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第十八話 二つあるけど、どっちに行けばいいの?
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ピーちゃんは見つからないように隠れると、アイツの調査を始めた。
もちろん調査クエストを受けているからだ。
「まったく秘境ダンジョンは行くだけでも苦労するな。ギルドも道ぐらい作れよ」
「その道を作るのは冒険者か? ブツクサ言わずに歩くんだな」
「はいはい。歩くだけなら猿でも出来るってな」
アイツの他に三人の男達がいたそうだ。
見た目はアイツよりも十歳以上も年上のおじさん達だ。
剣を腰に持ったのが二人、杖を持ったのが一人、アイツは剣と盾を持っている。
「ハァハァ、ハァハァ」
「おい、アトラス! 遅れてるぞ!」
「すみません!」
そんなおじさん達の後ろを息を切らせて、アイツがついていく。
口顎ひげの怖そうなおじさんに大声で怒られると、すぐに謝って走っていく。
どうやら見習いみたいだ。
お父さんも行商人見習いだから、よく先輩に怒られるとお母さんに愚痴っている。
『ククッ。怒られてる』
アイツが怒られて嬉しかったみたいだ。ピーちゃんは笑うと隠れるのをやめた。
『何してるの?』
四人の前に飛んでいくと聞いてみた。
「うお⁉︎ 魔物か!」
「待て! ギルドで見たことがある。従魔の喋る鳥だ」
怖そうな口顎ひげおじさんが驚き、腰から剣を抜いた。
切りかかろうとしたけど、少し長めの金髪おじさんが立ち塞がって止めてくれた。
「あっ、お前、何でここにいるんだよ!」
そこにアイツが加わった。ピーちゃんを見て驚き聞いてきた。
『調査クエストで来た。怪しい人間見つけたから調査してる』
「誰が怪しい人間だ。この山にあるダンジョンに向かってんだよ」
『じゃあ泥棒だ。泥棒見つけた』
「はぁっ? 何で泥棒なんだよ! ギルドにいい加減な報告したら罰金だからな!」
『お前がな』
「このクソ鳥がぁぁあ!」
ピーちゃん、絶好調だね。ここぞとばかりに言いまくりだね。
アイツがめちゃ怒っているって、見てない僕でも分かるよ。
「アトラス、テメェは下がってろ。話が出来ねえ」
「す、すみません……」
そんなアイツが口顎ひげおじさんにも怒られた。
おじさんに謝ると、大人しく後ろに下がった。
「おい、鳥。俺達が泥棒ってどういう意味だ?」
今度は口顎ひげおじさんの番みたいだ。ピーちゃんに聞いてきた。
『ダンジョンは魔物の家。人の家に入って物盗むのは泥棒のすること。だから泥棒』
「ハッ。泥棒じゃねえよ。魔物ってのは悪なんだ。言ってみれば、どこかから盗んだ物を俺達が回収してるようなもんだ。泥棒魔物から取り返してるんだよ。分かったか!」
『全然分かんない』
「この馬鹿鳥が! ブチ殺すぞ!」
「テレンス、テメェまでキレてんじゃねえよ。お前も下がってろ」
剣を抜いたままの口顎ひげのおじさんも怒らせてやったらしい。
ピーちゃん、それ以上は誰も怒らせたら駄目だよ。四対一だからね。
「ダンジョンの魔物を倒すだけなのも駄目なのか?」
『う~~ん、それは分かんない』
「分かんないって。分かんないのに泥棒扱いかよ!」
ピーちゃんの返事に口顎ひげのおじさんがまた怒り出した。
それをまた金髪おじさんが止めてくれた。
「テレンス! 鳥相手に会話が出来ると思う方が馬鹿だ。俺達が泥棒だと思うなら、ダンジョンの中までついて来ればいい。その勇気があるならな」
『分かった。そうする』
さすがは勇気のピーちゃんだ。断らなかった。でも、断るのも勇気だよ。
「おい、ジュノス、本気か⁉︎ 鳥だぞ!」
「ああ、本気だ。鳥でも道案内ぐらいは出来るだろ。おい、鳥。山の中にトンネルみたいな入り口があるはずだ。そこまで案内してくれ」
『分かった。二つあるけど、どっちに行けばいいの?』
「…………二つだと?」
ピーちゃんの言葉に金髪おじさんが目を見開いて驚いた。
「おい、鳥! 本当に入り口は二つあるのか!」
口顎ひげおじさんが我慢できなかったのか、ピーちゃんに興奮して訊ねてきた。
『うん、二つあった。空から調べたから間違いない。三つはなかった』
「三つあったらそれこそ大問題だ。おい、ジュノス! これって【新生ダンジョン】の可能性あるよな!」
「ああ、可能性はあるな。だったら【一番宝箱】を手に入れるチャンスだ」
「かぁーっ! 燃えてきたぜ! 鳥! さっさと案内しろ!」
何だか皆んな興奮しているようだけど、ピーちゃんが聞きたいのはそれじゃない。
どっちに案内すればいいかだ。
もちろん調査クエストを受けているからだ。
「まったく秘境ダンジョンは行くだけでも苦労するな。ギルドも道ぐらい作れよ」
「その道を作るのは冒険者か? ブツクサ言わずに歩くんだな」
「はいはい。歩くだけなら猿でも出来るってな」
アイツの他に三人の男達がいたそうだ。
見た目はアイツよりも十歳以上も年上のおじさん達だ。
剣を腰に持ったのが二人、杖を持ったのが一人、アイツは剣と盾を持っている。
「ハァハァ、ハァハァ」
「おい、アトラス! 遅れてるぞ!」
「すみません!」
そんなおじさん達の後ろを息を切らせて、アイツがついていく。
口顎ひげの怖そうなおじさんに大声で怒られると、すぐに謝って走っていく。
どうやら見習いみたいだ。
お父さんも行商人見習いだから、よく先輩に怒られるとお母さんに愚痴っている。
『ククッ。怒られてる』
アイツが怒られて嬉しかったみたいだ。ピーちゃんは笑うと隠れるのをやめた。
『何してるの?』
四人の前に飛んでいくと聞いてみた。
「うお⁉︎ 魔物か!」
「待て! ギルドで見たことがある。従魔の喋る鳥だ」
怖そうな口顎ひげおじさんが驚き、腰から剣を抜いた。
切りかかろうとしたけど、少し長めの金髪おじさんが立ち塞がって止めてくれた。
「あっ、お前、何でここにいるんだよ!」
そこにアイツが加わった。ピーちゃんを見て驚き聞いてきた。
『調査クエストで来た。怪しい人間見つけたから調査してる』
「誰が怪しい人間だ。この山にあるダンジョンに向かってんだよ」
『じゃあ泥棒だ。泥棒見つけた』
「はぁっ? 何で泥棒なんだよ! ギルドにいい加減な報告したら罰金だからな!」
『お前がな』
「このクソ鳥がぁぁあ!」
ピーちゃん、絶好調だね。ここぞとばかりに言いまくりだね。
アイツがめちゃ怒っているって、見てない僕でも分かるよ。
「アトラス、テメェは下がってろ。話が出来ねえ」
「す、すみません……」
そんなアイツが口顎ひげおじさんにも怒られた。
おじさんに謝ると、大人しく後ろに下がった。
「おい、鳥。俺達が泥棒ってどういう意味だ?」
今度は口顎ひげおじさんの番みたいだ。ピーちゃんに聞いてきた。
『ダンジョンは魔物の家。人の家に入って物盗むのは泥棒のすること。だから泥棒』
「ハッ。泥棒じゃねえよ。魔物ってのは悪なんだ。言ってみれば、どこかから盗んだ物を俺達が回収してるようなもんだ。泥棒魔物から取り返してるんだよ。分かったか!」
『全然分かんない』
「この馬鹿鳥が! ブチ殺すぞ!」
「テレンス、テメェまでキレてんじゃねえよ。お前も下がってろ」
剣を抜いたままの口顎ひげのおじさんも怒らせてやったらしい。
ピーちゃん、それ以上は誰も怒らせたら駄目だよ。四対一だからね。
「ダンジョンの魔物を倒すだけなのも駄目なのか?」
『う~~ん、それは分かんない』
「分かんないって。分かんないのに泥棒扱いかよ!」
ピーちゃんの返事に口顎ひげのおじさんがまた怒り出した。
それをまた金髪おじさんが止めてくれた。
「テレンス! 鳥相手に会話が出来ると思う方が馬鹿だ。俺達が泥棒だと思うなら、ダンジョンの中までついて来ればいい。その勇気があるならな」
『分かった。そうする』
さすがは勇気のピーちゃんだ。断らなかった。でも、断るのも勇気だよ。
「おい、ジュノス、本気か⁉︎ 鳥だぞ!」
「ああ、本気だ。鳥でも道案内ぐらいは出来るだろ。おい、鳥。山の中にトンネルみたいな入り口があるはずだ。そこまで案内してくれ」
『分かった。二つあるけど、どっちに行けばいいの?』
「…………二つだと?」
ピーちゃんの言葉に金髪おじさんが目を見開いて驚いた。
「おい、鳥! 本当に入り口は二つあるのか!」
口顎ひげおじさんが我慢できなかったのか、ピーちゃんに興奮して訊ねてきた。
『うん、二つあった。空から調べたから間違いない。三つはなかった』
「三つあったらそれこそ大問題だ。おい、ジュノス! これって【新生ダンジョン】の可能性あるよな!」
「ああ、可能性はあるな。だったら【一番宝箱】を手に入れるチャンスだ」
「かぁーっ! 燃えてきたぜ! 鳥! さっさと案内しろ!」
何だか皆んな興奮しているようだけど、ピーちゃんが聞きたいのはそれじゃない。
どっちに案内すればいいかだ。
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