211 / 215
【短編おまけ】常盤色の厄日
1
しおりを挟む
親友の時任俊介とボールを蹴り合っていた思い出の公園で、高橋彬はサッカーボールを追いかける。
俊介が『昔の俺達を見てるみたい』と称した小さな子供達と、なぜあんなに自然と仲良くなれるのか――。初対面の筈なのに、ボールを蹴り合い遊んでいた。
相沢隆哉は、そんな彬と子供達をブランコに腰掛けぼんやりと見つめる。
ボールを取るのに押した、押してない、でケンカを始めた子供達の仲裁に入っていた彬が、気付けばいつの間にか誰よりも逆ギレしていた。
「お前等いい加減にしねぇともう教えてやんねぇぞ!」
「……流石だ……」
視線を逸らし頬杖をついて、ポツリと隆哉が呟く。
だって。まだ幼稚園に通っているだろう子供達と「対等に」、彬はケンカが出来るのだから。
「中々そんな高校生、いないよね」
そんな、正直な感想。
えーッ! と不満げな男の子達に、「えーッ、じゃねぇ! 知るか!」と1人でリフティングをしている。
――せめて、ボールは子供達に渡してあげたらいいのに……。
そう思う隆哉の前で、それでも子供達は彬の見事なボールさばきに次第にぐずるのをやめて、好奇心溢れる瞳で見つめ始めていた。
「……ほんと、流石だよね」
溜め息ひとつ吐いて、キ ィ、と隆哉はブランコを降りる。
俊介が『昔の俺達を見てるみたい』と称した小さな子供達と、なぜあんなに自然と仲良くなれるのか――。初対面の筈なのに、ボールを蹴り合い遊んでいた。
相沢隆哉は、そんな彬と子供達をブランコに腰掛けぼんやりと見つめる。
ボールを取るのに押した、押してない、でケンカを始めた子供達の仲裁に入っていた彬が、気付けばいつの間にか誰よりも逆ギレしていた。
「お前等いい加減にしねぇともう教えてやんねぇぞ!」
「……流石だ……」
視線を逸らし頬杖をついて、ポツリと隆哉が呟く。
だって。まだ幼稚園に通っているだろう子供達と「対等に」、彬はケンカが出来るのだから。
「中々そんな高校生、いないよね」
そんな、正直な感想。
えーッ! と不満げな男の子達に、「えーッ、じゃねぇ! 知るか!」と1人でリフティングをしている。
――せめて、ボールは子供達に渡してあげたらいいのに……。
そう思う隆哉の前で、それでも子供達は彬の見事なボールさばきに次第にぐずるのをやめて、好奇心溢れる瞳で見つめ始めていた。
「……ほんと、流石だよね」
溜め息ひとつ吐いて、キ ィ、と隆哉はブランコを降りる。
0
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢として断罪された聖女様は復讐する
青の雀
恋愛
公爵令嬢のマリアベルーナは、厳しい母の躾により、完ぺきな淑女として生まれ育つ。
両親は政略結婚で、父は母以外の女性を囲っていた。
母の死後1年も経たないうちに、その愛人を公爵家に入れ、同い年のリリアーヌが異母妹となった。
リリアーヌは、自分こそが公爵家の一人娘だと言わんばかりにわが物顔で振る舞いマリアベルーナに迷惑をかける。
マリアベルーナには、5歳の頃より婚約者がいて、第1王子のレオンハルト殿下も、次第にリリアーヌに魅了されてしまい、ついには婚約破棄されてしまう。
すべてを失ったマリアベルーナは悲しみのあまり、修道院へ自ら行く。
修道院で聖女様に覚醒して……
大慌てになるレオンハルトと公爵家の人々は、なんとかマリアベルーナに戻ってきてもらおうとあの手この手を画策するが
マリアベルーナを巡って、各国で戦争が起こるかもしれない
完ぺきな淑女の上に、完ぺきなボディライン、完ぺきなお妃教育を持った聖女様は、自由に羽ばたいていく
今回も短編です
誰と結ばれるかは、ご想像にお任せします♡
あやかし警察おとり捜査課
紫音みけ🐾新刊2月中旬発売!
キャラ文芸
※第7回キャラ文芸大賞にて奨励賞を受賞しました。応援してくださった皆様、ありがとうございました。
【あらすじ】
二十三歳にして童顔・低身長で小中学生に見間違われる青年・栗丘みつきは、出世の見込みのない落ちこぼれ警察官。
しかしその小さな身に秘められた身体能力と、この世ならざるもの(=あやかし)を認知する霊視能力を買われた彼は、あやかし退治を主とする部署・特例災害対策室に任命され、あやかしを誘き寄せるための囮捜査に挑む。
反りが合わない年下エリートの相棒と、狐面を被った怪しい上司と共に繰り広げる退魔ファンタジー。
悪役令嬢は処刑されました
菜花
ファンタジー
王家の命で王太子と婚約したペネロペ。しかしそれは不幸な婚約と言う他なく、最終的にペネロペは冤罪で処刑される。彼女の処刑後の話と、転生後の話。カクヨム様でも投稿しています。
立花家へようこそ!
由奈(YUNA)
ライト文芸
私が出会ったのは立花家の7人家族でした・・・――――
これは、内気な私が成長していく物語。
親の仕事の都合でお世話になる事になった立花家は、楽しくて、暖かくて、とっても優しい人達が暮らす家でした。
織田信長IF… 天下統一再び!!
華瑠羅
歴史・時代
日本の歴史上最も有名な『本能寺の変』の当日から物語は足早に流れて行く展開です。
この作品は「もし」という概念で物語が進行していきます。
主人公【織田信長】が死んで、若返って蘇り再び活躍するという作品です。
※この物語はフィクションです。
罠にはめられた公爵令嬢~今度は私が報復する番です
結城芙由奈@コミカライズ連載中
ファンタジー
【私と私の家族の命を奪ったのは一体誰?】
私には婚約中の王子がいた。
ある夜のこと、内密で王子から城に呼び出されると、彼は見知らぬ女性と共に私を待ち受けていた。
そして突然告げられた一方的な婚約破棄。しかし二人の婚約は政略的なものであり、とてもでは無いが受け入れられるものではなかった。そこで婚約破棄の件は持ち帰らせてもらうことにしたその帰り道。突然馬車が襲われ、逃げる途中で私は滝に落下してしまう。
次に目覚めた場所は粗末な小屋の中で、私を助けたという青年が側にいた。そして彼の話で私は驚愕の事実を知ることになる。
目覚めた世界は10年後であり、家族は反逆罪で全員処刑されていた。更に驚くべきことに蘇った身体は全く別人の女性であった。
名前も素性も分からないこの身体で、自分と家族の命を奪った相手に必ず報復することに私は決めた――。
※他サイトでも投稿中
サイレント・サブマリン ―虚構の海―
来栖とむ
SF
彼女が追った真実は、国家が仕組んだ最大の嘘だった。
科学技術雑誌の記者・前田香里奈は、謎の科学者失踪事件を追っていた。
電磁推進システムの研究者・水嶋総。彼の技術は、完全無音で航行できる革命的な潜水艦を可能にする。
小与島の秘密施設、広島の地下工事、呉の巨大な格納庫—— 断片的な情報を繋ぎ合わせ、前田は確信する。
「日本政府は、秘密裏に新型潜水艦を開発している」
しかし、その真実を暴こうとする前田に、次々と圧力がかかる。
謎の男・安藤。突然現れた協力者・森川。 彼らは敵か、味方か——
そして8月の夜、前田は目撃する。 海に下ろされる巨大な「何か」を。
記者が追った真実は、国家が仕組んだ壮大な虚構だった。 疑念こそが武器となり、嘘が現実を変える——
これは、情報戦の時代に問う、現代SF政治サスペンス。
【全17話完結】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる