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第十四話 友達でもいい加減にしないと怒る
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ピーちゃん、いわく、ここからが『激しい戦いだった』そうだ。
僕は何も言わずにピーちゃんの話を聞き続けた。
多分、友達ってこういう存在なんだと思う。
『”バードストライク”』
ボスとピーちゃんの二人の超体当たりが空中で激突した。
『⁉︎』
敗れたのはピーちゃんだった。
跳ね飛ばされたピーちゃんが地上に落ちていく。
『バードストライクなら私も使える。同じ技なら体格の大きい方が勝つ。それが世界の道理だ』
『ぐぅぅぅ、そんなの知らない!』
地上ギリギリでピーちゃんは立て直した。
くるりと反転して急上昇すると、そのままボスに向かっていった。
『”バードストライク”』
『何度やっても結果は同じだ。”バードストライク”』
急降下と急上昇。再び二人の超体当たりが激突した。
『ガァ……!』
もちろん敗れたのはピーちゃんだ。
だけど、今度は跳ね飛ばされなかった。
ボスに体当たりされたまま地上に急降下していく。
そして、そのまま地上に大激突させられた。
畑の中に埋められてしまった。
『口程にもなかったな。魔法具は貰っておくぞ』
クチバシで咥えられると、畑から野菜みたいに引っこ抜かれた。
『ま、まだ、戦え、る……』
『そうか。それはよかったな』
ぼんやりとした意識でなんとか言うと、クチバシから畑に放り投げられた。
『もう喋るな、黙ってろ。死体から奪ってもいいんだぞ』
『も、もう、お前には、何も、奪わせない……』
ボロボロの身体で立ち上がるとピーちゃんは言った。
『そうか。では、お前の命から奪うとしよう。魔法具はその後だ』
ピーちゃん……この絶体絶命の状況でどうやって帰ってきたの。
【種族:ブルーバード レベル17 筋力22 耐久18 敏捷25 器用6 知力6 魔力7 運5 残りポイント15 『バードストライク習得』】
『奪われる前に使ってやる』
【種族:ブルーバード レベル17 筋力22 耐久18 敏捷40 器用6 知力6 魔力7 運5 残りポイント0 『バードストライク習得』】
【超加速習得】——『敏捷』を短時間だけ三倍に出来る。
『もう誰にも僕は止められない』
『そうか。それはよかったな!』
畑に立つピーちゃんにボスがバードストライクで向かってきた。
絶体絶命のピンチにピーちゃんは、ボスに向かって飛び立つと使ったそうだ。
『”超加速”——”バードストライク”』
その瞬間、ピーちゃんは世界から消えた。
『ガァァッ……‼︎』
再び世界に現れた時、ボスの身体にピーちゃんのクチバシが突き刺さっていた。
そのままボスを突き刺したまま真っ直ぐ飛んでいき、森の樹木に大激突して止まった。
『ハァハァ、奪われるのは、お前の命だったな』
ピーちゃん、何カッコつけて言ってるの? 友達でもいい加減にしないと怒るよ。
ポイント勝手に使えてるし、作り話するならもっと真面目に作った方がいいよ。
『全員倒してきたよ。クエスト成功でいい?』
まだ続ける気なんだね。さすがは勇気のピーちゃんだけど、これは無謀だよ。
収納袋にボスの死体を入れると、畑に座り込んでいたヤバい男に報告したそうだ。
「……まさか鳥に助けられるなんてな。世の中には良い鳥もいたんだな。俺が悪かった。鳥を見る目、いや、人を見る目がなかった。あんたは鳥だが、人間と同じ心がある」
男はピーちゃんに最初の無礼を謝ると、ピーちゃんを認めてくれたそうだ。
そして、ブラックバード討伐の報酬をくれたそうだ。
「報酬は【現地調達】だ。畑の野菜を好きなだけ持って行ってくれ。と言っても食いかけが多いんだがな」
『別にいいよ。洗えば食べられるから。それに美味しんでしょ?』
「ああ、もちろんだ。今度来る時には美味しい食べかけじゃない野菜を期待してくれ」
『うん、期待してる』
男と手と翼で約束すると、野菜と倒したブラックバードを収納袋に回収して飛び立った。
そして、冒険者ギルドで報告し、ブラックバードを渡して、傷だらけで帰ってきたそうだ。
♢♢♢
「……ピーちゃん、嘘つきは泥棒の始まりなんだよ」
『嘘つきじゃない。泥棒なのはブラックバード』
「はいはい。ピーちゃんがそのつもりなら見るからね」
【種族:ブルーバード レベル18 筋力23 耐久19 敏捷40 器用6 知力6 魔力8 運6 残りポイント3 『バードストライク習得』『超加速習得』】
……ピ、ピーちゃん、本当のこと言ってたの?
嘘だと思っていたのに見たら本当だった。
レベル18になっているし、バードストライクと超加速習得している。
「ごめん、ピーちゃん。本当のこと言ってたんだね」
素直に頭を下げて謝った。友達を疑うなんて、僕の方がどうかしていた。
命懸けで野菜を守ってきたピーちゃんに友達の僕がすることじゃなかった。
『ふぅー、誠意が足りないんじゃないかな?』
ピ、ピーちゃん⁉︎ 謝ったのに一羽根剥けたせいか難しい言葉使ってきた。
確かにベッドに座ったまま頭を下げただけだ。これじゃあ誠意が足りない。
ベッドから降りると、今度は床に頭をつけて謝った。
「ごめん、ピーちゃん。僕が悪かったです。ごめんなさい」
『ふぅー、今回だけだからね』
「…………」
ピーちゃん、僕、土下座するの初めてだからね。鳥相手にするの初めてだからね。
嘘じゃないよ。嘘であってほしいけど、嘘じゃないからね。
僕は何も言わずにピーちゃんの話を聞き続けた。
多分、友達ってこういう存在なんだと思う。
『”バードストライク”』
ボスとピーちゃんの二人の超体当たりが空中で激突した。
『⁉︎』
敗れたのはピーちゃんだった。
跳ね飛ばされたピーちゃんが地上に落ちていく。
『バードストライクなら私も使える。同じ技なら体格の大きい方が勝つ。それが世界の道理だ』
『ぐぅぅぅ、そんなの知らない!』
地上ギリギリでピーちゃんは立て直した。
くるりと反転して急上昇すると、そのままボスに向かっていった。
『”バードストライク”』
『何度やっても結果は同じだ。”バードストライク”』
急降下と急上昇。再び二人の超体当たりが激突した。
『ガァ……!』
もちろん敗れたのはピーちゃんだ。
だけど、今度は跳ね飛ばされなかった。
ボスに体当たりされたまま地上に急降下していく。
そして、そのまま地上に大激突させられた。
畑の中に埋められてしまった。
『口程にもなかったな。魔法具は貰っておくぞ』
クチバシで咥えられると、畑から野菜みたいに引っこ抜かれた。
『ま、まだ、戦え、る……』
『そうか。それはよかったな』
ぼんやりとした意識でなんとか言うと、クチバシから畑に放り投げられた。
『もう喋るな、黙ってろ。死体から奪ってもいいんだぞ』
『も、もう、お前には、何も、奪わせない……』
ボロボロの身体で立ち上がるとピーちゃんは言った。
『そうか。では、お前の命から奪うとしよう。魔法具はその後だ』
ピーちゃん……この絶体絶命の状況でどうやって帰ってきたの。
【種族:ブルーバード レベル17 筋力22 耐久18 敏捷25 器用6 知力6 魔力7 運5 残りポイント15 『バードストライク習得』】
『奪われる前に使ってやる』
【種族:ブルーバード レベル17 筋力22 耐久18 敏捷40 器用6 知力6 魔力7 運5 残りポイント0 『バードストライク習得』】
【超加速習得】——『敏捷』を短時間だけ三倍に出来る。
『もう誰にも僕は止められない』
『そうか。それはよかったな!』
畑に立つピーちゃんにボスがバードストライクで向かってきた。
絶体絶命のピンチにピーちゃんは、ボスに向かって飛び立つと使ったそうだ。
『”超加速”——”バードストライク”』
その瞬間、ピーちゃんは世界から消えた。
『ガァァッ……‼︎』
再び世界に現れた時、ボスの身体にピーちゃんのクチバシが突き刺さっていた。
そのままボスを突き刺したまま真っ直ぐ飛んでいき、森の樹木に大激突して止まった。
『ハァハァ、奪われるのは、お前の命だったな』
ピーちゃん、何カッコつけて言ってるの? 友達でもいい加減にしないと怒るよ。
ポイント勝手に使えてるし、作り話するならもっと真面目に作った方がいいよ。
『全員倒してきたよ。クエスト成功でいい?』
まだ続ける気なんだね。さすがは勇気のピーちゃんだけど、これは無謀だよ。
収納袋にボスの死体を入れると、畑に座り込んでいたヤバい男に報告したそうだ。
「……まさか鳥に助けられるなんてな。世の中には良い鳥もいたんだな。俺が悪かった。鳥を見る目、いや、人を見る目がなかった。あんたは鳥だが、人間と同じ心がある」
男はピーちゃんに最初の無礼を謝ると、ピーちゃんを認めてくれたそうだ。
そして、ブラックバード討伐の報酬をくれたそうだ。
「報酬は【現地調達】だ。畑の野菜を好きなだけ持って行ってくれ。と言っても食いかけが多いんだがな」
『別にいいよ。洗えば食べられるから。それに美味しんでしょ?』
「ああ、もちろんだ。今度来る時には美味しい食べかけじゃない野菜を期待してくれ」
『うん、期待してる』
男と手と翼で約束すると、野菜と倒したブラックバードを収納袋に回収して飛び立った。
そして、冒険者ギルドで報告し、ブラックバードを渡して、傷だらけで帰ってきたそうだ。
♢♢♢
「……ピーちゃん、嘘つきは泥棒の始まりなんだよ」
『嘘つきじゃない。泥棒なのはブラックバード』
「はいはい。ピーちゃんがそのつもりなら見るからね」
【種族:ブルーバード レベル18 筋力23 耐久19 敏捷40 器用6 知力6 魔力8 運6 残りポイント3 『バードストライク習得』『超加速習得』】
……ピ、ピーちゃん、本当のこと言ってたの?
嘘だと思っていたのに見たら本当だった。
レベル18になっているし、バードストライクと超加速習得している。
「ごめん、ピーちゃん。本当のこと言ってたんだね」
素直に頭を下げて謝った。友達を疑うなんて、僕の方がどうかしていた。
命懸けで野菜を守ってきたピーちゃんに友達の僕がすることじゃなかった。
『ふぅー、誠意が足りないんじゃないかな?』
ピ、ピーちゃん⁉︎ 謝ったのに一羽根剥けたせいか難しい言葉使ってきた。
確かにベッドに座ったまま頭を下げただけだ。これじゃあ誠意が足りない。
ベッドから降りると、今度は床に頭をつけて謝った。
「ごめん、ピーちゃん。僕が悪かったです。ごめんなさい」
『ふぅー、今回だけだからね』
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嘘じゃないよ。嘘であってほしいけど、嘘じゃないからね。
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