異世界複利! 【単行本1巻発売中】 ~日利1%で始める追放生活~

蒼き流星ボトムズ

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【降臨88日目】 所持金8億2944万0783円 「ノーマネー、アイムプア。」

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この貸別荘は富裕層ファミリー向けなので巨大なバルコニーがあり、そこにはBBQ台まで備え付けられていた。
福田が帰還した時に労ってやる為に、寒河江と共に起動チェックだけ済ませておく。

さて屋内に居た時には気が付かなかったのだが、オフシーズンの深夜だというのに、窓の外の喧騒が止まない。
ややトーンは落ち着いているものの、頻繁にあちこちから笑い声が聞こえる。
耳を澄ませば英語らしき会話が多い。
一度だけ漢語で喋っているカップルが通り過ぎたが、それ以外はほぼ英語。


『寒河江さん。
東北でここまでインバウンドが盛んな場所はありますか?』


「私が山形・仙台間で運転業を営んでいるのですが、蔵王はインバウンド多いですね。
欧米の多いニセコと違って半数が台湾からの観光客です。」


『ええ、私もインバウンドと言えば漢人のイメージがあったので、ニセコの欧米比率の高さは意外でした。』


「ああ、それは有名な話ですよ。
国際的観光地としてのニセコに最初に唾を付けたのが豪州人だからです。
彼らは体験を英語発信するので、英語圏の観光客が増えたのです。」


『へえ。
じゃあ蔵王は漢語発信があったのでしょうか?』


「多分それはあると思います。
台湾・中国・香港からの観光客で6割を超えてますから。」


寒河江はタクシー運転手だけあって、観光業の内情に詳しい。
少し街を流せば、それだけで嫌でも観光客誘致の戦略方針が見えてしまう様になったとのこと。


『…やはり、海外富裕層特化なんですか?』


「外国の人で日本観光を楽しみたい人は多いですよ。
でも、英語が通じない事を理由に逡巡している層も少なくはありません。
ニセコは英語が公用語と言ってもいい程の街ですから、安心感があるんですよ。
リン子様だって、日本語が全く通じない観光地って不安でしょ?」


『ですね。
どんなに素晴らしくても言葉が通じない土地には行きたくないです。』


寒河江と2人でブラブラ歩いて夜のニセコ散歩。
坂を登った中心地に、盛り上がっているbarがあったので顔を出してみる。

予想通り外人の巣窟。
ガイジン率9割で洋画のナイトクラブのノリで皆が踊り狂ってる。
1人俺をしつこくナンパしてくるガイジン(結構イケメン)が居たのだが、その彼女さんらしき人から鬼の形相で腹パンされて怖かった。

一見狂騒状態だが注意深く観察すると身なりは皆良く、夜のbarにしてはナンパも上品だった。
寒河江と父娘連れで来ているのと思われたらしく、気の利いたナンパ師達はにこやかに寒河江に話し掛けて《ところで隣の素敵なお嬢さんは娘さんですか?》的な射将先馬ムーブに勤しんでいた。


「リン子様。
気に入った男性はおられますか?」


『えー、私は寒河江さんが一番ですよぉ❤』


「やめて、おっさんのプライドをくすぐらないでw」


2人で笑い合う。
その後も何人かから熱烈にナンパされ、その彼女さんの強烈なブロックに見舞われたのだが、概ね楽しかった。

ビリヤードやダーツの腕前を誇示して俺の気を惹こうとしてくる男達も居て、最初は小馬鹿にしていたのだが、いざ遊び慣れた腕前を見せられると結構ドキドキさせられる。
存外軽視は出来ないものである。


「リン子様は、意外にああいう店も慣れておられるんですね。」


『昔、barに出資していた時期があるんです。
と言っても異世界の話ですけど。
小遣いせびるしか能のないオッサンにねだられちゃって。』


「ひょっとしてポールソンさんですか?」


『わかります?』


「ええ、リン子様がとても楽し気に語られておられますので。」


『変な奴でしたけど…
そうですね、面白いオッサンでした。
彼が、《いつか2人でbarを開こうぜ》ってしつこくて。』


「でも、惹かれてるんですよね?」


『今は為すべき事が多すぎて遊ぶ気にはなれないんですけど。
全てにケリがついて、生き残ってしまったなら。
あの人の我儘にもう一度付き合ってやってもいいかなって。
その時は寒河江さんも飲みに来て下さいよ。』


「松村さんが、老後をリン子様と過ごすって仰ってましたけど。」


『勘弁して下さいw
差し上げますよ。』


「親戚に猫アレルギーが多いので却下で。」


『じゃあ、保健所で殺処分しかないですね。』


『「あはははは。」』


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


barではナンパ応対に忙しく殆ど酒を口にする間も無かったので、寒河江とジェットバスに浸かりながら手持ちのシャンパンで乾杯。
無論、ここまで追い詰められた状態で乾杯もへったくれも無いのだが、沈んでいても仕方ないからな。


「でもリン子様は7億も持ってるじゃないですか?」


『でも所詮、人類全員に1円ずつすら配れない金額ですからね。
何も出来ないのと同じです。』


寒河江は腕を組んだまま唸ってしまう。
確かに個人として7億は大金だよ。
でも、政治勢力の資金としては絶無に等しい金額なのだ。
ましてや政財界をヒルダに掌握された今となっては尚のことである。

ニュースでは我が国を取りまく緊迫の国際情勢が報道されている。
その中でも目玉はNATO連絡事務所の除幕式であろう。
バイデン大統領やゼレンスキー大統領は頬を紅潮させ、今回の日本引き入れが自らの功績成果であると力説している。
逆に中露朝の非難声明は激しく、【欧米と日本の邪悪な侵略思想の発露】として激しい憤りを表明し続けていた。
日本本土への直接攻撃も示唆していた程である。
我が国はユーラシア大陸から見てオセロの角っこだからな。
そりゃあ、挟まれる側の東側陣営も必死になるよな。

いや、問題の本質はそこじゃない。
除幕式映像にヒルダ配下の渋川薫子や西原久美子が映り込んでいたのだ。
(しかもかなりの上座を与えられていた。)
もはや戦慄以外の何物でもない。
何でアイツ地球来訪1年でここまで地盤が築けるんだよ…


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


目を覚ますと寒河江の姿は既にない。
俺と違って勤勉なことである。
部屋のジェットバスで目を覚ましてからバスローブを羽織り、髪をセットする。
…やはり匂いが気に入らない。
福田達が俺のコスメを一通り揃えてくれており、感謝はしているのだが、ボディウォッシュに関してはエルメスじゃないと駄目かも知れない。


何度も顔を洗い流すのだが不思議と化粧が落ちない。
口紅やアイライナーのような、俺が自分で整えてる分に関しては幾らでも洗い流せるのだが、ベースメイクの落とし方が分からない。
傷を隠すためのメイクなので剥がれないのは良い事なのだが、女姿になってから半月。
普通に洗顔も入浴もしていたにも関わらず、ベースメイクもウィッグもガッシリとへばりついたままである。
特殊メイクだから効力が強いのだろうか?
まあいい、いつか繭子に再会出来たら教えて貰おう。
長い髪は中々乾かないので、松村から貰ったヘアターバンを巻いて、バスローブのまま階下に降りる。
リビングには江本。
福田はソファーに深く腰掛けて眠り込んでいる。
合流に体力を費やし過ぎたのかも知れない。


『昴流クン、やっほー❤
元気にしてましたかぁ?』


「…トイチさん、ご健勝のようで。」


数秒経ってから、半分は皮肉だと気付く。
俺は真面目にやってるのだが、傍目から見れば遊んでる様に誤解されちゃうよね。
やっぱりリゾート地の拠点化は駄目だわ。
大衆の政治的共感を獲得出来ない。
もし俺が平均的な日本人ならスキーリゾートでフラフラしてるオカマ野郎なんかより、例えガイジンでも虎ノ門に腰を据えて西側社会に溶け込んでるヒルダを支持していたことだろう。


『食事でもしながら報告を聞かせて下さい。
じっくり聞きたいので私はノンアルコールにします。』


「はい!
では早速。」


BBQグリルには既に火が入っていた。
俺達の姿を見た毛内翁が、黙礼してから羊肉を焼き始める。
酒は入れないと宣言したばかりなので、トニックウォーターで乾杯してから本題に入った。


『昴流クン、お疲れ様でした。
かなりの距離を移動したんじゃないんですか?』


「トイチさん程ではないです。
まさか八甲田山で遭難してるなんて思ってもいませんでしたよ。
聞きましたよ、熊を仕留めたそうですね。
てっきり俺が戦わされると思って、準備はしとったんですけど。」


『本当は猫を仕留めたかったんですけど。
私も忙しいので警察当局に任せます。
実刑が付いてくれると嬉しいんですけどね。』


「難しいんとちゃいますかね?
日本の裁判官は女が更生しない事実を知らないですから。」


『ですね。
どうせ執行猶予ついちゃうんでしょうね。』


一通り松村の処刑方法で盛り上がってから江本の報告が始まった。
彼が集めた情報は以下の通り。


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


※は俺から江本への回答


1、安宅一冬について

安宅と鳩野が連絡スペースとして使用していた任天堂社の製品【どうぶつの森】内での接触に成功した。
ただ彼らはヒルダ派の厳重な監視下にあり、直接の面会は断念。
(雑誌連載を持っている安宅はパーティーの中で1番の有名人なので警戒度が高いのだろう。)


※安宅は活動の中軸として考えているので勢力回復時の為にも温存しておきたい。
 なので接触は禁止。
 彼らにも安全第一を心掛けさせるように。


2、後藤響について

安宅に対しては後藤が先に接触してきており、無事な模様。
東海道沿いのどこかに潜伏中とのこと。
(拷問対策として居場所は聞いていない。)
俺に対しては、【カポエラ】なるキーワードのみの伝言を頼んで来たとのこと。


※【カポエラ】は浜松の鈴木翔の従業員であったホセを意味するものと思われる。
 本州に帰還次第、ホセとの接触を図って欲しい。


3、越前情勢について

福井県は完全に渋川家の一人勝ち状態。
渋川薫子の兄である時彦氏(証券アナリスト)もニューヨークから帰国して次の県知事選出馬の準備に入っている。
現内閣の強いプッシュもあり、他の者が出馬表明すら出来ない雰囲気になってしまった。


※自分もそうするつもりだが他の者も北陸道は使用禁止。
 陸路移動時は迂回してでも中山道か東海道を用いるように。


4、寺之庄煕規について

渋川家との縁談が有耶無耶になっている寺之庄家はやや立場が危うくなっており、息を潜めている状態。
当主の寺之庄煕顕氏は蟄居中。

寺之庄煕規は俺と別れた当初、神聖教団の集会を通じての基盤作りを画策していたが、各地の警察当局から謎の弾圧を受けて断念し地下に潜った。
以前から協力体制にあった谷口翁も同時期に姿を消しているので、行動を共にしている可能性が高い。


※寺之庄・谷口両名共に聡明かつ慎重である為、他メンバーとの連絡手段構築を図っているものと予測される。
 なのでこちらからの打診・接触は行わないものとする。



5、東横情勢について

神聖教団名義で炊き出しを行っていたjet(山田典弘)が理由不明のまま数日間新宿署に留置された。
鷹見の息の掛かった反社勢の圧迫もエスカレートして来た事から新宿内での拠点保持を断念し、釈放後は車坂聖夜Mk-II勢力と共に地下に潜伏。
ホストクラブ・ロミオは自主解散を選んだようで、残党は愛想烈を中心にMk-IIの警護に当たっているとのこと。


※jetが新宿署員に何らかのメッセージを託した可能性高し。
 リスクはあるが、可能であれば水岡と再会したい。


6、飯田清磨について

ヒルダ派の襲撃から逃走する際、寺之庄に堀内信彦と共に逃亡する旨を告げている。
口ぶりからして西国からの再起を図る模様。


※堀内信彦の交友関係からして2人が修験者に扮している可能性が高い。
 羽黒修験の中で西国との付き合いの深い者が居れば、それとなく探って欲しい。


7、名古屋情勢について

飯田が担当していた中京勢が混乱中だが、自称・月刊名古屋編集者の坂井ゆうすけが無双して人心を収拾してしまったとのこと。
現在、神聖教団を復活させる為に当局の本意を慎重に探査中とのこと。

※月間名古屋への出稿を偽装して中京勢との連絡ルートを構築出来ないかを指示。


8、木下樹理奈について

俺との再会を希望しているが、江本は上手くはぐらかしているとのこと。
レべリングが順調なのか腕力を含めた諸能力がかなり向上していたらしい。
膂力においてはラグビー日本代表に選出された経験のある久我重明にも匹敵し、頭脳においては李牧級。
もはやこれまでの木下と侮ってはならないとの印象とのこと。
相変わらず繭子達と行動を共にしているらしいが、徐々に用心棒的な立ち位置に変貌しているようだ。


※会うのも怖いし、会わないのも怖い。
 まずは無難な土産物でも渡して機嫌を取って欲しい。


9、児玉繭子一派について

すっかり贅沢を覚えたのか、関東近郊の豪邸を転々としているとのこと。
児玉繭子が謎資金力を身に着けた事により、盤石の体制を整えつつある。
但し、夫の児玉秀峰は繭子の豪遊を危険視しており、エドワードと共に距離を置き始めている。


※夫婦で別々の逃亡方針を取る事には賛成。
 社会不安を与えないように注意しておくこと。


10、今後の戦力について (提案)

ヒルダ派・鷹見派からノーマークであろう私淑者の呼び寄せ可否についての相談。
各地を旅した事で、遠市厘個人への崇拝者も増加しており、それらの活用案を江本が提案。


※こちらが認識出来ていない者はパーティーには加えない。
 また以前よりも生活が苦しくなっているので、呼ぶとしてもまずは気心の知れている者を1名のみ。
 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


毛内翁が買って来てくれたラム肉は相当上質だったらしく、幾らでもスルスルと食べる事が出来た。
肉に飢えていたのか江本は物凄い量を貪る。
聞けば修験者達の食事はかなり質素であるらしい。


「俺は山伏にはなれないですねえ。
烏やから雑食という事にしておきましょう。」


『ほら、ちゃんとお野菜も食べて。』


「羽黒の連中に嫌になる程食わされましたよ。」


文句を言いながらも表情は楽しげである。
きっと良好な関係を築けたのだろう。

江本もこちらの近況を聞きたがったので、文字通り松村のケツを拭いてた生活を語る。
愚痴のつもりだったのだが、ジョークのセンスを褒められる。
そりゃあね、他人事なら面白い女なんだよ。
一緒に居ると生命力を吸い取られるだけで。
最後に松村と瀬里奈が仲良くニャガバリと合唱していた光景を説明すると腹を抱えて笑い転げていた。


『ここまでおカネが貯まらないとは想定外でした。』


「トイチさんの異能で7億止まりは意外ですわ。」


『私は元々金銭センス乏しいですから。
やっぱり資本家って出資者ありきですね。
斑鳩さんとか煩わしかったんですけど、居なくなって如何にあの人の功績が大きかったか思い知りました。』


「斑鳩さんも坊門さんも当局の監視が厳しくて身動き取れなくなってるみたいですからね。
斑鳩さんの甥御さんは議員辞職に追い込まれたみたいですし。」


『私、あの老人達が生きている間に復権出来ますかね。』


「トイチさんなら絶対にイケます!
態勢を整えて、東京に凱旋しましょう!」


『ヒルダさえ居なければ今日にでも帰るんですけどね。』


「…前から掘り下げたかったんですけど。
トイチさんとヒルダさんは、そもそも敵同士なんですか?
一緒にキャンプしてた時期もありますやん。」


『いえ、お互い性分担に忠実なだけです。』


「ヒルダさんは女性としての役目に則っているだけということですか?」


『ええ、女の仕事って狩りの上手い男の子供を産んで、獲物全てを自分の血統に相続させることなんです。』


「現代社会の獲物がカネやとすると、トイチさんを超える男(?)はいないでしょうね。」


『このまま複利が膨らみ続けると、私の手持ちが人類の総資産を上回ってしまいます。
分母の極大化に伴う富の独占ですね。
ヒルダの目的はその富を我が子に相続させることです。
つまり地球の支配権そのものですね。』


「…地球と来ましたか。」


『だって仮に10垓円の資産を持ってる人間が居たら、そいつが自然に覇権を獲ってしまうと思いませんか?』


「まあ、あれだけ好き勝手してるイーロンマスクですら、せいぜい総資産50兆円ですからね。
アイツの2000万倍の資産と考えれば異常ですね。」


『ヒルダは我が子をその座に着けたがってるんですよ。』


「…トイチさん。
もう流れに乗ってみたらどうですか?
ヒルダさんはあの人なりにトイチさんにベタ惚れしてるように見えるんです。
トイチさんがあの人の元に戻ったら、全部言う事聞いてくれると思いますよ?」


『アイツと私では従順の定義が違い過ぎるんですよ。
私がヒルダの元に戻ったら、岸田総理と豊田会長は真っ先に殺されますよ?』


「え?
何で?」


『アイツの言う従順とは政財界の人間を皆殺しにして、私をトップに据えることですから。』


「いや、流石にそこまでは。」


『アイツ、【トヨタ】を奪ってから社名を【トイチ】に変えるって真顔で言ってましたし。
その布石としてトヨタ株を熱心に買い集めてますからね。』


「え!?
何で!?」


『欲望に理由も善悪もないでしょ。
少なくとも、アイツにはチンギス・ハーン同様に1代で完遂するだけの才覚がある訳ですし…
そもそもアイツは異世界人ですからね。
地球なんて攻略ステージの一つくらいしか思ってないでしょ。
最終的に衆参両議員と経団連メンバーは全員族滅されますよ。』


「お、おぅ…
酷い話ですね。」


『ただ、あの女が極端である事を差し引いても、私には責める資格が無いんです。
自分が異世界に居た頃だって現地の政体に何の興味も無かったですからね。
私の行動の結果、国家や企業がガンガン壊れていましたけど、そこまでの感慨はなかったです。』


「4カ月も滞在したら多少は情も湧いたんと違いますの?」


『ですから、その多少が当時組んでたパーティーメンバーとヒルダ達だったんですよ。
異世界の事情も全然見えてませんでしたし、最初の頃は養子先のコリンズ家の方が異世界全体よりウェイト高かったですね。』


「ああ、なるほど。
今のヒルダさんが、当時のトイチさんと同じ心境なんですね。」


『ええ、まずは配偶者として私。
後は現在の取り巻き連中。
渋川薫子とか、森さんとか弓長さんとか。』


「…佐々木もですね。」


『ヒルダの奴が佐々木さんを絶賛してましたからね。
あれは手放す気がないと思いますよ。
私だって異世界に居た頃、優秀な人材を繋ぎ止めようと必死でしたから。』


「まあ、地球外生命体のヒルダさんにとったら、自分のオトコと仲間以外は何億人死のうがどうでもいいことですね、
地球人の俺ですら、外国の戦争ニュース見ても《ふーん》としか思いませんし。
ウクライナ戦争やら英国経済破綻やら、正味の話ふーんですね。
ガイジンが減るのってええことですやん。
アイツら所詮敵やねんから。」


『現在の常任理事国に対しては私も似た様な目線で見てしまっておりました。』


「ふむ、チートの使命に目覚めたトイチさんとしては、そういう矮小なナショナリズムは超越せざるを得ないと。」


『資産規模に対しての責任を果たそうとすると、どうしても汎人類的になっちゃうんですよ。
兎に角そんな齟齬もあって、ヒルダの手に落ちる訳にはならないんです。』


ヒルダ・コリンズは猿の手である。
俺の望みを必ず叶えてくれる。
人類の平等化やら資本主義の抑制やら全部遂行してくれる。
ただ、その手があまりに剛腕過ぎて、願望成就の過程でどれだけの生命が奪われるか想像もつかないだけの話である。
あの女が出す死者数の試算が俺のそれを下回るのなら…
例えばあの女が20億人以内の殺害数で俺の殺害数がどう計算しても30億を越えてしまう場合。
俺は理想郷の創造をあの女に託す。
だから始末も出来ないというのが本音だ。


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


「個人が幸福になる分には十分豊かなんですけどねえ。
例えばこのラムなんか滅茶苦茶いい肉ですよ。」


『福田さんが高い順に食材買ってくれてますから。』


「いやあ、肉ってどうしてこんなに幸福になれるんでしょうね。」


『…。』


「ああ、トイチさん。
これは【命を奪う】云々の哲学的な問いかけじゃないですからね。
単純なグルメの話です。」


人の思考を先回りするのは江本の悪癖だが、この癪な物言いを差し引いてもお釣りは来る。
常人の10倍考え100倍奔ってくれるこの男には感謝しかない。
問題はヒルダも鷹見もこの男を気に入りつつ存在を目障りに感じている点である。
どうか殺されませんように。


『私、味の分からない人間ですからね。
ショルダーとレッグの違いもわからず食べてます。』


  「リン子様。
  では、こちらをどうぞ。」


反対側で肉を切り分けていた毛内翁が、少し色合いの異なる肉を焼いてくれる。
彼にもトニックウォーターを手渡し、乾杯。


『もぐもぐ。
何だろう?
あっさりとしてますね。
ポン酢とかと合わせてみたいかも。』


  「この肉はエゾシカです。
  さあ、江本君もどうぞ。」


「あ!
これ好きかも!
ジンギスカンの味変にええですね。」


腹が膨れたのでソファーで背筋を伸ばして満腹感を楽しむ。
そう、個人が暮らしていくなら今でも十分すぎる位なのだ。
7億か…
俺に才覚があれば挙兵に踏み切れる額ではあるんだよな。
ただ自分に才知も器量も無いのは痛感しているので、今はカネを貯めるしかない。


『もう一声金策出来ると助かるんですけどねぇ。』


本当にそう呟いたタイミングだった。
異世界スマホが鳴ったのである。
まさかポールの奴がこの会話を聞いていたとか無いよな?
江本に対して手短に解説してからスマホに手を伸ばす。


  「え!?
  異世界と通話?
  え? え? え?」


『もしもし、遠市です。』


「突然の逓信失礼いたします。
私、ジミー・ブラウンと申します。」


  「え? ちょ!?
  え!? え? え?」


『あ、ブラウン常務。
御無沙汰しておりました!』


「おお、大魔王様!
覚えて下さっていたのですか!?」


  「あ、あ、あ…」


『当たり前じゃないですか。
魔王城周辺の区画整備、あれは本当に助かりました。
常務のおかげですよ。』


「数回お話させて頂いただけですのに恐縮です。」


  「はわわ…」


『寝巻姿で失礼致します。』


「あ、いえ。
通信傍受が怖いので、映像受信機能は切っております。」


  「はわわ…」


画面に映っているのは、異世界時代にポールから紹介された建設会社の役員さん。
ポールの幼馴染と聞いたからどんな変人が来るかと思っていたら、超有能エリートビジネスマンがやって来たので驚いた記憶がある。
(てっきりオタク臭いギャグキャラの来訪を予想していた。)


『確か政治的に問題を抱えられてるんですよね?
通信していて大丈夫ですか?
先日、ニックさんが傍受を心配されていたんですけど。』


「御指摘の通りです。
ですが、傍受のリスクを負ってでも大魔王様に嘆願したかったのです。
現在、兄ポールは政治的窮地にありまして。
不敬は承知の上で、大魔王様の御慈悲を賜りたく思い打診しました。」


『常務、単刀直入に。
そちらの状況はどんな感じですか?』


「ポールソンに謀反の嫌疑を掛けようとする勢力がありまして…
その所為で幾つかの資格を凍結されて窮しております。
砂漠の入り口も実質的に封鎖されてしまいまして、端的に言えば兵糧攻めです。
おまけに隣領の領主がポールソンの逮捕を公言し始めまして…
完全に追い詰められてしまっているのです。
そのような経緯なので、大魔王様に直訴を試みた次第です。」


追い詰められてるのは、こっちも同じなんだけどな。
むしろ、俺が助けて欲しいくらいだ。


『状況は理解しました。
それで、具体的に私は何をすれば良いでしょうか?』


画面の中の常務が一瞬唇を噛んで瞑目する。
彼のこけた頬を見ても、ポールの窮地が相当なものである事が窺える。


「…大魔王様がポール・ポールソンに再降臨の準備を命じていた事にして頂けませんでしょうか?
そうすれば兄が殺される確率が大幅に下がります。」


『口裏を合わせろと?』


「ええ。
それと、出来れば命令書が欲しいのです。」


『書面でですか…
いや、それで彼が助かるなら一筆書きますけどね?
現在の我々はオーラロードの反対側同士にいる訳じゃないですか?
仮に命令書を私が書いたところで、送る方法がないですよ?』


「…あまり良くない手段なのですが、私の水スキルで映像を固定する事が可能です。
…筆跡を拝借させて頂ければと。」


『なるほど、政治倫理的に好ましくはなさそうですね。
でも、そんな手段で作成した命令書に効力はありますか?
仮に彼が裁判を受けれたとしても、証拠として認められないと思いますよ?』


「地球語の書面である事が重要なのです。
大魔王様が再降臨の窓口にポールソンを指名していたという可能が少しでもあれば、手は出されなくなります。」


なるほど。
日本語で書かれた文章であれば、真偽の検証も困難だろうし時間くらいは稼げるか。
万が一、俺が本当にポールを再降臨の受け入れ担当に任命していたにも関わらず殺されてしまっては、再降臨を断念する可能性もある。
無論、俺には地球から離れる意図は二度とないが。
(異世界なんて一回行ったら十分だ。)


そんな書面に意味があるのかは不明だったが、ブラウン常務の指示通りに筆を走らせる。
ポールは異世界の争いに俺を巻き込むのに反対していたらしいが、常務が独断で俺に連絡をしたらしい。


『ちょっと無理がないですか?
私が帰還する時、ポールさんも普通に居ましたよね?』


「不自然だからこそ、精査してもらえるかな、と。」


『大魔王関連でしたら、皆さん慎重にはなるでしょうね。』


「不敬である事は重々承知なのですが、もはや兄の生き残る道がそれ以外思いつかず。」


常務は涙を浮かべて拳を震わせる。
数秒沈黙していたが、やがてゆっくり呼吸を整えて話を再開する。


「大魔王様の御前で取り乱してしまいました。
誠に申し訳御座いません。」


『いえ、胸中をお察しします。
命令書を書き上げましたので、見て頂いて宜しいですか?』


「畏まりました。
探知の気配があり次第、こちらの独断で切らせて頂きますが。」


『ええ、問題ありません。』


もう皿も肉も酒も片づけさせ終わっている。
明らかに兵糧に窮している彼らに贅美を見せたくない。


「それでは、映像受信を開始します。」


画面の中の常務が手元の機器を操作する。
そして、彼の目が一瞬見開いたということは、受信に成功したのだろう。


「改めて御無沙汰しておりました。」


『ええ、お目に掛かれて光栄です。
ブラウン常務。』


「お傷が無くなっておられたので、少し驚きました。」


『特殊な化粧です。
今でも口は裂けておりますよ。』


「そうですか。
やはり地球の技術は進んでおられますな。」


元来好奇心の強い男なのだろう。
情勢の緊迫を語ってる癖に物珍し気に俺の背景を見ている。
この角度からだと室内のリビングが見えている筈だ。
彼はソドムタウンの知識階級、恐らくそれだけで地球の技術レベルを察した。


「失礼。
探る訳では無かったのです。」


『いえ、立場が逆なら私もそうしていたでしょう。』


「では、本題に…
えっと、後ろの方は?」


内容が陰謀である。
地球人とは言え第三者の目は避けたいのだろう。
気持ちはわかる。


『この者は江本昴流と申す者。
地球での私の参謀を務めております。』


「おお!
それは失礼致しました!」


『江本さん、挨拶をして。』


  「あ、はい!
  え、江本昴流と申します!
  お目に掛かれて光栄です!」


「ああ、これは御丁寧な挨拶痛み入ります!
ポールソン大公国で宰相を務めております、ジミー・ブラウンと申します。」


ポールソン大公国がギャグなのかマジなのかは不明だが、ここはスルー。
2人は緊張の面持ちでペコペコと頭を下げ合う。
そりゃあね、誰だって宇宙の果ての相手と挨拶させられたら緊張するよね。
話の流れで古屋だけでは人手が足りない場合は江本を貸すことになってしまう。
まあコイツはずっと野球やってたから、オーラロードを渡らせても多分死なないだろう。


『では、メモを。』


「ええ、拝見します。
おお、地球語の文字列。
いや、素晴らしいです。」


『出来るだけ、急ぎの殴り書きを意識しました。』


「雰囲気あって助かります。
それでは御前でありますが、スキルを使用させて頂いて宜しいでしょうか?」


『ええ、どうぞどうぞ。』


常務は無言で恭しく頷くと印を手早く結んで右手から青い光を放ち始めた。
ドナルドにも見せて貰った事があるが、あの色は水系スキル発動時のエフェクトである。


「ウォーターミラーッ!」


常務がこちらに手をかざすと一瞬、シャッター音のような異音が聞こえる。
淡い青の煙が収まった頃には、既に彼はメモの上に羽ペンを走らせていた。
5分ほど待って、完成した捏造命令書を見せられる。


『ええ、完璧です!
ネイティブな日本人が母語で書いた走り書きのメモです!』


「…ありがとうございます。
心が痛みますが、少しは兄にも生存の目が生まれました。」


常務は疲れ切った表情で汗を拭う。
まあな、大魔王本人の同意があると言え、時系列を偽った命令書を作成した時点で公文書偽造に他ならない。
異世界の倫理基準であれば、切腹すら許されずに斬首の所業である。
俺は裁判時の弁護を申し出るが、回答を保留されてしまう。
だろうな、俺が彼でもそうする。


「大魔王様、今回お手を煩わせてしまった事への御礼ですが…」


『ああ、いえいえ。
私と常務の仲ではありませんか。
どうかお気遣いなく。』


「そうは参りません。
魔王城整備計画の際も、過分な代金を頂戴してしまいました。

…それに申しにくい事ですが、兄から大魔王様が財政的に好ましくない状況にあると伺ってます。」


『あはは、お恥ずかしい限りです。
実はこの邸宅も借り物でしてね。
寒さに震えながら各地を転戦しております。』


転戦も糞もヒルダやら鷹見やらに一方的にボコられ続けているだけなんだけどな。
さっきもbarで会ったお姉さんに腹パンされたし。
でも、少しくらいは見栄を張りたいじゃん。
だって、向こうじゃ俺は大魔王なんだからさ。
俺は笑いながら肩口の傷(生配信中に発狂した鷹見に刺された)を見せる。


「おお!
名誉の御負傷ですね!
御武勇! 御武勇!」


『いえいえ。
この程度は戦傷のうちに入りませんよ。』


「お見事で御座います!
大魔王様による地球平定を信じております!」


『励みます。』


「さて、それを踏まえての本題です。」


『はい。』


「兄から話を聞いて、大魔王様の平定戦にお役に立つ方法をずっと試案しておりました。
武具や魔道具を貢納出来れば好ましいのですが、オーラロードを用いての輸送が現実的だとも思えません。」


『同感です。
物資の融通は困難でしょう。
報告ですが、私が地球帰還した際は着衣が消失しておりました。』


「あ!
では、あの純金の鎖帷子は!?」


『ええ、影も形もなく。
全裸で病院に運び込まれました。
地元の警吏に随分疑われました。』


「ああ、そうだったのですね。
では、文字通り徒手空拳で?」


『はい、裸一貫とはよく言ったものです。』


2人でクスクス笑う。


「地球では冒険絵巻物が大流行していると聞きました。
ヒット作を刊行できれば、纏まった資金を得られるとか。」


『あ、はい。
ポールさんにも説明したことなのですが…
冒険小説、それも【異世界転移】というフォーマットの小説が異常な人気なのです。
丁度、我々がそちらの世界に訪問したようなフィクション体験談ですね。』


「既に伺われていると思うのですが、若き日の兄が筆耕で生計を立てておりまして。
本人は謙遜しているのですが、児童向けの作家としては大家と言って差し支えないポジションでした。」


『そうなんですね。
あの人、私には文化的エッセイや経済コラムばっかり書いてたと言ってましたけど。』


画面の中の常務が苦笑する。


「ここに兄の原稿があります!」


『おお、分量凄そうです。』


「内容は兎も角、文章量や発刊ペースは絶賛されてましたので。」


『ああ。典型的な粗製乱造作家ですね。』


「それを言うとイジけますので許してやってください。」


2人で笑いながらポールの原稿を受領。
本当は貴金属とか宝石が欲しいんだけどね。
宇宙の果てからマテリアルを転送させるという発想が既にナンセンスだからね。
情報だけ貰うわ。


当然、画面に映されているのは異世界語。
それを江本がスマホでスクショして、どんどんchatGPTの有料版に読み込ませている。


  「トイチさん。
  やや怪しい所もありますが、概ね翻訳可能です。」


『了解。
作業続けて下さい。』


「それにしても地球文明は見事ですね。
まさか異文明の言語を瞬時に判読する機械まで個人が常備しているとは。」


『いえいえ、ごく最近の発明です。
それにこちらに無くて、そちらにあるものも幾らでもありますしね。
家畜の改良技術なんかそちらの方が圧倒的に優れてますよ。
鳴かない鶏とか、自主的に集糞する豚とか、皆様の叡智の結晶だと感じておりました。』


「おお!
そこに着目して下さるとは!
ありがたいことです。」


『何より、人間の改良が進んでおります。
皆様、心身ともに進歩的でした。』


そこは皮肉と解釈されたのか、常務は肩を揺すって自嘲気味に笑った。
いつかこれが本心であると伝われば嬉しい。


  「トイチさん。
  序章だけですが、日本語テキストに変換成功しました!
  常務と読み合わせをさせて頂いて宜しいでしょうか?」


『ええ、手短に。』


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


【タイトル】

本当は最強だったボク、無敵パワーで無尽蔵ハーレム!
9999人のヒロインと共に綴るラブラブ建国日誌


【著者】

子供部屋おじさん (連載時のPNはクーリ・クーリソン)


【概要】

学園の目立たない生徒クーリソンには裏の顔がある。
何と伝説の戦士の家系で、課外時間には街で発生する騒動を解決していたのだ。
余計なトラブルを避ける為に今までは力を隠してたのだが、周辺国の戦争激化に伴う盗賊団流入を解決する為にうっかり無双したら、クラスの女子に目撃されてしまって。
本当は凄かったクーリソンの痛快バトルアクション。


【第一話】


キンキンキンキン!!


「な、なにィ!?
剣術スキルLV4の俺の技が通じないだとぉ!!」


『ふっ、俺はまだ1%も能力を解放していないのだがな。』


「ば、ばかなあ!!!
これでもまだ本気ではないと言うのかーー!!!!」


『さあ、悪党め。
人質の御婦人たちを今すぐ解放するんだ。
打ち首が縛り首で済むくらいの弁護はしてやるぞ?』


「う、うおおおお!!!
馬鹿にするああああああ!!!
ええい、この技だけは使わねえって決めていたが、もう仕方ねぇ!
最終奥義!!!
バーバリアン・ブレードおおおおお!!!!」


ズッギャ―――――――――――――――――ン


「ふはははははは!!!!
調子に乗ってるからだクソガキ!!!
この技をくらって無事だった奴は…」


モクモクモクモク。


『ん?
どうした?
奥義とやらはいつ見せてくれるんだい?』


「ば、ばかなあああ!!?
俺の必殺技を脇差一本で止めただとおお!!!?」


『やれやれ。
必殺技というのは、こうするんだけどね。
ノーブル・スラシュ!』


「ぐ、ぐわあああああああああ!!!!」


『しまった。
生け捕りにする予定だったのだが。
まさかスラッシュ体勢に入る為の牽制技で絶命してしまうとはね。
やれやれ、強過ぎるというのも罪なものだ。
やれやれやれやれやれやれ。』


俺は悪党の死を見届けると剣を鞘に収めた。
どうやら、クラスの女子達は無事なようだな。
男子生徒は全員死んでしまったらしいが。


「クーリソン君、素敵♪
結婚して!!」


『やれやれ。
当然のことをしたまでだよ。』


俺に抱き着いて来るのは、学園のマドンナであるセシリア・ビビット。
チアリーダーで爆乳なので当然スクールカーストはクインビーだ。


「クーリソン君!
私、キミを好きになっちゃったみたい!
連れて行って!!」


『やれやれ。
気持ちは光栄なんだけどね。
俺には次の事件が待っているのさ。
もうすぐ治安局がやって来る。
彼らに保護して貰いなさい。』


参ったな。
俺が本気を出すと女子を総取りしてしまうからね。
クラスの男子達が可哀想だから、敢えて陰キャを装っていたのだけど、やれやれ。


「そんな!
クーリソン君!」


『それでは行くぞ、愛馬ジャスティス号よ!
次の事件現場に俺を連れて行け!』


ヒヒ―――ン


『ヒーローに安らぎなどはないのだ!
さらばみんな!』


パッカパッカッパッカ。


「クーリソン君、キミは一体何者なの(キュン)」


(第二話に続く)


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


幼稚なオッサンだと思っていたが、こんな駄文まで書いてたのか。
ここまで盛大にコンプレックスを前面に出されると、次に顔を合わせ辛いな。


「大魔王様!
この文章はあくまで兄がハイスクール卒業時に執筆したもの!
幼稚な人間と軽蔑しないで頂きたい!」


クラスにこんなキッショイ文章書いている奴が居たら、普通に軽蔑されるんじゃないかな?


『…えっと、その年頃のドナルドさんは既に婚約を済ませていて、政財界への挨拶回りを始めてたと聞いているのですが。』


「いやいや!
キーン父子は自由都市全体で見てもかなりの早熟型なのです!
兄は晩成型! 大器晩成なのですよ!」


物は言い様だな。
まあ、俺は原稿がカネになれば何でも構わないが。


『ええ、まあそうですね。』


その後、ブラウン常務と江本の間で互いの文明の著作権規定について情報交換。
どうやらペンネームさえ変えなければ、異世界側から著作権侵害を指摘される心配はなさそうである。
江本が我が国の印税システムをブラウン常務に解説して最終調整。
口頭ではあるが、ポール作品の地球側印税をこちらが取得出来る約束が成立した。


「本来は正当な額の貢納金を大魔王様に収めるべきでしたが…」


『ああ、いえいえお構いなく。
御存知の通り原資さえあれば私は何とでもなりますので。
余裕が出来れば皆様への支援策も考えさせて下さい。』


「御恩情に深く感謝申し上げます。」


互いに頭をペコペコ下げながら通話を切る。


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


『昴流クン、お疲れ様でした♥』


「あ、いえ。
やっぱり俺も大魔王様とお呼びした方がいいですか?」


『普通にリン子でいいですよ。』


「あ、はい。
リン子さん。」


『うふふふ♥』


「えっと、さっきの話の流れで俺も異世界に行く事になったみたいなんですけど。
ちょっとまだ頭が混乱してまして。」


『多分、オーラロードという苛酷な空間を潜る羽目になります。
体力の無い人は普通に爆散するので気を付けて下さいね♪』


「え、爆散!?
それって死ぬ、という事ですか…
え?
それは例え話ですよね?」


『私のクラスメートが2人死んでます。
体内から発火して、膨れ上がって爆発しました。
蹴り飛ばさなければこっちも誘爆していたでしょう。』


「お、おう。
お亡くなりなった方のご冥福を祈ります。」


『その後、砂漠のど真ん中に転送されると思います。』


「ええ!
ゲームとかで投げ出される確率が一番高い砂漠ステージですか!?
暑いの苦手なんですけどねえ。」


『鳥取砂丘で練習しておいて下さい。』


「昔、リトルの遠足で行きましたわ。
靴に砂が入って辛いんですよねぇ…」


そんな話をグダグダと続けながら、異世界スマホを見返す。
…機体からオーラの様な物が出ているな。
江本達に聞いても不思議そうな顔をするだけなので、オーラは俺にしか見えないのだろう。
何となく確信する。
やはり俺にはオーラロードを渡り切る力があるのだ、と。
逆に江本はレベリングが足りないのかも知れないな。


『江本さん。』


「あ、はい。」


『ヒグマ、殺しておいて下さい。』


「え?」


『え?』


「あ、あのヒグマというのは…
あのヒグマですか?
木彫りのモチーフになってる?」


『とりあえず10匹殺した時の身体能力の変化を測定しておいて下さい。
銃刀法に違反する事を許可します。』


「え?
銃刀法に違反したら捕まるのでは?」


『大丈夫大丈夫♪
逮捕されそうになったら、異世界に飛ばしてあげますから♥
時効まで異世界で羽を伸ばしておいて下さい。』


「時効に関する法律って厳格化されて海外逃亡が封じられたみたいなんですけど、それは…」


『異世界だから大丈夫♥』


「その理屈、絶対に法廷で通用しないと思うんですけどね。」


言いながらも江本はヒグマの出没情報をチェックして、毛内翁と出陣の打ち合わせを始める。


「イワオヌプリとチセヌプリの分岐点にヒグマが出没しているみたいですね。
明日、殺して来ます。」


『じゃあ、ヒグマを一匹殺すごとに、賞金1千万円。』


「いやいや、カネはこっちが上納金を収めるべき場面でしょう。
あれだけ金地金が増えてるんですから。」


『じゃあHな御褒美をあげます♥』


「…あ、いえ、あ、はい。
それはちょっと欲しいかも。
じゃあ、頑張ります。」


『うふふふ♥』


理屈は不明だが江本の金は未だに増え続けているらしい。
いや、実は分かっている。
江本が預けた金地金だが、そもそも代金は俺がくれてやった小遣いで手に入れたものだ。
俺達2人がそれを知ってるから、タテマエ上は江本の金地金という事にしつつも、元は俺のカネという考えが捨てられない。
逆にヒルダがカネを勝手に預けた事により、俺の木更津資金が増えなくなった理由も同様である。
ヒルダ・コリンズは独力で地位と財力を掴み取った。
だから、あのカネは幾ら献上された所で自分のモノと感じないのだ。


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


福田が巨大な鮭を仕入れて来て、プランクサーモンにしてくれる。
板ごと焼くなどと豪快な料理だが、気分が上がって気持ちいい。

さて、皆で鮭に舌鼓を打ちながら作戦会議。
議題はポールのラノベ。
正直、こんなものがカネになるとは到底思えないが、寒河江の反応が意外に良い。


「いや、リン子様!
これは絶対行けます!
むしろ地球でのマネタイズに向いてます!」


彼はアニメ・漫画直撃世代である。
少なくとも俺よりは造詣が深い。
その彼に言わせれば、プロットが売れ筋ではあるそうなのだ。


『うーーん、でもこれ。
異世界の文章を機械が直訳しただけでしょ?
マネタイズ出来るんですかね?』


「代償ポルノとしては見事なテンプレですので出版社は喜ぶかな、と。」


『まあ、寒河江さんが仰るのでしたら、そうなのでしょう。』


よく分からなかったので、この原稿に関しては全て寒河江に任せる。
俺としてはカネにさえなれば文句はない。
しかし、カネと言っても今日も何億か噴出するからな。
まあいい。
手は多いに越したことはない。


《1億7022万円の配当が支払われました。》


皆で淡々とカネを整理。
今はまだ17㌔強だから良いのだが、来週は取り回しに困っていることだろう。
どこか自由に使える置き場所が欲しいな。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


【所持金】

7億0922万0783円
  ↓
8億7944万0783円
  ↓
8億6944万0783円
  ↓
8億5944万0783円
  ↓
8億4944万0783円
  ↓
8億3944万0783円
  ↓
8億2944万0783円


※配当1億7022万円を取得
※福田魁に日給1000万円を支給
※寒河江尚元に日給1000万円を支給
※毛内敏文に日給1000万円を支給
※江本昴流に日給1000万円を支給


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


俺はメモ帳を使って何度も計算する。
間違いない、日利24%。
俺は24レベルに上がった。
かなり自動レベルアップのペースが速くなってきたな。

そうだ。
【複利】の恐ろしさはカネだけじゃない。
完全自動レベリング。
むしろこちらが真骨頂。
長期戦なら俺が最強なのだ。


江本1人が手元に戻って来ただけで、こうも戦略の幅が広がった。
(この男が万能過ぎる所為もあるが。)
金欠に悲観してはならない。
人は城、人は石垣、人は堀。
パーティーさえ再結集すれば、どうとでもなるのだ。


…違うな。
集めた人材を俺がどこまで活用出来るか。
どこまで人心を繋ぎ止めていられるか。
それが全てなのである。


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


夜、近所の鮨屋で蝦夷前寿司なるものを皆で食べる。
キンキ・ニシン・ホッキ貝・すじこ・トキシラズ・真ツブ貝・ボタンエビ・イクラ・バフンウニ。
ホッキ貝はやや苦手な味だったが、それでも全部旨い。

驚いたのは、俺たち以外の客が全員インバウンド客だったことである。
ここがそこそこの高級店である為か、やはり皆の身なりが良い。

女姿である所為か、女の外人に話しかけられる回数が多かった。
俺が上座で皆からの酌を受けていた所為だろう、若い女性経営者か何かのように誤解されたのだ。


『ノー、イングリッシュ。
ビコーズ、アイムジャップ』


面倒なのでその台詞で追い払う。
一組だけ日本語に堪能な豪州籍母娘が居てしつこく絡まれたので、追い払うためにこちらが男である旨を告げたのだが、余程好奇心を刺激したのか逆に気に入られてしまった。
スキーに興味も無い癖にリッツカールトンに長期滞在していて、退屈していたらしかった。


「レディボーイなら大歓迎ですよ♪」


目を輝かせながら誘われるのだが、母娘へのトラウマもあり丁重に断った。


『ノー、マネー。
アイムプア。』


去り際にそう告げるのだが、母娘は嬉しそうに笑い転げるだけだった。
喜んで頂けて何よりだ。
政府のインバウンド方針にも少しは貢献出来たのかもな。


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


帰り道、寒河江がやけに惜しむ。


「リン子様、さっきの母娘。
かなりの美人でしたね。
典型的なアングロサクソン美女。
2人の会話から察するに女優さんの家系らしいです。」


『ああ、寒河江さんは英語が分かるんでしたね。』


「最後に名刺を渡されたのですけど、是非。」


『私は不要ですので寒河江さんが取っておいて下さい。
ああいう女性が好みですか?』


「いえいえ!
私はリン子様一筋です!」


その調子の良さに思わず吹き出してしまう。


「向こうもかなりリン子様を気に入ったらしく、是非また会いたいと。」


『えー、もう疲れましたよ。
寿司くらいゆっくり食わせて下さい。
何か他の話題ないんですか?』


「聞いて下さい!
ポールソン氏の作品が早速なろうランキングに入りました!」


『へー、良かったじゃないですか。』


「やっぱり需要があったんですよ。
みんな、シンプルに主人公が強くて暴力で悪者を倒して美女に惚れられる展開だけ望んでるんです。」


ふーーん。
どうやら俺を物語にしても大衆は楽しんでくれなさそうだ。
シンプルに美女が強くて暴力で俺を倒して邪悪な手段で粘着してくるだけの展開だからな。


「凄いんですよ!
配当前に軽く投稿しただけで、日間ランキングの100位以内に入りましたから。」


『100?
全然大したことないんじゃないですか。』


「いえいえ!
なろうの日間100って滅茶苦茶凄いことですよ!」


『あ、はあ。
そういうものなんですね。』


「いいですかリン子様。
毎日どれだけの投稿が…

うわあああ!!!」


『え? どうしました?』


「日間8位に入っとるウうううう!!!!!!」


『あ、はあ。
良かったですね。』


やれやれ、今日も進展のない1日だった。
少しは日常に起伏が欲しいんだけどな。





◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇




【名前】

遠市・コリンズ・リン子・厘


【職業】

便所紙
ホステス
パチンコ台

神聖教団 大主教
東横キッズ
詐欺師


【称号】

淫売
賞金首


【ステータス】 (地球上にステータス閲覧手段無し)

《LV》 24
《HP》 温存中
《MP》 温存中
《力》  メスガキ
《速度》 神出鬼没
《器用》 ライジング・カード!
《魔力》 悪の王器
《知性》 奸佞邪智
《精神》 絶対悪
《幸運》 天佑

《経験》 1億0096万0423

本日取得  0
本日利息 1887万8778

次のレベルまでの必要経験値6681万1737


※レベル25到達まで合計1億6777万2150ポイント必要
※キョンの経験値を1と断定
※イノシシの経験値を40と断定
※うり坊(イノシシの幼獣)の経験値を成獣並みと断定
※クジラの経験値を13000と断定
※経験値計算は全て仮説



【スキル】

「複利」 

※日利24%
下4桁切り上げ 



【所持金】

8億2944万0783円


210万BTC
  ↓
251万BTC  (下4桁切り上げ)


85万XRP (下4桁切り上げ)
 ↓
106万XRP


85万SOL (下4桁切り上げ)
 ↓
106万SOL


※ユーロ・ポンド・ルーブル・バーツ・ペソ・ドルも保有。
※ユーロ・ポンド・ルーブル・ドルの保管権を孝文・j・Gに付与。
※仮想通貨の運用権を孝文・j・Gに付与。
※米国債・タイバーツ・フィリピンペソの保管権を児玉繭子に付与。



【残り寿命】

141万8500日 (下4桁切り上げ)
  ↓
176万8500日 



【所持品】

Maison Margiela ショルダーバッグ 白
Archi Diorリング ホワイトゴールド×ダイヤモンド
ティファニー ビクトリア  グラジュエイテッド ネックレス



【約束】

〇古屋正興     「異世界に飛ばして欲しい。」
 飯田清麿     「結婚式へ出席して欲しい。」
〇         「同年代の友達を作って欲しい。」
          『100倍デーの開催!』
×         「一般回線で異世界の話をするな。」
          『世襲政権の誕生阻止。』
〇後藤響      「今度居酒屋に付き合って下さい(但しワリカン)」
          「大阪を滅ぼさないで下さい!!!」
          「空飛ぶ車を運転します!」
 江本昴流     「後藤響を護って下さい。」
          『遠市王朝の建国阻止。』
×弓長真姫     「二度と女性を殴らないこと!」
×         「女性を大切にして!」   
〇寺之庄煕規    「今度都内でメシでも行きましょう。」
×森芙美香     「我ら三人、生まれ(拒否)」
×中矢遼介     「ホストになったら遼介派に加入してよ。」
          「今度、焼肉でも行こうぜ!」
〇藤田勇作     『日当3万円。』
〇堀田源      「トイレコインの使い方を皆に教えておいて。」
〇山田典弘     「一緒にイケてる動画を撮ろう。」
〇         「お土産を郵送してくれ。」
          「月刊東京の編集長に就任する。」
 楢崎龍虎     「いつかまた、上で会おう!」
×警視庁有志一同  「オマエだけは絶対に逃さん!」
          「オマエだけは絶対に守る!」
×国連人権委員会  「全ての女性が安全で健(以下略)」
〇安宅一冬     「浅草寺周辺を一緒に散策しましょう。」
 水岡一郎     「タックスヘイブンの利用・移住をしないこと。」
×平原猛人     「殺す。」
          「鹿児島旅行に一緒に行く。」
          「一緒にかすうどんを食べる」
 車坂聖夜Mk-II   「世界中の皆が笑顔で暮らせる、優しい世界を築く」
×今井透      「原油価格の引き下げたのんます。」
          「小麦価格の引き下げをお願いします」
〇荒木鉄男     「伊藤教諭の墓参りに行く。」
 鈴木翔      「配信に出演して。」 
×遠藤恭平     「ハーレム製造装置を下さい。」
〇         『子ども食堂を起ち上げます。』
          「紙幣焼却によりインフレを阻止する。」
〇田名部淳     「全財産を預けさせて下さい!」
          「共に地獄に堕ちましょう。」
 三橋真也     「実は配信者になりたいので相談に乗って下さい。」 
〇DJ斬馬      『音楽を絡めたイベントを開催する際、日当10万で雇用します。』
 金本宇宙     「異世界に飛ばして欲しい。」
 金本聖衣     「同上。」
 金本七感     「17歳メインヒロインなので旦那との復縁を手伝って。」
〇天空院翔真    「ポンジ勝負で再戦しろ!」
          「再戦するまで勝手に死ぬな。」
〇小牧某      「我が国の防諜機関への予算配分をお願いします。」
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〇坊門万太郎    「天空院写真集を献納します!」
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 桂川風香     「以下同文」
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          「アメリカ経済を破綻させないように努力する。」
 古河槐      「jetの救済をお願い。」
 カミーラ・B   「perape-ra♪」
 故バーゼル卿   「perape-ra!」
〇有村拓我     「福田魁との連絡を取る。」
×福田魁      「男らしゅうせー!」 



 金本光戦士    「どんな危機からも必ず救い絶対に守る。」


 古河槐      「シンママで産む」


◎木下樹理奈    「一緒に住ませて」


×松村奈々     「二度と靴は舐めないにゃ♥」
〇         「仲間を売るから私は許して♥」
×         「ウンコは便器の中にするニャ♪」
          「未来永劫ずっと一緒♥
          ずっとずっとずっとずーーと×∞
          厘を守ってあげるね♥」


◎鷹見夜色     「ウ↑チ↓を護って。」
〇         「カノジョさんに挨拶させて。」
〇         「責任をもって養ってくれるんスよね?」


×ヒルダ・コリンズ 「芋羊羹…。」
          「王国の酒…。」
          「表参道のスイーツ…。」 
×         「ポン酢で寿司を喰いに行く。」


 土佐の局     「生まれた子が男子であればリイチ。
          女子であればリコと命名する。」


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ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。 しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。 ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。 激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず
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久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。 見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は? 異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。 鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

クラス転移して授かった外れスキルの『無能』が理由で召喚国から奈落ダンジョンへ追放されたが、実は無能は最強のチートスキルでした

コレゼン
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小日向 悠(コヒナタ ユウ)は、クラスメイトと一緒に異世界召喚に巻き込まれる。 クラスメイトの幾人かは勇者に剣聖、賢者に聖女というレアスキルを授かるが一方、ユウが授かったのはなんと外れスキルの無能だった。 召喚国の責任者の女性は、役立たずで戦力外のユウを奈落というダンジョンへゴミとして廃棄処分すると告げる。 理不尽に奈落へと追放したクラスメイトと召喚者たちに対して、ユウは復讐を誓う。 ユウは奈落で無能というスキルが実は『すべてを無にする』、最強のチートスキルだということを知り、奈落の規格外の魔物たちを無能によって倒し、規格外の強さを身につけていく。 これは、理不尽に追放された青年が最強のチートスキルを手に入れて、復讐を果たし、世界と己を救う物語である。

異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!

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神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。 しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。 身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。 そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!

書道が『神級』に昇格!?女神の失敗で異世界転移して竜皇女と商売してたら勇者!聖女!魔王!「次々と現れるので対応してたら世界を救ってました」

銀塊 メウ
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書道が大好き(強制)なごくごく普通の 一般高校生真田蒼字、しかし実際は家の 関係で、幽霊や妖怪を倒す陰陽師的な仕事 を裏でしていた。ある日のこと学校を 出たら目の前は薄暗い檻の中なんじゃ こりゃーと思っていると、女神(駄)が 現れ異世界に転移されていた。魔王を 倒してほしんですか?いえ違います。 失敗しちゃった。テヘ!ふざけんな! さっさと元の世界に帰せ‼ これは運悪く異世界に飛ばされた青年が 仲間のリル、レイチェルと楽しくほのぼの と商売をして暮らしているところで、 様々な事件に巻き込まれながらも、この 世界に来て手に入れたスキル『書道神級』 の力で無双し敵をバッタバッタと倒し 解決していく中で、魔王と勇者達の戦いに 巻き込まれ時にはカッコよく(モテる)、 時には面白く敵を倒して(笑える)いつの 間にか世界を救う話です。

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魔王様、世界征服より晩ご飯ですよ! 食品メーカー勤務の平凡な社会人・橘陽人(たちばな はると)は、ある日突然異世界に召喚されてしまった。剣も魔法もない陽人が頼れるのは唯一の特技――料理の腕だけ。 侵略の真っ最中だった魔王ゼファーとその部下たちに、試しに料理を振る舞ったところ、まさかの大絶賛。 「なにこれ美味い!」「もう戦争どころじゃない!」 気づけば魔王軍は侵略作戦を完全放棄。陽人の料理に夢中になり、次々と餌付けされてしまった。 いつの間にか『魔王専属料理人』として雇われてしまった陽人は、料理の腕一本で人間世界と魔族の架け橋となってしまう――。 料理と異世界が織りなす、ほのぼのグルメ・ファンタジー開幕!

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