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緋い記憶
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それに「どうかな」と小首を傾げた隆哉は、「それは、あんた次第だ」と付け加えた。
「へぇ?」
「一緒に、帰らない?」
「却下だ、お断り。行こうぜ、ヒデ」
淡々とした口調で誘われても、不気味なだけだ。友好を深めようとしているとも思えない。
横を通り過ぎようとした彬の手首を、隆哉が掴んだ。反射的に振り払おうとした彬の耳に、突如、聞き慣れた声が囁く。
――『……あきら……』
ギョッとして、隆哉に目を剥く。勢いよく彼の手を振り払った彬は、自分の手首を掴んで飛び退った。
「な…なな、なんだよ、今の! どーして……」
――今の、声は……!
「俊介の、声だったぞ」
蒼ざめたままズリズリと後退る彬は、塀にぶつかって足を止めた。それでも出来るだけ下がろうと、背中を塀に押し付ける。
「……えっ」
微かながら、初めて感情を含んだ声が隆哉の唇から洩れた。
「声が――聞こえた…って?」
自分の掌を見つめ、視線を上げて彬を見る。そうしてまた掌に視線を落とすと、理解不能とでも言うように首を傾げた。
「ウソだろ」
「へぇ?」
「一緒に、帰らない?」
「却下だ、お断り。行こうぜ、ヒデ」
淡々とした口調で誘われても、不気味なだけだ。友好を深めようとしているとも思えない。
横を通り過ぎようとした彬の手首を、隆哉が掴んだ。反射的に振り払おうとした彬の耳に、突如、聞き慣れた声が囁く。
――『……あきら……』
ギョッとして、隆哉に目を剥く。勢いよく彼の手を振り払った彬は、自分の手首を掴んで飛び退った。
「な…なな、なんだよ、今の! どーして……」
――今の、声は……!
「俊介の、声だったぞ」
蒼ざめたままズリズリと後退る彬は、塀にぶつかって足を止めた。それでも出来るだけ下がろうと、背中を塀に押し付ける。
「……えっ」
微かながら、初めて感情を含んだ声が隆哉の唇から洩れた。
「声が――聞こえた…って?」
自分の掌を見つめ、視線を上げて彬を見る。そうしてまた掌に視線を落とすと、理解不能とでも言うように首を傾げた。
「ウソだろ」
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