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番外編
(ラッカル)優秀な冒険者は憂鬱
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ここ最近訪れるのが習慣になった冒険者ギルド長室で、俺は疲れた気分でテーブルの木目を視線でなぞった。
「ラッカル、君が頼みの綱なんだっ。よろしく頼む!」
「はあ……」
テーブルに額を擦り付けるようにして頭を下げるギルド長に対し、覇気のない声で曖昧に答える。
隣りに座るダダンとルイリも、俺と同じく困惑と疲労が滲んだ表情だ。
なぜ俺たちがこんな様子でギルド長の話を聞いているかと言うと——
「ラクシャルが本当にあのダンジョンを放置するつもりでいるのか、何か思惑があるのか、不明だ。勇者を送り込んでくるなんて、怪しすぎる! だからこそ、君たちには勇者たちの動向を探ってほしいんだ!」
——という途方に暮れるような依頼をされているからだ。
勇者。
それは世界において特別な存在で、普通の冒険者とは一線を画す戦闘能力を持つ者だ。
神殿が世界の危機に備えるという名目でその身を囲い、いいように使っているから、俺のような冒険者はちょっと憐れんでいたりもするけど……まぁ、余計なお世話だよな。
とにかく、俺たちは今、その勇者たちの動向を探るよう依頼をされているわけだが、その難度の高さを思うと、つい「んな、無茶なことを言われても」と断りたくなってしまうのは仕方ないはず。
ラクシャルの勇者と言えば、類稀な槍使いであり、全属性魔法を使いこなし、身体能力も化け物級と評判だ。性格が温厚である、というのはありがたい話だけど、好んで探りを入れたい相手ではない。
敵対しようとしていると勘違いされたらどうしてくれる。
正直、俺としては全力で断りたい依頼なんだけど、無下に断れない状況であると理解しているから難しい。
俺たちが活動拠点としているマーレ町は、この地にできたダンジョンと契約を結んでいる。そして、ほぼ一方的に利益を受け取っている状況だ。
ダンジョンマスターの機嫌を損ねて契約が破断となれば、損害があまりに大きい。
だからこそ、ダンジョンの敵となり得るラクシャルの動向を探るのは当然で、万が一の場合には身命を賭し妨害に動かなければならない。……勇者相手に、だ。どう考えても無謀である。
でも、敵対するのはともかく、探る任務をこなせるのは現時点で俺たちだけだというのもわかっているのだ。
ダンジョン目当てに多くの冒険者が集まってきているけど、そのほとんどは大した実力を持っていない。というか、冒険者になりたてレベルの者が多い。
俺たちが数少ないBランク冒険者として重宝されるのは当然だ。
それはわかっているけど、やっぱりどう考えても厄介事に巻き込まれそうな依頼は受けたくないんだよなぁ。
「あー……その、ですね……」
とりあえず、なんとか即時受諾は避けたいと言葉を紡ごうとしたところで、頭を上げたギルド長と目が合って嫌な予感を覚えた。
「依頼を受けてくれたら——君が思い込みでなんの咎もない冒険者を疑い活動を妨害したことはなかったことにしよう」
ほらぁああ、絶対言われると思った!
痛む頭を抱えたい気分になりながら、両隣から向けられるジトッとした視線を無視する。
俺が下手を打ったことはわかってる。けど、こんなことになるなんて予想できるわけがないだろう! 俺だって、この町のことを思って動いただけなんだぞ。なんでそんな責められなきゃいけないんだ。
……そりゃあ、疑った挙げ句、この町から追い出すみたいな形になったことは悪かったけど。
脳裏に『ラッキーボーイ』と噂されていた青年の姿が浮かび、幾度も繰り返した謝罪の言葉を向ける。
もふもふ教なんて意味のわからないものの調査も兼ねて共に依頼をこなした冒険者マオ。
冒険者登録してからさほど時間が経っていないのにもかかわらず、ソロ冒険者として確かな実力を発揮し堅実に依頼をこなしている。
直感的に違和感を抱き、探りを入れたことに間違いはなかったと思っている。今でもすべての疑いが晴れたとは思わないし。
けど……彼がこの地のダンジョンに敵意を持っていないのは確かだったのだから、ああもあからさまに探り追い出すような真似をする必要がなかったのも確かなのだ。
存在の怪しさはともかく、冒険者ギルドにとって有用な人物であったのも間違いはないのだし。
だから、こうしてギルド長から失態として挙げられるのは仕方ない。
それで貧乏くじのような依頼を受けなければならなくなったことには、盛大にため息をつきたいけど。
「——わかりました。依頼を受けます」
「そうか! 助かるよ。勇者以外の使者団についてはこちらで対応するから気にしないでくれ」
「了解しました」
勇者の他にラクシャルの貴族と神官も来るんだったっけ? そっちの探りまで依頼されたら、依頼を放棄してこの町からも離れることを決めていただろうから、ギルド長の見極め力は流石だ。
……あーあ、ダダンとルイリ、どうやって説得しようかなぁ。
◇◆◇
不満いっぱいのダダンとルイリをなんとか説得して、依頼に協力してもらえることになった。
俺たち普段はソロで活動してるから、こうしてパーティを組んで行動してもらうには利益を提示しないとダメなんだぞ? 冒険者ギルドも協力してくれてるとはいえ、ちょっと痛い出費になったな……。
とにかく、そういうわけで三人で勇者を探ることになったんだが——この勇者パーティ、なんなんだ?
「……化け物だな」
「一撃かよ……」
「自信無くしちゃうわ……」
あまりに格の違う戦闘風景に、つい乾いた笑みが漏れる。
この化け物たちがこの町にいる間、ずっと監視しなきゃいけないっていうのが怖すぎるんだけど?
「あ……」
「なんだよ」
「今、目が合った気がする……」
俺をチラッと見た勇者がニコリと微笑んで目を逸らしたのを見て、怖気が走った。
怖っ! 絶対気づいてるだろ。その上で見逃すくらい余裕綽々なんだよな! わかってるよ、見逃してくれてありがとう!
「——もう、勇者たちはこのダンジョンのご飯が気になって楽しんでるだけだって報告あげて終わりにしちゃ駄目か?」
「ダメでしょ」
引き攣った顔のルイリに即答されて、ガックリと肩が落ちる。
だよなぁ、わかってるよ。監視に気づかれてるとしても、依頼放棄はできないって。
「はぁ……」
このダンジョンができてから面倒くさいことばっかりだ……。
ちょっとだけダンジョンマスターを呪いたい気分になったのもしかたないよな?
「ラッカル、君が頼みの綱なんだっ。よろしく頼む!」
「はあ……」
テーブルに額を擦り付けるようにして頭を下げるギルド長に対し、覇気のない声で曖昧に答える。
隣りに座るダダンとルイリも、俺と同じく困惑と疲労が滲んだ表情だ。
なぜ俺たちがこんな様子でギルド長の話を聞いているかと言うと——
「ラクシャルが本当にあのダンジョンを放置するつもりでいるのか、何か思惑があるのか、不明だ。勇者を送り込んでくるなんて、怪しすぎる! だからこそ、君たちには勇者たちの動向を探ってほしいんだ!」
——という途方に暮れるような依頼をされているからだ。
勇者。
それは世界において特別な存在で、普通の冒険者とは一線を画す戦闘能力を持つ者だ。
神殿が世界の危機に備えるという名目でその身を囲い、いいように使っているから、俺のような冒険者はちょっと憐れんでいたりもするけど……まぁ、余計なお世話だよな。
とにかく、俺たちは今、その勇者たちの動向を探るよう依頼をされているわけだが、その難度の高さを思うと、つい「んな、無茶なことを言われても」と断りたくなってしまうのは仕方ないはず。
ラクシャルの勇者と言えば、類稀な槍使いであり、全属性魔法を使いこなし、身体能力も化け物級と評判だ。性格が温厚である、というのはありがたい話だけど、好んで探りを入れたい相手ではない。
敵対しようとしていると勘違いされたらどうしてくれる。
正直、俺としては全力で断りたい依頼なんだけど、無下に断れない状況であると理解しているから難しい。
俺たちが活動拠点としているマーレ町は、この地にできたダンジョンと契約を結んでいる。そして、ほぼ一方的に利益を受け取っている状況だ。
ダンジョンマスターの機嫌を損ねて契約が破断となれば、損害があまりに大きい。
だからこそ、ダンジョンの敵となり得るラクシャルの動向を探るのは当然で、万が一の場合には身命を賭し妨害に動かなければならない。……勇者相手に、だ。どう考えても無謀である。
でも、敵対するのはともかく、探る任務をこなせるのは現時点で俺たちだけだというのもわかっているのだ。
ダンジョン目当てに多くの冒険者が集まってきているけど、そのほとんどは大した実力を持っていない。というか、冒険者になりたてレベルの者が多い。
俺たちが数少ないBランク冒険者として重宝されるのは当然だ。
それはわかっているけど、やっぱりどう考えても厄介事に巻き込まれそうな依頼は受けたくないんだよなぁ。
「あー……その、ですね……」
とりあえず、なんとか即時受諾は避けたいと言葉を紡ごうとしたところで、頭を上げたギルド長と目が合って嫌な予感を覚えた。
「依頼を受けてくれたら——君が思い込みでなんの咎もない冒険者を疑い活動を妨害したことはなかったことにしよう」
ほらぁああ、絶対言われると思った!
痛む頭を抱えたい気分になりながら、両隣から向けられるジトッとした視線を無視する。
俺が下手を打ったことはわかってる。けど、こんなことになるなんて予想できるわけがないだろう! 俺だって、この町のことを思って動いただけなんだぞ。なんでそんな責められなきゃいけないんだ。
……そりゃあ、疑った挙げ句、この町から追い出すみたいな形になったことは悪かったけど。
脳裏に『ラッキーボーイ』と噂されていた青年の姿が浮かび、幾度も繰り返した謝罪の言葉を向ける。
もふもふ教なんて意味のわからないものの調査も兼ねて共に依頼をこなした冒険者マオ。
冒険者登録してからさほど時間が経っていないのにもかかわらず、ソロ冒険者として確かな実力を発揮し堅実に依頼をこなしている。
直感的に違和感を抱き、探りを入れたことに間違いはなかったと思っている。今でもすべての疑いが晴れたとは思わないし。
けど……彼がこの地のダンジョンに敵意を持っていないのは確かだったのだから、ああもあからさまに探り追い出すような真似をする必要がなかったのも確かなのだ。
存在の怪しさはともかく、冒険者ギルドにとって有用な人物であったのも間違いはないのだし。
だから、こうしてギルド長から失態として挙げられるのは仕方ない。
それで貧乏くじのような依頼を受けなければならなくなったことには、盛大にため息をつきたいけど。
「——わかりました。依頼を受けます」
「そうか! 助かるよ。勇者以外の使者団についてはこちらで対応するから気にしないでくれ」
「了解しました」
勇者の他にラクシャルの貴族と神官も来るんだったっけ? そっちの探りまで依頼されたら、依頼を放棄してこの町からも離れることを決めていただろうから、ギルド長の見極め力は流石だ。
……あーあ、ダダンとルイリ、どうやって説得しようかなぁ。
◇◆◇
不満いっぱいのダダンとルイリをなんとか説得して、依頼に協力してもらえることになった。
俺たち普段はソロで活動してるから、こうしてパーティを組んで行動してもらうには利益を提示しないとダメなんだぞ? 冒険者ギルドも協力してくれてるとはいえ、ちょっと痛い出費になったな……。
とにかく、そういうわけで三人で勇者を探ることになったんだが——この勇者パーティ、なんなんだ?
「……化け物だな」
「一撃かよ……」
「自信無くしちゃうわ……」
あまりに格の違う戦闘風景に、つい乾いた笑みが漏れる。
この化け物たちがこの町にいる間、ずっと監視しなきゃいけないっていうのが怖すぎるんだけど?
「あ……」
「なんだよ」
「今、目が合った気がする……」
俺をチラッと見た勇者がニコリと微笑んで目を逸らしたのを見て、怖気が走った。
怖っ! 絶対気づいてるだろ。その上で見逃すくらい余裕綽々なんだよな! わかってるよ、見逃してくれてありがとう!
「——もう、勇者たちはこのダンジョンのご飯が気になって楽しんでるだけだって報告あげて終わりにしちゃ駄目か?」
「ダメでしょ」
引き攣った顔のルイリに即答されて、ガックリと肩が落ちる。
だよなぁ、わかってるよ。監視に気づかれてるとしても、依頼放棄はできないって。
「はぁ……」
このダンジョンができてから面倒くさいことばっかりだ……。
ちょっとだけダンジョンマスターを呪いたい気分になったのもしかたないよな?
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