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碧の癒し
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「掛け巻くも畏き、大宮内の神殿に坐す神魂、高御魂、生魂、足魂、玉留魂、大宮能売、御膳津神、辞代主、大直日神等の御前に畏み畏み白さく……」
まだ薄暗い夜明け前の森に、低い声がしっとりと流れている。
ふわぁぁーっとそれにそぐわぬ大きな欠伸をした彬は、伸びをして不満げに鼻を鳴らした。
「なんで、こんな朝早く起こされなきゃなんないんだ? 朝苦手なんじゃねーのかよ」
隣に立つ隆哉に問いかける。
昨夜。取り返した指輪を持って戻ってみれば、冬樹は既に布団の中。「明日彼女に渡しますよ」と素っ気なく言われ、結局神社に泊めてもらった。そうしたら暗いうちから叩き起こされて、この始末。
「こんなに暗いうちから始める意味、あんのかよ」
少し離れた場所に立って、木の前の冬樹を見つめる。ガリガリと頭を掻く彬に、「勿論でしょ」と隣から短い返事が返った。
まだ薄暗い夜明け前の森に、低い声がしっとりと流れている。
ふわぁぁーっとそれにそぐわぬ大きな欠伸をした彬は、伸びをして不満げに鼻を鳴らした。
「なんで、こんな朝早く起こされなきゃなんないんだ? 朝苦手なんじゃねーのかよ」
隣に立つ隆哉に問いかける。
昨夜。取り返した指輪を持って戻ってみれば、冬樹は既に布団の中。「明日彼女に渡しますよ」と素っ気なく言われ、結局神社に泊めてもらった。そうしたら暗いうちから叩き起こされて、この始末。
「こんなに暗いうちから始める意味、あんのかよ」
少し離れた場所に立って、木の前の冬樹を見つめる。ガリガリと頭を掻く彬に、「勿論でしょ」と隣から短い返事が返った。
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