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白い影
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のんびりと言う隆哉に、彬がムッと顔を顰め、抗議の声をあげた。
「なんだよそれ! 無責任じゃんッ」
「ん? だって、俺は時任の依憑さえ叶えればいいだけだもん。関係ないよ、大下の友達がどーなったかなんて」
隆哉の台詞に、彬は目眩を覚える。額に手をあて「やれやれ」と首を振った。
――ああ、こいつはこーゆうヤツだっけ。
今更失望もしないし、別にいいけどさ。
調子の狂う相手にガリガリと頭をかいた彬は、「まあ、いいか」と諦め半分で一人ごちた。
なんにしても、今回狙われてるのは俺な訳で、他のヤツに迷惑をかける事もない。一人なら寂しいだろうが、俊介が一緒に逝くなら構わないよな。
まるで他人事のようだ。無邪気にクスリと笑みを洩らす。
「あっ、でも。痛くないようにしてくれってのは、頼んどくかなぁ」
頭の後ろで手を組んで薄暗い空を見上げた彬は、ハタッとして両手を下ろした。
「ちょっ……と、待て」
視線を落とし隆哉の顔を凝視しながら足を進めた彬は、呆然と言葉を口にした。
「俺の、後のヤツはどーなるんだ?」
「え?」
「なんだよそれ! 無責任じゃんッ」
「ん? だって、俺は時任の依憑さえ叶えればいいだけだもん。関係ないよ、大下の友達がどーなったかなんて」
隆哉の台詞に、彬は目眩を覚える。額に手をあて「やれやれ」と首を振った。
――ああ、こいつはこーゆうヤツだっけ。
今更失望もしないし、別にいいけどさ。
調子の狂う相手にガリガリと頭をかいた彬は、「まあ、いいか」と諦め半分で一人ごちた。
なんにしても、今回狙われてるのは俺な訳で、他のヤツに迷惑をかける事もない。一人なら寂しいだろうが、俊介が一緒に逝くなら構わないよな。
まるで他人事のようだ。無邪気にクスリと笑みを洩らす。
「あっ、でも。痛くないようにしてくれってのは、頼んどくかなぁ」
頭の後ろで手を組んで薄暗い空を見上げた彬は、ハタッとして両手を下ろした。
「ちょっ……と、待て」
視線を落とし隆哉の顔を凝視しながら足を進めた彬は、呆然と言葉を口にした。
「俺の、後のヤツはどーなるんだ?」
「え?」
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