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【降臨49日目】 所持金592億3912万2000円 「カネが足りない。」
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俺の目的は全人類の救済だ。
誰もが公平なスタートを切れる平等な世界。
築くのだ、必ずや。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
色々と理由を付けて光戦士が甘えて来る。
ずーっと俺にしがみついて離れないのだ。
仕方ないさ、昨日あれだけ怖い目に遭ったのだからな。
「リン兄ちゃんは怖い目に遭ったことあるのだ?」
俺の布団に包まったまま尋ねて来る。
『うーーーん。
妻が義母と内戦を始めた時は怖かったな。
アイツらサイコだから手の付けようがないんだよ。
上手く相討ちになってくれれば御の字だったんだけな。
両方生き残っちまった。』
「…兄ちゃんが一番サイコなのだ。」
『鷹見に刺された時は痛かったし怖かった。
アイツちょっとおかしいだろ。』
「おまえが言うななのだ。
ちなみに、コラボ相手の批判をしちゃいけないルールあるんで…
この話題の掘り下げはノーセンキュー。
そこは配信者の仁義ってやつっすね。
他には? 何かヤバい場面あった?」
『大型のホーンラビットと一対一の戦いになった時かな。
運よく助かったけど、あれは死んでてもおかしくなかった。
魔族に誘拐された時も、心底ビビったな。』
「結構修羅場潜ってるんすね。」
『向いてないって自覚してるから…
なるべく荒事は避けたいのだけどね。』
俺や光戦士は荒事に向いていない。
能力的にも性格的にもだ。
アクションシーンは昨日で最後にしたいものだな。
(例によって俺はボコられただけだが。)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
2人でリビングに向かうと、七感がオニギリを作ってくれていた。
皆が美味しそうに頬張っている。
『すみません。
お怪我をされておられるのに。』
「かまへん。
好きでやっとることや。」
細かく刻んだ津山干し肉入りのオニギリ。
県南の名産である牡蠣の佃煮が入ったものもある。
旨い。
朝は苦手なのだが、ついつい多めに頬張ってしまう。
「トイチ君。
坊門のオッチャンのとこの社員さんにオニギリ差し入れてき。」
『え?』
「君、そういう路線で売っていきたいんやろ?
小まめに差し入れる癖を付けとき。』
『お気遣い助かります。
全然気が回らず恥ずかしいです。』
「君はようやっとる。
同年代では間違いなくトップや。
至らん点があるとすれば、単に経験が不足してるだけ。
あのな。
ウ↑チ→は商売人の娘や。
物心付いた時には周りにいっぱいパートさんもおった。
せやから、環境故に覚えたやり方はある。
それだけの事や、優劣はない。
オバチャンが知ってる限りのノウハウは君に授けたる。
学びなさい、学習に天井はない。」
「…ありがとうございます!」
教えの通り、坊門総業の運転手2名にも声を掛けて、オニギリを差し入れる。
寝不足はないか、疲労はないかを聞き取る。
先の予定がわからなければ不安だろうので、週内の帰還を約束。
更には坊門との通話で運転手を大袈裟に称賛しておく。
(彼らが全身で安堵を表現していたので、恐らくはこれが正答だったのだ。)
皆の消耗が激しいので、午前中は宿所から動かないと決める。
リビングに集まって烏天狗仮面の話題で盛り上がる。
「さてトイチ君。
決めるべきは今後の進路だね。」
寺之庄の広げた地図を皆で覗き込む。
改めて、中国山地のど真ん中に居る事を思い知る。
『そうですね。
目的地は東京。
大阪、名古屋でメンバーを回収したいです。』
「ここからなら中国道か山陽道で大阪に抜けれるよ。
どこにも寄る予定が無いなら、中国道かな。
宇田川さんの居る篠山に寄るのもアリかもね。」
『こうして見ると津山は岡山市内から相当距離がありますよね。』
堀内堅造が笑って言う。
「何せ鳥取の方が近いくらいですからね。
山を挟んでおりますが、実は津山市と鳥取市は隣接自治体です。」
もう一度、地図を覗き込む。
…そうか、鳥取市街は岡山市街とほぼ等距離か。
「何もない所ですよ?
日本で一番人口が少ない自治体だったんじゃないかな?
いや、あれは島根だったか。
どっちだろ?」
『少ない?
そこ正確に知りたいです!
今、調べて貰えますか?』
後藤が手早くスマホを操作し「47都道府県最少人口です。」と教えてくれる。
その瞬間、俺の中で計算が成り立ってしまう。
『…皆さん、進路が頻繁に変わってしまい申し訳ありません!
私は鳥取を訪問してから帰ります。』
これまでは流されての行動だったが、この転進には明確な意図がある。
俺もそろそろ自分の勝ち筋が分かって来たからだ。
きっと、それが伝わったのだろう。
皆から特に苦情は出ず、不審な表情すらされなかった。
『長旅で疲労のある方も居られると思います。
なので、同行は無理強いしません。
必要であれば資産分配も行います。』
寺之庄が照れたように笑う。
「どうせ休暇を貰った所で、君の側以外に居たいところもないしね。
面白シーンを見逃す恐怖には勝てないよ。」
リビングが笑いに包まれる。
俺は皆に頼み込んで準備を整えて貰う。
そして再び、運転手の個室を訪れた。
『申し訳ありません!
先程、帰還の話題に触れたばかりですが…
またもや進路を変えてしまいました。』
彼らは固辞しようとしたが、拝んで寸志を受け取って貰う。
俺は改めて詳しい自己紹介をして、何故鳥取なのかという理由や今後の戦略構想も忌憚なく打ち明ける。
「いや、そんな重要な事を下っ端の我々に仰られても。」
『…上下はないです。
単に役割の違いですよ。
私は車の運転が出来ませんし、お2人程の人生経験もない。』
「大袈裟ですよ。
私なんかただのしがないサラリーマンです。
いっつも娘から馬鹿にされてますもの。
家に居たらいっつも喧嘩w
誇れるものなんか何もありません。」
『喧嘩出来るくらいにまで娘さんを育てられたのは素晴らしいことですよ。
私なんか異世界に子供を捨てて来ました。
その件で、級友からも随分軽蔑されています。』
「いや! 異世界の話はマズいですって!
私達も必死にそこに触れないようにしてたのに!」
『我々はパーティーメンバーなんだから別にいいじゃないですか。
それこそ異世界風に言えばですけど。』
「あははw」
「ははっw」
2人が笑いだす。
『?』
「…夢が叶っちゃいました。
実は私も結構異世界アニメ見てるんです。
女房子供にはキモいっていつも馬鹿にされてるんですけどw
パーティーに入って冒険することは、ささやかな夢だったんです。」
『あ、そうなんですね。
いや、冒険というほど大したことでは。』
「またまたー、ライジング・カードしたじゃないですかw
昨日の水面ダッシュ動画もバズっておられるしw」
『ええ!?
あんなもん見て何が面白いんだか。』
「あはははw
無自覚系w無自覚系w」
『そんなんじゃないっすよーw』
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【所持金】
195億1000万1000円
↓
195億0800万1000円
※坊門総業の従業員2名に100万円ずつを寸志として支払い。
【トイチキャラバン運転手】
伊地知義和 (4トン車担当)
鹿児島県出身。
高校卒業後大阪の鉄工場に就職。
以後職を転々とし9年前に坊門総業に就職。
娘が来年、大学進学予定なので纏まったカネが必要だった。
沢下球児 (2トン車担当)
和歌山県出身。
名前の通り父親が野球ファン。
親への反発からスポーツ全般を放棄。
高校中退後、趣味の資格取得を満喫する為に大阪に居住。
2年前に坊門総業に就職。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
リビングに伊地知と沢下を招き入れ、全員で改めて自己紹介。
運転前につき酒は出せなかったので、水盃で乾杯。
沢下と後藤が羊羹を肴に野球指導者への愚痴で笑いあう。
その光景を見届けてから、各所への連絡を行う。
俺の独断で当初の予定より数日の遅れが出てしまうこと。
本心から申し訳ないと思っている。
【金本聖衣・宇宙】
『金本社長、しばらく関東から離れてしまって申し訳ありません。』
「ごめーん。
手が離せへんねん。兄貴と2人で話しとってくれ。
気にせへえんでええで。
ワシ関西人やし。
西日本の話題の方が正直オモロイw」
『お気遣い恐縮です。
聖衣社長も申し訳ありません!
恋辻占の打ち合わせも約束しておりましたのに!』
「いや、かまへん。
きょうび打ち合わせなんぞ全部リモートでええんや。
ワイと宇宙なんかも毎日通話しとるけど、直接会う事は殆どないしな。
わざわざ会いたがるのは無能の証拠や。
で?
鳥取行きには君なりの勝算があるんやな?
市場規模の小ささは君が一番知っとるとは思うが…」
『一般的に大都市ほど経済効率が良いのは承知の上です。
政党党首が東京の主要ターミナル駅ばかりで演説するのも効率を鑑みてのことでしょうし。』
「なるほど、大金持ちの君なら経済効率は敢えて無視出来ると。
せやな、逆張りに徹することも可能やな。
ただ、政治家が東京で演説するのは人口だけが理由ではないで?
主要メディアが東京に集中しているからや。
やっぱり活動は報道されてナンボやからな。
そこは理解しとるか?」
『ええ、一応は。
ただ、自惚れる訳ではないのですが…
私がどこに居ても勝手に皆がオンライン上にアップします。
今は絞っているのですが、メディアからの取材依頼も相当数ありますしね。』
「ふむ…
コンテンツとしての地位を確立したトイチ君なら…
そうか、メディアの都合に合わせる必要もないわな。
ふふふ。
津山では御活躍やったやないかw」
『甥御さんを危険な目に遭わせてしまって申し訳ありませんでした。
…先にこちらを謝罪するべきでしたね。
彼が数か所を打撲してしまって、大阪に帰ったら改めて謝罪させて下さい。
宇宙社長、聞こえておりますでしょうか?
息子さんをお預かりしておきながら、申し訳御座いませんでした!』
「気にせんでええ。
怪我は男の勲章や!」
「ワイも宇宙と同じ意見や。
ズンは多少揉まれた方がええ。
本題に戻るで?
君の帰還に合わせて納品する予定やった恋辻占…
鳥取に持って行こうか?」
『…お願いしてしまっていいのですか?』
「君、急いどるんやろ?
死に急ぎ以外なら全部付き合ったるわ。」
『恩に来ます。
正式な発注とさせて下さい。
現在、梱包された物は何個ありますか?』
「番重3ケース、計600個。」
『全て下さい。
鳥取で全部配るかは分かりませんが、意識して地方イベントでばら撒きます。』
「2時間後に出発する。
昼過ぎには着くやろ。」
『…ありがとうございます。
休業補償も支払いますので、鳥取滞在に付き合って頂ければ幸いです。』
「そこまで気を遣わんでええ。
ワイは営業で台北まで行った事もある。
鳥取くらいは通常業務の範疇や。」
『お言葉に甘えます!』
「宇宙ー。
オマエも何か言えや。」
「ナンカー!」
『宇宙社長!
必ず光戦士君を送り届けますので!』
「ナンカー♪」
「ナンカーww」
【平原猛人】
『合流の約束を反故にしてしまって申し訳ありません。
…俺、猛人さんに迷惑ばかり掛けてますね。
あちこちをフラフラしてばっかりで。』
「それがオマエの出した最適解なんだろ?」
『…はい。
資本の本質とは流動性です。
なので、拠点を持たない事の強みを最大限活かすつもりです。』
「行って来い。
オマエの読みは正しい。」
『ありがとうございます。』
「リン。
鳥取砂丘には行くなよ?
話題にも出すな。」
『え?
そ、それはどうして?』
「世間に物見遊山と思われたらオマエの政治生命は終わりだ。」
『…肝に銘じます。』
「オマエの性格なら沖縄にも顔を出す事になると思うが…
行くとすればどこを避ける?」
『夏の海岸です。』
「理由は?」
『遊びに行ったように思われるからです。』
「…リン。」
『あ、はい。』
「オマエはよくやっている。」
俺が何かを言おうとした時には既に電話は切れていた。
そうだな、スマホを貰ったら一番に平原猛人の番号を登録しよう。
あの人、SNSとかやるのかな?
ちゃんと確認しておかなきゃな。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
俺が通話を終えた頃には全ての準備が完了していた。
山越え故の電波状態が不安だったので妥協したが、本当は車内で通話したかった。
1秒たりとも時間を無駄にしたくないからだ。
異世界の時と違って背中を炙られるような焦燥感・恐怖感がある。
ヒルダには先手を取られ続けている、鷹見には内情を暴かれ続けている。
折角地球に帰還したのに、まるでアウェイだ。
状況はかなり悪い。
なので俺は最短ルートを疾走する。
鳥取行きを会話の弾みでしか思いつけなかった自分を恥じる。
俺は何と怠惰なのだろう。
地球では、攻め続けなくては絶対に勝てない。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【遠市キャラバン】 因幡入りチーム
遠市厘 (出資者)
寺之庄煕規 (運転担当)
金本七感 (予備運転手)
後藤響
金本光戦士 (撮影担当)
堀内堅造 (案内人)
伊地知義和 (4㌧車担当)
沢下球児 (2㌧車担当)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
堀内信彦は先日の騒乱の収拾にあたる。
修験道業界のヘイトを少しでも減らしてくれれば幸いなのだが。
こればかりは相手次第だ。
「車に乗ってる時くらい休んどかなアカンで?」
七感に声を掛けられる。
『十分眠りましたよ。』
「荒事の後や。
頭は起きとったんちゃうか?」
『かも知れません。』
「心と頭を寝かしたるのも君の仕事や。
覚えとき。」
『ありがとうございます。
七感さんには色々と教わってばかりです。』
ベッドを勧められたが横臥する気になれなかったので、車窓を眺める。
見飽きるほど山を見てから目を閉じた。
揺れる車体は嫌でもあの旅を思い出させる。
王都からソドムタウンへの逃避行。
辛く苦しく… 最高の日々だった。
カイン・D・グランツ
ドナルド・キーン
ケネス・グリーブ
そしてダン・ダグラス
決して取り戻す事が出来ない俺の宝物。
「鳥取に入りましたね。」
隣で後藤が呟く。
思わず目を開けると、丁度トンネルを抜けた所だった。
何かを言おうとして涙を流している自分に気付いた。
後藤はずっと反対側を眺めている。
七感はずっと俺を眺めている。
ゆっくりと涙を拭い、手早く顔を洗い、無言で車内に頭を下げた。
俺の仕事は懐かしむ事ではなく、皆に最高を与える事だからである。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
両の視界に迫っていた山が開き始めた。
田地の合間に工場らしき建物が混じり始める。
そして何より空が高い。
街が近い。
『後藤さん、宿はありましたか?』
「砂丘を避けろという指示でしたので、反対側にしました。」
後藤が広げた地図を覗き込む。
俺達は千代川なる河川を下って河口にある鳥取市街を目指しているのだが、鳥取砂丘は河口の東側。
なので後藤は千代川の西側で宿を探したそうだ。
「俺も初めて知ったんですけど…
湖山池なる日本一大きな池があったんです。」
『へえ、確かに地図で見ても大きいですね。』
「この周囲がキャンプ場・グランピング場になっていたので、宿を抑えました。
池に島が浮かんでますよね?
青島と言うんですが、ここです。」
『また凄い場所に宿を取ってくれましたね。』
「申し訳ありません。
印象に残ると思ったので。」
『いえ、素晴らしいです。』
後藤は俺のやりたい事を全部理解してくれている。
なので、きっとこのチョイスは正しい。
そもそも俺は鳥取のことなど、砂丘と梨しか聞いた事が無かった。
日本一大きい池、有名なのだろうか?
日本一大きな湖は琵琶湖だが、池と湖には何か違いがあるのだろうか?
いずれにせよ、そこに浮かぶ島に拠点を据えるというのは、その時点でインパクトがあって素晴らしい。
その島の施設の甲乙などどうでも良い。
イメージを作れた時点で成功なのだ。
「トイチさんは浜名湖では庄内半島を気に入っておられました。
実はその時点ではお考えが分からなかったんです。
ただ、後になって地図を改めて見返して、ようやくお考えが理解出来ました。
地図を見た時に肉眼で事績が確認出来るというのは恐ろしいことです。
インパクトが違い過ぎるんです。
なので、今回は俺の独断で恐縮なのですが、地図上の肉眼、いや口頭でもイメージ可能な場所を選ばせて貰いました。
的外れでないなら嬉しいです。」
内心舌を巻く。
俺が内心で考え抜いて辿り着いた手法をあっさり見抜いてきた。
この男には敵わないな。
実に心地よい敗北感である。
改めて鳥取市街の地図を覗き込む。
素晴らしいのは、湖山池の面積が鳥取砂丘よりも大きい点である。
そして青島。
かなり広めの縮尺でもはっきりと地図中に表示される。
恐らく鳥取県民であれば多くの者が認知していることだろう。
…来訪のインパクトが残せる。
『これ以上の立地なんてありませんよ。
私なら思いつけませんでした。』
「ははは、そう仰って頂いて安心しました。
ちなみに、池の南岸に貸し切り可能なキャンプサイトもあります。
面積的に大型イベントは困難ですが、ミニイベント程度でしたら十分可能でしょう。」
『ミニイベント?』
「ネット上のちょっとした有名人のファンミーティングとかですね。」
後藤がうたた寝をしている光戦士を横目で見る。
『…。』
「安心して下さい。
光戦士君の知名度は《ちょっとした》の域を脱してます。
何かをさせる事は勧めてませんって。」
冗談めかした口調だが、後藤の目は笑っていない。
《子供を利用しない》と広言しながらも、俺は光戦士をフル活用している。
(文句を言いながらも鷹見の知名度の恩恵も被っている。)
この男はそれを指摘しているのだ。
「景色の綺麗な場所なので、配信の許可を与えてやれば彼も喜ぶでしょう。」
更には俺の言いにくい事を全て先回りして言語化してくれる。
泥を被る、とはきっとこういう事なのだ。
『現在の立ち位置を説明した上で、本人に判断させます。』
言いながら、狡い物言いだと自分に呆れる。
鷹見にしろ光戦士にしろ完全な配信中毒者だ。
本人に判断させたら死ぬまで個人情報を垂れ流し続けるに決まってる。
彼は現時点でもベストに近い広報要員だ。
それを理解した上で俺は子供を部品として利用している。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
太陽はいつしか真上に昇っていた。
車列は鳥取市街を無視して、千代川の河口まで進んだ。
ここら辺は工業港なのであろうか、スクラップ・残土・水酸化マグネシウムのサイロ。
堆肥の臭気が充満していた。
突堤に登り、皆で海岸に並び日本海を眺める。
「この真正面にはウラジオストクがあるそうだよ。」
寺之庄が呟いた。
それに対しては誰も何も答えなかったが、俺の旅の果てにはロシアも含んだ世界そのものが在る事は、ここに立つ全員が知っている。
じゃあロシアも世界も通り過ぎたら…
俺はどこに行くのだろう?
資本の独占の果てには何があるのだろう?
案の定、光戦士が配信許可を求めて来たので七感に是非を尋ねてから許可を出す。
海風が心地良いのか、大はしゃぎで走り回っていた。
月並みな感想だが、緑色の髪が靡く様子はまるで海風そのもので、とても絵になっていた。
『伊地知さん。
日本海はどうですか?』
「いいですねえ、車体は汚れるけど。」
長距離走行になれているのだろう。
伊地知の表情に疲れの色は見えない。
ただ、きらめく日本海に目を細めていた。
「猊下。
この先も旅を続けられるのですか?」
『残念ながら、もうとっくに時間切れですよ。』
「時間制限があったのですか?」
『名が知られる前に、日本だけでも回っておきたかったのですが…』
「…そうですか。
じゃあ、タイムオーバーですね。」
『ええ、俺の旅はまたもや終わりです。』
「…再出発すればいいじゃないですか。
まだまだお若いのだから。」
『全部捨てない限り身動きとれませんよ。』
元本がある限り、必ず利息が付いてしまうからな。
どう足掻いても俺の王権は確立してしまう。
それを阻止する為には、《利子とは何か?》という問いに真剣に向かい合わなくてはならない。
「…ああ、最初からそのつもりだったのですか。」
『皆には内緒にしておいて下さいよ。』
「難しいんじゃないですか?
猊下はすぐ顔に出る方ですから。」
2人で笑いあう。
結構大きな声で話したつもりだったが、海風が全てを押し流してしまった。
光戦士の配信が終わったようなので、鳥取の高い空を眺めながらそれぞれの車両に戻った。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
後は作業。
湖山池の外周を回りながら、皆で地理情報を観察・共有する。
細い橋を渡って青島に布陣した。
6棟確保したドームテントを遠方からの来客に提供する。
狭い青島に車両は停められないので、対岸の駐車場に全車を置く。
(そもそも一本橋が車両の渡れる幅ではない。)
キャンピングカー及び寺之庄はここに固定し、通信はここで一括。
屋根も塀も無い、完全なノーガードである。
カネが溢れたら稚児淵の滝と同様に、池に沈めてしまえば良いだけなので無問題(もーまんたい)。
当然、因果は皆に含め終わってある。
「トイチ君。
ファンイベントを鳥取で開くとして、いつ開くの?
探したけれど、大きい会場は鳥取にないよ?」
『明後日開きます。
場所は湖畔の公園。
ほら、オアシスパークと書いてあった所です。』
「…確かに広さはあるけどさ?
君も見ただろ?
完全な野ざらしで屋根も水道もないんだよ?
河原と変わらない。」
『地べたに座ります。
段ボールくらいは敷いても構わない。
名目は花見という事にしましょうか…
いや駄目だな。
もっとちゃんとした大義名分が必要だ。』
「僕は何をすればいい?」
『私は今から湖畔で待機しますので、大至急段ボールを用意して下さい。』
何がおかしいのか寺之庄はずっと笑っていた。
それでも座り心地の良い段ボールを調達してくれた辺りは、やはり仕事の出来る男である。
恐らく護衛のつもりなのだろう。
後藤と沢下が付かず離れずの位置で俺を見守っている。
堀内堅造がやって来て耳打ちする。
「1時間後に信彦も到着します。
腕の立つ後輩も連れて来ます。」
言い終わるとオートキャンプ場に車両を守りに戻る。
別に誰かと喧嘩をしている訳でも戦争をしている訳でもない。
ただ分不相応なカネを持ち歩いているだけなのだ。
それを守ろうとすると、自然に剣呑になってしまう。
やはり、争いを呼ぶのは富なのだろうな。
「お!」
そんな奇声が遠巻きから聞こえた。
振り向くと大学生くらいのグループが驚いた顔で俺を見ている。
話し掛けて来るのかと思ったが、特に声を掛けて来る者はいない。
ただ嬉しそうに喋りながらスマホをパシャパシャ鳴らしていた。
それから10分もしない間に犬の散歩をしているオジサンが、俺を通り過ぎてから慌てて振り返り2度見して来る。
『こんにちはー。』
声を掛けるとオジサンは驚いたようにペコペコ頭を下げながら走り去ってしまった。
《好かれてはいないが、知られてはいる。》
それが現在の俺。
座っていたのはほんの30分。
にも関わらず遠巻きに人垣が生まれていた。
若者グループが入れ替わり立ち替わり俺を撮影しては大喜びで去って行く。
どうやら近所に大学があるらしい。
喜んでくれて何よりだ。
人垣を見物するのに飽きた俺が彼らに背を向けて湖面を眺めていると、遠慮がちに声を掛けられる。
振り返るのが面倒なので、後藤に《もし面談希望者が居れば順番に眼前に並べて欲しい。》とリクエストをする。
沢下が余った段ボールの裏にその旨を明記し、パラソルに引っ掛け立て看板とした。
段ボール万能だな。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【遠市厘フリートークイベント in湖山池】
《1人目 30歳くらいのオジサン》
「ど、どうもー。」
『はじめまして、こんにちは。
遠市厘と申します。』
「えっとえっと。
ここでも水上歩行やってくれるんですか?」
『水上?
ああ美作での話ですね。
あれは修業の一環ですので、濫用するつもりはありません。』
「そ、そっかー。
あの動画が凄くバズってたからさ!
ここでも見れると思ったんだけど…
あ! ライジング・カードはやってくれないの!?
あの動画凄いねぇ!
大谷翔平よりバズるって凄いことだよ!」
『申し訳ありません。
私は聖職者ですので、あれ以上の殺生は自粛しております。』
「そ、そっか。
あ、あの!
鳥取では何をしてくれるの?」
『プレゼント企画です。』
「え!?
プレゼント!?
何かくれるの!?」
『ただのお菓子です。』
「おお!
え? 何か登録した方がいい?
LINE登録とかしようか?
俺さあ! RT企画とか応募してるんだけど!
全然当たった事が無くて。」
『ただのクッキーですよ?
今、パテシエが向かってくれてます。』
「うおおお!!
って、あのさあ。
どうして鳥取?」
『日本の中心だからです。』
「嘘だぁww
ここド田舎だよww
俺、東京で働いてた時、職場の全員からネタにされてたもんw」
『東京の連中は鳥取に嫉妬してるんですよ。
ほら、スマホで地図を開いてみて下さい。』
「お、おう。
…いや、開いたけどさあ。
やっぱり西よりじゃない?」
『ちゃんと沖縄まで含めてます?』
「え!?
あ、ああ。
ちょっと真ん中に…
でも、ややずれてない?」
『ちゃんと沖ノ鳥島まで含めましたか?』
「え!?
おき、何?
…あれ!?
鳥取って日本の真ん中にあるよ!?」
『だからそう言ったじゃないですか。』
「うおーーー!!!
うおーーー!!!」
『日本人の私がその中心に来るのは自然でしょう?』
「うきゃーーー!!!
うきゃーーー!!!」
《2人目 最初に無断撮影していた大学生》
「あ、あのー。
へへっ。」
『はじめまして、こんにちは。
遠市厘と申します。』
「あ!
敬語とかいいっすよ!?
タメ同士ですし。
ガルパン君、ハタチっすよね?」
『戸籍上は20歳なのですがね…
色々事情があって肉体年齢が17のままなんです。
だから大学生の人ってお兄さんに見えるんですよ。』
「え? え? え?
肉体年齢?
コールドスリープとか相対性理論とかそういう?」
『まあ、そんなところです。』
「あ、あの怒ってる?」
『?
怒るとは?』
「いや、さっき勝手にガルパン君を撮影してTikTokにアップしちゃったからさ。
流石に怒られるかなって思って。」
『ああ、そういう事ですか。
確かに無断撮影は好ましくありませんが、気配りして頂けるだけまだマシかなと。
世の中酷い奴がいっぱい居るので。』
「ル、ルナルナのことっすか?」
『アイツは酷いw』
「あれって台本じゃなかったんすかーw?」
『基本的にあの女は抜き打ちですね。
全てアポなし、全てアドリブ。』
「うははははww
じゃあガルパン君が殴った動画も、やっぱりマジ殴りっすか?」
『女性に暴力を振るうのは良くないとは思うんですけどね。
それくらい腹が立ったのです。』
「ガルパン君、戒名動画でボロカス言われてたもんね。
ねえ、異世界行ったってホント?」
『ほんの数か月の滞在ですけどね。』
「うおおお!!
本当っぽい答え!
じゃ、じゃあ。
さっき言ってた肉体年齢って?」
『時差ですよ。
帰ってきたらコ□ナが一段落してウクライナで戦争が始まってましたので。』
「へえ、帰って来てから一番驚いたことって何?」
『うーーん。
勝手に団地を解約されて住所不定になっていたことでしょうか。』
「あーーーーーーっははははははははwwwww」
《3人目 70歳くらいのお爺さん》
「あ、あのお。」
『はじめまして、こんにちは。
遠市厘と申します。』
「あ、どうも。」
『…。』
「…。」
『何か御用があれば伺いますよ?』
「あの、あの、えっと。
一緒に写真撮ってごせぇ?」
『ええ、私で良ければ。』
「ああ、良かった。
断られたらどうしようと思ーとったんだよww
実はね!
孫が東京に住んどるんだ。
それで息子に帰省するように言よーるんだけど。
嫁がねー。
頑なに妨害するんだよ!
嫁の実家が都内で。
いや、都内と言ーても所詮は葛飾区なんだけど。
無駄なエリート意識って言うんか?
そがな感情持っとって、露骨に鳥取を蔑むでぇ。
この間なんか電話越しに喧嘩になっちゃったんだよ!
《そがな所にウチの子を連れて行けん》
とか言い出しやがって!
そがな所ってどがな意味だよ!
東京の大学なんて行かしちゃいけんよ。
ありゃあね、一種の洗脳。
田舎を馬鹿にして東京一極集中する為の洗脳!
息子もなぁ。
高校まではほんにええ子だったんだけど。
ハア。
今じゃ、嫁が吹き込む鳥取サゲを真に受けちゃって…
だっておかしいだらー!
もう6歳だよ!
その間、一度も孫を連れて来んって異常だよ!
忙しい忙しいってね?
でもディズニーシーに行く暇はあるんだよ!
航空券送るけぇ来い、って言ーたんだけど。
嫁の実家の連中が横槍入れて来やがってね?
鳥取なんか行く暇あったらSAPIXとかほざくでぇ!!
もうねー、文部省が悪いよ!
石破クンももっと真面目に地域イメージに貢献してくれにゃあ!
いやー、そがな訳でねー。
県外から有名人が来ても、なーんか引け目感じちゃって
みんな全然踏み込めんけぇすよ。
アンタくらいのものだよ!
鳥取に来てくれる有名人なんて!
450年前に豊臣秀吉が攻め込んで来て以来の快挙だ!
あ、じゃあ撮りますねー。
あー駄目駄目。
目は瞑らないで下さい。
やり直し。
はい、もう一度。
笑顔でー。
はい、1足す1はーーーー?
にwww!!!!!
あっはっはww
それじゃw」
《4人目 犬の散歩をしてたオバサン》
「あらーー、あらあらあらー。」
『はじめまして、こんにちは。
遠市厘と申します。』
「あっはっはっはww
TVで見たわよー。」
『どうも。』
「女の子殴っちゃ駄目じゃない!」
『いやはやまったく。』
「どんな理由があってもDVは駄目!
私も最初の旦那には苦労したのよ。
やっぱりね、顔で選んじゃ駄目よ顔で選んじゃ!
結局ね。
男は中身!
真面目に働いて真面目に家庭におカネ入れて休日には家族サービスして!
今の旦那はぱっとしぇんしなんだけど。
そこらへんちゃんとするって言ったから結婚してあげたの。
頼まれたけん鳥取に来てあげたども、米子の方がよっぽど栄えちょって…
毎日辛いわぁ。
もうねー、人間関係の断絶?
同窓会行けなくなっちゃたもの。
女は本当に損よ。
介護とか押し付けられーけどなぁ。
いや、すー訳なえじゃなえ。
だって私、自分の両親もまだ生きてるのよ?
本人は姑で御座いますみたいな顔してるけどね。
あげな女の世話さしぇるなら離婚すー!
言ーたらそれっきりよ。
女はねー、妥協したら人生詰むのよ。
みんな際限なく押し付けてくるからね。
介護もそう、家事もそう、子供の送り迎えもそう。
どこも大変なんだから!
特に気の弱い子は悲惨。
可哀想だけどねー。
他所の家には口を出せないからね。
女は自分で自分を守るしかないの!
わかーだら?
私もバツが2つあったから、再婚は全然考えてなかったんだけどね。
今の旦那は顔は全然なんだども、マエダンの子の学費も出えてごしたけんねえ。
せめてもう少し痩せてくれたら、人前に出せるんだけどねえ。
やっぱりね?
私にもプライドがあるのよ。
笑われるとわかってる人を旦那として紹介は出来ないわ。
こんなこと言いたくないけど、スクールカーストって言うの?
わかるでしょ?
私はかなり恵まれてたから。
友達も友達の旦那もみんな派手なグループなの。
再婚してからよ。
恥ずかしくて顔出せなくなったのは。
辛いわー。
でも我慢するの。
下の子、今年受験だから。
多少学費を無理してでも、ちゃんとした学校に行かせたいわねー。
私は専業主婦だけど、それでも頑張ってるのよ!
主婦は辛えの!
わかった?
そういうことなのよ。
だからDVは絶対に駄目よ!
どんな理由があっても男は女を守り続けないと駄目なの!」
『前向きに善処します。』
《5人目 観光客のお兄さん》
「うおっ!
ほ、本物ですか?」
『何を以て真偽とするかは分かりかねますが…
はじめまして。』
「うおおおお!!!
この喋り方!!
絶対本物だああ!!!
どもどもどもどもども!!!」
『遠市厘と申します。』
「うおーーー!!!
うおーーー!!!
あの! 黒スト天国買いました!!」
『は? くろ?』
「ほら! ルナルナの新作ですよ!!」
『ああ、鷹見がいつもお世話になっております。』
「いやいやw
世話になってるのはこっちっすよ、ブヘへw
あーいやいや、彼氏さんの前で言う事ではなかったですね!
ほら購入履歴です、ボクはちゃんとおカネ出して買ってますからね!」
『それはそれはご丁寧にありがとうございます。
本人に代わりまして御礼申し上げます。』
「最初ね!
東京に行こうと思ってたんですよ!
でも今月FXでチョイ負けして金欠だったんで!
それで鳥取島根をバーっと行こうと思ったら!
まさかガルパンさんとお会いできるとは思わないじゃないですか!
えっと、写メいいですか?」
『どうぞ。』
「うおーーー!!
うおーーーー!!!
あ、あの!
Twitterにアップしてもいいですか!?」
『どうぞ。』
「うおーーー!!
うおーーーー!!!
あ、あの!
LINEグループにガルパンさんと逢った話をしてもいいですか?」
『どうぞ。』
「うおーーー!!
うおーーーー!!!」
《6人目 涌嶋武彦》
「はじめまして。
遠市厘猊下で間違いないでしょうか?」
『はじめまして。
相違ございません。
遠市厘です。』
「アポも無しに申し訳御座いません。
私は倉吉市内で畜産業を営んでいる涌島と申します。
こちら名刺で御座います。」
『ありがとうございます。
涌嶋武彦様ですね。
涌島社長とお呼びさせて頂きますね。
私は名刺を持っていないのですが、受け取ってしまって大丈夫でしょうか?』
「いえ!
戒律の事は存じております!
猊下に受け取って頂けて光栄です!」
『ああ、これはこれは恐縮です。』
「たまたま今日は用事があって鳥取市内まで出て来ていたのですが…
tweetラインに猊下来訪のニュースが流れて参りまして!
急ぎ情報辿って参りました!」
『お仕事を中断させてしまったようで心苦しいです。』
「あ、いえいえ!
まさしくその話なんですよ。」
『はい。
と仰いますと?』
「和牛盗難の件です。
ウチの地元でも被害が出ておりまして。
仲間にも大打撃を受けた者がいたのです。
警察や県庁を回って捜査の徹底をお願いしていたのですが…
反応が芳しくなく、絶望的な気分だった所です。」
『ああ、そういうことでしたか。』
「猊下がこの問題に真剣に取り組んで下さっている事は業界では有名ですよ!
全国を回って狩猟や畜産業界を支援しておられると。
警察にもパイプを持たれておられて!」
『いえいえ。
パイプなどと大袈裟なものでは。』
「またまたご謙遜を。
猊下が警察庁を動かして下さった話は業界では有名です。
まさか直接御礼を申し上げる機会があるなんて…
感動です。」
『たまたま警視庁に何人か面識がありまして。
彼らが警察庁に働きかけてくれたからです。
私などは何も出来ておりません。
日々、己の無力を恥じております。』
「いやあ、猊下は若いのに修養が成っておられる。
代議士バッチを着けて有頂天になっている奴らに見習わせたいですよ!」
『盗難事件、そんなに増えてますか?』
「最初は関東だけの事件だと思ってました。
まさか地元が被害を受けるなんて思わないじゃないですか。
鳥取は種牛の本場なので、腐心して交配した遺伝子を盗まれたら…
想像しただけでゾッとします。」
『種牛、ですか?』
「ああ失礼しました!
元々、鳥取県は古来より牛の一大産地だったんです。
江戸時代から脈々と品種改良をして…
優良な種牛を全国に供給しております!」
『そうですか。
それで津山でも盛んだったのですね。
じゃあ、種牛が盗まれたら大変ですね。
ほら、日本のイチゴとかパプリカの苗が国外に盗み出されたニュースとかありましたし。』
「仰る通りです。
政府は能天気に和牛和牛とはしゃいでいる癖に、現場を何も知らないから。
パテント防衛と真逆の政策ばっかり取っていますし。
…幸い、種牛はまだ無事なのですが。
大規模盗難で、仲間が廃業寸前まで追い詰められてしまっていて。
銀行はそれまでペコペコしてた癖に掌を返して…。
一括返済とか、無理に決まってるのに。」
『…そうですか。
何としても今のご意見を立法の場でも活かして参ります。』
「おお、心強いです!」
『ちなみに幾らくらいですか?』
「え?」
『盗難被害に遭われた方の返済額です。
資金さえ供給されれば事業は続けられますか?』
「そ、そりゃあコンテストで何度も入賞している男ですので。」
『具体的な金額を調べる様に伝えて下さい。』
「…はい、直ちに連絡を取ります!」
俺は沢下に願って青島のドームテントを1つ割り当てる。
涌島はやたらと恐縮するが、その必要はない。
畜産・狩猟業者の優遇は戦略としてやっている事だからだ。
和牛盗難事件を切っ掛けに、畜産業者や狩猟者の抱える不遇感を知った。
また彼ら自身が言語化しきれていない非差別意識にも触れた。
警察・行政の支援が行き届いていない実態を知れた。
ただ、消費者は身を労すること全般を厭っているだけで、狩猟畜肉を殊更差別している訳ではない。
行政官は身近にない業界に踏み込めないだけで、狩猟畜肉を殊更軽視している訳ではない。
多くの者が頭では理解出来ているが、言語に落とし込んだことがない。
この歪みを地球における俺の足場にしようと、いつしか思い至っていた。
恐らく的外れではない筈だ。
カネを無限に噴き出す俺は、残金に関してはあまり気にしなくて良い。
どうせ全てを押し流すのだ、そこは気にしなくて良い。
寧ろカネを配る順番。
こちらが大事。
万民が納得する順番でなくてはならない。
故に貧困家庭の象徴である子供食堂と、地方3Kハードワークの象徴である狩猟畜肉を優先する。
何度も何度も自問自答している。
地方回りは本当に戦略目的に合致しているのか?と。
経済効率を考えるなら、ヒルダのタワマンを拠点に品川辺りに巨大倉庫を借りれば良いだけではないのか?と。
この問いに答えはない。
人類史上、俺だけが直面した課題だからである。
だから、正解は俺が定めなければならない。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
涌島の後に5人と話した。
特に意義のある話は出来なかったが、鳥取人の地域観や歴史観を知れたのは収穫だった。
金本聖衣が到着したので青島の宿を割り振る。
驚くべき事に噂の室野シェフも同行していた。
如何にもフランス帰りという物腰・風貌で驚く。
まかり間違っても卑猥な等身大ケーキを作らせて良い人材ではない。
俺が聖衣を歓待する為に腰を上げると、行列に並んでいた数十名が不平を鳴らし始めたので、フライングで恋辻占を配布してやる。
半分が納得して帰った。
残った半分が粘るので、一緒に写真を撮ってやった。
その半分が納得して帰った。
しつこい連中の表情を見て、《構って欲しいだけだな》と悟った。
なので、『こういうのは悪徳宗教勧誘の手口だから気を付けろ。』と教えてやった。
そのまた半分が消える。
遣り取りを繰り返していると、最後に妙齢の美女が残ってしまっていた。
(10代から30代の間だと思う、違っていたらゴメン。)
後藤に聞き取らせた所、愚かにも俺の熱烈なファンであるらしい。
jetとの配信で俺を知ったというから最古参の部類である。
無駄に命を散らせるのも不憫なので連絡先交換は拒絶した。
相手が差し出して来た手紙のような物の受け取りも拒絶した。
泣きながら去って行ったので、あの女はヒルダや鷹見に殺されずに済むだろうと胸を撫で下ろした。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
青島のドームテント。
エアコンが効き始めるまでが暑い。
トイレもシャワーも無い。
「国立公園ですからね。
排水機能が付けられないんです。
トイレはこの管理棟のみ、汲み取りだからバキューム来ると辛いですよ。
風呂は近所の温泉と契約してます。
夏場は辛いですねー♪」
管理棟のお兄さんと笑い合う。
シャワーはキャンピングカーで浴びることに決めた。
まずは涌島・金本・室野に提供。
順番に橋を渡って身を清める。
その後、伊地知と沢下にもリフレッシュして貰う段取りとした。
「リン兄ちゃんは、こんな不便な所でよく笑っていられるのだ。
ドームテントばっかり狙って転々としているし。
よっぽど好きなんすね。」
『異世界に居た頃さあ。
遊牧民族にゲルをプレゼントされたんだよ。
結局、最後までそこに暮らしていたな。』
「住み心地がいい?」
『微妙に使い勝手は悪いんだけど…
仲間と暮らしてたから楽しかった。
妻に監視されていたけど。』
「顔に似合わずモテるのだ。」
『そんなにいいものじゃないよ。
たまに女の子の兵隊が抜き打ちでゲルに殴り込んで来るんだ。
女を隠してないか家探しされるの。
仲間も普通に刺されてたし。』
「その体験を地球で活かして欲しいのだ。」
『あ、うん (モニョモニョ)』
「学習しろなのだー!」
そりゃあ、俺も頑張って学んでるよ?
でも、女共の上昇速度が遥かに上回ってる訳で。
そもそも俺、基礎スペック低いしな…
管理棟のお兄さんがクリアドームでBBQを振舞ってくれる。
鳥取牛・大山鶏・天然の岩ガキである夏輝。
『この湖山池で釣りをしている人を見かけたんですけど。
何が釣れるんですか?』
「スズキが釣れますよ。」
『え?
池なのに?』
「水質改善の為に、海水を流し込んでるんです。
ほら、池ってほっとくと臭くなるから。」
『ああ、なるほど。
でもスズキが食べられる池なんて最高ですね。』
「え、私はここで釣れた魚は食べたくないですよ。
折角海鮮に恵まれた街ですからね。
港に上がったちゃんとした魚が一番です。」
なるほど。
まあ、池だしな。
湖に比べて水深が浅い分、淀みやすいらしい。
「但し!
湖山池の環境はシジミの生息に適しているんです。
さあ、食後にはシジミのスープを用意しております。
胃を休めて下さいね。」
プラシーボかも知れないが、身体に効いた気がする。
俺達が鳥取牛を喜んで頬張るので涌島の機嫌も良い。
『涌島社長。
先程なども何度か吉川経家公の名前が挙がったのですが…
やはり、この辺では人気のある武将なのですか?』
「何も名物の無い県ですからね。
合戦に負けた話を400年以上、飽きもせずに語ってるんですよ。」
『羽柴秀吉が攻めて来たんですよね?』
「ええ、鳥取の渇え殺し。
名古屋人の秀吉と島根人の経家公が武名を上げた合戦です。
我々鳥取人は…
ふふふ。
情けない話ですよ。
経家公を大々的に称える事で、心の平衡を保っております。」
『大々的…
ですか?』
「さっきも通って来たのですが、鳥取城の門前に立派な銅像がありますよ。
私はあの経家公の雄姿を見る度に、地元が情けなくて失笑しております。」
『…銅像。』
「あ、ここから近いですし見に行きます?
30分くらいで着くと思いますよ?」
話がそんな方向に流れたので、涌島の車に光戦士と共に乗り込み鳥取城見物に向かう。
背後から伊地知が4トン車で追走して来る。
これは万が一、事故や渋滞で時間を喰ってしまった時に、カネを荷台内で緊急射出する為の措置だ。
道がすいていた所為か30分も掛からず城門前に到着。
確かに巨大な銅像が仁王立ちしている。
『随分、崇敬されているのですね。』
「そりゃあ、数少ない県の英雄ですから。
まあ島根の人ですけれど。」
…俺も異世界・地球含めて色々な街を回った。
銅像というのは普通は地元人を顕彰するものなのだが。
例えば、数日前に滞在していた高知市。
高知駅前には坂本龍馬、中岡慎太郎、武市半平太の3志士像が飾られていた。
当然3者は土佐人である。
再び吉川経家公の銅像を見上げる。
上手くは言えないが、地元人からの明かなリスペクトを感じる。
意識して格好良く仕上げた形跡が見受けられる。
純黒の立像には得も言われぬ威厳があった。
《城兵の助命嘆願と引き換えに自刃》
恐らく日本人の感性に最も合う型の死であろう。
涌島が様々な逸話を補足する。
・入城にあたって自らの首桶を持参した。
・遺書に何の恨み言も書かなかった。
・鳥取人が勝手に城内の兵糧を売り払ったのが申し訳ない。
俺は銅像に合掌し一礼する。
隣で見ていた光戦士も真似をする。
自分の中で目指すリーダー像が更に固まっていくのがわかる。
「兄ちゃん。
この城の裏にお墓があるみたいなのだ。」
スマホを弄っていた光戦士が言ったので、涌島に拝み込んで墓所に連れて行って貰う。
鳥取城が山城である為、自然に山越えとなった。
防衛拠点なのだから当然だが、やはり峻険である。
鳥取城は完全な市街地だったが、その裏側は谷間に家が立ち並ぶ登坂の住宅地だった。
比較的小奇麗な家が多かったので、市内では一等地なのかも知れない。
小川に沿って谷を登った果てに公園があり、大きな楠の元に経家公の墓地があった。
墓前や灯篭に酒が備えられていたので、恐らくは今でも崇敬されているのだろう。
光戦士が金本聖衣に渡す予定だった津山の酒瓶をリュックに入れたままだったので、頼み込んで奉納する。
敬虔に合掌しながらも、俺の脳内には狡猾な計算だけが回っていた。
経家公の人気を明後日のイベントに利用出来ないか?
恐らくスケジュール的に立ち寄るのが困難な島根へのリップサービスに繋げる事は出来ないか?
400年前に毛利織田の両陣営と経家公自身がそうしたように、俺も彼の死を最大限に活用する方法を必死に考える。
断じて冒涜ではない。
英雄美にはそれだけの価値があるのだ。
木立の隙間、日本海が微かに覗いていた。
最後に浄土宗と神聖教の両方の形式で供養してから去った。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
16時前には青島に戻った。
予定通り、4トン車の荷台にカネを射出する。
入りきらなければ、池に奉納する。
名目?
どうしよう、この辺に神様いないかな?
まあ、探せば何かがこじつけられるだろ。
首を捻っていると光戦士がニヤニヤと笑いながら配信をねだって来る。
どうやらカメラの前で俺と話をしたいらしい。
「はい、カメラ回りました。」
『了解。』
「リン兄ちゃん❤」
『ん?
どうした?』
「賢いボクはインターネッツで検索しました。
すると湖山池の成り立ちが書いてあったのだ♪」
『随分嬉しそうな顔だな。』
「昔、この辺りに強欲な金持ちが住んでたのだ!」
『あ、オチが見えた。』
「その金持ちはとんでもないパワハラ野郎で。
広大な農地を持ってる癖に、田植えを一日で済ませる為に労働者に無茶ぶりするんすよ♪」
『脳内で私と重ね合わせるのは止めてねー。』
「で、労働者達が1日田植えチャレンジをしている最中。
親子のお猿さんが通りかかったので、皆で眺めて息抜きしたんすよ。」
『作業が終わってから息抜きするべきでは?』
「お? 早速邪悪な資本家の本性を現したっすね♪
パワハラ野郎の肩を持つんすかw?
で。
お猿さん見物の所為で、田植えは一日で終わらず日が暮れちゃったのだ。
これにはパワハラ金持ち大激怒。
金の扇子を取り出して《太陽やり直し!》と叫んだんすよ。
すると時間が昼間に戻ったから、そのまま作業を継続させて田植えを一日で終わらせたのだ。」
『ふむ。
作業が終わったことは好ましい。』
「ところがギッチョン♪
次の日に田んぼを眺めようとした金持ち野郎は驚きます。
何と田んぼは全て池に代わってしまっていたからです。
ついでに屋敷も金持ち野郎も池に沈んでしまいました♪
これが湖山池の成り立ちなのだ。」
『えー、君の中の私はそんなキャラなのか?』
「ぷぷぷw
ご感想は?」
『えー、視聴者の皆様。
私が皆様にどんな印象を抱かれているかはわからないのですが。
この民話を他山の石として自戒します。
パワハラや増長は良くないですね。』
「コイツ日に日に口が回るようになってるのだw」
配信終わり。
参ったな。
カネが溢れたら、そのパワハラ金持ちを供養する羽目になってしまう。
さて、そんな風にワチャワチャやってるうちに時間が来る。
余ったカネは池に沈めると決めているのでプレッシャーはない。
《475億3112万1000円の配当が支払われました。》
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【所持金】
195億0800万1000円
↓
3395億0800万1000円
↓
3870億3912万2000円
↓
670億3912万2000円
↓
606億3912万2000円
※合計3200億円を預託との報告
※配当475億3112万1000円を取得
※元本3200億円の確認。
※配当用の64億円を別途保管
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
アナウンスは475億と気軽に言うが、4.7トンである。
正直、正気の沙汰ではない。
俺は皆に池への廃棄を提案するのだが、自然保護を盾に反対されてしまう。
ならばと、分配を提案するも保留名目で拒絶される。
結局、伊地知・沢下の両名が大阪までカネをピストン輸送する事で話が付く。
『このカネが池になったら、異世界池と命名して後世への教訓としましょう。』
俺がそう締め括ると皆が爆笑して場は収まった。
こんな言い方をしたら本当に怒られるのだが、車両からはみ出したカネが10億前後あったので集計し直して涌島に託す。
「…猊下、流石に困ります。」
『和牛事件への支援資金ということにしません?』
「いえ、先ほど確認した所、債務総額は5200万でしたので。」
『じゃあ、余った分は似た境遇の方に配って下さい。』
「いや!
こんな大金をお預かりした所で、返済が出来ませんよ!」
『返済不要、証文不要、御礼不要。
天から降って来たとでも思っておいて下さい。』
「…困りますよ。
猊下にお返し出来るものがありません。
あ! 当然入信した方がいいんですよね!?」
『いやー、借金に付け込んで入信させるとか…
流石に悪徳過ぎでしょ。
私は、そういう団体好きじゃないです。』
「…猊下。
これは独り言なのですが…
出馬とかお考えですか?」
『いやー、それ皆さんから言われるんですけど。
おカネで票を買うって、民主主義社会で一番やっちゃいけないことですから。』
「ですが!
今の議員共はみんなやってますよ!
警察は知ってても全然動かないし!」
『まあまあ冷静に。
勿論、汚職・猟官に対しては厳罰で対処します。
それで宜しいですか?』
「何か恩返しをさせて下さい。
あ! 猊下が支持する候補者の名前をそれとなく挙げて下されば…
後は我々が勝手に気を利かせます!」
コイツ頭いいな。
俺如きの腹案には先回りしてくるか。
『…税金は。』
「あ、はい!」
『資産家から取るべきだと考えてます。』
「おお!」
『資産家の定義は明白で、財産収入が労働者賃金の中央値を上回っていること。』
「はい! 仰ることわかります!」
『資本家課税に見せ掛けた中産階層への重税には、断固反対します。
恐らく多くの畜産家はここに含まれるのではないでしょうか?
ああ、涌島さんの前だから言っている訳ではないんです。
民族資本・民族産業を守らずして国家は維持出来ないという原則論に基づいているだけですので。』
「…猊下、そこまで考えておられたのですか。
いや、猊下まだ20歳ですよね?
何かそういう学問を学ばれたのですか?
経済学者か何かを顧問にされておられる?」
『ルドルフ・V・アウグスブルク。』
「は?
すみません。
海外の学者さんですか?
無学ですので存じ上げません。」
『勝手に師事しているだけですよ。
論文を繰り返し読んでいたら、暗記してしまいました。
《国家とは王や資本家の私物ではなく、人民全ての公有財である。》
とかね。』
「流石に若くして頭角を現す方は学問の質が高いですね。
自分が気恥ずかしくなります。
…では、猊下の理念に賛同する候補者を支持するのは可ですか?
後、その逆も。
流石にそれ位はさせて貰えますよね?」
『暴力や強要を伴わない限りは掣肘しません。
ただ他者の自由意志を侵害する行為は厳禁とします!』
「はい! 皆に伝えます!」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【所持金】
606億3912万2000円
↓
592億3912万2000円
※畜産支援金として14億円を拠出。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
俺は広大な池面を眺めながら思う。
カネが足りない、と。
自分が理想とする予算配分があるのだが。
どう考えても毎年80兆円くらいは必要になって来る。
それも国内だけでだ。
全然思うように行かないのでもどかしい。
この際、形振り構わずカネを増やしてみるか…
どこかに拠点を据えて、金額の増加だけに専心した方がいいか…
いや駄目だな。
そういう数字優先の態度を取っていると、後々の分配作業で良質の協力者を得られない。
要は人材の質だ。
100兆持っても、周囲に愚人俗物しか居なければ分配は必ず失敗する。
逆に1兆しかなくとも、周囲を知徳兼備の士で固めていれば適切な分配が可能だ。
…今の俺の成すべきこと。
方向性をハッキリと打ち出す事。
もっと明確に、もっと力強く。
その程度も成し得ない俺なら、未来を掴む資格がないのだから。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【相模の不死鳥】 夜猫@完全復活! どんなもんじゃーい!! [雑談]
※この配信では「たぬきの葉っぱ」で匿名コメントができます
「どうもー。
夜猫@の夜更かし担当!
相模の獅子ッ!!
ルナルナ@貫通済でーーす!!!
垢BAN全回復したよー❤
Twitterアカウント貼っておくので、フォローお願いしまーす♪」
「こニャニャちニャー♪
夜猫@のニャンニャン担当!
仰げば尊と恩師ッ!
奈々ちゃんでーーす!!!
消息不明期間のDMはまだ返せてません!
読めてないものもあるので、しばらくお待ち下さいニャ!」
「さて!」
「はいニャ!」
「ウ↑チ↓らは今!
ダーリン様を追って!
南国・土佐の桂浜に到着しましたーー!!
うおー! うおー!」
「はい、でも残念ニャがら。
最新の情報によるとトイチの奴は鳥取市内に潜伏中らしいニャ。
多数の目撃情報が寄せられてるニャ。」
「な、なんだってー(棒)!?」
「はい、鷹見さん。
今の演技はちょっと苦しかったですね。」
「まあな。
このネット監視時代の現代。
有名人の動向なんてリアルタイムで把握出来るからな。
でも飛行機の予約取った後で、移動情報上がって来るのはつれーわ。」
「諸々の記録を見る限り、奴は高知・愛媛・岡山・鳥取と騒動を起こしながらひたすら北上を続けてるニャ。」
「何から逃げてるんだろうね?
あの人。」
「(チラッ)」
「ウ↑チ↓が避けられてるみたいな反応やめろー!」
「ニャははははw」
「さて、ここまでが前フリ。
台本の範疇ね。」
「ルナお姉様は台本読ませると著しくパフォーマンス落ちるニャ。」
「好きに喋ってる方が楽なんだよ。
えっと、新曲とアカウント復活の話、どっちを先にする?」
「手短に新曲ニャ。」
「へーい。
じゃあ、手短に。
皆さんお待たせしました!
夜猫@の1stアルバム!
今月末日にリリースが決まりましたー!
奈々、タイトルは?」
「《大麻はおかず!》で決定ニャ!!
いえーい、ドンドンニャふニャふー♡」
「全部カバー曲だけどな。」
「宮沢鬼龍先生!
梶原修人先生!
っしフーゴキゴキ先生!
弓ヶ浜ヒカル先生!
色々ありがとうございましニャー♪」
「では、本題。」
「はいニャ❤」
「どこから話す?
この数日、色々あったんスよ。」
「とりあえず関係各所から厳重に緘口令が布かれてるニャ。」
「警備課の人達からも結構キツメに言われたもんな。」
「はい、ダウト―!」
「え?」
「部署名は絶対に出すなってあれだけ警告されたニャ。」
「あれ?
名前出しちゃいけないのって公安庁じゃなかった?」
「公安庁はもっと名前出しちゃ駄目!!
はい、鷹見さん。
署名した誓約書の内容くらいは覚えておきましょう。」
「いやー、あれから役所をたらい回しにされてさ。
色々な書類にサインさせられまくったのね。
一々覚えられねーよ。
役所によって言う事全然違うし。」
「あー、それ一番言っちゃいけない情報。」
「え? え? え?」
「《役所によって言う事全然違う。》
これは聞く人が聞けば、日本国の外交方針が露呈する重要情報になっちゃうニャ。」
「へー。
お役所は大変だね。」
「また他人事みたいに言う。」
「あのさあ。
結局、アレって何だったん?
ウ↑チ↓、未だに状況が飲み込めてないんだけど。」
「東西冷戦の総決算の舞台に夜猫@が選ばれたって話ニャ。」
「え? トーザイレセ?」
「はい、鷹見さんは教科書の太字部分くらいは把握しておきましょう。」
「いやー、テキストで覚えろって言われてもな。
ちゃんと口頭説明してくれないと頭に残らないぜ?」
「しつこいほど言ったニャ!」
「えー?
覚えてないなー。」
「はい、鷹見さん。
ここテストで出ましたよー。」
「ゴメン、学校のこと覚えてないわ。」
「何なら覚えてるニャ!?」
「えっとねえ。
あ、放課後の教室で奈々にスク水姿を見せたのは覚えてる。」
「あったニャぁ。
そして急に増えるキモコメの数々よ。」
「あ、簡単に説明するね?
ウ↑チ↓の学校水泳の授業あったんスけど。
ほら、ウ↑チ↓はスミ入れてるでしょ?
それで欠席した方がいいか、取り敢えず奈々に聞いたのよ。」
「いきなり放課後の教室に呼び出されて脱がれた日には恩師ドキドキですニャ。」
「いや、見せた方が早いかなって思って。
あのさあ、刺青入ってる奴へのマニュアルもちゃんと用意してくんないかな?
ウ↑チ↓単位もヤバかったし、かなり悩んだんだけど。」
「うーーーん。
文科省は和彫り入れてるJKの存在をそもそも想定してニャいと思うニャ。」
「えー、マジー?
ちゃんと仕事してくれなきゃ困るよー。」
「はい、鷹見さんはまずは校則を把握しましょう。
刺青やAV出演も普通に禁止ですよ。」
「えー、マジー?
先に言ってくれなきゃ困るよー。」
「トイチを見習えニャ。
アイツ、入学式の直後に生徒手帳読み漁ってたニャ。」
「うわキショ。」
「健常な感想ありがとニャ。
でも社会で頭角を現すのはいつの時代も、ああいうキチガイだニャ。」
「まあねえ、あの人バズりまくってるもんね。
関連動画で恩恵受けてるのがウ↑チ↓らなんだけどさ。」
「作り直したyoutubeアカウントが一瞬で伸びたのも、アイツのお陰ニャ。
キモいけど感謝。」
「うん、感謝してる。
生徒手帳熟読はキショいけど。」
「ちなみに放課後スク水事件の再現ドラマをこれから制作するニャ。
会員限定で公開するニャーん♪」
「興味のある奴は~♪」
「「貢ぎマゾプランに入れw」」
「この流れ強引過ぎだろw
アメリカの通販番組でももう少し慎みあるぞw」
「営業ってこんなモンニャよ?
ある程度の反復性が無ければ、消費者に商品・サービスの存在が認知されニャいからね。」
「奈々はそういう所詳しいよな?
どこで学んだの?」
「社会科の教科書ニャ(怒)!」
「あはは、ゴメンゴメンww
今度、ゆっくり個人授業してよ。」
「無理ニャ。
真面目に個人授業するよりも…
《個人授業》ってタイトルのエロ動画を撮った方が遥かに儲かるニャ。」
「それな。
うおー、キモコメ洪水加速しとるww
黒ストスーツ姿(眼鏡着用)の奈々が、スク水姿のウ↑チ↓を性的に指導するドラマAVが求められとるーーーwww
今、勉強の話してたただろーw」
「とほほ、経済法則には勝てなかったニャ。」
「堀内カントク―!
どうするー?
ついでにそういうカラミも撮っとく?」
「今は時期的にAVは止めた方がいいですよ!
レズビアン団体も大変なことになってますし!」
「ああ、アイツらも大変みたいだね。
未だに状況呑み込めてないんだけど。
結局、あの騒動は何だったの?」
「だからー。
同性愛とかそういうのも含めた社会運動に、中露の工作資金が大量に入ってて、反日工作とか反米工作に矛先を変える様に仕掛けられたニャ。
スペインとかイギリスでは普通に東側の工作員が逮捕され始めてるニャ。」
「へー。
そういう政治の話って、あんまり興味ないんだけどなー。」
「健常者か!」
「いや、わからなくね?
何でホモとかレズとかが戦争とか外交に発展するの?
お巡りさんも結構ガッツリ説明してくれたんだけど…
正直、未だに理解出来てない。」
「まあ、そこら辺はリベラリズムとアナーキズムの相関性というか。
70年代冷戦の東側の諜報戦略の基礎というか。」
「もっとわかりやすく説明してくれよー。」
「はい、鷹見さん。
そのわかりやすい説明が高校社会の授業ですね。
次回からもっと真面目な姿勢で受講しましょう。」
「なんだよー!
結局、全部ガッコ―の話じゃねーか!」
「だーかーらー。
どんなアホでも真面目に授業聞いてりゃ、知識階級の入り口に立てるのが学校教育ニャ。
文科省が低能に叡智を授ける為に、日々どれほど努力していることか。」
「どんなアホでもって大袈裟だろ?」
「いやいや、その証拠がトイチ。」
「なるほど。」
「あんなド低能の境界知能の底辺カスでもいっぱしに政治語ってるニャ?
如何に公教育が偉大かニャ。」
「確かに。」
「はい、視聴者のみニャさん。
アホがどれだけ愚考しても時間の無駄ですので、真面目に文科省の作ったカリキュラムに従って下さいニャ―。
例え健常者になれなくても、トイチ程度にまではなれるニャ。」
「いやー、そう聞くと学校って凄いんだな。」
「えっへんニャ♪」
「じゃあ、教員免許も更新制にしなくちゃな。」
「ニャびーーーん!!
そ、それだけはご勘弁を。
絶対奈々ちゃん、最初に剥奪されるニャ。」
「奈々のアイデンティティが教員免許にあるのも、割と謎なんだけど。」
「奈々ちゃんから教員免許を取ったら、単なるAV女優ニャー!!」
「ははは、確かにw
でもなあ、コメント欄読む限り視聴者は既にそう思ってるぞ?
女教師モノが主戦場のAV女優って認識されてるんじゃね?」
「ニャがびーーーん!!!」
「ほら、今ズームしてるコメント。
《設定じゃなくて教師だったの? ヤバい逆に抜けなくなるかも。》
ってあるでしょ。」
「そこを頑張って抜けニャ!」
「いやー、男の人って繊細だから。
設定にリアリティあり過ぎる女優って敬遠されるらしいよ。
ねえ、堀内カントク、そこらへんどうよ?」
「あー、確かにその傾向はありますね。
分かりやすいのがアスリート系の作品なんですけど。
《国体優勝》とか《五輪強化選手》とか…
嘘設定だからこそ気楽に見れるんですね?
その設定が事実だったら駄目なんです。
人生の転落とか出演強要とか連想しちゃうから。
なので我々制作サイドは如何にマジになり過ぎないか
そのラインを常に模索してますね。」
「ニャがびーん!!!
衝撃の真実!!」
「教員免許、返上しちゃおうよ?
ウ↑チ↓と一緒に業界で天下獲ろう?」
「生徒にAV勧誘されてる件!」
「あー、でもお巡りさんがAVもしばらく自粛しろって言ってたか。」
「霞が関の要望は配信の即時自粛ニャ!」
「えー、配信しないと退屈で死んじゃうよー。
ま、今日のこの放送は厳密には配信じゃないんだけどね。」
「高知県の自由民権TV様の収録ニャ!
あまりの好条件に驚いてるニャ。」
「んー?
好条件か?
機材貸してくれただけじゃん。」
「いやいや!
TV局が演者に編集権まで渡すって異常事態ニャ?」
「ふーーん。
でもそれって、コラボ動画とかで数字持ってる方の配信者が主導権握るみたいなモンでしょ?
ウ↑チ↓らは数字持ってるし、それくらいしてくれて当然だと思うけどな。
ギャラも安いし。
今更100万とか言われてもな。
メンバーで割ったら大した額じゃないし。」
「均等割りを徹底してるのがお姉様の凄いところニャ。」
「その代わり来たばっかりの奴でも走り回って貰うけどな。
おい志倉、仕事慣れたかー。」
「テンパってまーす!!」
「自分で言えたら正常だ。」
「今の声が新メンバーの志倉ちゃんニャ。」
「まさかあのキモコメを書いてたのが女だったとは。」
「闇が深いニャ。」
「まあいいや、シクラメン改め志倉も増えたことで。
ギャラに文句言える位には経費が掛かる様になったって事だな。
自由民権TVさん、文句言ったみたいでゴメンね。
使える部分は全部放映してくれていいから!」
「え?
今日の配信のどこに使える部分が?」
「えー、幾つかはあるでしょ。
ねえ自由民権さん、多少はありましたよね?
え!? ない!?」
「逆にどこを放映させるつもりだったニャ。
あのねえお姉様、腐っても地上波ニャ、地上波。」
「でも奈々、もうすぐTVは滅びるって言ってたじゃん?」
「スポンサーの前で言うニャーーー!!!!」
「あ、ゴメン。
お詫びに脱ごうか?」
「多分、地上波じゃ刺青NGニャ。」
「マジかー。
地上波って意外に厳しいな。」
「あれだけ好き放題やってて、厳しいも何もないニャ。
まあ、レズビアン騒動が落ち着くまではおとなしくしとけニャ。」
「アレっていつ収まるの?」
「ウクライナ戦争とか米国大統領選挙と密接に連動した工作だから…
それが落ち着くまでは…」
「選挙が終わったら落ち着くってこと?」
「次の中間選挙に向けての工作が始まるから。」
「終わらねえじゃんw
じゃあウ↑チ↓も自粛してやんなーいww」
「そう来ると思ったニャ。
じゃあ、せめて違法行為は自粛。
これでOK?」
「大麻とか?」
「うーーん、大麻は世界的に合法化の流れが来てるから…
国際感情を考慮してセーフだニャ。」
「このダブスタ感よww」
「いや聞いて!
奈々ちゃんの言い分を聞いて!」
「はいはい、聞くよー。」
「下の話になって地上波的には申し訳ニャいんだけど。
奈々ちゃんとの大麻ックス気持ちいいでしょ?」
「…まあ、ウ↑チ↓は好きかな。」
「これが国際情勢ニャ!」
「結論強引過ぎだろww」
「ヘイヘイヘーイ。
ここからは社会科の授業の時間だぜニャ!」
「手短になー。」
「まず、今の世界って金持ちの誘致合戦で成り立ってるのニャ?
例えばアメリカ。
金持ちだけが暮らしやすいマジモンのディストピアだニャ。
貧民は地獄の苦しみを味わってる反面、金持ちは好き放題出来るから出て行かないニャ。」
「ほーん。」
「逆に言えば、金持ちの要望を聞かなきゃ外国に財産ごと持ち逃げされちゃうニャ。
どこの国も金欠で苦しんでるのはその所為ニャ。
要は世界全てに、カネが足りニャい。」
「ふーん。
じゃあ普通に金持ち殺せばよくない?」
「思っててもそれは言うニャ。
皆思ってるからこそ、口に出したらヤバいニャ!
そして金持ちが好きなのはドラックパーティーにゃ!!
いえーーーい、どんどんニャふニャふー♡
なので、金持ち様が快適に暮らして頂けるように先進国(笑)では大麻や同性愛が解禁されがちニャ。」
「じゃあ、やっぱりそいつら殺した方がよくない?」
「そこに気づくとは天才か!
…でも大麻ックス気持ち良かったニャ?」
「ウ↑チ↓は奈々が好きなだけだからなー。
別に大麻がどうとか同性愛がどうとかは、あんまり意識してない。」
「トゥンク❤」
「あ、自由民権TVさーん。
本当に遠慮しなくていいですからね。」
「え、いや!
流石に… 地上波では…」
「地上波大変だな。」
「まあ、そう言う訳で世界の情報戦の最前線は夜猫@に移行したという話ニャ。」
「マジかー。
世界終わってんなー。」
「だって、明らかに海外からの同接爆増してるニャ?
コメ欄も英語・ラテン語・中国語で半分越えてるし。」
「うーーん。
日本語以外禁止に出来ない?
何書いてるかわからないと、ウ↑チ↓がリアクションに困るだよね。」
「いやーー、それをすると外国人差別とかで炎上するニャ。
炎上なら兎も角、告訴とかも普通にあるニャ。」
「うーーーん。
三橋ぃー、アンケート機能でその賛否は問える?」
「…文言こちらで練らせて貰っていいですか?」
「いいよー。」
「鎖国路線で行くニャ?」
「いや、日本語で話してくれれば構わないよ。
今までだって普通に韓国人とかインドネシア人が日本語勉強して書き込んでくれてたからね。
配信してるウ↑チ↓が、日本語しかわからないって明記してる訳じゃん?
そんな配信に書き込むんだから、それ位の配慮はして欲しい。
今って自動翻訳ソフトとかもある訳じゃない?」
「うーーーん。
まあ、ここまでチャンネルが大きくなると…
ある程度のレギュレーションも必要かニャ。
GAFAアカウントも復活したばかりだから、派手な動きは避けたいニャ。」
「未だに謎なんだけどさ。
何でいきなりアカウント復活したの?
嬉しい反面、不思議なんだけど。」
「さあ。
政治的な話なんじゃニャい?
レズビアン戦争に巻き込まれた被害者のお姉様が垢BANされっぱなしだと、色々勘ぐる連中も出て来るから。
GAFA、いやGAFAMは基本西側新自由主義思想ニャ。
だから東側の工作の被害者のアカウントを守る事で、西側社会全般にアピールしたのでニャないだろうかと。
タイミングからして日本国政府も要望出したっぽいし。」
「ごめん、わからん。
政府が要望?
ウ↑チ↓の為に?
そこが一番わからん。」
「政治なんて一般人の目線から見たら全部謎だニャ。
ひょっとすると政治家もあんまりわかってないかもニャ。」
「ん-ー?
みんなわかってないって、それ大丈夫なのか?」
「仕掛けてる金持ち連中は把握してるから問題なしニャ。
所謂、資本家様ってやつニャ。
世界の富の半分は、たった26人の資本家が独占してるくらいニャ。
何とその額、驚異の3京円!」
「マジかー?
ホントに?
半分は大袈裟だろ。
それどこ情報よ。」
「社会科の授業(以下ry)。」
「ふーん、じゃあやっぱりそいつら殺したら丸く収まるっぽくね?」
「ちなみにGAFAMこそまさしく、《そいつら》だから言動には気を付けるニャ。」
「マジかー。
金持ちすげー。
じゃあ、そいつら殺してTwitterだけ残せばよくね?」
「そこに気づくとは健常か。
まあ、取り敢えず新曲出すまではおとなしくしとけニャ。」
「へーい。
じゃあ、最後に軽く歌っとく?
え!? 自由民権さん。
歌はマズいんスか?
はい、はい、ああジャスラックにカネを払わなきゃいけないから。」
「すみませーん。
本当に楽曲関連は流してないんですよー。」
「あー、いえいえ。
じゃあ、新曲とかそのMV公録とかは配信でやっちゃおうか?」
「そうだニャ。
最後に高知のPRを!」
「いや、空港からここに直行したからな。
PRも何も、全然わかってないんだわ。
あ、スミマセン!
明日、東京でライブあるんで。
この後の便で羽田に戻りますー。
はい、打ち上げはこれ(バッテン)で。
はい、気を遣って下さったのにスミマセーン。」
「メスガキ太鼓の振り付け覚えた?」
「うーん。
まだ自信ない。
帰りの飛行機で動画見直すわ。」
「明日こそ、サビのダンス合わせるよ!」
「へーい。
よっぴー、告知どうする?」
「すみません!
前売りチケット全てsoldoutです!
混乱を避ける為にもリンクは貼らない方が良いかと!」
「あー、チケットはけるのは地味に嬉しいな。
空席あると気になっちゃうんだよね、結構。」
「じゃあ、そろそろ配信終わるニャ。
マスターテープごと自由民権さんに渡していいニャ?」
「ウ↑チ↓らも自分の動画編集でいっぱいいっぱいだからな。
これ以上、三橋の負担増やすのも可哀想だろ。
高知のTVは高知の人が好きに編集したらいいんじゃね?
民権さんもそれで宜しいですね?
え? 再出演っスか?
あ、いや。
高知は良い所だとは思うんスけど。
関東からちょっと遠いかな、と。
は?
いや、来て頂ける分には別に。
はあ。
じゃあまあ、今回大したアピールも出来ませんでしたから。
ギャラはそこまで気を遣わなくても大丈夫っスよ。
奈々、向こうが来る分にはいいんだよな?」
「時間拘束が少ないなら…
インタビュー兼広報扱いでいいんじゃニャい?」
「民権さん、交通費宿泊費は出せませんけど。
来て頂ける分には歓迎しますよ。
ただライブの前後はあまり構えないと思います!
はい、そういう訳で。
高知にはあまり来れないかも知れませんが!
高知の局を優遇してあげるから我慢して下さーい。」
「それでは本日は!
高知市の桂浜からの中継でしたニャ!」
「初地上波、結構楽しかったわ。」
「お姉様の初地上波は大阪キャスター暴行事件だニャ。
記憶を捏造しないよーに。」
「ああ、そんなこともあったなあw」
「それじゃあみんニャ♪」
「今日はありがと♥」
「まったねー♪」
「まったニャー♥」
【この配信は終了しました】
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【名前】
遠市・コリンズ・厘
【職業】
神聖教団 大主教
東横キッズ
詐欺師
【称号】
女の敵
【ステータス】 (地球上にステータス閲覧手段無し)
《LV》 14
《HP》 左頬骨亀裂骨折
《MP》 万全
《力》 女と小動物なら殴れる
《速度》 小走り不可
《器用》 ライジング・カード!
《魔力》 悪の王器
《知性》 悪魔
《精神》 吐き気を催す邪悪
《幸運》 的盧
《経験》 138158
本日取得 0
本日利息 16967
次のレベルまでの必要経験値25672
※レベル15到達まで合計163830ポイント必要
※キョンの経験値を1と断定
※イノシシの経験値を40と断定
※うり坊(イノシシの幼獣)の経験値を成獣並みと断定
※クジラの経験値を13000と断定
※経験値計算は全て仮説
【スキル】
「複利」
※日利14%
下3桁切り上げ
【所持金】
592億3912万2000円
【所持品】
jet病みパーカー
エモやんシャツ
エモやんデニム
エモやんシューズ
エモやんリュック
エモやんアンダーシャツ
寺之庄コインケース
奇跡箱
コンサル看板
荒木のカバン
天空院翔真写真集vol.4
白装束
【約束】
古屋正興 「異世界に飛ばして欲しい。」
飯田清麿 「結婚式へ出席して欲しい。」
〇 「同年代の友達を作って欲しい。」
『100倍デーの開催!』
× 「一般回線で異世界の話をするな。」
『世襲政権の誕生阻止。』
〇後藤響 「今度居酒屋に付き合って下さい(但しワリカン)」
「大阪を滅ぼさないで下さい!!!」
「空飛ぶ車を運転します!」
江本昴流 「後藤響を護って下さい。」
『遠市王朝の建国阻止。』
×弓長真姫 「二度と女性を殴らないこと!」
× 「女性を大切にして!」
〇寺之庄煕規 「今度都内でメシでも行きましょう。」
×森芙美香 「我ら三人、生まれ(拒否)」
×中矢遼介 「ホストになったら遼介派に加入してよ。」
「今度、焼肉でも行こうぜ!」
〇藤田勇作 『日当3万円。』
〇堀田源 「トイレコインの使い方を皆に教えておいて。」
〇山田典弘 「一緒にイケてる動画を撮ろう。」
〇 「お土産を郵送してくれ。」
「月刊東京の編集長に就任する。」
楢崎龍虎 「いつかまた、上で会おう!」
×警視庁有志一同 「オマエだけは絶対に逃さん!」
「オマエだけは絶対に守る!」
×国連人権委員会 「全ての女性が安全で健(以下略)」
〇安宅一冬 「浅草寺周辺を一緒に散策しましょう。」
水岡一郎 「タックスヘイブンの利用・移住をしないこと。」
×平原猛人 「殺す。」
「鹿児島旅行に一緒に行く。」
「一緒にかすうどんを食べる」
車坂聖夜Mk-II 「世界中の皆が笑顔で暮らせる、優しい世界を築く」
今井透 「原油価格の引き下げたのんます。」
〇荒木鉄男 「伊藤教諭の墓参りに行く。」
鈴木翔 「配信に出演して。」
×遠藤恭平 「ハーレム製造装置を下さい。」
〇 『子ども食堂を起ち上げます。』
〇田名部淳 「全財産を預けさせて下さい!」
三橋真也 「実は配信者になりたいので相談に乗って下さい。」
〇DJ斬馬 『音楽を絡めたイベントを開催する際、日当10万で雇用します。』
金本宇宙 「異世界に飛ばして欲しい。」
金本聖衣 「同上。」
金本七感 「17歳メインヒロインなので旦那との復縁を手伝って。」
天空院翔真 「ポンジ勝負で再戦しろ!」
〇小牧某 「我が国の防諜機関への予算配分をお願いします。」
阿閉圭祐 「日本国の赤化防止を希望します。」
坊門万太郎 「天空院写真集を献納します!」
宋鳳国 「全人類救済計画に協力します!」
堀内信彦 『和牛盗難事件を解決します。』
〇内閣国際連絡局 『予算1000億円の確保します』
毛内敏文 『青森に行きます!』
神聖LB血盟団 「我々の意志を尊重する者が必ずや遠市厘を抹殺するだろう。」
〇大西竜志 「知り得る限り全ての犯罪者情報の提供。」
坂東信弘 「四国内でのイベント協力」
国重辰馬 「四国内でのイベント協力」
涌嶋武彦 「畜産業界の総力を挙げて遠市派議員を衆議院に最低10名押し込みます!」
〇木下樹理奈 「一緒に住ませて」
×松村奈々 「二度と靴は舐めないにゃ♥」
〇 「仲間を売るから私は許して♥」
◎鷹見夜色 「ウ↑チ↓を護って。」
〇 「カノジョさんに挨拶させて。」
〇 「責任をもって養ってくれるんスよね?」
×ヒルダ・コリンズ 「芋羊羹…。」
「王国の酒…。」
「表参道のスイーツ…。」
× 「ポン酢で寿司を喰いに行く。」
土佐の局 「生まれた子が男子であればリイチ。
女子であればリコと命名する。」
誰もが公平なスタートを切れる平等な世界。
築くのだ、必ずや。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
色々と理由を付けて光戦士が甘えて来る。
ずーっと俺にしがみついて離れないのだ。
仕方ないさ、昨日あれだけ怖い目に遭ったのだからな。
「リン兄ちゃんは怖い目に遭ったことあるのだ?」
俺の布団に包まったまま尋ねて来る。
『うーーーん。
妻が義母と内戦を始めた時は怖かったな。
アイツらサイコだから手の付けようがないんだよ。
上手く相討ちになってくれれば御の字だったんだけな。
両方生き残っちまった。』
「…兄ちゃんが一番サイコなのだ。」
『鷹見に刺された時は痛かったし怖かった。
アイツちょっとおかしいだろ。』
「おまえが言うななのだ。
ちなみに、コラボ相手の批判をしちゃいけないルールあるんで…
この話題の掘り下げはノーセンキュー。
そこは配信者の仁義ってやつっすね。
他には? 何かヤバい場面あった?」
『大型のホーンラビットと一対一の戦いになった時かな。
運よく助かったけど、あれは死んでてもおかしくなかった。
魔族に誘拐された時も、心底ビビったな。』
「結構修羅場潜ってるんすね。」
『向いてないって自覚してるから…
なるべく荒事は避けたいのだけどね。』
俺や光戦士は荒事に向いていない。
能力的にも性格的にもだ。
アクションシーンは昨日で最後にしたいものだな。
(例によって俺はボコられただけだが。)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
2人でリビングに向かうと、七感がオニギリを作ってくれていた。
皆が美味しそうに頬張っている。
『すみません。
お怪我をされておられるのに。』
「かまへん。
好きでやっとることや。」
細かく刻んだ津山干し肉入りのオニギリ。
県南の名産である牡蠣の佃煮が入ったものもある。
旨い。
朝は苦手なのだが、ついつい多めに頬張ってしまう。
「トイチ君。
坊門のオッチャンのとこの社員さんにオニギリ差し入れてき。」
『え?』
「君、そういう路線で売っていきたいんやろ?
小まめに差し入れる癖を付けとき。』
『お気遣い助かります。
全然気が回らず恥ずかしいです。』
「君はようやっとる。
同年代では間違いなくトップや。
至らん点があるとすれば、単に経験が不足してるだけ。
あのな。
ウ↑チ→は商売人の娘や。
物心付いた時には周りにいっぱいパートさんもおった。
せやから、環境故に覚えたやり方はある。
それだけの事や、優劣はない。
オバチャンが知ってる限りのノウハウは君に授けたる。
学びなさい、学習に天井はない。」
「…ありがとうございます!」
教えの通り、坊門総業の運転手2名にも声を掛けて、オニギリを差し入れる。
寝不足はないか、疲労はないかを聞き取る。
先の予定がわからなければ不安だろうので、週内の帰還を約束。
更には坊門との通話で運転手を大袈裟に称賛しておく。
(彼らが全身で安堵を表現していたので、恐らくはこれが正答だったのだ。)
皆の消耗が激しいので、午前中は宿所から動かないと決める。
リビングに集まって烏天狗仮面の話題で盛り上がる。
「さてトイチ君。
決めるべきは今後の進路だね。」
寺之庄の広げた地図を皆で覗き込む。
改めて、中国山地のど真ん中に居る事を思い知る。
『そうですね。
目的地は東京。
大阪、名古屋でメンバーを回収したいです。』
「ここからなら中国道か山陽道で大阪に抜けれるよ。
どこにも寄る予定が無いなら、中国道かな。
宇田川さんの居る篠山に寄るのもアリかもね。」
『こうして見ると津山は岡山市内から相当距離がありますよね。』
堀内堅造が笑って言う。
「何せ鳥取の方が近いくらいですからね。
山を挟んでおりますが、実は津山市と鳥取市は隣接自治体です。」
もう一度、地図を覗き込む。
…そうか、鳥取市街は岡山市街とほぼ等距離か。
「何もない所ですよ?
日本で一番人口が少ない自治体だったんじゃないかな?
いや、あれは島根だったか。
どっちだろ?」
『少ない?
そこ正確に知りたいです!
今、調べて貰えますか?』
後藤が手早くスマホを操作し「47都道府県最少人口です。」と教えてくれる。
その瞬間、俺の中で計算が成り立ってしまう。
『…皆さん、進路が頻繁に変わってしまい申し訳ありません!
私は鳥取を訪問してから帰ります。』
これまでは流されての行動だったが、この転進には明確な意図がある。
俺もそろそろ自分の勝ち筋が分かって来たからだ。
きっと、それが伝わったのだろう。
皆から特に苦情は出ず、不審な表情すらされなかった。
『長旅で疲労のある方も居られると思います。
なので、同行は無理強いしません。
必要であれば資産分配も行います。』
寺之庄が照れたように笑う。
「どうせ休暇を貰った所で、君の側以外に居たいところもないしね。
面白シーンを見逃す恐怖には勝てないよ。」
リビングが笑いに包まれる。
俺は皆に頼み込んで準備を整えて貰う。
そして再び、運転手の個室を訪れた。
『申し訳ありません!
先程、帰還の話題に触れたばかりですが…
またもや進路を変えてしまいました。』
彼らは固辞しようとしたが、拝んで寸志を受け取って貰う。
俺は改めて詳しい自己紹介をして、何故鳥取なのかという理由や今後の戦略構想も忌憚なく打ち明ける。
「いや、そんな重要な事を下っ端の我々に仰られても。」
『…上下はないです。
単に役割の違いですよ。
私は車の運転が出来ませんし、お2人程の人生経験もない。』
「大袈裟ですよ。
私なんかただのしがないサラリーマンです。
いっつも娘から馬鹿にされてますもの。
家に居たらいっつも喧嘩w
誇れるものなんか何もありません。」
『喧嘩出来るくらいにまで娘さんを育てられたのは素晴らしいことですよ。
私なんか異世界に子供を捨てて来ました。
その件で、級友からも随分軽蔑されています。』
「いや! 異世界の話はマズいですって!
私達も必死にそこに触れないようにしてたのに!」
『我々はパーティーメンバーなんだから別にいいじゃないですか。
それこそ異世界風に言えばですけど。』
「あははw」
「ははっw」
2人が笑いだす。
『?』
「…夢が叶っちゃいました。
実は私も結構異世界アニメ見てるんです。
女房子供にはキモいっていつも馬鹿にされてるんですけどw
パーティーに入って冒険することは、ささやかな夢だったんです。」
『あ、そうなんですね。
いや、冒険というほど大したことでは。』
「またまたー、ライジング・カードしたじゃないですかw
昨日の水面ダッシュ動画もバズっておられるしw」
『ええ!?
あんなもん見て何が面白いんだか。』
「あはははw
無自覚系w無自覚系w」
『そんなんじゃないっすよーw』
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【所持金】
195億1000万1000円
↓
195億0800万1000円
※坊門総業の従業員2名に100万円ずつを寸志として支払い。
【トイチキャラバン運転手】
伊地知義和 (4トン車担当)
鹿児島県出身。
高校卒業後大阪の鉄工場に就職。
以後職を転々とし9年前に坊門総業に就職。
娘が来年、大学進学予定なので纏まったカネが必要だった。
沢下球児 (2トン車担当)
和歌山県出身。
名前の通り父親が野球ファン。
親への反発からスポーツ全般を放棄。
高校中退後、趣味の資格取得を満喫する為に大阪に居住。
2年前に坊門総業に就職。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
リビングに伊地知と沢下を招き入れ、全員で改めて自己紹介。
運転前につき酒は出せなかったので、水盃で乾杯。
沢下と後藤が羊羹を肴に野球指導者への愚痴で笑いあう。
その光景を見届けてから、各所への連絡を行う。
俺の独断で当初の予定より数日の遅れが出てしまうこと。
本心から申し訳ないと思っている。
【金本聖衣・宇宙】
『金本社長、しばらく関東から離れてしまって申し訳ありません。』
「ごめーん。
手が離せへんねん。兄貴と2人で話しとってくれ。
気にせへえんでええで。
ワシ関西人やし。
西日本の話題の方が正直オモロイw」
『お気遣い恐縮です。
聖衣社長も申し訳ありません!
恋辻占の打ち合わせも約束しておりましたのに!』
「いや、かまへん。
きょうび打ち合わせなんぞ全部リモートでええんや。
ワイと宇宙なんかも毎日通話しとるけど、直接会う事は殆どないしな。
わざわざ会いたがるのは無能の証拠や。
で?
鳥取行きには君なりの勝算があるんやな?
市場規模の小ささは君が一番知っとるとは思うが…」
『一般的に大都市ほど経済効率が良いのは承知の上です。
政党党首が東京の主要ターミナル駅ばかりで演説するのも効率を鑑みてのことでしょうし。』
「なるほど、大金持ちの君なら経済効率は敢えて無視出来ると。
せやな、逆張りに徹することも可能やな。
ただ、政治家が東京で演説するのは人口だけが理由ではないで?
主要メディアが東京に集中しているからや。
やっぱり活動は報道されてナンボやからな。
そこは理解しとるか?」
『ええ、一応は。
ただ、自惚れる訳ではないのですが…
私がどこに居ても勝手に皆がオンライン上にアップします。
今は絞っているのですが、メディアからの取材依頼も相当数ありますしね。』
「ふむ…
コンテンツとしての地位を確立したトイチ君なら…
そうか、メディアの都合に合わせる必要もないわな。
ふふふ。
津山では御活躍やったやないかw」
『甥御さんを危険な目に遭わせてしまって申し訳ありませんでした。
…先にこちらを謝罪するべきでしたね。
彼が数か所を打撲してしまって、大阪に帰ったら改めて謝罪させて下さい。
宇宙社長、聞こえておりますでしょうか?
息子さんをお預かりしておきながら、申し訳御座いませんでした!』
「気にせんでええ。
怪我は男の勲章や!」
「ワイも宇宙と同じ意見や。
ズンは多少揉まれた方がええ。
本題に戻るで?
君の帰還に合わせて納品する予定やった恋辻占…
鳥取に持って行こうか?」
『…お願いしてしまっていいのですか?』
「君、急いどるんやろ?
死に急ぎ以外なら全部付き合ったるわ。」
『恩に来ます。
正式な発注とさせて下さい。
現在、梱包された物は何個ありますか?』
「番重3ケース、計600個。」
『全て下さい。
鳥取で全部配るかは分かりませんが、意識して地方イベントでばら撒きます。』
「2時間後に出発する。
昼過ぎには着くやろ。」
『…ありがとうございます。
休業補償も支払いますので、鳥取滞在に付き合って頂ければ幸いです。』
「そこまで気を遣わんでええ。
ワイは営業で台北まで行った事もある。
鳥取くらいは通常業務の範疇や。」
『お言葉に甘えます!』
「宇宙ー。
オマエも何か言えや。」
「ナンカー!」
『宇宙社長!
必ず光戦士君を送り届けますので!』
「ナンカー♪」
「ナンカーww」
【平原猛人】
『合流の約束を反故にしてしまって申し訳ありません。
…俺、猛人さんに迷惑ばかり掛けてますね。
あちこちをフラフラしてばっかりで。』
「それがオマエの出した最適解なんだろ?」
『…はい。
資本の本質とは流動性です。
なので、拠点を持たない事の強みを最大限活かすつもりです。』
「行って来い。
オマエの読みは正しい。」
『ありがとうございます。』
「リン。
鳥取砂丘には行くなよ?
話題にも出すな。」
『え?
そ、それはどうして?』
「世間に物見遊山と思われたらオマエの政治生命は終わりだ。」
『…肝に銘じます。』
「オマエの性格なら沖縄にも顔を出す事になると思うが…
行くとすればどこを避ける?」
『夏の海岸です。』
「理由は?」
『遊びに行ったように思われるからです。』
「…リン。」
『あ、はい。』
「オマエはよくやっている。」
俺が何かを言おうとした時には既に電話は切れていた。
そうだな、スマホを貰ったら一番に平原猛人の番号を登録しよう。
あの人、SNSとかやるのかな?
ちゃんと確認しておかなきゃな。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
俺が通話を終えた頃には全ての準備が完了していた。
山越え故の電波状態が不安だったので妥協したが、本当は車内で通話したかった。
1秒たりとも時間を無駄にしたくないからだ。
異世界の時と違って背中を炙られるような焦燥感・恐怖感がある。
ヒルダには先手を取られ続けている、鷹見には内情を暴かれ続けている。
折角地球に帰還したのに、まるでアウェイだ。
状況はかなり悪い。
なので俺は最短ルートを疾走する。
鳥取行きを会話の弾みでしか思いつけなかった自分を恥じる。
俺は何と怠惰なのだろう。
地球では、攻め続けなくては絶対に勝てない。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【遠市キャラバン】 因幡入りチーム
遠市厘 (出資者)
寺之庄煕規 (運転担当)
金本七感 (予備運転手)
後藤響
金本光戦士 (撮影担当)
堀内堅造 (案内人)
伊地知義和 (4㌧車担当)
沢下球児 (2㌧車担当)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
堀内信彦は先日の騒乱の収拾にあたる。
修験道業界のヘイトを少しでも減らしてくれれば幸いなのだが。
こればかりは相手次第だ。
「車に乗ってる時くらい休んどかなアカンで?」
七感に声を掛けられる。
『十分眠りましたよ。』
「荒事の後や。
頭は起きとったんちゃうか?」
『かも知れません。』
「心と頭を寝かしたるのも君の仕事や。
覚えとき。」
『ありがとうございます。
七感さんには色々と教わってばかりです。』
ベッドを勧められたが横臥する気になれなかったので、車窓を眺める。
見飽きるほど山を見てから目を閉じた。
揺れる車体は嫌でもあの旅を思い出させる。
王都からソドムタウンへの逃避行。
辛く苦しく… 最高の日々だった。
カイン・D・グランツ
ドナルド・キーン
ケネス・グリーブ
そしてダン・ダグラス
決して取り戻す事が出来ない俺の宝物。
「鳥取に入りましたね。」
隣で後藤が呟く。
思わず目を開けると、丁度トンネルを抜けた所だった。
何かを言おうとして涙を流している自分に気付いた。
後藤はずっと反対側を眺めている。
七感はずっと俺を眺めている。
ゆっくりと涙を拭い、手早く顔を洗い、無言で車内に頭を下げた。
俺の仕事は懐かしむ事ではなく、皆に最高を与える事だからである。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
両の視界に迫っていた山が開き始めた。
田地の合間に工場らしき建物が混じり始める。
そして何より空が高い。
街が近い。
『後藤さん、宿はありましたか?』
「砂丘を避けろという指示でしたので、反対側にしました。」
後藤が広げた地図を覗き込む。
俺達は千代川なる河川を下って河口にある鳥取市街を目指しているのだが、鳥取砂丘は河口の東側。
なので後藤は千代川の西側で宿を探したそうだ。
「俺も初めて知ったんですけど…
湖山池なる日本一大きな池があったんです。」
『へえ、確かに地図で見ても大きいですね。』
「この周囲がキャンプ場・グランピング場になっていたので、宿を抑えました。
池に島が浮かんでますよね?
青島と言うんですが、ここです。」
『また凄い場所に宿を取ってくれましたね。』
「申し訳ありません。
印象に残ると思ったので。」
『いえ、素晴らしいです。』
後藤は俺のやりたい事を全部理解してくれている。
なので、きっとこのチョイスは正しい。
そもそも俺は鳥取のことなど、砂丘と梨しか聞いた事が無かった。
日本一大きい池、有名なのだろうか?
日本一大きな湖は琵琶湖だが、池と湖には何か違いがあるのだろうか?
いずれにせよ、そこに浮かぶ島に拠点を据えるというのは、その時点でインパクトがあって素晴らしい。
その島の施設の甲乙などどうでも良い。
イメージを作れた時点で成功なのだ。
「トイチさんは浜名湖では庄内半島を気に入っておられました。
実はその時点ではお考えが分からなかったんです。
ただ、後になって地図を改めて見返して、ようやくお考えが理解出来ました。
地図を見た時に肉眼で事績が確認出来るというのは恐ろしいことです。
インパクトが違い過ぎるんです。
なので、今回は俺の独断で恐縮なのですが、地図上の肉眼、いや口頭でもイメージ可能な場所を選ばせて貰いました。
的外れでないなら嬉しいです。」
内心舌を巻く。
俺が内心で考え抜いて辿り着いた手法をあっさり見抜いてきた。
この男には敵わないな。
実に心地よい敗北感である。
改めて鳥取市街の地図を覗き込む。
素晴らしいのは、湖山池の面積が鳥取砂丘よりも大きい点である。
そして青島。
かなり広めの縮尺でもはっきりと地図中に表示される。
恐らく鳥取県民であれば多くの者が認知していることだろう。
…来訪のインパクトが残せる。
『これ以上の立地なんてありませんよ。
私なら思いつけませんでした。』
「ははは、そう仰って頂いて安心しました。
ちなみに、池の南岸に貸し切り可能なキャンプサイトもあります。
面積的に大型イベントは困難ですが、ミニイベント程度でしたら十分可能でしょう。」
『ミニイベント?』
「ネット上のちょっとした有名人のファンミーティングとかですね。」
後藤がうたた寝をしている光戦士を横目で見る。
『…。』
「安心して下さい。
光戦士君の知名度は《ちょっとした》の域を脱してます。
何かをさせる事は勧めてませんって。」
冗談めかした口調だが、後藤の目は笑っていない。
《子供を利用しない》と広言しながらも、俺は光戦士をフル活用している。
(文句を言いながらも鷹見の知名度の恩恵も被っている。)
この男はそれを指摘しているのだ。
「景色の綺麗な場所なので、配信の許可を与えてやれば彼も喜ぶでしょう。」
更には俺の言いにくい事を全て先回りして言語化してくれる。
泥を被る、とはきっとこういう事なのだ。
『現在の立ち位置を説明した上で、本人に判断させます。』
言いながら、狡い物言いだと自分に呆れる。
鷹見にしろ光戦士にしろ完全な配信中毒者だ。
本人に判断させたら死ぬまで個人情報を垂れ流し続けるに決まってる。
彼は現時点でもベストに近い広報要員だ。
それを理解した上で俺は子供を部品として利用している。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
太陽はいつしか真上に昇っていた。
車列は鳥取市街を無視して、千代川の河口まで進んだ。
ここら辺は工業港なのであろうか、スクラップ・残土・水酸化マグネシウムのサイロ。
堆肥の臭気が充満していた。
突堤に登り、皆で海岸に並び日本海を眺める。
「この真正面にはウラジオストクがあるそうだよ。」
寺之庄が呟いた。
それに対しては誰も何も答えなかったが、俺の旅の果てにはロシアも含んだ世界そのものが在る事は、ここに立つ全員が知っている。
じゃあロシアも世界も通り過ぎたら…
俺はどこに行くのだろう?
資本の独占の果てには何があるのだろう?
案の定、光戦士が配信許可を求めて来たので七感に是非を尋ねてから許可を出す。
海風が心地良いのか、大はしゃぎで走り回っていた。
月並みな感想だが、緑色の髪が靡く様子はまるで海風そのもので、とても絵になっていた。
『伊地知さん。
日本海はどうですか?』
「いいですねえ、車体は汚れるけど。」
長距離走行になれているのだろう。
伊地知の表情に疲れの色は見えない。
ただ、きらめく日本海に目を細めていた。
「猊下。
この先も旅を続けられるのですか?」
『残念ながら、もうとっくに時間切れですよ。』
「時間制限があったのですか?」
『名が知られる前に、日本だけでも回っておきたかったのですが…』
「…そうですか。
じゃあ、タイムオーバーですね。」
『ええ、俺の旅はまたもや終わりです。』
「…再出発すればいいじゃないですか。
まだまだお若いのだから。」
『全部捨てない限り身動きとれませんよ。』
元本がある限り、必ず利息が付いてしまうからな。
どう足掻いても俺の王権は確立してしまう。
それを阻止する為には、《利子とは何か?》という問いに真剣に向かい合わなくてはならない。
「…ああ、最初からそのつもりだったのですか。」
『皆には内緒にしておいて下さいよ。』
「難しいんじゃないですか?
猊下はすぐ顔に出る方ですから。」
2人で笑いあう。
結構大きな声で話したつもりだったが、海風が全てを押し流してしまった。
光戦士の配信が終わったようなので、鳥取の高い空を眺めながらそれぞれの車両に戻った。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
後は作業。
湖山池の外周を回りながら、皆で地理情報を観察・共有する。
細い橋を渡って青島に布陣した。
6棟確保したドームテントを遠方からの来客に提供する。
狭い青島に車両は停められないので、対岸の駐車場に全車を置く。
(そもそも一本橋が車両の渡れる幅ではない。)
キャンピングカー及び寺之庄はここに固定し、通信はここで一括。
屋根も塀も無い、完全なノーガードである。
カネが溢れたら稚児淵の滝と同様に、池に沈めてしまえば良いだけなので無問題(もーまんたい)。
当然、因果は皆に含め終わってある。
「トイチ君。
ファンイベントを鳥取で開くとして、いつ開くの?
探したけれど、大きい会場は鳥取にないよ?」
『明後日開きます。
場所は湖畔の公園。
ほら、オアシスパークと書いてあった所です。』
「…確かに広さはあるけどさ?
君も見ただろ?
完全な野ざらしで屋根も水道もないんだよ?
河原と変わらない。」
『地べたに座ります。
段ボールくらいは敷いても構わない。
名目は花見という事にしましょうか…
いや駄目だな。
もっとちゃんとした大義名分が必要だ。』
「僕は何をすればいい?」
『私は今から湖畔で待機しますので、大至急段ボールを用意して下さい。』
何がおかしいのか寺之庄はずっと笑っていた。
それでも座り心地の良い段ボールを調達してくれた辺りは、やはり仕事の出来る男である。
恐らく護衛のつもりなのだろう。
後藤と沢下が付かず離れずの位置で俺を見守っている。
堀内堅造がやって来て耳打ちする。
「1時間後に信彦も到着します。
腕の立つ後輩も連れて来ます。」
言い終わるとオートキャンプ場に車両を守りに戻る。
別に誰かと喧嘩をしている訳でも戦争をしている訳でもない。
ただ分不相応なカネを持ち歩いているだけなのだ。
それを守ろうとすると、自然に剣呑になってしまう。
やはり、争いを呼ぶのは富なのだろうな。
「お!」
そんな奇声が遠巻きから聞こえた。
振り向くと大学生くらいのグループが驚いた顔で俺を見ている。
話し掛けて来るのかと思ったが、特に声を掛けて来る者はいない。
ただ嬉しそうに喋りながらスマホをパシャパシャ鳴らしていた。
それから10分もしない間に犬の散歩をしているオジサンが、俺を通り過ぎてから慌てて振り返り2度見して来る。
『こんにちはー。』
声を掛けるとオジサンは驚いたようにペコペコ頭を下げながら走り去ってしまった。
《好かれてはいないが、知られてはいる。》
それが現在の俺。
座っていたのはほんの30分。
にも関わらず遠巻きに人垣が生まれていた。
若者グループが入れ替わり立ち替わり俺を撮影しては大喜びで去って行く。
どうやら近所に大学があるらしい。
喜んでくれて何よりだ。
人垣を見物するのに飽きた俺が彼らに背を向けて湖面を眺めていると、遠慮がちに声を掛けられる。
振り返るのが面倒なので、後藤に《もし面談希望者が居れば順番に眼前に並べて欲しい。》とリクエストをする。
沢下が余った段ボールの裏にその旨を明記し、パラソルに引っ掛け立て看板とした。
段ボール万能だな。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【遠市厘フリートークイベント in湖山池】
《1人目 30歳くらいのオジサン》
「ど、どうもー。」
『はじめまして、こんにちは。
遠市厘と申します。』
「えっとえっと。
ここでも水上歩行やってくれるんですか?」
『水上?
ああ美作での話ですね。
あれは修業の一環ですので、濫用するつもりはありません。』
「そ、そっかー。
あの動画が凄くバズってたからさ!
ここでも見れると思ったんだけど…
あ! ライジング・カードはやってくれないの!?
あの動画凄いねぇ!
大谷翔平よりバズるって凄いことだよ!」
『申し訳ありません。
私は聖職者ですので、あれ以上の殺生は自粛しております。』
「そ、そっか。
あ、あの!
鳥取では何をしてくれるの?」
『プレゼント企画です。』
「え!?
プレゼント!?
何かくれるの!?」
『ただのお菓子です。』
「おお!
え? 何か登録した方がいい?
LINE登録とかしようか?
俺さあ! RT企画とか応募してるんだけど!
全然当たった事が無くて。」
『ただのクッキーですよ?
今、パテシエが向かってくれてます。』
「うおおお!!
って、あのさあ。
どうして鳥取?」
『日本の中心だからです。』
「嘘だぁww
ここド田舎だよww
俺、東京で働いてた時、職場の全員からネタにされてたもんw」
『東京の連中は鳥取に嫉妬してるんですよ。
ほら、スマホで地図を開いてみて下さい。』
「お、おう。
…いや、開いたけどさあ。
やっぱり西よりじゃない?」
『ちゃんと沖縄まで含めてます?』
「え!?
あ、ああ。
ちょっと真ん中に…
でも、ややずれてない?」
『ちゃんと沖ノ鳥島まで含めましたか?』
「え!?
おき、何?
…あれ!?
鳥取って日本の真ん中にあるよ!?」
『だからそう言ったじゃないですか。』
「うおーーー!!!
うおーーー!!!」
『日本人の私がその中心に来るのは自然でしょう?』
「うきゃーーー!!!
うきゃーーー!!!」
《2人目 最初に無断撮影していた大学生》
「あ、あのー。
へへっ。」
『はじめまして、こんにちは。
遠市厘と申します。』
「あ!
敬語とかいいっすよ!?
タメ同士ですし。
ガルパン君、ハタチっすよね?」
『戸籍上は20歳なのですがね…
色々事情があって肉体年齢が17のままなんです。
だから大学生の人ってお兄さんに見えるんですよ。』
「え? え? え?
肉体年齢?
コールドスリープとか相対性理論とかそういう?」
『まあ、そんなところです。』
「あ、あの怒ってる?」
『?
怒るとは?』
「いや、さっき勝手にガルパン君を撮影してTikTokにアップしちゃったからさ。
流石に怒られるかなって思って。」
『ああ、そういう事ですか。
確かに無断撮影は好ましくありませんが、気配りして頂けるだけまだマシかなと。
世の中酷い奴がいっぱい居るので。』
「ル、ルナルナのことっすか?」
『アイツは酷いw』
「あれって台本じゃなかったんすかーw?」
『基本的にあの女は抜き打ちですね。
全てアポなし、全てアドリブ。』
「うははははww
じゃあガルパン君が殴った動画も、やっぱりマジ殴りっすか?」
『女性に暴力を振るうのは良くないとは思うんですけどね。
それくらい腹が立ったのです。』
「ガルパン君、戒名動画でボロカス言われてたもんね。
ねえ、異世界行ったってホント?」
『ほんの数か月の滞在ですけどね。』
「うおおお!!
本当っぽい答え!
じゃ、じゃあ。
さっき言ってた肉体年齢って?」
『時差ですよ。
帰ってきたらコ□ナが一段落してウクライナで戦争が始まってましたので。』
「へえ、帰って来てから一番驚いたことって何?」
『うーーん。
勝手に団地を解約されて住所不定になっていたことでしょうか。』
「あーーーーーーっははははははははwwwww」
《3人目 70歳くらいのお爺さん》
「あ、あのお。」
『はじめまして、こんにちは。
遠市厘と申します。』
「あ、どうも。」
『…。』
「…。」
『何か御用があれば伺いますよ?』
「あの、あの、えっと。
一緒に写真撮ってごせぇ?」
『ええ、私で良ければ。』
「ああ、良かった。
断られたらどうしようと思ーとったんだよww
実はね!
孫が東京に住んどるんだ。
それで息子に帰省するように言よーるんだけど。
嫁がねー。
頑なに妨害するんだよ!
嫁の実家が都内で。
いや、都内と言ーても所詮は葛飾区なんだけど。
無駄なエリート意識って言うんか?
そがな感情持っとって、露骨に鳥取を蔑むでぇ。
この間なんか電話越しに喧嘩になっちゃったんだよ!
《そがな所にウチの子を連れて行けん》
とか言い出しやがって!
そがな所ってどがな意味だよ!
東京の大学なんて行かしちゃいけんよ。
ありゃあね、一種の洗脳。
田舎を馬鹿にして東京一極集中する為の洗脳!
息子もなぁ。
高校まではほんにええ子だったんだけど。
ハア。
今じゃ、嫁が吹き込む鳥取サゲを真に受けちゃって…
だっておかしいだらー!
もう6歳だよ!
その間、一度も孫を連れて来んって異常だよ!
忙しい忙しいってね?
でもディズニーシーに行く暇はあるんだよ!
航空券送るけぇ来い、って言ーたんだけど。
嫁の実家の連中が横槍入れて来やがってね?
鳥取なんか行く暇あったらSAPIXとかほざくでぇ!!
もうねー、文部省が悪いよ!
石破クンももっと真面目に地域イメージに貢献してくれにゃあ!
いやー、そがな訳でねー。
県外から有名人が来ても、なーんか引け目感じちゃって
みんな全然踏み込めんけぇすよ。
アンタくらいのものだよ!
鳥取に来てくれる有名人なんて!
450年前に豊臣秀吉が攻め込んで来て以来の快挙だ!
あ、じゃあ撮りますねー。
あー駄目駄目。
目は瞑らないで下さい。
やり直し。
はい、もう一度。
笑顔でー。
はい、1足す1はーーーー?
にwww!!!!!
あっはっはww
それじゃw」
《4人目 犬の散歩をしてたオバサン》
「あらーー、あらあらあらー。」
『はじめまして、こんにちは。
遠市厘と申します。』
「あっはっはっはww
TVで見たわよー。」
『どうも。』
「女の子殴っちゃ駄目じゃない!」
『いやはやまったく。』
「どんな理由があってもDVは駄目!
私も最初の旦那には苦労したのよ。
やっぱりね、顔で選んじゃ駄目よ顔で選んじゃ!
結局ね。
男は中身!
真面目に働いて真面目に家庭におカネ入れて休日には家族サービスして!
今の旦那はぱっとしぇんしなんだけど。
そこらへんちゃんとするって言ったから結婚してあげたの。
頼まれたけん鳥取に来てあげたども、米子の方がよっぽど栄えちょって…
毎日辛いわぁ。
もうねー、人間関係の断絶?
同窓会行けなくなっちゃたもの。
女は本当に損よ。
介護とか押し付けられーけどなぁ。
いや、すー訳なえじゃなえ。
だって私、自分の両親もまだ生きてるのよ?
本人は姑で御座いますみたいな顔してるけどね。
あげな女の世話さしぇるなら離婚すー!
言ーたらそれっきりよ。
女はねー、妥協したら人生詰むのよ。
みんな際限なく押し付けてくるからね。
介護もそう、家事もそう、子供の送り迎えもそう。
どこも大変なんだから!
特に気の弱い子は悲惨。
可哀想だけどねー。
他所の家には口を出せないからね。
女は自分で自分を守るしかないの!
わかーだら?
私もバツが2つあったから、再婚は全然考えてなかったんだけどね。
今の旦那は顔は全然なんだども、マエダンの子の学費も出えてごしたけんねえ。
せめてもう少し痩せてくれたら、人前に出せるんだけどねえ。
やっぱりね?
私にもプライドがあるのよ。
笑われるとわかってる人を旦那として紹介は出来ないわ。
こんなこと言いたくないけど、スクールカーストって言うの?
わかるでしょ?
私はかなり恵まれてたから。
友達も友達の旦那もみんな派手なグループなの。
再婚してからよ。
恥ずかしくて顔出せなくなったのは。
辛いわー。
でも我慢するの。
下の子、今年受験だから。
多少学費を無理してでも、ちゃんとした学校に行かせたいわねー。
私は専業主婦だけど、それでも頑張ってるのよ!
主婦は辛えの!
わかった?
そういうことなのよ。
だからDVは絶対に駄目よ!
どんな理由があっても男は女を守り続けないと駄目なの!」
『前向きに善処します。』
《5人目 観光客のお兄さん》
「うおっ!
ほ、本物ですか?」
『何を以て真偽とするかは分かりかねますが…
はじめまして。』
「うおおおお!!!
この喋り方!!
絶対本物だああ!!!
どもどもどもどもども!!!」
『遠市厘と申します。』
「うおーーー!!!
うおーーー!!!
あの! 黒スト天国買いました!!」
『は? くろ?』
「ほら! ルナルナの新作ですよ!!」
『ああ、鷹見がいつもお世話になっております。』
「いやいやw
世話になってるのはこっちっすよ、ブヘへw
あーいやいや、彼氏さんの前で言う事ではなかったですね!
ほら購入履歴です、ボクはちゃんとおカネ出して買ってますからね!」
『それはそれはご丁寧にありがとうございます。
本人に代わりまして御礼申し上げます。』
「最初ね!
東京に行こうと思ってたんですよ!
でも今月FXでチョイ負けして金欠だったんで!
それで鳥取島根をバーっと行こうと思ったら!
まさかガルパンさんとお会いできるとは思わないじゃないですか!
えっと、写メいいですか?」
『どうぞ。』
「うおーーー!!
うおーーーー!!!
あ、あの!
Twitterにアップしてもいいですか!?」
『どうぞ。』
「うおーーー!!
うおーーーー!!!
あ、あの!
LINEグループにガルパンさんと逢った話をしてもいいですか?」
『どうぞ。』
「うおーーー!!
うおーーーー!!!」
《6人目 涌嶋武彦》
「はじめまして。
遠市厘猊下で間違いないでしょうか?」
『はじめまして。
相違ございません。
遠市厘です。』
「アポも無しに申し訳御座いません。
私は倉吉市内で畜産業を営んでいる涌島と申します。
こちら名刺で御座います。」
『ありがとうございます。
涌嶋武彦様ですね。
涌島社長とお呼びさせて頂きますね。
私は名刺を持っていないのですが、受け取ってしまって大丈夫でしょうか?』
「いえ!
戒律の事は存じております!
猊下に受け取って頂けて光栄です!」
『ああ、これはこれは恐縮です。』
「たまたま今日は用事があって鳥取市内まで出て来ていたのですが…
tweetラインに猊下来訪のニュースが流れて参りまして!
急ぎ情報辿って参りました!」
『お仕事を中断させてしまったようで心苦しいです。』
「あ、いえいえ!
まさしくその話なんですよ。」
『はい。
と仰いますと?』
「和牛盗難の件です。
ウチの地元でも被害が出ておりまして。
仲間にも大打撃を受けた者がいたのです。
警察や県庁を回って捜査の徹底をお願いしていたのですが…
反応が芳しくなく、絶望的な気分だった所です。」
『ああ、そういうことでしたか。』
「猊下がこの問題に真剣に取り組んで下さっている事は業界では有名ですよ!
全国を回って狩猟や畜産業界を支援しておられると。
警察にもパイプを持たれておられて!」
『いえいえ。
パイプなどと大袈裟なものでは。』
「またまたご謙遜を。
猊下が警察庁を動かして下さった話は業界では有名です。
まさか直接御礼を申し上げる機会があるなんて…
感動です。」
『たまたま警視庁に何人か面識がありまして。
彼らが警察庁に働きかけてくれたからです。
私などは何も出来ておりません。
日々、己の無力を恥じております。』
「いやあ、猊下は若いのに修養が成っておられる。
代議士バッチを着けて有頂天になっている奴らに見習わせたいですよ!」
『盗難事件、そんなに増えてますか?』
「最初は関東だけの事件だと思ってました。
まさか地元が被害を受けるなんて思わないじゃないですか。
鳥取は種牛の本場なので、腐心して交配した遺伝子を盗まれたら…
想像しただけでゾッとします。」
『種牛、ですか?』
「ああ失礼しました!
元々、鳥取県は古来より牛の一大産地だったんです。
江戸時代から脈々と品種改良をして…
優良な種牛を全国に供給しております!」
『そうですか。
それで津山でも盛んだったのですね。
じゃあ、種牛が盗まれたら大変ですね。
ほら、日本のイチゴとかパプリカの苗が国外に盗み出されたニュースとかありましたし。』
「仰る通りです。
政府は能天気に和牛和牛とはしゃいでいる癖に、現場を何も知らないから。
パテント防衛と真逆の政策ばっかり取っていますし。
…幸い、種牛はまだ無事なのですが。
大規模盗難で、仲間が廃業寸前まで追い詰められてしまっていて。
銀行はそれまでペコペコしてた癖に掌を返して…。
一括返済とか、無理に決まってるのに。」
『…そうですか。
何としても今のご意見を立法の場でも活かして参ります。』
「おお、心強いです!」
『ちなみに幾らくらいですか?』
「え?」
『盗難被害に遭われた方の返済額です。
資金さえ供給されれば事業は続けられますか?』
「そ、そりゃあコンテストで何度も入賞している男ですので。」
『具体的な金額を調べる様に伝えて下さい。』
「…はい、直ちに連絡を取ります!」
俺は沢下に願って青島のドームテントを1つ割り当てる。
涌島はやたらと恐縮するが、その必要はない。
畜産・狩猟業者の優遇は戦略としてやっている事だからだ。
和牛盗難事件を切っ掛けに、畜産業者や狩猟者の抱える不遇感を知った。
また彼ら自身が言語化しきれていない非差別意識にも触れた。
警察・行政の支援が行き届いていない実態を知れた。
ただ、消費者は身を労すること全般を厭っているだけで、狩猟畜肉を殊更差別している訳ではない。
行政官は身近にない業界に踏み込めないだけで、狩猟畜肉を殊更軽視している訳ではない。
多くの者が頭では理解出来ているが、言語に落とし込んだことがない。
この歪みを地球における俺の足場にしようと、いつしか思い至っていた。
恐らく的外れではない筈だ。
カネを無限に噴き出す俺は、残金に関してはあまり気にしなくて良い。
どうせ全てを押し流すのだ、そこは気にしなくて良い。
寧ろカネを配る順番。
こちらが大事。
万民が納得する順番でなくてはならない。
故に貧困家庭の象徴である子供食堂と、地方3Kハードワークの象徴である狩猟畜肉を優先する。
何度も何度も自問自答している。
地方回りは本当に戦略目的に合致しているのか?と。
経済効率を考えるなら、ヒルダのタワマンを拠点に品川辺りに巨大倉庫を借りれば良いだけではないのか?と。
この問いに答えはない。
人類史上、俺だけが直面した課題だからである。
だから、正解は俺が定めなければならない。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
涌島の後に5人と話した。
特に意義のある話は出来なかったが、鳥取人の地域観や歴史観を知れたのは収穫だった。
金本聖衣が到着したので青島の宿を割り振る。
驚くべき事に噂の室野シェフも同行していた。
如何にもフランス帰りという物腰・風貌で驚く。
まかり間違っても卑猥な等身大ケーキを作らせて良い人材ではない。
俺が聖衣を歓待する為に腰を上げると、行列に並んでいた数十名が不平を鳴らし始めたので、フライングで恋辻占を配布してやる。
半分が納得して帰った。
残った半分が粘るので、一緒に写真を撮ってやった。
その半分が納得して帰った。
しつこい連中の表情を見て、《構って欲しいだけだな》と悟った。
なので、『こういうのは悪徳宗教勧誘の手口だから気を付けろ。』と教えてやった。
そのまた半分が消える。
遣り取りを繰り返していると、最後に妙齢の美女が残ってしまっていた。
(10代から30代の間だと思う、違っていたらゴメン。)
後藤に聞き取らせた所、愚かにも俺の熱烈なファンであるらしい。
jetとの配信で俺を知ったというから最古参の部類である。
無駄に命を散らせるのも不憫なので連絡先交換は拒絶した。
相手が差し出して来た手紙のような物の受け取りも拒絶した。
泣きながら去って行ったので、あの女はヒルダや鷹見に殺されずに済むだろうと胸を撫で下ろした。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
青島のドームテント。
エアコンが効き始めるまでが暑い。
トイレもシャワーも無い。
「国立公園ですからね。
排水機能が付けられないんです。
トイレはこの管理棟のみ、汲み取りだからバキューム来ると辛いですよ。
風呂は近所の温泉と契約してます。
夏場は辛いですねー♪」
管理棟のお兄さんと笑い合う。
シャワーはキャンピングカーで浴びることに決めた。
まずは涌島・金本・室野に提供。
順番に橋を渡って身を清める。
その後、伊地知と沢下にもリフレッシュして貰う段取りとした。
「リン兄ちゃんは、こんな不便な所でよく笑っていられるのだ。
ドームテントばっかり狙って転々としているし。
よっぽど好きなんすね。」
『異世界に居た頃さあ。
遊牧民族にゲルをプレゼントされたんだよ。
結局、最後までそこに暮らしていたな。』
「住み心地がいい?」
『微妙に使い勝手は悪いんだけど…
仲間と暮らしてたから楽しかった。
妻に監視されていたけど。』
「顔に似合わずモテるのだ。」
『そんなにいいものじゃないよ。
たまに女の子の兵隊が抜き打ちでゲルに殴り込んで来るんだ。
女を隠してないか家探しされるの。
仲間も普通に刺されてたし。』
「その体験を地球で活かして欲しいのだ。」
『あ、うん (モニョモニョ)』
「学習しろなのだー!」
そりゃあ、俺も頑張って学んでるよ?
でも、女共の上昇速度が遥かに上回ってる訳で。
そもそも俺、基礎スペック低いしな…
管理棟のお兄さんがクリアドームでBBQを振舞ってくれる。
鳥取牛・大山鶏・天然の岩ガキである夏輝。
『この湖山池で釣りをしている人を見かけたんですけど。
何が釣れるんですか?』
「スズキが釣れますよ。」
『え?
池なのに?』
「水質改善の為に、海水を流し込んでるんです。
ほら、池ってほっとくと臭くなるから。」
『ああ、なるほど。
でもスズキが食べられる池なんて最高ですね。』
「え、私はここで釣れた魚は食べたくないですよ。
折角海鮮に恵まれた街ですからね。
港に上がったちゃんとした魚が一番です。」
なるほど。
まあ、池だしな。
湖に比べて水深が浅い分、淀みやすいらしい。
「但し!
湖山池の環境はシジミの生息に適しているんです。
さあ、食後にはシジミのスープを用意しております。
胃を休めて下さいね。」
プラシーボかも知れないが、身体に効いた気がする。
俺達が鳥取牛を喜んで頬張るので涌島の機嫌も良い。
『涌島社長。
先程なども何度か吉川経家公の名前が挙がったのですが…
やはり、この辺では人気のある武将なのですか?』
「何も名物の無い県ですからね。
合戦に負けた話を400年以上、飽きもせずに語ってるんですよ。」
『羽柴秀吉が攻めて来たんですよね?』
「ええ、鳥取の渇え殺し。
名古屋人の秀吉と島根人の経家公が武名を上げた合戦です。
我々鳥取人は…
ふふふ。
情けない話ですよ。
経家公を大々的に称える事で、心の平衡を保っております。」
『大々的…
ですか?』
「さっきも通って来たのですが、鳥取城の門前に立派な銅像がありますよ。
私はあの経家公の雄姿を見る度に、地元が情けなくて失笑しております。」
『…銅像。』
「あ、ここから近いですし見に行きます?
30分くらいで着くと思いますよ?」
話がそんな方向に流れたので、涌島の車に光戦士と共に乗り込み鳥取城見物に向かう。
背後から伊地知が4トン車で追走して来る。
これは万が一、事故や渋滞で時間を喰ってしまった時に、カネを荷台内で緊急射出する為の措置だ。
道がすいていた所為か30分も掛からず城門前に到着。
確かに巨大な銅像が仁王立ちしている。
『随分、崇敬されているのですね。』
「そりゃあ、数少ない県の英雄ですから。
まあ島根の人ですけれど。」
…俺も異世界・地球含めて色々な街を回った。
銅像というのは普通は地元人を顕彰するものなのだが。
例えば、数日前に滞在していた高知市。
高知駅前には坂本龍馬、中岡慎太郎、武市半平太の3志士像が飾られていた。
当然3者は土佐人である。
再び吉川経家公の銅像を見上げる。
上手くは言えないが、地元人からの明かなリスペクトを感じる。
意識して格好良く仕上げた形跡が見受けられる。
純黒の立像には得も言われぬ威厳があった。
《城兵の助命嘆願と引き換えに自刃》
恐らく日本人の感性に最も合う型の死であろう。
涌島が様々な逸話を補足する。
・入城にあたって自らの首桶を持参した。
・遺書に何の恨み言も書かなかった。
・鳥取人が勝手に城内の兵糧を売り払ったのが申し訳ない。
俺は銅像に合掌し一礼する。
隣で見ていた光戦士も真似をする。
自分の中で目指すリーダー像が更に固まっていくのがわかる。
「兄ちゃん。
この城の裏にお墓があるみたいなのだ。」
スマホを弄っていた光戦士が言ったので、涌島に拝み込んで墓所に連れて行って貰う。
鳥取城が山城である為、自然に山越えとなった。
防衛拠点なのだから当然だが、やはり峻険である。
鳥取城は完全な市街地だったが、その裏側は谷間に家が立ち並ぶ登坂の住宅地だった。
比較的小奇麗な家が多かったので、市内では一等地なのかも知れない。
小川に沿って谷を登った果てに公園があり、大きな楠の元に経家公の墓地があった。
墓前や灯篭に酒が備えられていたので、恐らくは今でも崇敬されているのだろう。
光戦士が金本聖衣に渡す予定だった津山の酒瓶をリュックに入れたままだったので、頼み込んで奉納する。
敬虔に合掌しながらも、俺の脳内には狡猾な計算だけが回っていた。
経家公の人気を明後日のイベントに利用出来ないか?
恐らくスケジュール的に立ち寄るのが困難な島根へのリップサービスに繋げる事は出来ないか?
400年前に毛利織田の両陣営と経家公自身がそうしたように、俺も彼の死を最大限に活用する方法を必死に考える。
断じて冒涜ではない。
英雄美にはそれだけの価値があるのだ。
木立の隙間、日本海が微かに覗いていた。
最後に浄土宗と神聖教の両方の形式で供養してから去った。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
16時前には青島に戻った。
予定通り、4トン車の荷台にカネを射出する。
入りきらなければ、池に奉納する。
名目?
どうしよう、この辺に神様いないかな?
まあ、探せば何かがこじつけられるだろ。
首を捻っていると光戦士がニヤニヤと笑いながら配信をねだって来る。
どうやらカメラの前で俺と話をしたいらしい。
「はい、カメラ回りました。」
『了解。』
「リン兄ちゃん❤」
『ん?
どうした?』
「賢いボクはインターネッツで検索しました。
すると湖山池の成り立ちが書いてあったのだ♪」
『随分嬉しそうな顔だな。』
「昔、この辺りに強欲な金持ちが住んでたのだ!」
『あ、オチが見えた。』
「その金持ちはとんでもないパワハラ野郎で。
広大な農地を持ってる癖に、田植えを一日で済ませる為に労働者に無茶ぶりするんすよ♪」
『脳内で私と重ね合わせるのは止めてねー。』
「で、労働者達が1日田植えチャレンジをしている最中。
親子のお猿さんが通りかかったので、皆で眺めて息抜きしたんすよ。」
『作業が終わってから息抜きするべきでは?』
「お? 早速邪悪な資本家の本性を現したっすね♪
パワハラ野郎の肩を持つんすかw?
で。
お猿さん見物の所為で、田植えは一日で終わらず日が暮れちゃったのだ。
これにはパワハラ金持ち大激怒。
金の扇子を取り出して《太陽やり直し!》と叫んだんすよ。
すると時間が昼間に戻ったから、そのまま作業を継続させて田植えを一日で終わらせたのだ。」
『ふむ。
作業が終わったことは好ましい。』
「ところがギッチョン♪
次の日に田んぼを眺めようとした金持ち野郎は驚きます。
何と田んぼは全て池に代わってしまっていたからです。
ついでに屋敷も金持ち野郎も池に沈んでしまいました♪
これが湖山池の成り立ちなのだ。」
『えー、君の中の私はそんなキャラなのか?』
「ぷぷぷw
ご感想は?」
『えー、視聴者の皆様。
私が皆様にどんな印象を抱かれているかはわからないのですが。
この民話を他山の石として自戒します。
パワハラや増長は良くないですね。』
「コイツ日に日に口が回るようになってるのだw」
配信終わり。
参ったな。
カネが溢れたら、そのパワハラ金持ちを供養する羽目になってしまう。
さて、そんな風にワチャワチャやってるうちに時間が来る。
余ったカネは池に沈めると決めているのでプレッシャーはない。
《475億3112万1000円の配当が支払われました。》
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【所持金】
195億0800万1000円
↓
3395億0800万1000円
↓
3870億3912万2000円
↓
670億3912万2000円
↓
606億3912万2000円
※合計3200億円を預託との報告
※配当475億3112万1000円を取得
※元本3200億円の確認。
※配当用の64億円を別途保管
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
アナウンスは475億と気軽に言うが、4.7トンである。
正直、正気の沙汰ではない。
俺は皆に池への廃棄を提案するのだが、自然保護を盾に反対されてしまう。
ならばと、分配を提案するも保留名目で拒絶される。
結局、伊地知・沢下の両名が大阪までカネをピストン輸送する事で話が付く。
『このカネが池になったら、異世界池と命名して後世への教訓としましょう。』
俺がそう締め括ると皆が爆笑して場は収まった。
こんな言い方をしたら本当に怒られるのだが、車両からはみ出したカネが10億前後あったので集計し直して涌島に託す。
「…猊下、流石に困ります。」
『和牛事件への支援資金ということにしません?』
「いえ、先ほど確認した所、債務総額は5200万でしたので。」
『じゃあ、余った分は似た境遇の方に配って下さい。』
「いや!
こんな大金をお預かりした所で、返済が出来ませんよ!」
『返済不要、証文不要、御礼不要。
天から降って来たとでも思っておいて下さい。』
「…困りますよ。
猊下にお返し出来るものがありません。
あ! 当然入信した方がいいんですよね!?」
『いやー、借金に付け込んで入信させるとか…
流石に悪徳過ぎでしょ。
私は、そういう団体好きじゃないです。』
「…猊下。
これは独り言なのですが…
出馬とかお考えですか?」
『いやー、それ皆さんから言われるんですけど。
おカネで票を買うって、民主主義社会で一番やっちゃいけないことですから。』
「ですが!
今の議員共はみんなやってますよ!
警察は知ってても全然動かないし!」
『まあまあ冷静に。
勿論、汚職・猟官に対しては厳罰で対処します。
それで宜しいですか?』
「何か恩返しをさせて下さい。
あ! 猊下が支持する候補者の名前をそれとなく挙げて下されば…
後は我々が勝手に気を利かせます!」
コイツ頭いいな。
俺如きの腹案には先回りしてくるか。
『…税金は。』
「あ、はい!」
『資産家から取るべきだと考えてます。』
「おお!」
『資産家の定義は明白で、財産収入が労働者賃金の中央値を上回っていること。』
「はい! 仰ることわかります!」
『資本家課税に見せ掛けた中産階層への重税には、断固反対します。
恐らく多くの畜産家はここに含まれるのではないでしょうか?
ああ、涌島さんの前だから言っている訳ではないんです。
民族資本・民族産業を守らずして国家は維持出来ないという原則論に基づいているだけですので。』
「…猊下、そこまで考えておられたのですか。
いや、猊下まだ20歳ですよね?
何かそういう学問を学ばれたのですか?
経済学者か何かを顧問にされておられる?」
『ルドルフ・V・アウグスブルク。』
「は?
すみません。
海外の学者さんですか?
無学ですので存じ上げません。」
『勝手に師事しているだけですよ。
論文を繰り返し読んでいたら、暗記してしまいました。
《国家とは王や資本家の私物ではなく、人民全ての公有財である。》
とかね。』
「流石に若くして頭角を現す方は学問の質が高いですね。
自分が気恥ずかしくなります。
…では、猊下の理念に賛同する候補者を支持するのは可ですか?
後、その逆も。
流石にそれ位はさせて貰えますよね?」
『暴力や強要を伴わない限りは掣肘しません。
ただ他者の自由意志を侵害する行為は厳禁とします!』
「はい! 皆に伝えます!」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【所持金】
606億3912万2000円
↓
592億3912万2000円
※畜産支援金として14億円を拠出。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
俺は広大な池面を眺めながら思う。
カネが足りない、と。
自分が理想とする予算配分があるのだが。
どう考えても毎年80兆円くらいは必要になって来る。
それも国内だけでだ。
全然思うように行かないのでもどかしい。
この際、形振り構わずカネを増やしてみるか…
どこかに拠点を据えて、金額の増加だけに専心した方がいいか…
いや駄目だな。
そういう数字優先の態度を取っていると、後々の分配作業で良質の協力者を得られない。
要は人材の質だ。
100兆持っても、周囲に愚人俗物しか居なければ分配は必ず失敗する。
逆に1兆しかなくとも、周囲を知徳兼備の士で固めていれば適切な分配が可能だ。
…今の俺の成すべきこと。
方向性をハッキリと打ち出す事。
もっと明確に、もっと力強く。
その程度も成し得ない俺なら、未来を掴む資格がないのだから。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【相模の不死鳥】 夜猫@完全復活! どんなもんじゃーい!! [雑談]
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「どうもー。
夜猫@の夜更かし担当!
相模の獅子ッ!!
ルナルナ@貫通済でーーす!!!
垢BAN全回復したよー❤
Twitterアカウント貼っておくので、フォローお願いしまーす♪」
「こニャニャちニャー♪
夜猫@のニャンニャン担当!
仰げば尊と恩師ッ!
奈々ちゃんでーーす!!!
消息不明期間のDMはまだ返せてません!
読めてないものもあるので、しばらくお待ち下さいニャ!」
「さて!」
「はいニャ!」
「ウ↑チ↓らは今!
ダーリン様を追って!
南国・土佐の桂浜に到着しましたーー!!
うおー! うおー!」
「はい、でも残念ニャがら。
最新の情報によるとトイチの奴は鳥取市内に潜伏中らしいニャ。
多数の目撃情報が寄せられてるニャ。」
「な、なんだってー(棒)!?」
「はい、鷹見さん。
今の演技はちょっと苦しかったですね。」
「まあな。
このネット監視時代の現代。
有名人の動向なんてリアルタイムで把握出来るからな。
でも飛行機の予約取った後で、移動情報上がって来るのはつれーわ。」
「諸々の記録を見る限り、奴は高知・愛媛・岡山・鳥取と騒動を起こしながらひたすら北上を続けてるニャ。」
「何から逃げてるんだろうね?
あの人。」
「(チラッ)」
「ウ↑チ↓が避けられてるみたいな反応やめろー!」
「ニャははははw」
「さて、ここまでが前フリ。
台本の範疇ね。」
「ルナお姉様は台本読ませると著しくパフォーマンス落ちるニャ。」
「好きに喋ってる方が楽なんだよ。
えっと、新曲とアカウント復活の話、どっちを先にする?」
「手短に新曲ニャ。」
「へーい。
じゃあ、手短に。
皆さんお待たせしました!
夜猫@の1stアルバム!
今月末日にリリースが決まりましたー!
奈々、タイトルは?」
「《大麻はおかず!》で決定ニャ!!
いえーい、ドンドンニャふニャふー♡」
「全部カバー曲だけどな。」
「宮沢鬼龍先生!
梶原修人先生!
っしフーゴキゴキ先生!
弓ヶ浜ヒカル先生!
色々ありがとうございましニャー♪」
「では、本題。」
「はいニャ❤」
「どこから話す?
この数日、色々あったんスよ。」
「とりあえず関係各所から厳重に緘口令が布かれてるニャ。」
「警備課の人達からも結構キツメに言われたもんな。」
「はい、ダウト―!」
「え?」
「部署名は絶対に出すなってあれだけ警告されたニャ。」
「あれ?
名前出しちゃいけないのって公安庁じゃなかった?」
「公安庁はもっと名前出しちゃ駄目!!
はい、鷹見さん。
署名した誓約書の内容くらいは覚えておきましょう。」
「いやー、あれから役所をたらい回しにされてさ。
色々な書類にサインさせられまくったのね。
一々覚えられねーよ。
役所によって言う事全然違うし。」
「あー、それ一番言っちゃいけない情報。」
「え? え? え?」
「《役所によって言う事全然違う。》
これは聞く人が聞けば、日本国の外交方針が露呈する重要情報になっちゃうニャ。」
「へー。
お役所は大変だね。」
「また他人事みたいに言う。」
「あのさあ。
結局、アレって何だったん?
ウ↑チ↓、未だに状況が飲み込めてないんだけど。」
「東西冷戦の総決算の舞台に夜猫@が選ばれたって話ニャ。」
「え? トーザイレセ?」
「はい、鷹見さんは教科書の太字部分くらいは把握しておきましょう。」
「いやー、テキストで覚えろって言われてもな。
ちゃんと口頭説明してくれないと頭に残らないぜ?」
「しつこいほど言ったニャ!」
「えー?
覚えてないなー。」
「はい、鷹見さん。
ここテストで出ましたよー。」
「ゴメン、学校のこと覚えてないわ。」
「何なら覚えてるニャ!?」
「えっとねえ。
あ、放課後の教室で奈々にスク水姿を見せたのは覚えてる。」
「あったニャぁ。
そして急に増えるキモコメの数々よ。」
「あ、簡単に説明するね?
ウ↑チ↓の学校水泳の授業あったんスけど。
ほら、ウ↑チ↓はスミ入れてるでしょ?
それで欠席した方がいいか、取り敢えず奈々に聞いたのよ。」
「いきなり放課後の教室に呼び出されて脱がれた日には恩師ドキドキですニャ。」
「いや、見せた方が早いかなって思って。
あのさあ、刺青入ってる奴へのマニュアルもちゃんと用意してくんないかな?
ウ↑チ↓単位もヤバかったし、かなり悩んだんだけど。」
「うーーーん。
文科省は和彫り入れてるJKの存在をそもそも想定してニャいと思うニャ。」
「えー、マジー?
ちゃんと仕事してくれなきゃ困るよー。」
「はい、鷹見さんはまずは校則を把握しましょう。
刺青やAV出演も普通に禁止ですよ。」
「えー、マジー?
先に言ってくれなきゃ困るよー。」
「トイチを見習えニャ。
アイツ、入学式の直後に生徒手帳読み漁ってたニャ。」
「うわキショ。」
「健常な感想ありがとニャ。
でも社会で頭角を現すのはいつの時代も、ああいうキチガイだニャ。」
「まあねえ、あの人バズりまくってるもんね。
関連動画で恩恵受けてるのがウ↑チ↓らなんだけどさ。」
「作り直したyoutubeアカウントが一瞬で伸びたのも、アイツのお陰ニャ。
キモいけど感謝。」
「うん、感謝してる。
生徒手帳熟読はキショいけど。」
「ちなみに放課後スク水事件の再現ドラマをこれから制作するニャ。
会員限定で公開するニャーん♪」
「興味のある奴は~♪」
「「貢ぎマゾプランに入れw」」
「この流れ強引過ぎだろw
アメリカの通販番組でももう少し慎みあるぞw」
「営業ってこんなモンニャよ?
ある程度の反復性が無ければ、消費者に商品・サービスの存在が認知されニャいからね。」
「奈々はそういう所詳しいよな?
どこで学んだの?」
「社会科の教科書ニャ(怒)!」
「あはは、ゴメンゴメンww
今度、ゆっくり個人授業してよ。」
「無理ニャ。
真面目に個人授業するよりも…
《個人授業》ってタイトルのエロ動画を撮った方が遥かに儲かるニャ。」
「それな。
うおー、キモコメ洪水加速しとるww
黒ストスーツ姿(眼鏡着用)の奈々が、スク水姿のウ↑チ↓を性的に指導するドラマAVが求められとるーーーwww
今、勉強の話してたただろーw」
「とほほ、経済法則には勝てなかったニャ。」
「堀内カントク―!
どうするー?
ついでにそういうカラミも撮っとく?」
「今は時期的にAVは止めた方がいいですよ!
レズビアン団体も大変なことになってますし!」
「ああ、アイツらも大変みたいだね。
未だに状況呑み込めてないんだけど。
結局、あの騒動は何だったの?」
「だからー。
同性愛とかそういうのも含めた社会運動に、中露の工作資金が大量に入ってて、反日工作とか反米工作に矛先を変える様に仕掛けられたニャ。
スペインとかイギリスでは普通に東側の工作員が逮捕され始めてるニャ。」
「へー。
そういう政治の話って、あんまり興味ないんだけどなー。」
「健常者か!」
「いや、わからなくね?
何でホモとかレズとかが戦争とか外交に発展するの?
お巡りさんも結構ガッツリ説明してくれたんだけど…
正直、未だに理解出来てない。」
「まあ、そこら辺はリベラリズムとアナーキズムの相関性というか。
70年代冷戦の東側の諜報戦略の基礎というか。」
「もっとわかりやすく説明してくれよー。」
「はい、鷹見さん。
そのわかりやすい説明が高校社会の授業ですね。
次回からもっと真面目な姿勢で受講しましょう。」
「なんだよー!
結局、全部ガッコ―の話じゃねーか!」
「だーかーらー。
どんなアホでも真面目に授業聞いてりゃ、知識階級の入り口に立てるのが学校教育ニャ。
文科省が低能に叡智を授ける為に、日々どれほど努力していることか。」
「どんなアホでもって大袈裟だろ?」
「いやいや、その証拠がトイチ。」
「なるほど。」
「あんなド低能の境界知能の底辺カスでもいっぱしに政治語ってるニャ?
如何に公教育が偉大かニャ。」
「確かに。」
「はい、視聴者のみニャさん。
アホがどれだけ愚考しても時間の無駄ですので、真面目に文科省の作ったカリキュラムに従って下さいニャ―。
例え健常者になれなくても、トイチ程度にまではなれるニャ。」
「いやー、そう聞くと学校って凄いんだな。」
「えっへんニャ♪」
「じゃあ、教員免許も更新制にしなくちゃな。」
「ニャびーーーん!!
そ、それだけはご勘弁を。
絶対奈々ちゃん、最初に剥奪されるニャ。」
「奈々のアイデンティティが教員免許にあるのも、割と謎なんだけど。」
「奈々ちゃんから教員免許を取ったら、単なるAV女優ニャー!!」
「ははは、確かにw
でもなあ、コメント欄読む限り視聴者は既にそう思ってるぞ?
女教師モノが主戦場のAV女優って認識されてるんじゃね?」
「ニャがびーーーん!!!」
「ほら、今ズームしてるコメント。
《設定じゃなくて教師だったの? ヤバい逆に抜けなくなるかも。》
ってあるでしょ。」
「そこを頑張って抜けニャ!」
「いやー、男の人って繊細だから。
設定にリアリティあり過ぎる女優って敬遠されるらしいよ。
ねえ、堀内カントク、そこらへんどうよ?」
「あー、確かにその傾向はありますね。
分かりやすいのがアスリート系の作品なんですけど。
《国体優勝》とか《五輪強化選手》とか…
嘘設定だからこそ気楽に見れるんですね?
その設定が事実だったら駄目なんです。
人生の転落とか出演強要とか連想しちゃうから。
なので我々制作サイドは如何にマジになり過ぎないか
そのラインを常に模索してますね。」
「ニャがびーん!!!
衝撃の真実!!」
「教員免許、返上しちゃおうよ?
ウ↑チ↓と一緒に業界で天下獲ろう?」
「生徒にAV勧誘されてる件!」
「あー、でもお巡りさんがAVもしばらく自粛しろって言ってたか。」
「霞が関の要望は配信の即時自粛ニャ!」
「えー、配信しないと退屈で死んじゃうよー。
ま、今日のこの放送は厳密には配信じゃないんだけどね。」
「高知県の自由民権TV様の収録ニャ!
あまりの好条件に驚いてるニャ。」
「んー?
好条件か?
機材貸してくれただけじゃん。」
「いやいや!
TV局が演者に編集権まで渡すって異常事態ニャ?」
「ふーーん。
でもそれって、コラボ動画とかで数字持ってる方の配信者が主導権握るみたいなモンでしょ?
ウ↑チ↓らは数字持ってるし、それくらいしてくれて当然だと思うけどな。
ギャラも安いし。
今更100万とか言われてもな。
メンバーで割ったら大した額じゃないし。」
「均等割りを徹底してるのがお姉様の凄いところニャ。」
「その代わり来たばっかりの奴でも走り回って貰うけどな。
おい志倉、仕事慣れたかー。」
「テンパってまーす!!」
「自分で言えたら正常だ。」
「今の声が新メンバーの志倉ちゃんニャ。」
「まさかあのキモコメを書いてたのが女だったとは。」
「闇が深いニャ。」
「まあいいや、シクラメン改め志倉も増えたことで。
ギャラに文句言える位には経費が掛かる様になったって事だな。
自由民権TVさん、文句言ったみたいでゴメンね。
使える部分は全部放映してくれていいから!」
「え?
今日の配信のどこに使える部分が?」
「えー、幾つかはあるでしょ。
ねえ自由民権さん、多少はありましたよね?
え!? ない!?」
「逆にどこを放映させるつもりだったニャ。
あのねえお姉様、腐っても地上波ニャ、地上波。」
「でも奈々、もうすぐTVは滅びるって言ってたじゃん?」
「スポンサーの前で言うニャーーー!!!!」
「あ、ゴメン。
お詫びに脱ごうか?」
「多分、地上波じゃ刺青NGニャ。」
「マジかー。
地上波って意外に厳しいな。」
「あれだけ好き放題やってて、厳しいも何もないニャ。
まあ、レズビアン騒動が落ち着くまではおとなしくしとけニャ。」
「アレっていつ収まるの?」
「ウクライナ戦争とか米国大統領選挙と密接に連動した工作だから…
それが落ち着くまでは…」
「選挙が終わったら落ち着くってこと?」
「次の中間選挙に向けての工作が始まるから。」
「終わらねえじゃんw
じゃあウ↑チ↓も自粛してやんなーいww」
「そう来ると思ったニャ。
じゃあ、せめて違法行為は自粛。
これでOK?」
「大麻とか?」
「うーーん、大麻は世界的に合法化の流れが来てるから…
国際感情を考慮してセーフだニャ。」
「このダブスタ感よww」
「いや聞いて!
奈々ちゃんの言い分を聞いて!」
「はいはい、聞くよー。」
「下の話になって地上波的には申し訳ニャいんだけど。
奈々ちゃんとの大麻ックス気持ちいいでしょ?」
「…まあ、ウ↑チ↓は好きかな。」
「これが国際情勢ニャ!」
「結論強引過ぎだろww」
「ヘイヘイヘーイ。
ここからは社会科の授業の時間だぜニャ!」
「手短になー。」
「まず、今の世界って金持ちの誘致合戦で成り立ってるのニャ?
例えばアメリカ。
金持ちだけが暮らしやすいマジモンのディストピアだニャ。
貧民は地獄の苦しみを味わってる反面、金持ちは好き放題出来るから出て行かないニャ。」
「ほーん。」
「逆に言えば、金持ちの要望を聞かなきゃ外国に財産ごと持ち逃げされちゃうニャ。
どこの国も金欠で苦しんでるのはその所為ニャ。
要は世界全てに、カネが足りニャい。」
「ふーん。
じゃあ普通に金持ち殺せばよくない?」
「思っててもそれは言うニャ。
皆思ってるからこそ、口に出したらヤバいニャ!
そして金持ちが好きなのはドラックパーティーにゃ!!
いえーーーい、どんどんニャふニャふー♡
なので、金持ち様が快適に暮らして頂けるように先進国(笑)では大麻や同性愛が解禁されがちニャ。」
「じゃあ、やっぱりそいつら殺した方がよくない?」
「そこに気づくとは天才か!
…でも大麻ックス気持ち良かったニャ?」
「ウ↑チ↓は奈々が好きなだけだからなー。
別に大麻がどうとか同性愛がどうとかは、あんまり意識してない。」
「トゥンク❤」
「あ、自由民権TVさーん。
本当に遠慮しなくていいですからね。」
「え、いや!
流石に… 地上波では…」
「地上波大変だな。」
「まあ、そう言う訳で世界の情報戦の最前線は夜猫@に移行したという話ニャ。」
「マジかー。
世界終わってんなー。」
「だって、明らかに海外からの同接爆増してるニャ?
コメ欄も英語・ラテン語・中国語で半分越えてるし。」
「うーーん。
日本語以外禁止に出来ない?
何書いてるかわからないと、ウ↑チ↓がリアクションに困るだよね。」
「いやーー、それをすると外国人差別とかで炎上するニャ。
炎上なら兎も角、告訴とかも普通にあるニャ。」
「うーーーん。
三橋ぃー、アンケート機能でその賛否は問える?」
「…文言こちらで練らせて貰っていいですか?」
「いいよー。」
「鎖国路線で行くニャ?」
「いや、日本語で話してくれれば構わないよ。
今までだって普通に韓国人とかインドネシア人が日本語勉強して書き込んでくれてたからね。
配信してるウ↑チ↓が、日本語しかわからないって明記してる訳じゃん?
そんな配信に書き込むんだから、それ位の配慮はして欲しい。
今って自動翻訳ソフトとかもある訳じゃない?」
「うーーーん。
まあ、ここまでチャンネルが大きくなると…
ある程度のレギュレーションも必要かニャ。
GAFAアカウントも復活したばかりだから、派手な動きは避けたいニャ。」
「未だに謎なんだけどさ。
何でいきなりアカウント復活したの?
嬉しい反面、不思議なんだけど。」
「さあ。
政治的な話なんじゃニャい?
レズビアン戦争に巻き込まれた被害者のお姉様が垢BANされっぱなしだと、色々勘ぐる連中も出て来るから。
GAFA、いやGAFAMは基本西側新自由主義思想ニャ。
だから東側の工作の被害者のアカウントを守る事で、西側社会全般にアピールしたのでニャないだろうかと。
タイミングからして日本国政府も要望出したっぽいし。」
「ごめん、わからん。
政府が要望?
ウ↑チ↓の為に?
そこが一番わからん。」
「政治なんて一般人の目線から見たら全部謎だニャ。
ひょっとすると政治家もあんまりわかってないかもニャ。」
「ん-ー?
みんなわかってないって、それ大丈夫なのか?」
「仕掛けてる金持ち連中は把握してるから問題なしニャ。
所謂、資本家様ってやつニャ。
世界の富の半分は、たった26人の資本家が独占してるくらいニャ。
何とその額、驚異の3京円!」
「マジかー?
ホントに?
半分は大袈裟だろ。
それどこ情報よ。」
「社会科の授業(以下ry)。」
「ふーん、じゃあやっぱりそいつら殺したら丸く収まるっぽくね?」
「ちなみにGAFAMこそまさしく、《そいつら》だから言動には気を付けるニャ。」
「マジかー。
金持ちすげー。
じゃあ、そいつら殺してTwitterだけ残せばよくね?」
「そこに気づくとは健常か。
まあ、取り敢えず新曲出すまではおとなしくしとけニャ。」
「へーい。
じゃあ、最後に軽く歌っとく?
え!? 自由民権さん。
歌はマズいんスか?
はい、はい、ああジャスラックにカネを払わなきゃいけないから。」
「すみませーん。
本当に楽曲関連は流してないんですよー。」
「あー、いえいえ。
じゃあ、新曲とかそのMV公録とかは配信でやっちゃおうか?」
「そうだニャ。
最後に高知のPRを!」
「いや、空港からここに直行したからな。
PRも何も、全然わかってないんだわ。
あ、スミマセン!
明日、東京でライブあるんで。
この後の便で羽田に戻りますー。
はい、打ち上げはこれ(バッテン)で。
はい、気を遣って下さったのにスミマセーン。」
「メスガキ太鼓の振り付け覚えた?」
「うーん。
まだ自信ない。
帰りの飛行機で動画見直すわ。」
「明日こそ、サビのダンス合わせるよ!」
「へーい。
よっぴー、告知どうする?」
「すみません!
前売りチケット全てsoldoutです!
混乱を避ける為にもリンクは貼らない方が良いかと!」
「あー、チケットはけるのは地味に嬉しいな。
空席あると気になっちゃうんだよね、結構。」
「じゃあ、そろそろ配信終わるニャ。
マスターテープごと自由民権さんに渡していいニャ?」
「ウ↑チ↓らも自分の動画編集でいっぱいいっぱいだからな。
これ以上、三橋の負担増やすのも可哀想だろ。
高知のTVは高知の人が好きに編集したらいいんじゃね?
民権さんもそれで宜しいですね?
え? 再出演っスか?
あ、いや。
高知は良い所だとは思うんスけど。
関東からちょっと遠いかな、と。
は?
いや、来て頂ける分には別に。
はあ。
じゃあまあ、今回大したアピールも出来ませんでしたから。
ギャラはそこまで気を遣わなくても大丈夫っスよ。
奈々、向こうが来る分にはいいんだよな?」
「時間拘束が少ないなら…
インタビュー兼広報扱いでいいんじゃニャい?」
「民権さん、交通費宿泊費は出せませんけど。
来て頂ける分には歓迎しますよ。
ただライブの前後はあまり構えないと思います!
はい、そういう訳で。
高知にはあまり来れないかも知れませんが!
高知の局を優遇してあげるから我慢して下さーい。」
「それでは本日は!
高知市の桂浜からの中継でしたニャ!」
「初地上波、結構楽しかったわ。」
「お姉様の初地上波は大阪キャスター暴行事件だニャ。
記憶を捏造しないよーに。」
「ああ、そんなこともあったなあw」
「それじゃあみんニャ♪」
「今日はありがと♥」
「まったねー♪」
「まったニャー♥」
【この配信は終了しました】
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
【名前】
遠市・コリンズ・厘
【職業】
神聖教団 大主教
東横キッズ
詐欺師
【称号】
女の敵
【ステータス】 (地球上にステータス閲覧手段無し)
《LV》 14
《HP》 左頬骨亀裂骨折
《MP》 万全
《力》 女と小動物なら殴れる
《速度》 小走り不可
《器用》 ライジング・カード!
《魔力》 悪の王器
《知性》 悪魔
《精神》 吐き気を催す邪悪
《幸運》 的盧
《経験》 138158
本日取得 0
本日利息 16967
次のレベルまでの必要経験値25672
※レベル15到達まで合計163830ポイント必要
※キョンの経験値を1と断定
※イノシシの経験値を40と断定
※うり坊(イノシシの幼獣)の経験値を成獣並みと断定
※クジラの経験値を13000と断定
※経験値計算は全て仮説
【スキル】
「複利」
※日利14%
下3桁切り上げ
【所持金】
592億3912万2000円
【所持品】
jet病みパーカー
エモやんシャツ
エモやんデニム
エモやんシューズ
エモやんリュック
エモやんアンダーシャツ
寺之庄コインケース
奇跡箱
コンサル看板
荒木のカバン
天空院翔真写真集vol.4
白装束
【約束】
古屋正興 「異世界に飛ばして欲しい。」
飯田清麿 「結婚式へ出席して欲しい。」
〇 「同年代の友達を作って欲しい。」
『100倍デーの開催!』
× 「一般回線で異世界の話をするな。」
『世襲政権の誕生阻止。』
〇後藤響 「今度居酒屋に付き合って下さい(但しワリカン)」
「大阪を滅ぼさないで下さい!!!」
「空飛ぶ車を運転します!」
江本昴流 「後藤響を護って下さい。」
『遠市王朝の建国阻止。』
×弓長真姫 「二度と女性を殴らないこと!」
× 「女性を大切にして!」
〇寺之庄煕規 「今度都内でメシでも行きましょう。」
×森芙美香 「我ら三人、生まれ(拒否)」
×中矢遼介 「ホストになったら遼介派に加入してよ。」
「今度、焼肉でも行こうぜ!」
〇藤田勇作 『日当3万円。』
〇堀田源 「トイレコインの使い方を皆に教えておいて。」
〇山田典弘 「一緒にイケてる動画を撮ろう。」
〇 「お土産を郵送してくれ。」
「月刊東京の編集長に就任する。」
楢崎龍虎 「いつかまた、上で会おう!」
×警視庁有志一同 「オマエだけは絶対に逃さん!」
「オマエだけは絶対に守る!」
×国連人権委員会 「全ての女性が安全で健(以下略)」
〇安宅一冬 「浅草寺周辺を一緒に散策しましょう。」
水岡一郎 「タックスヘイブンの利用・移住をしないこと。」
×平原猛人 「殺す。」
「鹿児島旅行に一緒に行く。」
「一緒にかすうどんを食べる」
車坂聖夜Mk-II 「世界中の皆が笑顔で暮らせる、優しい世界を築く」
今井透 「原油価格の引き下げたのんます。」
〇荒木鉄男 「伊藤教諭の墓参りに行く。」
鈴木翔 「配信に出演して。」
×遠藤恭平 「ハーレム製造装置を下さい。」
〇 『子ども食堂を起ち上げます。』
〇田名部淳 「全財産を預けさせて下さい!」
三橋真也 「実は配信者になりたいので相談に乗って下さい。」
〇DJ斬馬 『音楽を絡めたイベントを開催する際、日当10万で雇用します。』
金本宇宙 「異世界に飛ばして欲しい。」
金本聖衣 「同上。」
金本七感 「17歳メインヒロインなので旦那との復縁を手伝って。」
天空院翔真 「ポンジ勝負で再戦しろ!」
〇小牧某 「我が国の防諜機関への予算配分をお願いします。」
阿閉圭祐 「日本国の赤化防止を希望します。」
坊門万太郎 「天空院写真集を献納します!」
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涌嶋武彦 「畜産業界の総力を挙げて遠市派議員を衆議院に最低10名押し込みます!」
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×松村奈々 「二度と靴は舐めないにゃ♥」
〇 「仲間を売るから私は許して♥」
◎鷹見夜色 「ウ↑チ↓を護って。」
〇 「カノジョさんに挨拶させて。」
〇 「責任をもって養ってくれるんスよね?」
×ヒルダ・コリンズ 「芋羊羹…。」
「王国の酒…。」
「表参道のスイーツ…。」
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20
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