異世界複利! 【単行本1巻発売中】 ~日利1%で始める追放生活~

蒼き流星ボトムズ

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【降臨10日目】 所持金102万2784円 「一番怖い尋問官が来た。」

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逮捕された。
所持金は全て没収された。
偽札疑惑を掛けられている。
手持ちのカネは全額、財務省(国立印刷局・造幣局)が正式調査を行うらしい。



『…。』



…駄目だ、まだ笑うな。
この笑みを見られるのはマズい。
想像以上に警視庁は切れ者集団だ。
この笑顔から真実に辿り着く者が必ず現れる。

俺は体育座りになり、膝に顔を深く埋めて止まらない笑みを隠す。
こっそり腿を抓って必死に笑顔を噛み殺す。
同房の外国人(ベトナムか中国のどちらだと思う)は最初心配していたが、俺がずっと顔を伏せていると《ああ、コイツはそういうキャラなんだな》という反応になって、構って来なくなった。


鷹見夜色との邂逅は全くの偶然だが、思わぬ方向に話が進んだ。
客観的にはあまり良い状況ではないのだが、造幣局からチェックしてくれるのであれば渡りに船である。
帰還10日目で公的機関による検証が得られる。
これを僥倖と言わずして何と言うのだろう。


古来より偽札には厳罰と相場が決まっており、現代の我が国でもそれは同様。
子供銀行券のカラーコピーを使っただけで逮捕された者すらいる程である。
つまり、【複利】が我が国の技術水準に至っていなかった場合、その事実は罰という形で俺に告知される。
その場合、不本意だが日本銀行券以外の対象物から配当を得る戦いが出所後から始まる。
刑務所内での戦い方も何パターンか想定しているが、俺に服役経験がない以上、こちらは画餅である。


だが、俺は心のどこかで確信していた。
あの札が偽札認定されないことを。
真面目に調べれば調べる程、あのカネの合法性が立証されるだろうことを。


通貨の真贋とか発行量とか、そういう論点ではない。
これは、あくまで富を無限に増幅させる能力。
何故なら、それが【複利】の本質だからである。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇




同房の外国人が熱心に話し掛けて来る。
《何の罪で逮捕されたのだ?》
と聞かれたように感じたので。

『ガール(girl) パンチ(punch)』

と答えると、《うわあ、コイツ正真正銘の屑だな。》という反応をされた。
そりゃあ、そうだ。
俺だって女を殴るような卑怯者は心の底から軽蔑する。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



昼前から取り調べが始まり、警察官は女を殴った件の取り調べを手早く済ませると、すぐに所持金に話を移した。
3年の行方不明から突然現れた俺。
無一文で消えたにも関わらず、10日後にはパリパリの新札を100万円弱所持して歌舞伎町で暴行事件を引き起こす。

コイツが怪しくなければ誰が怪しいのだ、という話。



「あの札束、どうしたの?
普通、あそこまでピンピンの状態ではATMからでも中々出てこないの分かるよね?
連番ならともかくさ、バラバラの製造番号で全てピン札なんてあり得ないから。
あのお札、本物じゃないでしょ?

裁判所も偽札には厳しいよ。
一発で実刑あるから。
実刑、わかる?

単刀直入に聞くね?
キミ、運び屋でしょ?
誰から頼まれた?

行方不明の間、そういう闇バイト的な犯罪してたんじゃないの?
君が嘘ついてるって事は、署の人間全員が分かってることだから。
それだけ明瞭に日本語話せる君が記憶障害な訳がないよねえ…

ねえ!」



そんな感じの取り調べ。
俺がスマホを持っていない事が疑惑に拍車を掛けたようであった。



「今時スマホを持ってない子なんて見ないから。
どこかに隠したんでしょ?
今、正直に言ってくれないと、厳しい対応せざるを得ないよ?

なあ、わかるだろ、オマエ。
どっかに捨てたんだろッ!!!

なあ?
スマホどこ?
持ってない訳ないよなあッ!!」



うん、わかる。
俺がお巡りさんでも、そこを真っ先に疑う。
学校に居た頃は、俺だけスマホを持ってなくて肩身の狭い思いをして
学校から放り出された今は、またもや俺だけスマホを持っていない事で警察に強い猜疑心を喚起させている。
…地味に辛いわ。



「黙秘しても無駄だよッ!!!

丁度今、印刷局と造幣局がチェックしてくれてるから!!
午後には回答が上がって来る!
後になってから自白しても手遅れッ!!!
裁判官はそこらの供述タイミング、一番重要視してるから!
本当のこと言うなら今のうちだよ!!!!
こっちは親切で言ってあげてるんだよッ!!!」



この警官はまだ若い。
見た所20代。
凄く威圧感もあって怖いし、頭も切れ弁も立つ方だと思う。
ただ、俺に対して無防備に情報を与えすぎな観がある。
恐ろしい事に、オーソドックスな取り調べに異世界ネタ・ラノベネタを挿入して来る。


「ところでトイチ。
オマエって今、何レベル?」


本当に突然である。
あまりに自然に取り調べに混ぜて来られた為、思わず答えそうになってしまった程である。
警官は無言で、注意深く俺の動揺を観察している。



『いや、レベルとか…
何のことか、わからないって言うか…』



「へえ。
まあそりゃあそうだよな。
普通、自分のステータスは隠蔽するよな。

あーあ、法改正してくれないかなー。
容疑者に対してはさぁ。
鑑定スキルを使えるように刑事訴訟法を改正すべきだと思わない?

その方が、お互い手間が省けるだろ。
冤罪防止にも繋がるだろうし。」



『…。』



「紙幣を発行できるチートスキルとかあったら凄いよな。」



『…。』



「なあトイチ。
もしもそんなスキル持ってたら、オマエは何に使う?」



『困窮している人を助けて回るんじゃないですか?』



「ははは、即答するねえ。
いや、意外だわ。
オマエって見た目に寄らず熱い奴なのかもな。

いや、勿論悪い意味で言ってるんだけどな?」



『…。』



他の警官も全員が異世界ネタで揺さぶって来る。



「禁書とか電磁砲とか読む? アレ中々完結してくれないよな。」
「最近は悪役令嬢モノにハマってるんだ、面白いの知ってたら教えてよ。」
「今の子ってルイズコピペとか知ってるの?」
「ナローシュ系主人公の声優って誰が一番合ってるんだろ、逢坂良太?」



取り調べ中、要所要所で以上のようなオタク話の不意打ちが来る。
「単なる雑談だよw」
等と言いながら、誰一人として目が笑っていない。


要するに現場のお巡りさんは、その全員が俺を異世界帰りだと確信しており
俺がチートスキルを用いて地球で何らかの犯罪を行っていると断定している。
寸分違わずその通りなので、彼らの取り調べに対して特に不満はない。
(その妙に納得した態度が彼らを刺激してしまったようだが。)
驚いた事に、彼らは供述調書にハッキリと《異世界》の文字列を挿入していた。


「当然受理されないさ。
こんな書類は上には行かない。

だがな。
取り調べに立ち会った警察官全員が調書に《異世界》への疑義を記述し続ければどうなると思う?
信じられないかも知れないが、官邸の入り口位には届くよ。」




…やれやれ、今度から異世界人は警察署を召喚しろよ。





◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇




繰り返すが、俺が知りたいのはただ一点。
【複利】で増やした硬貨と紙幣は、果たして公的機関に本物認定されるのか?
印刷局・造幣局が即日でチェックしてくれるのはありがたい。
このチェックを通過すれば、国内で大手を振って配当金を使用出来るからだ。

異世界では幾つかの因果を強引に捻じ曲げていた。
生体認証が必要なミスリル貨が何故か無尽蔵に認定された。
バベル銀行の預金が明らかに理不尽な増え方をしていたが、システム上は正常に処理されていた。
勿論、異世界と地球を同一視するつもりはないが…
恐らく法則は不変だろう。
確信はあるのだ。
後は、公的機関側のお墨付きだけが欲しい。

日本の財務省は優秀である。
紙幣・貨幣の偽造防止技術は世界トップクラスと言って差し支えないし、今では外国貨幣の受注・製造に力を入れているほどである。
つまりここで祖国・日本に勝つことこそが、地球文明そのものに対する優越の証明となるのだ。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇




14時30分。
再度の取り調べ。
てっきり紙幣の話をされるのかと思ったが、警官達は方針を一変。
鷹見夜色への殴打事件に絞って追求して来る。


「女を殴るなんて男として最低だろう!
ちゃんと反省しているのか!?」


いつの間にか取り調べは道義面からの説諭にすり替わっていた。
叱責しながらも、テンションはどことなく低い。
形式的に怒っている。
彼らの不本意そうな表情を見て、造幣局のチェックをクリアした事を確信する。


『えっと、これは取り調べなんですよね?』


恐る恐る尋ねてみると、向こうはかなり嫌そうな表情で唇を噛んだ。



「意識を取り戻したキミの恋人さん。
今のところ、被害届を出すつもりはないそうだ。」



言い終わってから警官は天を仰いだ。
《世も末だな。》
とでも言いたそうな表情だった。

わかる。
治安当局から見て、今回の事件は相当不本意な推移をしているのだろう。

廊下の外で警官同士が激しく怒鳴り合っている。
いや、雰囲気的に異なる省庁同士の争いだな。
で、警察側が妥協を強いられている。


…そりゃあ、さぞかし不本意だろうよ。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇




途中、昨日会った老警部が歯を食いしばったような表情で取調室に入ってくる。
頬は紅潮しており、先程まで相当な興奮状態にあった事が推測出来た。


『トイチ。
あまり警察を舐めるなよ。』


挨拶すらさせて貰えず、いきなり耳元でそう言われた。


『どんな手段を使って誤魔化したかは知らんが…
現場の人間は騙されんからな。』


怒りを噛み殺した表情でボソボソと訴えかけてくる。
不覚にも《カッコいい》と感じてしまう。
こういうどこからの圧力にも屈さない現場の鬼刑事って渋いよね。



  「警部! これ以上はマズいです!」

  「話をするだけだ。 すぐ終わる。」

  「いえ、管理官が直ちにと!」

  「ただの雑談! シラベじゃないから!」




声を殺した押し問答が数方向から流れて来る。
俺は警察署なんて人生で初めて来たが、今の状態が彼らにとって異常事態である事は空気で理解出来た。
警部が戻ってきて、再度俺に顔を近づける。



「トイチ、異世界はどうだった?」



『仰る意味が理解出来ませんが?』



「オイオイ、オマエラの世代が解からない筈ないだろ?
なあ直撃世代。」



『警察署で漫画の話をされても困りますよ。』



「何故困る?
チートがバレるからか?」



警部は額が触れる程に顔を近づけて、猛禽の様な眼で俺を睨みつけていた。



「ロシアか異世界か…
消去法でこの2択しかないんだ。
オマエが3年間も身を潜めていた場所は。
大穴で中国。
西側は恐らくない。

…異世界だろ?」



『いやいや。
ちょっと勘弁して下さいよ。
そんな、いきなり大人の人に異世界とか言われても…』




「一応、警告しておくな?
俺達も普通にアニメは見るから。
若手の警察官だけが異世界コンテンツ知ってる訳じゃないよ。

俺達みたいな管理職世代も普通に非番の日にアニメとか見るよ?
スマホに漫画とかラノベのアプリも入れてるし。

勘違いしないで欲しいんだがな?
お勉強の為に頑張ってアニメを見てる訳じゃないんだ。

オマエラの世代と同じように
普通に娯楽や趣味・憂さ晴らしの一環としてアニメを見てる。
同じさ。
当然異世界アニメも見てるよ。

俺、54。
上司は56。
野球や釣りの話題と並行して今期アニメの話もする。

SFブームとかロボットアニメブームの下地がある分
オマエラ世代より俺達の方が詳しい可能性すらある。

今の子、パトレイバーとか言ってもわからんだろ?」




『それは親近感湧きます。
是非、色々と御教示頂きたいです。』



「口だけは殊勝だな。

なあ、トイチ。
異世界は楽しかった?」



『仰る意味が本当に理解出来ません。』



「ステータスとかオープンした?
神様みたいなのがチートスキルくれたんじゃないのか?
それとも友達とバトルロイヤルでもさせられたか?
冒険者ギルドには登録した?
何レベルまで上げた?
最初の敵ってなんだった?
漫画じゃあウルフとかホーンラビットが最初に出て来るよな。
スライムとかも居たのか?
ゴブリンと戦ったりした?

…おや、初めて可愛気見せたじゃねえか?
ははっw
ゴブリンはどうだったよ?
なあトイチww
ゴブリンはどうだった?
警官としても個人としても凄く興味あるわ。
ふふっ
オマエ、喰うに困ったら異世界系youtuberになれよ。
需要あると思うぞー。

…勿論俺達は異世界なんて行った事ないよ?。
でもな?
オマエ位の歳のクソガキの事なら何でも知ってるから。
オマエらがどんな嘘を吐いても、俺達には絶対に通用しないから。」




『あのスミマセン。
漫画の話でしたら日を改めてお付き合いしますので。』




「…なあトイチ。

しつこいようだが俺達は嘘を見抜くプロだ。
まかり間違っても誤魔化し切れるなんて思うなよ?

オマエを取り調べた全員がロシア説を取り下げて、異世界説の賛成に回ったよ。
キャリア連中以外、つまり現場は全員オマエが異世界帰りだって確信している。
東大でも異世界ラノベ、必修させておいた方がいいかもなあ。」



『…そう思わせるロシアの作戦かも知れないじゃないですか。』



「なら、ロシアの仕業に見せかけた異世界の作戦って仮説も成り立つな。」



『勘弁して下さい。
意味のない水掛け論ですよ。』



「あのカネ。
スキルか何かで出したんだろ?
何かそういうマジックアイテムでも隠し持ってる?」




…警視庁すげえ。
全部当てて来た。
やっぱり優秀だわ。

正直、コイツらを舐めてた。
流石に地球での出来事を誤魔化せるとまでは思わなかったが。
まさか異世界内での動向まで正確に掘り下げて来るとは…

コイツらこそマジモンのチートだろ。




「トイチ。
俺はオマエを見てるから。

仮に俺が途中でオマエに消されたとしても
全国30万人の警察職員は、オマエが思ってるほど甘くないから。

それだけは覚えておけ。」



俺にとっての最大の誤算は、我が国の異世界履修率の高さである。
…侮っていた。
だってまさかいい歳したオッサンが俺達世代が読むようなラノベとか漫画とか読み漁ってるなんて思わないじゃん。
すっごくキモイし、頭おかしいよ!
少なくとも異世界の大人はポール以外全員真人間だったぞ!


我が国では、ステータスとかレベルとかチートとか…
そういう基礎概念を冗談抜きで国民全員が共有しているのだ。
如何にも頭の固そうな、オタク文化を嫌ってそうなオッサン連中ですら、純然たる娯楽行為として異世界コンテンツを楽しんでいる。


…まさか警察官がここまで異世界に詳しいなんて誤算だ。
というか、殆どの警察官が俺なんかより遥かにラノベに詳しい。


文字通りの神経戦。
振り返れば丸一日程度の攻防だったが、精神的に相当削られた。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


【所持金】

0円
 ↓
99万3204円


※証拠品として押収されていた99万3204円が返還。


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



『…。』


「何?
何か文句ある?」


明らかに昨夜押収されたのとは別の日本銀行券が返ってくる。


「オイオイオイ。
金額はちゃんと確認した通りだろ?

何? 文句あるの?」



『いえ、別に不満はありません。』



「何?
あのピン札でなきゃ困るのか?」



『いえ、困りません。』



「じゃあ、受け取りのサイン。
快く応じてくれるね?

ん?
何か問題があったら、今この場で言ってね?
お巡りさん達も親身に応対するから。

…ふーん、素直にサインするんだ。」




『他にも何かありましたら…』




「それはこっちの台詞だよッ!!!」



『ッ!?』



「何か供述するべき事実を思い出したら…

すぐに出頭ッ!


…なあトイチ。
オマエ、心の底から警察舐めてるだろ?
誤魔化せてると思ってるの、オマエだけだから。
俺達は絶対にオマエなんかに騙されないから…

覚悟しておけッ!!」



彼の言い分が余りに正しいので
『いやあ、マジっすねえ。』
と返したら、滅茶苦茶恐ろしい表情で睨まれたので慌てて署から逃げ出した。

…どう答えろと。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



警察署から新宿駅まですぐの距離だったので、そのまま三田に帰ろうと歩いていると。
信号で隣に並んでいた男が不意に指でツンツン突いて来る。

最初、何かの勘違いかと思ったが、ずっとツンツン腹を突いて来る。
ホモの誘いか何かだろうと怖かったが、勇気を振り絞って相手の顔を見ると。


エモやん!?


『…エ。』


俺が話し掛けようとした瞬間。


『シッ。』


と黙る様に制される。
エモやんはただ無言で真正面を見ている。


「東京駅。
改札外 八重洲南口地下のコインロッカー前で待機。
電車に乗ったらパーカー脱いで移動。」


短く低い声で呟くと、エモやんは人ごみに消えた。




◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


【所持金】

99万3204円
  ↓
99万2994円

※新宿駅から東京駅への電車賃として210円を支払い。


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



コインロッカーの前。
状況を飲み込み切れてない俺が息を潜めていると、そこでもツンツンされる。
エモやんかと思って振り向くと、普通のどこにでも居るオジサンである。


「お連れさんがタクシーで呼んでるよ?」


何もかも分からないまま、オジサンについて行くと、ドアの開いたタクシーから強烈な視線を感じる。
さっきとは別の服を着たエモやんだった。

俺が『あ、お疲れ様です。』と挨拶しても、無視されたので、ここは口を利いてはならない場面だと察し、ずっと黙っていた。



その後は完全にエモやんナビ。
神田駅付近でタクシーから降り、数十分グルグル歩いて秋葉原付近に行き、雑居ビル内のカラオケ屋に入った。


…オマエはスパイか!
と突っ込みたくなる。



「ドリンクバーで飲みモン取って来ますわ。
何飲まれます?」


『あ、お茶系で。』



御丁寧にもエモやんは緑茶とウーロン茶と紅茶を何気なく俺の前に並べる。
…野球ってここまで対人関係要求される競技なのだろうか。
やはり憧れで留めておこう。



「いや、ツッコんで下さいよ。」


『え? え?』


「ここまで素人丸出しの尾行対策したら
逆に疑われますやん、って。」


『素人?
一連の動き、お巡りさんでも追いつくのは難しかったんじゃないですか?』


「あ、いえ。
俺もホンマはこんな事するつもりはなかったんです。
ただ、新宿署のロビーで変な女が《トイチさんを出せ》って騒いでて。
他にも明らかに敵意を持った人間が複数。
明らかに様子がヤバかったので、念の為余計な真似をしました。
まあ、敵意に関しては…
警察の人らが一番激怒してはりましたけど。

一応、トイチさんを追ってるっぽい人間を全員撮影しておきました。
勝手な判断で行動してしまい申し訳ありません。」



そう言ってエモやんは画像を見せて来る。
最初の画像は2人組の…
ああ、多分東横に居た女だな。
鷹見の友人か何かだろうか?

次に…
トイレコインオジサン?
あの人気持ち悪いから嫌だなあ。

次に…
ああこの子も東横勢。
13歳の子。
警察行って大丈夫なのだろうか?

他にも数名の新キャラ。
やや女率が高い。



「トイチさん、モテモテですやん。」


『いえいえ。
明らかにこの人達、俺を怒りに来てるでしょ。』



「漫画とかやったら、そこから恋に発展するパターンですよ。」



『いやー、流石に取り調べで疲れたから。
今日はそういう事を考える余裕がないです。』
  

「異世界バレっすか?」


『はい、厳しく異世界を追求されました。』


「もう異世界系youtuberになるしか無いですよ。」


『それ、お巡りさんにも勧められました。』


「トイチさん、今バズってますから。
急いでチャンネル登録するべきですよ。」


『え? バズる? 
俺がですか?』



エモやんは無言で動画を見せて来る。
何か見覚えのあるガイジンがレポーターの様に…

あ!
馬乗りになって鷹見を殴ってる俺!!!

あ!
このガイジン!
直前まで東横を撮影してた男だ!


「え!?
トイチさん、知りはれへんかったんですか?
マーク・ブラッドマンですよ?
世界的youtuberの。
地上波でもたまに引用番組やってますやん。」



『ゴメン、俺はそういうの本当に疎くて。』



「失礼しました。
この英国人youtuberはチャンネル登録者数7000万人を誇る
旅系最強の配信者です。
東京ロケの為に来日していたようですが…
そこで…  トイチさんの…  
あのマウントパンチ事件に遭遇したみたいで。

あ、もう600万再生突破してますね。
BBCとか新華社通信でも取り上げられてるそうです。
あいつら日本下げのチャンスを常に窺ってますからね。

このニュース動画です。
トイチさんって顔のインパクト凄いですからね。
ニュース向けの逸材ですよ、ホンマに。」



『なんかゴメン。』



「いえ。
国連人権委員会もアップを始めたようなので
お願いですんで、当面はおとなしくしておいて下さい。」



『ねえ。
地球文明って万事においてリアクションが早すぎない?』



「いやいや!
何を言うてはるんですか!

現代社会はネット社会!
全ての情報が瞬時に全世界共有される時代なんですよ?
早い早くないではないんです。
即時に全人類で共有なんです。
そういう時代なんですよ。」



『いやあ、俺は地球に適応するの…
難しいかも。』



「トイチさん。
今は令和ですよ?
アップデートして行きましょう。」



『あ、はい。』




…地球強すぎだろ。
そりゃあみんな、異世界ラノベに逃避するわ。




「トイチさん。
独断で申し訳ないのですが…
寺之庄さんと新宿駅で再会しまして。
あの人もトイチさんを心配して急遽駆け付けてくれたそうです。

それで、ここに来られたいと仰っておられるのですが…
宜しいでしょうか?」


『え?
寺之庄さん?
おお! ヒロノリさん!
嬉しいです!』


「弓長さんも一緒だそうです。
かなり立腹のようですので、素直に謝って下さい。
《でも》と《だって》は禁止で。」



『顔合わせたくないなー。』



「あの時も散々DVについて釘を刺されてたじゃないですか。」



『うーーーん。
再会を想定してなかったんですよ。』


「いやいや、世間なんて広いようで狭いですから。
そこは想定しておきましょうよ。」


『はい。』



「ちなみに、現在16時17分です。
どうします?」



『別に… 
待たせるの悪いですし。』



「ひょっとしてトイチさん。
その能力をオープン路線で運用しはるつもりなんですか?」



『ダメかな?』



「いえ、何かお考えがあってのことやと思いますので。」



『ちゃんとフィルタリングはしているんです。』



「え? そうなんですか?」


『エモやんさんが連絡を取っている時点で…
ヒロノリさんは私や後藤さんに紹介しても問題のない相手という意味なのですよね?』


「…ええ、まあ。」


『東横勢の連絡先を知っていたとしても
彼女達と連携はしないでしょう?』


「いや、そんなの当たり前やないですか!
幾らなんでも…」


『そういう事です。
こちらからは積極的に開示しませんが
寺之庄さんから掘り下げた質問が来たら
誠実に向き合うつもりです。』




エモやんが僅かだけ瞑目した。




「トイチさん。」


『はい。』


「これ、マジな質問なんですけど。
トイチさんって地球に危害加える意志はあります?」


『いえ、無いと思ってるんですけど。』


「という事は、積極的に異世界パワーを抑制する気は無いんですね?」


『…出来るだけ皆さんに迷惑を掛けない様に頑張ります。』


「具体的に何を目的に動いておられるんですか?
トイチさんの言動って明らかに意図…  
いや、一種の思想がありますよね?」


オイオイオイ。
長い取り調べが終わって、ようやく気を抜いた瞬間に…
一番怖い尋問官が来た。


『いや、まあ。
俺の能力を世の中の皆さんの為に使えれば嬉しいなあ…
なんて思っていたりして。』



「…つまり社会主義・共産主義的運動ですか?」



『うーん、中学の頃に興味を持って調べた事があるんですけど。
俺、重福祉には賛成なんですけど、反面大きな政府が嫌いなんです。
だから、左派政党的な方向には違和感があるというか…』



「ああ、じゃあ多分トイチさんはオンライン上での鼠小僧&イエス・キリストみたいな立ち位置になるかもですね。
異世界系youtuberしながら、zozoの前沢さんみたいなムーブするのが無難やないですか?」



コイツ、マジで頭の回転早いな。
そりゃあ5分でアンダースロー修得するわ。




『もうエモやんさんが異世界行きなよ。』



「スンマセン。
親から東京より東に行く事禁止されてるんですよ。
実家、店やっとりますんで。」



『ああ、なら仕方ないですね。
何の御商売?』



「町中華です。
それにプラスして調味料の製造販売。
販売サイトの立ち上げと楽天への登録、全部俺がやったんで。
親からそこら辺を期待されてしまっているんです。」


何でも中華料理にカレーライス風味&和風旨味を加える調味料らしく、かなり売れているとのこと。
エモやんの提案でタイの商社にも売り込み中らしい。
…そりゃあ、異世界なんぞに行ってる暇はないな。



「ここのトイレ、調べた限りではカメラは付いてませんでした。
ただ、念には念を入れて下さい。

現在時刻は…
16時31分…
今から入ると怪しまれると思いますので、50分を過ぎてから入って下さい。
万が一塞がっていた場合を考えて、俺はこの部屋の死角を確保しておきます。」



『あ、はい。』



なあ、エモやん。
もう君に複利あげるわ。
ああ、でもコイツ…
スキルなんて無くても普通に家業を当ててしまうんだろうなぁ。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇




トイレ。
確かに電子機器の気配は感じない。
このカラオケルームはチェーン店ではない。
個人経営? 零細規模?
上手く言えないが、セキュリティのガバさは入り口時点で感じていた。
エモやんは秘匿性を重視してここをチョイスしたのだろう。



《2万9790円の配当が支払われました。》



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


【所持金】

99万2994円
  ↓
102万2784円

※配当2万9790円を取得


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



俺は元本である99万2994円に配当から7006円を足して100万円にして、小さなビニール袋でグルグル巻きにしてリュックにしまう。
当たり前だが警視庁or印刷局が用意した旧札は二度と使わない。
文字通りスキルの元本として利用し、発信機等の存在を確認した瞬間に破棄or逆利用する。
…いや、発信機が付いていないと考える方がおかしいだろう。
俺が捜査担当者なら、こんなに不自然な俺を野放しにするとは考えにくい。
特に硬貨が怪しい。
俺が捜査指揮を執る場合、この硬貨に何かを仕掛けて絶対に痕跡を追跡する。
プロがそれを怠るとは考えにくい。

念の為、警察が用意したカネを水浸しにする。
紙幣に発信機器を取り付ける技術が有るか否かはわからないが、まあオマジナイである。
硬貨はどこかのタイミングで回収不可能な位置に捨てる。
海? 山? 溶鉱炉?
早急に考えよう。

余った2万2784円のみが俺が使っていい手持ちである。
ピンピンの紙幣とピカピカの硬貨を眺めて思わず笑ってしまう。
こんなモン、誰がどう見ても怪しい。



『すみません。
待たせてしまいましたか?』



「いえ、許容内です。

これからどうされますか?」




『俺は…
これから大金持ちになります。』



「それは…
手段を選ばない、という意味ですか?」



『いえ。
勿論、手段は選びます。
少なくとも俺は、エモやんさんや後藤さんに恥じない男でありたいです。』



「…トイチさんは。
もう十分立派なお考えをお持ちやと思いますよ。」



『考えだけ立派でも仕方ありませんから…
行動も少しは改めます。』



「改めると言いますと?」



『…女性に暴力を振るわない、とか。』



「素晴らしいお考えです。

ですが、それは多くの人間が既に実践しておりますので
もう一声改めて頂ければ、尚素晴らしいでしょう。」



…もうオマエが刑事になれよ。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



迎えに来たのはキャンピングカーではなく、トヨタのアクア。
ヒロノリさん曰く、山手線の内側では大型車両に乗りたくないとのこと。


「リン君…
君、凄いことになってるよ?」


『なんか、スミマセン。
俺、ヒロノリさんのご指示と真逆の事ばかりしているようで。』


「…人の噂は七十五日。」


『はい、しばらくはおとなしく…』


「但しネットミームは永遠。」


『ですよねー。』


「はい、じゃあここで。
真姫お姉さんから一言。」


「トイチ君。
君は最低の事をしたんだよ。

わかってる?」


『あ、はい。』


「クラスの子の悪口動画作られて…
思わず手が出ちゃったの?」


『ええ、まあ。』


「あれは悪質だったものね。
あの動画作った子が今まで逮捕されてないのが逆に不思議だわ。

…でもね、トイチ君。
女子に手を上げるのは駄目。
どんな理由があったとしても、君の男を下げるだけだから。」


『はい。』


「…お小言終わり。
釈放されて良かったね。」


『ええ、警察は疲れました。』


「いい薬を処方されたと思って、世間様に感謝しておきなさい。」


『ですね。』


しばらく都内を走って、座敷のある居酒屋で晩飯を御馳走して貰った。
やや古く庶民的な店構えだった。

そこで色々と珍しい居酒屋メニューを教えて貰う。
名前は聞いた事があったのだが《たこわさ》なるツマミを生まれて初めて食べて、その玄妙さに感動する。
王国料理にも匹敵するレベルである。
2時間ほど飲み食いさせて貰った。



その時は気付かなかったのだが、ヒロノリさんのマンションで寝かせて貰う段になってようやく、あの居酒屋が選ばれた理由に気付いた。
彼らは最も防犯カメラの設置確率の低い店を選んだのだ。


俺がその事を遠回しに尋ねると、ヒロノリさんは不思議そうな表情で


「だってトイチ君。
今、かなりヤバい状況でしょ?」


とソファーから振り返って来る。
金持ち向けのマンションだけあって、ソファもアホみたいにデカい。
(さっき座らせて貰ったが、フカフカ過ぎて起き上がるのに相当苦労した。)


『やっぱりヤバいですか?』


「いや、だって。
君のあの暴行画像。
ニュースランキングとかに上位表示されてるし。
国連人権委員会も日本叩きの材料に使うみたいだし。

君、これからどうするの?」



『ぶっちゃけ勝確なので、当面は淡々とカネを増やして行きます。』



「カネなんて、そんなに簡単に増えるものかな?」



『簡単ですよ。
カネはカネのある所に集まる習性があるので。』



「おお!
そんなに元手持ってたの!?」



『何と2万2784円。』



いつも通り陽気に茶化してくれる事を期待していたのだが、ヒロノリさんは無言で天井を睨んでいる。




「…君が勝つね。」



『ええ、まあ順当に俺が勝つんじゃないでしょうか。』



「勝ち馬に乗ってもいい?」



『いやいや、ヒロノリさんには色々喰わせて貰いましたし
どのみち恩返しするつもりでいました。』



「…温情は嬉しい。

でも、欲しいのは正当な対価なんだ。
だから、僕に貢献出来そうな事があれば指示して欲しい。

…誰かに働きを認められたいんだ。
昔から、何をやっても《親ガチャ》の賜物としか見られなかったからさ。
人生で一度くらい、自分の力で掴み取りたい。

子供っぽい話してゴメンね。
僕は誰かから正当に評価されたい。

君が認めてくれるなら…
嬉しい。」



…参った。
この人からは十分に貰ってるからな。

傷害事件の容疑者を泊めてくれた時点で、恩義ポイントはカンスト済みだろうよ。





◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇





【名前】

遠市 †まぢ闇† 厘



【職業】

詐欺師



【称号】

サイコキラー



【ステータス】 (地球上にステータス閲覧手段無し)

《LV》  3
《HP》  ?
《MP》   取り調べにより相当消耗
《力》  女と小動物なら殴れる
《速度》 小走り不可
《器用》 使えない先輩
《魔力》 ?
《知性》 ?
《精神》 女しか殴れない屑
《幸運》 的盧

《経験》 30 (仮定)

※キョンの経験値を1と仮定
※ロードキルの有効性確認済



【スキル】

「複利」 

※日利3%

新札・新貨幣しか支払われない可能性高し、要検証。



【所持金】

102万2784円

※但し警視庁が用意した旧札100万円は封印、タイミングを見て破棄するものとする。



【所持品】

jet病みパーカー
エモやんシャツ
エモやんデニム
エモやんシューズ
エモやんリュック
エモやんアンダーシャツ 
寺之庄コインケース
奇跡箱           



【約束】

 古屋正興     「異世界に飛ばす」
 飯田清麿     「結婚式への出席。」
〇         「同年代の友達を作る」
 後藤響      「今度居酒屋に付き合う(但しワリカン)」
 江本昴流     「後藤響を護る。」
×弓長真姫     「二度と女性を殴らない」
〇寺之庄煕規    「今度都内でメシでも行く」
×森芙美香     「我ら三人、生まれ(拒否)」
 中矢遼介     「ホストになったら遼介派に加入する」
 堀田源      「トイレコインの使い方を皆に教える。」
 山田典弘     「一緒にイケてる動画を撮る」
 楢崎龍虎     「いつかまた、上で会う!」
 警視庁有志一同  「オマエだけは絶対に逃さん!」
×鷹見夜色     「俺が護る」


 ヒルダ・コリンズ 「芋羊羹を喰わせてやる。」
          「王国の酒を飲ませてやる。」

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