俺は普通の高校生なので、

雨ノ千雨

文字の大きさ
145 / 793
1章 魔法少女とは出逢わない

1章19 starting the blooming! ⑤

しおりを挟む

「それにしても。まさかジブンの知らないところでマナのお乳がいいように弄りまわされていただなんて……、一生の不覚……っ! ネコ妖精失格ッス!」

「いいように……? よくわかんないけど、私が触らせてもらう方が多いよ? 七海ちゃん可愛いからついぎゅぅーってしたくなっちゃうんだけど、あんまりしすぎると七海ちゃん真っ赤になってシュンってなっちゃうの。それも可愛いんだけどお風呂だからのぼせちゃうといけないかなって」


 弥堂はギョッとして水無瀬を見る。

 飼い猫を止めるはずの飼い主が何気なくとんでもないことをぶちまけてきたそのズレっぷりに、これはいよいよ収拾不可能になるのではと危惧する。


「おい、少年っ! Bまでは許してやるッス! でも本番はまだマナには早いッス! そこはきちんと節度を守れよッス!」

「私のも触っていいよーって七海ちゃんに言うんだけどね? やっぱり七海ちゃんシュンってなっちゃって。それがすっごく可愛いからね、七海ちゃん見てるうちに私ものぼせてきてポーってなっちゃうの。それでなんだかよくわかんなくなってきて――」

「――聞いてるんスか? マナはジブンが毎日地道にセクハラをしてじっくり育ててるんス! それをポッと出のオマエのような馬の骨が簡単にしっぽりデキると思うなよッス! でも万が一至す場合には是非ジブンにも見学を――」

「――おい水無瀬。ボーっとしてるな。こいつをなんとかしろ。纏わりついて来て鬱陶しい」

「――へ? あ、ごめんねっ。メロちゃんたまにこうなっちゃうの」

「……お前も大概だぞ」

「ハッ――⁉ まさかっ⁉ もうすでに貫通済みという可能性も⁉ これはいけないッス!」


 犬の様に息の荒くなったネコ妖精を水無瀬が抱っこして回収するが、一度興奮したケダモノはそれではおさまらない。

 水無瀬の腕の中でジタジタするとスルっと腕を抜けて水無瀬の股間周辺をうろうろしながら鼻をフンフン鳴らす。


「この匂いは――っ⁉ これは処女っ! ふぅ……、やれやれジブンの与り知らぬところで散らされているかと肉球から変な汁が出るとこだったッス……」

「メロちゃんよしよし。よくわかんないけど大丈夫だよ?」

「んなぁ~ごッス。へへっ、すまねえッスなマナ。心配かけたッス」

「ううん。大丈夫だよ」

「さぁて、少年。実は折り入って相談があるんスが……、ちとこっちへ……」

「……なんだ」


 落ち着きを取り戻したネコは弥堂を角の方へ誘う。水無瀬がぽへーっと見守る中で、弥堂は顔を顰めながら一応着いていった。


「へへっ、そんな嫌そうな顔すんなッスよ。少年を男と見込んで大事な頼みがあるんス」

「……一応聞くだけは聞いてやる」

「これはッスね、もしもの話なんスが。あくまでもしもッスよ?」

「うるさい。さっさと言え」

「うむッス。もしも、少年がマナと至す機会があったらなんスけど……」

「至す? なんの話だ?」

「そんなのコレに決まってんだろ! 童貞かよッス!」


 自身のしっぽで輪を作り、その中心を前足でズポズポしてみせる下品なネコに弥堂は軽蔑の眼差しを向けた。


「もしも、そんな機会があったらッスね。是非とも映像に残して頂きたいと、ジブンはそう願っているのです」

「……なんだと?」

「だからぁ。ハ〇撮りッスよ、ハ〇撮り。どうかその時は撮影して頂いてですね、そのデータを何卒ジブンに……」

「お前はイカレてるのか?」

「至って正気ッス! 至って本気で至して欲しいと、そう考えてるッス! 出来れば生放送して欲しいッスが、マナの気持ちも考えるとそこまでの贅沢は言えねえッス。動画データで我慢するッス!」

「水無瀬の気持ちを考えるならお前は今すぐ自害するべきだ。というか、そんな機会はない。俺におかしな期待をするな」

「まぁまぁ、そう言わずに……」


 呆れた声で断る弥堂に対して、メロは卑屈な笑みを浮かべると何やらゴソゴソと毛皮を漁りだした。


「ここはひとつ、どうかこれで。ひとつ、どうか……」

「なんだこれは?」


 まるで役人に賄賂を渡す小悪党のような仕草で自分の手に何かを握らせてきたネコに不快そうに眉を歪める。


「まぁまぁまぁ。まずはブツを見てみてくだせぇッス。もしも気に入ってもらえたならその時はどうぞよしなに……うぇっへっへっへ」

「? 一体何を…………なんだこれは?」


 手を開いて渡された物を見るとそこにあったのは、ミミズのような大きさの先端が尖った紐状に見える物体だったが、どこかナマモノ臭がする。


「へへ、トカゲの尻尾っス! さっきここに来る前に、その辺をチョロチョロしてやがったから摑まえて千切ってやったッス! 獲れたてフレッシュなトカゲの尻尾っス!」


 無邪気に残酷な本能を持つ狩猟生物の貢物に、ビキっと口の端が吊ったことを弥堂は自覚した。


 すぐさまネコの首根っこを摑まえてその口に獲れたてフレッシュなゴミを捻じ込んでやった。


「ぶふぉぉっ⁉ いひゃまひおっ⁉」


 何やらもごもごと言っているが無視をして辺りを見回すと足元にゴミ箱が転がっていることに気付く。

 即断即決で手に持った小動物を叩き込み蓋を閉じる。


 ガンガンと中で暴れる音が聴こえるが一切無視をして、昨日と同様に路地の奥目掛けて、より多くの苦痛を与えるためにゴミ箱の下側からインフロント気味に叩いて浮き球を送り込んだ。


「ギャアアァァァァァーッス!」


 少し色気をだしてカーブをかけようとしたが、球体ではないゴミ箱はそのせいでおかしな軌道を描き、横壁と地面にぶつかってガンガン跳ね返りながら消えていった。


「メ、メロちゃあぁーーーーんっ!」


 それを追いかけようとした水無瀬だが、走り出す寸前に腕から提げたリュックに気付き、弥堂の元へやってくる。


「あ、弥堂くんゴメンね。またちょっと持っててもらってもいい?」


 それを何となく流れで受け取ってしまった弥堂は、路地の奥へと走っていく水無瀬の背中を数秒眺めてからハッとなって手に持ったリュックを見る。


「……まさか戻ってくるまで待っていろということか?」


 もちろんあの彼女にそんな意向はないのだろうが、邪魔くさいネコを強制退場させて昨日のように帰ろうと画策したのに、余計に面倒なことになってしまったとうんざりとした心持ちになる。


『あいつ足が遅そうだし時間がかかりそうだな』と、いっそここにリュックを置いて帰ってしまおうかと考えていると、その予測は裏切られることになる。


「――ぃゃぁあああああーーーっ!」


 さっき路地の奥に走っていった水無瀬が、全力疾走でこちらへ向かってきている。

 酷く慌てた様子で何かから逃げているように見えた。


「ブハハハハハーっ! 逃げろ逃げろーっ! 愚かなニンゲンめぇーっ! ブハハハハハーっ!」


 彼女の背後を見てみると、先程逃走していったはずの悪の幹部ボラフが、どこから調達してきたのか新たなネズミのゴミクズーに跨って高笑いをしながら水無瀬を追い回していた。

 よく見ればネズミの足元には弥堂が蹴り飛ばしたゴミ箱があり、まるで玉乗りをするようにして中身入りのゴミ箱を回して走っている。


「とぅっ――!」


 いよいよ先頭を走る水無瀬が弥堂に迫ったところで、ボラフの声に合わせてネズミが跳躍し、頭上を飛び越えて進路の先へ着地をした。


 ネズミに蹴られたゴミ箱は加速し水無瀬に迫る。


 弥堂は仕方ないと溜め息を吐き、ちょうど間近に来た水無瀬の襟首を掴んでゴミ箱の進路から逸らし、ついでに中身入りのゴミ箱を外方へ蹴り飛ばした。

 ゴミ箱は壁に衝突して爆裂四散し、中から目を回した生ゴミが排出される。


「あ、ありがとう弥堂くん――メロちゃーん!」


 礼を述べてすぐに飼い猫の元へ駆け寄っていく水無瀬を尻目に、弥堂は舞い戻ってきた敵を視線で捉える。


「ブハハーっ! いつからゴミクズーは1体だと錯覚をしていたー!」


 新たな化けネズミの上で踏ん反り返るボラフから僅かに視線を逸らし水無瀬を見る。


「メロちゃん大丈夫っ?」

「ォ、オエェェェェッス……気持ち悪ぃッス。毛玉吐きそうっス」


 暢気に飼い猫の介抱をしている彼女に舌打ちをする。


「水無瀬」

「えっ? ――あぁっ⁉ そんな! ゴミクズーさんがもう一人っ⁉」

「……お前ら絶対遊んでいるだろう」


 逃走をしたはずの敵が新たな仲間を引き連れて再登場というピンチのはずだが、どうにも締まらない。


「ブハハハハっ! どうやらオマエもここまでのようだな! ステラ・フィオーレっ!」

「くぅっ! マナっ! こうなったらもう一度変身ッス!」

「うんっ! わかったよ、メロちゃん!」


 そして水無瀬は胸元に手を遣り、一戦目の焼き直しのようにハッとなるとこちらへ視線を向けてきた。


「……だから首から提げておけと言ったんだ」

「えへへ。ごめんね弥堂くん。Blue Wishをとってもらってもいい?」

「おらよ」


 ぶっきらぼうな返事をして弥堂はリュックごと水無瀬の方へ下手で放ってやる。


 水無瀬は両腕を伸ばして放物線を描きながら落ちてくるリュックを見上げ、前へフラフラ、左右へヨタヨタと動き、後ろへワタワタしたところで予定調和のように踵を滑らしてバランスを崩す。

 背後へ倒れかける彼女の両腕をすり抜けて落ちてきたリュックサックが顔面に着地をし、そのショックで水無瀬はひっくり返った。


「ふびゃっ⁉」

「なんとぉーッス!」


 後頭部から路面に落ちそうになる水無瀬の頭とアスファルトの間にネコ妖精が身体を滑り込ませた。


「ぶにゃっ⁉」


 潰されながらも身を挺して飼い主を守り切ったが、元々チャックが完全に閉まっていなかったのか、落下のショックでリュックサックの中身がいくつか外に放り出される。

 その中でも肝心の物である変身ペンダントがツーっと路面を滑り化けネズミの前で止まった。


「ご、ごめんねっ、メロちゃん。だいじょうぶっ⁉」

「ジ、ジブンなら平気っス。それよりもBlue Wishが……」


 飼い猫の肉球の指し示す方へ目を遣ると、ゴミクズーは自身の眼前に現れた変な物を不思議そうに見て、鼻先で突きフンフンっと鼻息を漏らす。


 そしてパクっと口の中に入れて飲み込んだ。


「あぁーーーーーーーーっ⁉」
「にゃんだとぉーーーッス⁉」

「あ、こら、変な物を食べちゃいけません」


 揃って指を差し驚くぽんこつコンビの視線の先で、何故かボラフは「ペッしなさい! ペっ!」と化けネズミの頭を引っ叩いていた。


 ネズミは一切意に介さずどこか上機嫌そうにチチチっと喉を鳴らしてから水無瀬とメロに顔を向ける。


 その目の中に弥堂は赤い光を視た。


 駆けだす。


「へっ?」
「にゃ?」


 状況を呑み込めていない水無瀬を有無を言わせずに肩に担ぎ、続いてリュックとネコ妖精を乱暴に回収するとすぐに踵を返した。


 ゴシャァっと地面が抉れる音が後ろ髪に触れた気がする。しかし一切構わずに全力で走る。


「うおぉぉぉっ⁉ な、なんだ? オマエ急にどうした⁉」


 悪の幹部の慌てたような声を聞き流しながら、心臓に火を灯す。

 一瞬で全身の熱をレッドゾーンまで持っていき、路面を蹴るようにして踏み、反発で速度を叩き出す。


(だが――)


 チラリと背後を視る。


 スタートで多少の距離のアドバンテージは稼いだが、元のスペックが違う。


(――どこまで逃げられるか)


 耳元の耳障りな二つの悲鳴を意識の外に追いやる。


 とりあえずは走りながらでも打開策を見出すしかない。


 一瞬で一転してかなりの窮地に陥ったが、やれるだけのことはやるしかない。


 それをやり切ってなおどうしようもないのなら、それは運がなかったと諦めもつくだろう。


 スピードを殺さずに角を曲がる。

 ぶつかりそうになった壁を蹴り飛ばして無理矢理進路を補正した。


 肩に担いだ水無瀬のスカートが風に揺れて顔に掛かる。


 舌打ちをしながらそれをどかして腹いせに彼女の尻を引っ叩いてやった。


 こんなことを今考えても仕方がないが――


(――どうしてこうなった)


 思わず顏が天を仰ぎそうになるのを自制して、正面に視線を固定する。


 こうなった理由はわからずとも、化け物を殺すことは出来ずとも、足を動かすことは出来る。


 まだ死んでいないのだから。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

ダンジョン冒険者にラブコメはいらない(多分)~正体を隠して普通の生活を送る男子高生、実は最近注目の高ランク冒険者だった~

エース皇命
ファンタジー
 学校では正体を隠し、普通の男子高校生を演じている黒瀬才斗。実は仕事でダンジョンに潜っている、最近話題のAランク冒険者だった。  そんな黒瀬の通う高校に突如転校してきた白桃楓香。初対面なのにも関わらず、なぜかいきなり黒瀬に抱きつくという奇行に出る。 「才斗くん、これからよろしくお願いしますねっ」  なんと白桃は黒瀬の直属の部下として派遣された冒険者であり、以後、同じ家で生活を共にし、ダンジョンでの仕事も一緒にすることになるという。  これは、上級冒険者の黒瀬と、美少女転校生の純愛ラブコメディ――ではなく、ちゃんとしたダンジョン・ファンタジー(多分)。 ※小説家になろう、カクヨムでも連載しています。

キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。

たかなしポン太
青春
   僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。  助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。  でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。 「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」 「ちょっと、確認しなくていいですから!」 「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」 「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」    天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。  異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー! ※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。 ※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。

異世界帰りのハーレム王

ぬんまる兄貴
ファンタジー
俺、飯田雷丸。どこにでもいる普通の高校生……だったはずが、気づいたら異世界に召喚されて魔王を倒してた。すごいだろ?いや、自分でもびっくりしてる。異世界で魔王討伐なんて人生のピークじゃねぇか?でも、そのピークのまま現実世界に帰ってきたわけだ。 で、戻ってきたら、日常生活が平和に戻ると思うだろ?甘かったねぇ。何か知らんけど、妖怪とか悪魔とか幽霊とか、そんなのが普通に見えるようになっちまったんだよ!なんだこれ、チート能力の延長線上か?それとも人生ハードモードのお知らせか? 異世界で魔王を倒した俺が、今度は地球で恋と戦いとボールを転がす!最高にアツいハーレムバトル、開幕! 異世界帰りのハーレム王 朝7:00/夜21:00に各サイトで毎日更新中!

隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする

夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】 主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。 そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。 「え?私たち、付き合ってますよね?」 なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。 「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。

処理中です...