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白い影
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「それで? 誰の情報?」
「相沢隆哉」
――やっぱり。
予想通りの答えに、視線を逸らし嘆息する。
いつの間に、これ程の信頼を置くようになったのか。確か昨日の時点では、お世辞にも『仲の良いオトモダチ』、には見えなかったぞ。
腕を組み考え込んだ秀行を前に、懲りない彬は「あっ」と思いついたように声をあげ、彼を指差した。
「じゃあさ、今までの友達で死んだヤツは? 勿論、男も含めて」
「いない」
厳しい声で断言する秀行に、彬が「困ったな」と顔を顰める。
「どうしてお前は、そんなに俺の友達を殺したいワケ?」
呆れた声を出すと、彬は不満げに目を剥いた。
「なっ……! 人聞きのワリィ事言うな。言っとくけど俺はなぁ」
バンッと机を叩いて腰を浮かした彬は、ガリガリと頭を掻いて、再び体を投げ出すように椅子へと座り直した。
「ま、それはどーでもいいや。問題は、その子の事をお前が思い出せないってトコにあるんだから」
一向に進まない話に、いい加減ウンザリする。
「それなら」
上目遣いで彬を見据えると、秀行はズイと体を乗り出し低い声を出した。
「相沢隆哉」
――やっぱり。
予想通りの答えに、視線を逸らし嘆息する。
いつの間に、これ程の信頼を置くようになったのか。確か昨日の時点では、お世辞にも『仲の良いオトモダチ』、には見えなかったぞ。
腕を組み考え込んだ秀行を前に、懲りない彬は「あっ」と思いついたように声をあげ、彼を指差した。
「じゃあさ、今までの友達で死んだヤツは? 勿論、男も含めて」
「いない」
厳しい声で断言する秀行に、彬が「困ったな」と顔を顰める。
「どうしてお前は、そんなに俺の友達を殺したいワケ?」
呆れた声を出すと、彬は不満げに目を剥いた。
「なっ……! 人聞きのワリィ事言うな。言っとくけど俺はなぁ」
バンッと机を叩いて腰を浮かした彬は、ガリガリと頭を掻いて、再び体を投げ出すように椅子へと座り直した。
「ま、それはどーでもいいや。問題は、その子の事をお前が思い出せないってトコにあるんだから」
一向に進まない話に、いい加減ウンザリする。
「それなら」
上目遣いで彬を見据えると、秀行はズイと体を乗り出し低い声を出した。
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