人の女性がいるのが見えた。僕を見て、驚いた顔をした後にニコッと微笑む。
「こんにちは。転職のご相談ですか?」
「うん。まだ魔術士レベル19なんだけど、どんな上位職があるか聞こうと思って」
「では、【職業ツリー】をお渡ししますね」
カウンター前の椅子にぴょんと飛び乗った僕の前に、丸いビー玉のようなものが出される。飴玉にも見えるけど、これ何?
――――――
【職業ツリー】レア度☆☆☆☆
各職業案内所でもらえるアイテム
派生職業名と概要を確認できる
所有することで、適性に関係なく、職業選択の際に解放済み職業をすべて選択可能になる
――――――
……予想以上にすごいアイテムだったぁ! え、これもらっていいの?
パチパチと瞬きながら女性とアイテムを見比べる。女性が首を傾げた。
「こちらは相談に来た方皆さまにお配りしていますので、ご遠慮なくご使用ください」
「わぁい、ありがとー!」
ほんとに遠慮しないよ。
職業ツリーを手に取ると、ブンッと青いスクリーンが現れた。たくさんの職業名が樹形図で書かれてる。全部魔術士から派生してるらしい。
「えっと……あ、僕モモっていうんだ。あなたは?」
「私は相談員のメリーです。疑問点がありましたら、なんなりとご相談ください」
「はーい。じゃあ、職業の概要を確認するのは、どうやったらいい?」
「職業名をタッチしてみてください」
早速質問して、職業ツリーの使い方を教えてもらう。といっても、職業名をタッチしたら、概要がポップアップしたので、すっごく簡単だった。
「モモさんは魔術士ですので、上位職は十種類以上ありますね。一つの職業を極めると、さらに上位の魔術士に転職可能になります」
「魔術士から線が伸びてるけど、赤字で『転職不可』って書いてある職業もあるよ?」
一個ずつ職業を確認して、首を傾げる。
魔術士から中位魔術士は転職可能になってるけど、雷魔術士は転職不可の状態だ。
「それは旅人の皆さまにかけられた転職制限によるものですね。旅人のどなたかが職業を解放しないと、職業ツリーがあっても転職ができないのです」
「あ、なるほど」
さっき、符魔術士が解放されて転職可能になったみたいに、雷魔術士も適性のある誰かが解放しないと転職できないわけか。
現時点で僕が転職可能な魔術士の上位職は【中位魔術士】【基礎属性魔術士】【錬金魔術士】【符魔術士】【生活魔術士】だった。
中位魔術士は今の職業をそのまま上位職にした感じ。魔術を使う際の補正効果が高くなるらしい。
基礎属性魔術士は土水木火風の五属性の魔術攻撃力と耐性がアップするんだって。
錬金魔術士は錬金術と魔術の複合魔術【錬金魔術】の効果が高くなるらしいけど……それ、どんな魔術?
符魔術士はさっき見たし、生活魔術士は【洗浄】などの生活に使う感じの魔術の効果がよくなるものだった。
「錬金魔術ってなぁに?」
「錬金術で作ったアイテムを媒体にして発動する魔術ですよ。例えばこのブレスレットには火魔術【火の玉】のまじないが刻まれていまして、普通に魔術を使うより魔力消費量が少なく、またクールタイムも短くなる利点があります」
「おお! そういうアイテムがあるんだね」
メリーさんの手首にあるブレスレットを見つめる。
今まで僕は攻撃力や耐性、ステータスをアップするアクセサリーばかり作ってきたけど、こういう攻撃に使用できるアクセサリーを作るのもいいかもしれない。
ただ、それをメインの攻撃法にする気はあまりないから、錬金魔術士になることはなさそう。
「一度転職した後にさらに上位職を目指すのでしたら、中位魔術士になるのが一番選択肢が多くなりますよ」
「あ、確かにたくさん枝分かれしてるねぇ」
転職ツリーを見ると、中位魔術士からたくさんの線が伸びている。
錬金魔術士とかにもなれるみたいだから、これっていう転職先がなかったら、一旦中位魔術士を選択するのがいいのかもしれない。
「うーん……でも、今選択できない職業も解放されたら転職可能になるし……」
雷魔術士とか、友だちのミレイがいつか解放してくれそう。エルフで雷魔術を得意にしてたし。
雷魔術士になったら、楽に雷魔術を覚えられるかも? あと、嵐魔術士とかも気になるー。
時間が経てば、転職可能な職業が増えるんだろうなぁ。
これは早々に決めない方がいい? でも、早く上位職に転職した方が、単純なステータスは上がるから、バトルを有利に進められるよなぁ。
いろいろ考えて、結論が出ない。
悩む僕をメリーさんは微笑みながら見守っていた。きっとこうやって悩む人を見慣れてるんだろうな。
「……転職可能までレベルアップしてからまた考える!」
「ふふ、そうですね。焦らずゆっくりと考えるのは、後悔しないコツです」
結論を先送りしちゃった。
のんびり僕らしく遊んでたら、きっとなりたいものが見つかるさ~。マイペースに進みましょう。
とほほ……成功まで道のりは長そう……
スキル習得は気長にがんばることにして、魔術士の転職について相談に行くよー。
てくてくと進んで、隣の塔に移動。ミューズさんに教えてもらった場所に着くと、大きく『魔術士転職相談所』と書かれた部屋があった。
「こんにちはー」
開放されていた入り口を通ると、カウンターに一人の女性がいるのが見えた。僕を見て、驚いた顔をした後にニコッと微笑む。
「こんにちは。転職のご相談ですか?」
「うん。まだ魔術士レベル19なんだけど、どんな上位職があるか聞こうと思って」
「では、【職業ツリー】をお渡ししますね」
カウンター前の椅子にぴょんと飛び乗った僕の前に、丸いビー玉のようなものが出される。飴玉にも見えるけど、これ何?
――――――
【職業ツリー】レア度☆☆☆☆
各職業案内所でもらえるアイテム
派生職業名と概要を確認できる
所有することで、適性に関係なく、職業選択の際に解放済み職業をすべて選択可能になる
――――――
……予想以上にすごいアイテムだったぁ! え、これもらっていいの?
パチパチと瞬きながら女性とアイテムを見比べる。女性が首を傾げた。
「こちらは相談に来た方皆さまにお配りしていますので、ご遠慮なくご使用ください」
「わぁい、ありがとー!」
ほんとに遠慮しないよ。
職業ツリーを手に取ると、ブンッと青いスクリーンが現れた。たくさんの職業名が樹形図で書かれてる。全部魔術士から派生してるらしい。
「えっと……あ、僕モモっていうんだ。あなたは?」
「私は相談員のメリーです。疑問点がありましたら、なんなりとご相談ください」
「はーい。じゃあ、職業の概要を確認するのは、どうやったらいい?」
「職業名をタッチしてみてください」
早速質問して、職業ツリーの使い方を教えてもらう。といっても、職業名をタッチしたら、概要がポップアップしたので、すっごく簡単だった。
「モモさんは魔術士ですので、上位職は十種類以上ありますね。一つの職業を極めると、さらに上位の魔術士に転職可能になります」
「魔術士から線が伸びてるけど、赤字で『転職不可』って書いてある職業もあるよ?」
一個ずつ職業を確認して、首を傾げる。
魔術士から中位魔術士は転職可能になってるけど、雷魔術士は転職不可の状態だ。
「それは旅人の皆さまにかけられた転職制限によるものですね。旅人のどなたかが職業を解放しないと、職業ツリーがあっても転職ができないのです」
「あ、なるほど」
さっき、符魔術士が解放されて転職可能になったみたいに、雷魔術士も適性のある誰かが解放しないと転職できないわけか。
現時点で僕が転職可能な魔術士の上位職は【中位魔術士】【基礎属性魔術士】【錬金魔術士】【符魔術士】【生活魔術士】だった。
中位魔術士は今の職業をそのまま上位職にした感じ。魔術を使う際の補正効果が高くなるらしい。
基礎属性魔術士は土水木火風の五属性の魔術攻撃力と耐性がアップするんだって。
錬金魔術士は錬金術と魔術の複合魔術【錬金魔術】の効果が高くなるらしいけど……それ、どんな魔術?
符魔術士はさっき見たし、生活魔術士は【洗浄】などの生活に使う感じの魔術の効果がよくなるものだった。
「錬金魔術ってなぁに?」
「錬金術で作ったアイテムを媒体にして発動する魔術ですよ。例えばこのブレスレットには火魔術【火の玉】のまじないが刻まれていまして、普通に魔術を使うより魔力消費量が少なく、またクールタイムも短くなる利点があります」
「おお! そういうアイテムがあるんだね」
メリーさんの手首にあるブレスレットを見つめる。
今まで僕は攻撃力や耐性、ステータスをアップするアクセサリーばかり作ってきたけど、こういう攻撃に使用できるアクセサリーを作るのもいいかもしれない。
ただ、それをメインの攻撃法にする気はあまりないから、錬金魔術士になることはなさそう。
「一度転職した後にさらに上位職を目指すのでしたら、中位魔術士になるのが一番選択肢が多くなりますよ」
「あ、確かにたくさん枝分かれしてるねぇ」
転職ツリーを見ると、中位魔術士からたくさんの線が伸びている。
錬金魔術士とかにもなれるみたいだから、これっていう転職先がなかったら、一旦中位魔術士を選択するのがいいのかもしれない。
「うーん……でも、今選択できない職業も解放されたら転職可能になるし……」
雷魔術士とか、友だちのミレイがいつか解放してくれそう。エルフで雷魔術を得意にしてたし。
雷魔術士になったら、楽に雷魔術を覚えられるかも? あと、嵐魔術士とかも気になるー。
時間が経てば、転職可能な職業が増えるんだろうなぁ。
これは早々に決めない方がいい? でも、早く上位職に転職した方が、単純なステータスは上がるから、バトルを有利に進められるよなぁ。
いろいろ考えて、結論が出ない。
悩む僕をメリーさんは微笑みながら見守っていた。きっとこうやって悩む人を見慣れてるんだろうな。
「……転職可能までレベルアップしてからまた考える!」
「ふふ、そうですね。焦らずゆっくりと考えるのは、後悔しないコツです」
結論を先送りしちゃった。
のんびり僕らしく遊んでたら、きっとなりたいものが見つかるさ~。マイペースに進みましょう。
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