S級冒険者の子どもが進む道

干支猫

文字の大きさ
138 / 724
廻り合い、交差

第百三十七話 ただの一人の

しおりを挟む

「やっと、着いたね」
「ええ。わたくしも久しぶりに登りましたのでさすがに疲れましたわ」

まだ塔の最上部に到達したばかりであり、最上部には外に出る為の観音開きの扉が一つあった。
僅かに開いていたその扉の隙間からは外の光が差し込んでいる。

エレナが小さくヨハンに笑いかけるのだが、どうしてエレナが笑っているのか、その意図が理解出来ずに疑問符を浮かべた。

何も説明がされないまま、エレナは笑みを浮かべたままその扉をゆっくりと両手で押し開く。

外の光、眩い光が差し込みエレナの顔を隠すように照らし出す中、エレナの影はその指を外に向かって指し示した。

「見てくださいませ」
「え?」

暗闇に目が慣れてしまっていたために思わぬ光量に目が眩むのだが次第に目が慣れてくる。

「うわーっ!」

ヨハンは目の前に広がる思わぬ光景に感嘆の声を上げ、前に向かってゆっくりと歩いた。
物見塔の外壁に手を置き、見渡すようにして辺りを見る。

エレナが開けたドアからは遥か遠くに山々が、大きく連なる山脈が見え、広々とした青空には風に流される雲が王都を隠すようにして影を作りながらゆっくりと動いていた。
反対側、西側に目を送ると、地平線を一望できる。

「……すごい」

まさに絶景と言わざるを得ないその景観を広々と見渡した。

「ねぇエレナ」
「はい」

にこやかな表情を浮かべるエレナに向けて続けて口を開く。
ヨハンは物見塔の外壁部分から身を乗り出しながら下を向いていた。

「見て!王都が下にこんなに小さく見えるよ!」
「うふふっ、喜んでもらえたようでなによりですわ」

ヨハンのはしゃぎようをみながらエレナは後ろ手に手を組み満足そうに、微笑ましそうに見ている。

物見塔の屋上に当たるこの最上部からは、眼下を一望出来た。

塔に登る前、エレナからこの塔のことを聞かれた時には、その位置と高さから王都を下に見る景色があるのは当然わかってはいたのだが、想像を遥かに超えたその景色、景観に感動してしまう。

「わたくしがヨハンさんをここに連れて来た理由、わかってもらえましたか?」
「うん! 王都を上から見るとこうなってたんだね!あっ、王宮も見える!」

並び立つ様にしてヨハンの横にエレナが立った。

「これが、この下に広がっているのがこの国の王都なのですわ」
「すごいよっ! こんなにも綺麗な街が広がっているなんて思ってもみなかったよ!!」

見渡した王都内の景色、円形状に作られ外壁の中で地区ごとに整備されている。
各方角に綺麗に区画整備されたその街並みは上から見下ろして初めてその構造を確認できるほど綺麗であり、平面上に見るその景色とは大きく異なっていた。

感心する様にしてしばらくその景色を堪能する。

純粋に初めて見るその景色を眺めるヨハンに対して、時折エレナはそのヨハンの横顔を愛しさと切なさを織り交ぜた表情で見つめていた。

「エレナは…………」
「えっ?」

眺めていたところで不意にヨハンが口を開く。

「エレナは、すごいね」

真っ直ぐにヨハンはエレナの顔を見た。

「どうして、でしょうか??」

突然褒められたことでエレナは困惑する。

「だって――」

そこでヨハンはもう一度王都に向かって、大きく手を広げた。

「こんなにも、こんなにも大きく雄大な、威厳のある佇まいのこの街、いや、この国の王女様なんだよ?」
「そう……ですわね」

「この下には多くの人が働いていて、生活をしていて、楽しそうに笑って、時には泣いて……怒って、それでもやっぱり笑って喜んで生きている。そんな国の王女なんだよ」

改めてエレナの立場の凄さを実感する。

「わたくしは…………確かにわたくしは、この国の王女ですわ。いずれ、父に代わりこの国を導く立場に就かなければいけません」
「そっか、エレナには兄弟がいないんだもんね。そっかぁ…………」

エレナ自身によっぽどの問題、それこそ大犯罪でも侵さない限りは生きていれば王位継承権はエレナにあった。それはヨハンも知っている。

今だけ、学生の間だけ行動を共にしているのだということは。

「…………ですが」

エレナは下を向き、口籠りながらもなんとか伝えなければいけない言葉を、振り絞るようにしてヨハンに伝えようと口を開いたのだが――。

「わかってるよ」

下を向いているエレナの様子を見て、遮るように口を開いたのはヨハンの方。
屈託のない笑顔が向けられていた。

「えっ?」
「ごめん。僕が悪かったね。さっきのはやっぱナシね。今は僕たちの仲間のエレナだよ。うん。王女様だなんて関係のない、エレナ・スカーレットじゃなくてただのエレナだね。ごめんね、学校が禁則にしているのに、つい……」
「い、いえっ――」

慌てて手を振りヨハンの謝罪を否定しようとするのは、ヨハンに悪気があったわけではないのがわかっているから。

「エレナ?」

その表情を見て驚いてしまうのだが、エレナもまたゆっくりと頬に指先を送る。

「あ、あらっ? わたくしとしたことが、どうしたのですかね」

瞬間、エレナはその目に大粒の涙を浮かべ、その大粒の涙はすぐさまエレナの頬を伝うとポツリと地面に落ちた。

「ご、ごめん!エレナ! ぼ、ぼく――」
「ち、ちがいますの!」

あわあわと困惑するヨハンに対して、エレナは泣き顔を見られないようにして後ろを向く。
涙を流してしまったことが恥ずかしくなり、とてもヨハンの顔を見ることができない。

先程ヨハンによって紡がれた言葉は、エレナ自身が伝えたかった言葉。
将来を見据えた時にいくつかの葛藤を胸に秘めたことでどう伝えようかと悩んでしまった。

そんな中で不意に送られた言葉が胸に刺さる。
突然のエレナの涙を見たヨハンは困惑した。

「ど、ど、ど、どうしたの!? ご、ごめん、ぼ、僕、どうしたらいいかな!?」

と、慌てた様子でエレナの両肩を掴む。
そこには珍しくヨハンが心底困惑している様子が背中越しでも手に取るようにわかった。

「――プッ」

余りにもヨハンの困惑した様子が面白くなり、エレナは思わず吹き出してしまう。

「エレナ?」

背中越しなので表情が見えず、どうして笑ったのかわからず疑問符を浮かべながらエレナの様子を窺うヨハンなのだがエレナは顔だけ回してゆっくりと振り返った。

「僕……――」

まだ目尻には涙の残痕があり、目は微かに充血していた。

そして、ゆっくりと口を開く。

「いえ、何もしなくても大丈夫ですわ。ただ…………ただ、こうしている。なによりそれだけでわたくしには十分ですわ」

将来のことなど今は関係ない。
目の前にいる彼を困らせるわけにはいかない。
送られた言葉、それを彼が口にしてくれたことが何よりも嬉しい。

「ありがとうございます」

頬は乾いており、片手は手を乗せられていた肩、ヨハンの手の上にそっと重ねる。
そのまま目尻の涙を拭ってエレナはヨハンに向かって笑いかけた。

「……エレナ」

陽が沈みかけたその夕焼けがエレナの顔を赤く照らし、朱色が頬を伝った涙の道筋に色味を失くして反射する。
エレナのその表情は、ヨハンがこれまで見たことのないエレナの表情であり、今までのどのエレナよりも一際輝いて見えた。

「――えっ!? ヨ、ヨハンさん!?」

ヨハンの行動にエレナの目が泳ぐ。
身体には微かに感じるヨハンの体温、背中にはギュッと回された腕の感触。

ヨハンは思わずエレナをギュッと抱きしめてしまっていた。
自分でも気付かない程、無自覚で力強く抱きしめている。

すぐさま、数瞬の間を開け我に返ったヨハンは自分のしていることに気付いて慌ててエレナの背に回していた手を肩に置いて引き離した。

「ご、ごめん! 急にごめん! び、びっくりしたよね!?」

その顔は恥ずかしさから真っ赤になってしまっており、西日が差す陽の光さえ通り過ぎるほど赤面した赤。

「あっ……――」

エレナは無言で両膝を地面に着き少し俯く。
その表情はヨハン以上に真っ赤になってしまっており、口をパクパクとさせ上手く言葉を発せなかった。
しかし、ヨハンから見ればエレナがショックで膝を着いてしまったとしか思えない。真っ赤になっていることには気付かない。

「ご、ごめん、ぼ、僕――」

顔面蒼白するのだが、突然の行動に戸惑い困惑するのはお互い様。
エレナも慌てふためいているヨハンにすぐさま気付く。

「だ、大丈夫ですわ!」

慌てて立ち上がり、しっかりとヨハンの顔を見るのだが、赤面していることを気付かれたらどうしようかと脳裏を過った。

「あっ――」
「ごめん!」

真っ赤に染まった夕日が照らしていることと、困惑してしまっているヨハンはすぐさま頭を下げたのでエレナの表情に全く気付かない。

「あ、あの、エレナ?」

どうしたらいいかわからず目線だけをゆっくりと見上げながら恐る恐るエレナを見る。
その距離もまた十分に近いのだが、このまま何も言えなかったらヨハンを困らせてしまうのがわかっていたエレナは必死に平静を装った。

「だ、大丈夫ですわ。じ、実はわたくし、あまり高いところが得意ではないのですわ」
「えっ?」

通常なら言わない言い訳。
取って付けたような言い訳を口にしてしまう。

「そ、それで少し立ち眩みがしましたの」
「え?そうなの?」
「そ、そうですわ」

困惑しながらもその言葉を聞いてヨハンはホッと息を漏らした。

「そ、そっか。な、なんかごめんね、僕だけがはしゃいでしまって」
「いえいえヨハンさんに喜んでもらいたくてお連れしましたので、そんなに喜んでもらえたのならわたくしも嬉しいですわ」

もうそこには泣き顔も羞恥もなくなっている。

「そっか、じゃあそろそろ降りようか。あんまり遅くなってもね」
「ええ、そうですわね」

そこに夕暮れの冷たい風が吹き荒ぶ。

「ほらほら、夜風は冷えるから早く帰ろうよ」

塔内に戻るためにヨハンがエレナの手を握る。

「あっ――」

突然手を握られたエレナは、先程抱きしめられたことを思い出し、再びその顔を紅潮させた。
しかしヨハンは前を向いている為にそれに気付かない。

「ヨハンさん?」
「ん?」

塔に入る扉を抜けようとしたところで声を掛けられる。

「夜の灯りに照らされた王都も綺麗なのでまた来ましょうね」
「えっ!? 高いのはだめなんじゃないの?」
「暗ければ下は見えないので大丈夫ですわ」
「そんなもんなの?」

高所恐怖症の気が無いから実際のところはわからない。

「ええ」
「ふぅん」

軽く笑い返すエレナの様子を見る限りは恐らく大丈夫だろうということはわかった。

エレナは決して高いのが怖かったわけではないのは勿論なのだが、平静でいられなかったことを誤魔化すことしかできない。
しかし、誤魔化したとしても、もう一度。もう一度ここの景色を一緒に見に来たかった。

しおりを挟む
感想 35

あなたにおすすめの小説

攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】

水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】 【一次選考通過作品】 ---  とある剣と魔法の世界で、  ある男女の間に赤ん坊が生まれた。  名をアスフィ・シーネット。  才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。  だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。  攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。 彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。  --------- もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります! #ヒラ俺 この度ついに完結しました。 1年以上書き続けた作品です。 途中迷走してました……。 今までありがとうございました! --- 追記:2025/09/20 再編、あるいは続編を書くか迷ってます。 もし気になる方は、 コメント頂けるとするかもしれないです。

老衰で死んだ僕は異世界に転生して仲間を探す旅に出ます。最初の武器は木の棒ですか!? 絶対にあきらめない心で剣と魔法を使いこなします!

菊池 快晴
ファンタジー
10代という若さで老衰により病気で死んでしまった主人公アイレは 「まだ、死にたくない」という願いの通り異世界転生に成功する。  同じ病気で亡くなった親友のヴェルネルとレムリもこの世界いるはずだと アイレは二人を探す旅に出るが、すぐに魔物に襲われてしまう  最初の武器は木の棒!?  そして謎の人物によって明かされるヴェネルとレムリの転生の真実。  何度も心が折れそうになりながらも、アイレは剣と魔法を使いこなしながら 困難に立ち向かっていく。  チート、ハーレムなしの王道ファンタジー物語!  異世界転生は2話目です! キャラクタ―の魅力を味わってもらえると嬉しいです。  話の終わりのヒキを重要視しているので、そこを注目して下さい! ****** 完結まで必ず続けます ***** ****** 毎日更新もします *****  他サイトへ重複投稿しています!

【完結】悪役に転生したのにメインヒロインにガチ恋されている件

エース皇命
ファンタジー
 前世で大好きだったファンタジー大作『ロード・オブ・ザ・ヒーロー』の悪役、レッド・モルドロスに転生してしまった桐生英介。もっと努力して意義のある人生を送っておけばよかった、という後悔から、学院で他を圧倒する努力を積み重ねる。  しかし、その一生懸命な姿に、メインヒロインであるシャロットは惚れ、卒業式の日に告白してきて……。  悪役というより、むしろ真っ当に生きようと、ファンタジーの世界で生き抜いていく。  ヒロインとの恋、仲間との友情──あれ? 全然悪役じゃないんだけど! 気づけば主人公になっていた、悪役レッドの物語! ※小説家になろう、カクヨム、エブリスタにも投稿しています。

神様に与えられたのは≪ゴミ≫スキル。家の恥だと勘当されたけど、ゴミなら何でも再生出来て自由に使えて……ゴミ扱いされてた古代兵器に懐かれました

向原 行人
ファンタジー
 僕、カーティスは由緒正しき賢者の家系に生まれたんだけど、十六歳のスキル授与の儀で授かったスキルは、まさかのゴミスキルだった。  実の父から家の恥だと言われて勘当され、行く当ても無く、着いた先はゴミだらけの古代遺跡。  そこで打ち捨てられていたゴミが話し掛けてきて、自分は古代兵器で、助けて欲しいと言ってきた。  なるほど。僕が得たのはゴミと意思疎通が出来るスキルなんだ……って、嬉しくないっ!  そんな事を思いながらも、話し込んでしまったし、連れて行ってあげる事に。  だけど、僕はただゴミに協力しているだけなのに、どこかの国の騎士に襲われたり、変な魔法使いに絡まれたり、僕を家から追い出した父や弟が現れたり。  どうして皆、ゴミが欲しいの!? ……って、あれ? いつの間にかゴミスキルが成長して、ゴミの修理が出来る様になっていた。  一先ず、いつも一緒に居るゴミを修理してあげたら、見知らぬ銀髪美少女が居て……って、どういう事!? え、こっちが本当の姿なの!? ……とりあえず服を着てっ!  僕を命の恩人だって言うのはさておき、ご奉仕するっていうのはどういう事……え!? ちょっと待って! それくらい自分で出来るからっ!  それから、銀髪美少女の元仲間だという古代兵器と呼ばれる美少女たちに狙われ、返り討ちにして、可哀想だから修理してあげたら……僕についてくるって!?  待って! 僕に奉仕する順番でケンカするとか、訳が分かんないよっ! ※第○話:主人公視点  挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点  となります。

【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』

ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。 全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。 「私と、パーティを組んでくれませんか?」 これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!

転落貴族〜千年に1人の逸材と言われた男が最底辺から成り上がる〜

ぽいづん
ファンタジー
ガレオン帝国の名門貴族ノーベル家の長男にして、容姿端麗、眉目秀麗、剣術は向かうところ敵なし。 アレクシア・ノーベル、人は彼のことを千年に1人の逸材と評し、第3皇女クレアとの婚約も決まり、順風満帆な日々だった 騎士学校の最後の剣術大会、彼は賭けに負け、1年間の期限付きで、辺境の国、ザナビル王国の最底辺ギルドのヘブンズワークスに入らざるおえなくなる。 今までの貴族の生活と正反対の日々を過ごし1年が経った。 しかし、この賭けは罠であった。 アレクシアは、生涯をこのギルドで過ごさなければいけないということを知る。 賭けが罠であり、仕組まれたものと知ったアレクシアは黒幕が誰か確信を得る。 アレクシアは最底辺からの成り上がりを決意し、復讐を誓うのであった。 小説家になろうにも投稿しています。 なろう版改稿中です。改稿終了後こちらも改稿します。

無限に進化を続けて最強に至る

お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。 ※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。 改稿したので、しばらくしたら消します

スキルで最強神を召喚して、無双してしまうんだが〜パーティーを追放された勇者は、召喚した神達と共に無双する。神達が強すぎて困ってます〜

東雲ハヤブサ
ファンタジー
勇者に選ばれたライ・サーベルズは、他にも選ばれた五人の勇者とパーティーを組んでいた。 ところが、勇者達の実略は凄まじく、ライでは到底敵う相手ではなかった。 「おい雑魚、これを持っていけ」 ライがそう言われるのは日常茶飯事であり、荷物持ちや雑用などをさせられる始末だ。 ある日、洞窟に六人でいると、ライがきっかけで他の勇者の怒りを買ってしまう。  怒りが頂点に達した他の勇者は、胸ぐらを掴まれた後壁に投げつけた。 いつものことだと、流して終わりにしようと思っていた。  だがなんと、邪魔なライを始末してしまおうと話が進んでしまい、次々に攻撃を仕掛けられることとなった。 ハーシュはライを守ろうとするが、他の勇者に気絶させられてしまう。 勇者達は、ただ痛ぶるように攻撃を加えていき、瀕死の状態で洞窟に置いていってしまった。 自分の弱さを呪い、本当に死を覚悟した瞬間、視界に突如文字が現れてスキル《神族召喚》と書かれていた。 今頃そんなスキル手を入れてどうするんだと、心の中でつぶやくライ。 だが、死ぬ記念に使ってやろうじゃないかと考え、スキルを発動した。 その時だった。 目の前が眩く光り出し、気付けば一人の女が立っていた。 その女は、瀕死状態のライを最も簡単に回復させ、ライの命を救って。 ライはそのあと、その女が神達を統一する三大神の一人であることを知った。 そして、このスキルを発動すれば神を自由に召喚出来るらしく、他の三大神も召喚するがうまく進むわけもなく......。 これは、雑魚と呼ばれ続けた勇者が、強き勇者へとなる物語である。 ※小説家になろうにて掲載中

処理中です...