133 / 202
番外編
(アレックス)ゲームのような世界で
しおりを挟む
勇者アレックス。
それがこの世界での俺の役割。
「ねぇ、アレックス。まだ時間があるし、ダンジョンに美味しいものをゲットしに行きましょう」
リーエンに誘われて、にこやかに微笑み「そうだね」と頷く。
俺は神殿に監視されている立場だけど、持っている能力を考えれば、正直そんな監視どうでもいいと言える程度のもの。それを甘んじて受け入れているのは、神殿がそれなりに俺の役に立つからだ。
この世界で身寄りも何もない俺にとって、身分と生活が保障されているというのはありがたいことだ。神殿にいる神官たちは偉そうなくせにチョロいから、コツを掴めば笑顔で望みを押し通せるし。
いい子ちゃんの仮面は役に立つ。神官たちは、俺が微笑みの裏でバカにしていることに、気づいてもいないだろう。
性格悪いなぁ、と思うけど、誘拐されて本来の自分とは違う容姿・能力で生きなくてはならなくなった立場としては、これくらいのことは許されるはず。
「お前、すっかりダンジョンの飯にハマってんなぁ」
「それはドロンもそうでしょ」
からかうドロンをリーエンが軽く睨む。相変わらず仲がいいんだか悪いんだかわからない二人だ。
そんな二人のことは、結構気に入っている。ちょっと性格が悪い俺に気づかないまま、仲間だと慕ってくれているから。
ダンジョンに向かう二人の後についていきながら、周囲を眺める。
日本ではありえなかった光景だ。当たり前に武器を持ってるし、粗暴な雰囲気の者が多いし。まるでゲームの中のような、現実味のない世界。
まぁ、ここが現実であることは、さすがにもう受け入れてる。
ただゲームをしていただけだったのに、異世界に転移させられたことについては、カミサマとやらに言いたいことが山程あるけど。
一生をこの世界で過ごさなくてはいけない。
それは考える度に絶望をもたらし、長く俺を苛んでいた。でも、今は、まぁいいかと思うくらいになっている。
そうなれた理由の一つは、このダンジョンだ。
鳥居のような日本風の門を眺め、思わず微笑んでしまう。
中世ヨーロッパのような世界で日本を感じられたことに、これほどの喜びが湧き上がるなんて、予想していなかった。でも、おかげで、どれだけ見た目が変わろうと、俺は日本人なんだと心から信じられた。
その結果、揺らいでいた自分というものを思い出せた気がする。勇者アレックスではなく、ただのゲーム好きな男子高校生である藤堂歩夢という存在を。
このダンジョンの中では死に戻りできるから死の恐怖を感じる必要はないし、本当にゲームで遊んでいるみたいな楽しさを味わえた。久しぶりに心から笑えた気がする。
制限トラップでのあれこれは、本当に最高だった。
馬鹿げていて、まったくもって意味がわからない状況が、楽しくてしかたなかった。
あれを作ったダンジョンマスターとはぜひ握手をしたい。まぁ、勇者が会いたいなんて望んだら嫌がられそうだから、自重するけど。
でも、機会があれば語り合いたいな。日本について、この世界に来た原因について、きっと似たような立場だからこそ話せることがたくさんあるはず。
こんなに誰かと話したいと思ったのも久しぶりだ。
現実味の薄い世界で、俺は周りの人をゲームのキャラクターのように認識していた部分があるんだと思う。日本にいた時ほど、誰かと関わりたいと思えなかったから。
……いや、日本でも、わりと俺の交友関係は狭かったかも? ゲーム関連で連絡をとっていた人はそれなりにいたけど、学校で仲がよかった人なんて一人だけだ。
ふと懐かしい顔と名前を思い出す。
「流星、今頃なにしてるんだろうなぁ……」
俺がこっちに来て数年は経っているから、そろそろ社会人になっているだろうか。あいつ、わりとテキトーなところあったけど、ちゃんと就職できてんのかな? 俺と一緒で、あまり交友関係が広くなかったけど、ちゃんと新しい友だちできたか?
心の中で問いかけても、当然答えはなく、苦笑してしまう。
親じゃないんだから、俺が心配することじゃないとわかってる。でも、なぜか気が合って長いことつるんでいた友だちだから、幸せになっていてほしいと思うのは当然だろう。
「アレックス、なんか言ったか?」
ダンジョン内で戦いながら、チラッと心配そうな視線を向けてくるドロンに、微笑み「いや」と返す。
リーエンも気遣わしげな視線を向けてきていたから、「大丈夫だよ。どんな美味しいものが手に入るかなって考えていただけ」と言葉を続けた。
不思議と、ここに来てから心に余裕ができて、彼らの思いを素直に受け止められるようになった。
だから、勇者としての事情も教えることができたのだ。
密かに心配していた裏切りの気配は、今のところ微塵もない。そればかりか、二人は神殿への不信感が募った様子で俺を守ろうとしてくれるから、嬉しさと安堵を感じて、ホッと息をつけるようになった。
それでようやく、俺はこの世界に来てからずっと緊張していたのだと気づいたのだが……まぁ、考えてみればそれは当然だろう。誘拐犯に囲われてのほほんとしていられるほど俺の精神は強くない。
「おっ、もう祈りの間に着いたぞ」
美味しい日本食をゲットしてホクホクしながら進んだら、あっという間に目的地に着いた。
ドロンとリーエンは制限トラップがトラウマになっているらしく、これより先に進むのは断固として拒絶されたのだ。楽しいのに。
時間を見つけて一人で行ってみようかな、と思いながら祈りの間を眺める。
たくさんの魔物、それも動物系の魔物の像があるここは、見ていてそれなりに楽しい。俺は動物好きってわけじゃないけど、日本にもいそうな魔物たちの姿は、ちょっと親近感がある。
「……流星だったら、ここの写真を撮りまくるんだろうな」
今日はやけに友人の姿を思い出すなぁ、と考えて肩をすくめる。
昔「もふもふ可愛いは正義!」と真剣な顔で語っていた友人の姿を脳裏に思い浮かべ、クスッと笑みがこぼれた。
流星のお気に入りは猫だったけど、きっとこの狼っぽい魔物もカッコよくて気にいるはず。大きくて包容力がある見た目の大型犬を、キラキラした目で見ていたことがあったし。小動物系も好きだから、ウサギも可愛がるだろうな。
見せてやりたいなぁ、と思いながら、さっさと引き返す二人の後を追う。
視察団撤収の予定が近いけど、もうちょっとこの地でのんびりと過ごせるよう、神官たちを説得しようかな。あいつらチョロいし、きっとなんとかなるはず。
それがこの世界での俺の役割。
「ねぇ、アレックス。まだ時間があるし、ダンジョンに美味しいものをゲットしに行きましょう」
リーエンに誘われて、にこやかに微笑み「そうだね」と頷く。
俺は神殿に監視されている立場だけど、持っている能力を考えれば、正直そんな監視どうでもいいと言える程度のもの。それを甘んじて受け入れているのは、神殿がそれなりに俺の役に立つからだ。
この世界で身寄りも何もない俺にとって、身分と生活が保障されているというのはありがたいことだ。神殿にいる神官たちは偉そうなくせにチョロいから、コツを掴めば笑顔で望みを押し通せるし。
いい子ちゃんの仮面は役に立つ。神官たちは、俺が微笑みの裏でバカにしていることに、気づいてもいないだろう。
性格悪いなぁ、と思うけど、誘拐されて本来の自分とは違う容姿・能力で生きなくてはならなくなった立場としては、これくらいのことは許されるはず。
「お前、すっかりダンジョンの飯にハマってんなぁ」
「それはドロンもそうでしょ」
からかうドロンをリーエンが軽く睨む。相変わらず仲がいいんだか悪いんだかわからない二人だ。
そんな二人のことは、結構気に入っている。ちょっと性格が悪い俺に気づかないまま、仲間だと慕ってくれているから。
ダンジョンに向かう二人の後についていきながら、周囲を眺める。
日本ではありえなかった光景だ。当たり前に武器を持ってるし、粗暴な雰囲気の者が多いし。まるでゲームの中のような、現実味のない世界。
まぁ、ここが現実であることは、さすがにもう受け入れてる。
ただゲームをしていただけだったのに、異世界に転移させられたことについては、カミサマとやらに言いたいことが山程あるけど。
一生をこの世界で過ごさなくてはいけない。
それは考える度に絶望をもたらし、長く俺を苛んでいた。でも、今は、まぁいいかと思うくらいになっている。
そうなれた理由の一つは、このダンジョンだ。
鳥居のような日本風の門を眺め、思わず微笑んでしまう。
中世ヨーロッパのような世界で日本を感じられたことに、これほどの喜びが湧き上がるなんて、予想していなかった。でも、おかげで、どれだけ見た目が変わろうと、俺は日本人なんだと心から信じられた。
その結果、揺らいでいた自分というものを思い出せた気がする。勇者アレックスではなく、ただのゲーム好きな男子高校生である藤堂歩夢という存在を。
このダンジョンの中では死に戻りできるから死の恐怖を感じる必要はないし、本当にゲームで遊んでいるみたいな楽しさを味わえた。久しぶりに心から笑えた気がする。
制限トラップでのあれこれは、本当に最高だった。
馬鹿げていて、まったくもって意味がわからない状況が、楽しくてしかたなかった。
あれを作ったダンジョンマスターとはぜひ握手をしたい。まぁ、勇者が会いたいなんて望んだら嫌がられそうだから、自重するけど。
でも、機会があれば語り合いたいな。日本について、この世界に来た原因について、きっと似たような立場だからこそ話せることがたくさんあるはず。
こんなに誰かと話したいと思ったのも久しぶりだ。
現実味の薄い世界で、俺は周りの人をゲームのキャラクターのように認識していた部分があるんだと思う。日本にいた時ほど、誰かと関わりたいと思えなかったから。
……いや、日本でも、わりと俺の交友関係は狭かったかも? ゲーム関連で連絡をとっていた人はそれなりにいたけど、学校で仲がよかった人なんて一人だけだ。
ふと懐かしい顔と名前を思い出す。
「流星、今頃なにしてるんだろうなぁ……」
俺がこっちに来て数年は経っているから、そろそろ社会人になっているだろうか。あいつ、わりとテキトーなところあったけど、ちゃんと就職できてんのかな? 俺と一緒で、あまり交友関係が広くなかったけど、ちゃんと新しい友だちできたか?
心の中で問いかけても、当然答えはなく、苦笑してしまう。
親じゃないんだから、俺が心配することじゃないとわかってる。でも、なぜか気が合って長いことつるんでいた友だちだから、幸せになっていてほしいと思うのは当然だろう。
「アレックス、なんか言ったか?」
ダンジョン内で戦いながら、チラッと心配そうな視線を向けてくるドロンに、微笑み「いや」と返す。
リーエンも気遣わしげな視線を向けてきていたから、「大丈夫だよ。どんな美味しいものが手に入るかなって考えていただけ」と言葉を続けた。
不思議と、ここに来てから心に余裕ができて、彼らの思いを素直に受け止められるようになった。
だから、勇者としての事情も教えることができたのだ。
密かに心配していた裏切りの気配は、今のところ微塵もない。そればかりか、二人は神殿への不信感が募った様子で俺を守ろうとしてくれるから、嬉しさと安堵を感じて、ホッと息をつけるようになった。
それでようやく、俺はこの世界に来てからずっと緊張していたのだと気づいたのだが……まぁ、考えてみればそれは当然だろう。誘拐犯に囲われてのほほんとしていられるほど俺の精神は強くない。
「おっ、もう祈りの間に着いたぞ」
美味しい日本食をゲットしてホクホクしながら進んだら、あっという間に目的地に着いた。
ドロンとリーエンは制限トラップがトラウマになっているらしく、これより先に進むのは断固として拒絶されたのだ。楽しいのに。
時間を見つけて一人で行ってみようかな、と思いながら祈りの間を眺める。
たくさんの魔物、それも動物系の魔物の像があるここは、見ていてそれなりに楽しい。俺は動物好きってわけじゃないけど、日本にもいそうな魔物たちの姿は、ちょっと親近感がある。
「……流星だったら、ここの写真を撮りまくるんだろうな」
今日はやけに友人の姿を思い出すなぁ、と考えて肩をすくめる。
昔「もふもふ可愛いは正義!」と真剣な顔で語っていた友人の姿を脳裏に思い浮かべ、クスッと笑みがこぼれた。
流星のお気に入りは猫だったけど、きっとこの狼っぽい魔物もカッコよくて気にいるはず。大きくて包容力がある見た目の大型犬を、キラキラした目で見ていたことがあったし。小動物系も好きだから、ウサギも可愛がるだろうな。
見せてやりたいなぁ、と思いながら、さっさと引き返す二人の後を追う。
視察団撤収の予定が近いけど、もうちょっとこの地でのんびりと過ごせるよう、神官たちを説得しようかな。あいつらチョロいし、きっとなんとかなるはず。
171
あなたにおすすめの小説
私の薬華異堂薬局は異世界につくるのだ
柚木 潤
ファンタジー
薬剤師の舞は、亡くなった祖父から託された鍵で秘密の扉を開けると、不思議な薬が書いてある古びた書物を見つけた。
そしてその扉の中に届いた異世界からの手紙に導かれその世界に転移すると、そこは人間だけでなく魔人、精霊、翼人などが存在する世界であった。
舞はその世界の魔人の王に見合う女性になる為に、異世界で勉強する事を決断する。
舞は薬師大学校に聴講生として入るのだが、のんびりと学生をしている状況にはならなかった。
以前も現れた黒い影の集合体や、舞を監視する存在が見え隠れし始めたのだ・・・
「薬華異堂薬局のお仕事は異世界にもあったのだ」の続編になります。
主人公「舞」は異世界に拠点を移し、薬師大学校での学生生活が始まります。
前作で起きた話の説明も間に挟みながら書いていく予定なので、前作を読んでいなくてもわかるようにしていこうと思います。
また、意外なその異世界の秘密や、新たな敵というべき存在も現れる予定なので、前作と合わせて読んでいただけると嬉しいです。
以前の登場人物についてもプロローグのに軽く記載しましたので、よかったら参考にしてください。
銀眼の左遷王ケントの素人領地開拓&未踏遺跡攻略~だけど、領民はゼロで土地は死んでるし、遺跡は結界で入れない~
雪野湯
ファンタジー
王立錬金研究所の研究員であった元貴族ケントは政治家に転向するも、政争に敗れ左遷された。
左遷先は領民のいない呪われた大地を抱く廃城。
この瓦礫に埋もれた城に、世界で唯一無二の不思議な銀眼を持つ男は夢も希望も埋めて、その謎と共に朽ち果てるつもりでいた。
しかし、運命のいたずらか、彼のもとに素晴らしき仲間が集う。
彼らの力を借り、様々な種族と交流し、呪われた大地の原因である未踏遺跡の攻略を目指す。
その過程で遺跡に眠っていた世界の秘密を知った。
遺跡の力は世界を滅亡へと導くが、彼は銀眼と仲間たちの力を借りて立ち向かう。
様々な苦難を乗り越え、左遷王と揶揄された若き青年は世界に新たな道を示し、本物の王となる。
【一秒クッキング】追放された転生人は最強スキルより食にしか興味がないようです~元婚約者と子犬と獣人族母娘との旅~
御峰。
ファンタジー
転生を果たした主人公ノアは剣士家系の子爵家三男として生まれる。
十歳に開花するはずの才能だが、ノアは生まれてすぐに才能【アプリ】を開花していた。
剣士家系の家に嫌気がさしていた主人公は、剣士系のアプリではなく【一秒クッキング】をインストールし、好きな食べ物を食べ歩くと決意する。
十歳に才能なしと判断され婚約破棄されたが、元婚約者セレナも才能【暴食】を開花させて、実家から煙たがれるようになった。
紆余曲折から二人は再び出会い、休息日を一緒に過ごすようになる。
十二歳になり成人となったノアは晴れて(?)実家から追放され家を出ることになった。
自由の身となったノアと家出元婚約者セレナと可愛らしい子犬は世界を歩き回りながら、美味しいご飯を食べまくる旅を始める。
その旅はやがて色んな国の色んな事件に巻き込まれるのだが、この物語はまだ始まったばかりだ。
※ファンタジーカップ用に書き下ろし作品となります。アルファポリス優先投稿となっております。
聖女として召還されたのにフェンリルをテイムしたら追放されましたー腹いせに快適すぎる森に引きこもって我慢していた事色々好き放題してやります!
ふぃえま
ファンタジー
「勝手に呼び出して無茶振りしたくせに自分達に都合の悪い聖獣がでたら責任追及とか狡すぎません?
せめて裏で良いから謝罪の一言くらいあるはずですよね?」
不況の中、なんとか内定をもぎ取った会社にやっと慣れたと思ったら異世界召還されて勝手に聖女にされました、佐藤です。いや、元佐藤か。
実は今日、なんか国を守る聖獣を召還せよって言われたからやったらフェンリルが出ました。
あんまりこういうの詳しくないけど確か超強いやつですよね?
なのに周りの反応は正反対!
なんかめっちゃ裏切り者とか怒鳴られてロープグルグル巻きにされました。
勝手にこっちに連れて来たりただでさえ難しい聖獣召喚にケチつけたり……なんかもうこの人たち助けなくてもバチ当たりませんよね?
親友と婚約者に裏切られ仕事も家も失い自暴自棄になって放置されたダンジョンで暮らしてみたら可愛らしいモンスターと快適な暮らしが待ってました
空地大乃
ファンタジー
ダンジョンが日常に溶け込んだ世界――。
平凡な会社員の風間は、身に覚えのない情報流出の責任を押しつけられ、会社をクビにされてしまう。さらに、親友だと思っていた男に婚約者を奪われ、婚約も破棄。すべてが嫌になった風間は自暴自棄のまま山へ向かい、そこで人々に見捨てられた“放置ダンジョン”を見つける。
どこか自分と重なるものを感じた風間は、そのダンジョンに住み着くことを決意。ところが奥には、愛らしいモンスターたちがひっそり暮らしていた――。思いがけず彼らに懐かれた風間は、さまざまなモンスターと共にダンジョンでのスローライフを満喫していくことになる。
モブで可哀相? いえ、幸せです!
みけの
ファンタジー
私のお姉さんは“恋愛ゲームのヒロイン”で、私はゲームの中で“モブ”だそうだ。
“あんたはモブで可哀相”。
お姉さんはそう、思ってくれているけど……私、可哀相なの?
転生能無し少女のゆるっとチートな異世界交流
犬社護
ファンタジー
10歳の祝福の儀で、イリア・ランスロット伯爵令嬢は、神様からギフトを貰えなかった。その日以降、家族から【能無し・役立たず】と罵られる日々が続くも、彼女はめげることなく、3年間懸命に努力し続ける。
しかし、13歳の誕生日を迎えても、取得魔法は1個、スキルに至ってはゼロという始末。
遂に我慢の限界を超えた家族から、王都追放処分を受けてしまう。
彼女は悲しみに暮れるも一念発起し、家族から最後の餞別として貰ったお金を使い、隣国行きの列車に乗るも、今度は山間部での落雷による脱線事故が起きてしまい、その衝撃で車外へ放り出され、列車もろとも崖下へと転落していく。
転落中、彼女は前世日本人-七瀬彩奈で、12歳で水難事故に巻き込まれ死んでしまったことを思い出し、現世13歳までの記憶が走馬灯として駆け巡りながら、絶望の淵に達したところで気絶してしまう。
そんな窮地のところをランクS冒険者ベイツに助けられると、神様からギフト《異世界交流》とスキル《アニマルセラピー》を貰っていることに気づかされ、そこから神鳥ルウリと知り合い、日本の家族とも交流できたことで、人生の転機を迎えることとなる。
人は、娯楽で癒されます。
動物や従魔たちには、何もありません。
私が異世界にいる家族と交流して、動物や従魔たちに癒しを与えましょう!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる