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2章 バイト先で偶然出逢わない
2章37 5月6日 ②
しおりを挟む「――うぅ……、私の事務所で悪の取引が行われてしまいました……」
メソメソと泣く御影所長を置いて、弥堂はメロと福市博士を連れて廊下に出る。
そうしてやってきたのは同じビルの2Fにある空き部屋だ。
ガンッと靴底を叩きつけてドアを蹴破る。
バキンっと折れてブラブラするドアノブを博士はジッと見た。
「スマンのぅ、ネエちゃん。ウチのアニキには鍵という概念は難しくてわからんのや」
「あ、いえ……。なんかもうこれくらい今更というか……?」
三下子分ムーブを続けているメロが博士を気遣うが、彼女は「気にしていない」と苦笑いをする。
「入れ。ここが今日からお前のヤサになる」
「あ、はい……」
弥堂にそう言われて博士は部屋の中を覗いた。
長く使われていなかったのだろう。
部屋は少し埃っぽい。
サイズはオフィスとして使うには手狭で、一人で使うなら少し広すぎる――そんな部屋だった。
「も、もしかして、私はここに住むんですか……?」
「当面はな」
弥堂は博士の肩を押して部屋の中に入れる。
そしてドアを閉めようとするが、今しがた壊したばかりのドアは閉まらずに隙間が出来てしまった。
弥堂は揺れるドアノブをジッと視る。
すると、入り口近くに使いかけのガムテープが置かれていることに気が付いた。
そのテープをビッと引っ張ってドアとドア枠に貼り付ける。
無事にドアが閉まったことに弥堂は満足げに頷き、自身も部屋の中へと進んだ。
「スマンのぅ、ネエちゃん。ウチのアニキ義務教育受けてないんや。大目に見たってぇや」
「い、いえ……」
弥堂の振舞いを見てとっても気まずそうな顔をしていた博士にメロがフォローのようなものを入れる。
弥堂はメロの後ろ頭を引っ叩いた。
「ぁいたぁーッス⁉」
「お前その喋り方やめろ。ヤクザじゃあるまいし。俺は普通の高校生だ」
「ウソだと思うだろ? マジでこんなバケモンが一般市民ヅラして普通に高校通ってるんッス。ホラーッスよね」
「えぇ……」
メロの言葉に博士がドン引きする。
弥堂は何か言ってやりたくなったが、無視して話を進めることにした。
「絶対にこのビルから一歩も出るな――とまでは言わないが、お勧めはしない。特にほとぼりが冷めるまでは。自分の立場はわかっているだろう?」
「そ、それは……、はい……」
「とりあえず当座の資金はやる――おい、寄こせ」
「ヘイ! アニキ!」
メロの両手には荷物が持たれている。
片方は紙袋。もう片方は先程佐藤から受け取ったケースだ。
メロはそのアタッシュケースの方を弥堂へと手渡す。
弥堂はそのケースを開けようとして――
――開け方がわからず、すぐにイライラすると黒鉄のナイフを抜く。
そしてそのナイフをケースの継ぎ目にぶっ刺して、無理矢理抉じ開けた。
「――ウオォォッス⁉」
「こ、これは……⁉」
すると、ケースの中身が床に零れ落ちる。
それは幾つもの札束だった。
「こ、これって一個100万円ってことッスか……⁉」
「多分な。札束がいくつあるか数えろ」
「ヘヘッ……、ウヘヘ……ッ」
弥堂に命じられると何故かキャッシュに興奮した悪魔が涎を垂らしながら数を数え始める。
「アニキ! 15ッス! 15個あるッス! 15100万円ってことッスか⁉」
「なんでだよ。1500万だろ」
「こ、これ、タワマン買えるんじゃ……⁉」
メロはお目めに“¥”を浮かべると「んんっ」と喉の調子を整えて、弥堂のアニキに擦り寄った。
「も、もぅ、お兄さんったらぁ……。今日なんかめちゃくちゃカッコよくない? なぁーんか、一皮むけたってゆーかぁ? 死線を超えたってゆぅーかぁ? アタシィ、ドキドキしちゃ――ぁいたぁーッス⁉」
弥堂は金に媚びる邪悪な女児にデコピンを喰らわせて黙らせる。
「これっぽっちでタワマンなんて買えるか」
「え? これって一生遊んで暮らせねェの?」
「こんなもんすぐに無くなる」
「なぁんだぁ……」
メロはシュンっと肩を落として、トボトボと所定の位置に戻った。
弥堂は床の上で重ねられた札束を視て、鼻を鳴らす。
昨夜からの事件の調査、そして今日弥堂から話を聞いて佐藤はボーナスの査定をしたように言った。
だが、彼はこのケースを渡す前に一度も開けていない。
今日ここに来る前に用意した報酬を増額も減額もしていない。
その上で――
『――150%だよ』
「よく言うぜ、タヌキオヤジが」
やはり油断のならない男だと改めて確認した。
そこで思考を切り替え、弥堂は落ちている札束を3つ拾って、それを博士に投げ渡す。
「わわわ……っ⁉」
あまり運動の得意でない博士は2つ取り落とした。
「引っ越し祝い、入居祝い、就職祝い……、別に何でもいいが。とりあえずそれだけあればある程度必要な物は揃うだろ」
しゃがんでお金を拾う博士の頭にそう言葉を掛ける。
立ち上がった博士は微妙な顔をしていた。
「とりあえずというか、十分すぎると思います。でも……」
「この建物と周辺について少し説明しておく」
「え? あ、はい……」
博士は弥堂に聞きたいことがあるが、彼は自分の話だけを進める。
性格上、彼女はそれを遮ってまで自分の話をすることは出来なかった。
「この新美景駅の周辺は、北と南でワルどものナワバリが別れている」
「え? ワル……?」
「北は外人街。海外マフィアの拠点だとでも思っておけ。こいつらは今回お前を狙った犯罪者どもを手引きした連中だ。つまり、敵。わかるな?」
「てき……、はい……」
「南は皐月組のナワバリだ。これは地元のヤクザだな。そしてこのビルの所有者であり、さっきの事務所のヤツらや清祓課とも関係がある。俺ともな」
「つまり、味方……? あれ、でも……」
一つ理解をし、代わりに次の疑問に気が付いた博士に弥堂は頷いてみせる。
「そうだ。このビルは北口にある」
「そうですよね。どうして……」
「このビルのある区画だけは例外で、こっちのシマだ。清祓課や御影にとって何か重要な土地らしい。それ以上は俺も知らない」
「あの、それって安全は……」
「この区画は清祓課、御影、皐月組の息のかかった連中が企業や個人店などを装って物件を埋めている。何かあった時にすぐに動かせる防衛戦力として」
「なるほど……」
「次にこの探偵事務所と、さっきの女についてだ」
「えっと、所長さんのことですよね……?」
博士はさっき別れたばかりの御影所長を頭に浮かべる。
とても穏やかで優しそうで、今弥堂から聞いたようなキナ臭い話とは全くの無縁の人物のように思えた。
「このビルには彼女が経営する『御影探偵事務所』以外にもいくつかの企業の看板が出ている。だがその全てはペーパーカンパニーだ。どれも実態はない」
「え――?」
「このビルはな。御影 都紀子――さっきの女と恐らくこの土地自体を護る為、そのためだけに用意されているモノだ」
弥堂の言葉に博士は驚く。
「あ、あの、もしかしてどこかのVIPとか、そういう……?」
「そんな感じじゃないか? あの女を殺すことは、どっかの国の王族を殺すのと同じようなこと。語弊はあるが、それくらいに思っておけ」
「こ、殺すなんて、そんな……」
「直接手を出すことだけが問題じゃない。『御影 都紀子』というのは本名じゃない。あの女がお人好しだからって油断して素性を聞いたりなんかするなよ。あいつ自身はあのまんまの人物だが、周辺はそうじゃない。敵対行動と見做していきなり殺しにくるかもしれんぞ」
「ひ、ひぇぇぇ……」
「お前は今国際的に重要な立場の人物かもしれんが、ここの連中にとっては彼女の方が優先度が高い。気を付けろよ」
「は、はい……」
とんでもない所に連れて来られてしまったと博士は涙目になった。
「あの、所長さんのこと――彼女が重要人物として護られているというのはわかったんですが……」
「あぁ」
「彼女以外にこの土地も重要というのは、どういうことなんですか?」
「…………」
その問いには弥堂は少し考える。
だが上手い説明が思いつかなかったので、そのまま答えることにした。
「それは俺にもわからん。調べていない」
「え?」
「俺は特に怪しまれやすい人間だ。だから調べないようにしている」
弥堂の説明は博士にはまるで理解出来ないものだった。
彼女が理解出来ないことは弥堂にもわかっている。
「恐らく。『この土地が何故重要なのか』、それを調べるだけで敵対行動と見做される。多分な」
「そ、それって……?」
「さぁ? その理由を調べることも同様だ。『世界』にはな、たまに居るんだ。尋常の理屈が通じないイカレた連中が」
「…………」
博士の知る限り最も頭のイカレた男がこう言うくらいなのだから、相当に触れてはいけない禁忌なのだろうなと、彼女は思い知った。
「だが、そういったタブーに触れさえしなければこのビルと――所長の近くは、この美景市でトップ5に入るくらいの安全地帯だ。お前にとっては都合がいいだろう?」
「それは、そうかもですね……」
「だから理解する必要はない。そういうものだと思っておけば、普通に生活は出来る」
「わかりました……」
「それに、所長――あの女自身はただのお人好しのバカだ。だから簡単に取り入ることが出来る。このビルの上階に彼女の仮住まいがある。便所は各フロアにもあるが、風呂だのはそこで借りろ。ちょっと困ってるフリをしてやればすぐに騙せる」
「ふふ……、もう。そういう言い方ばっかりするから怪しまれちゃうんですよ?」
「かもな」
弥堂の言動に慣れてきたのか、博士はクスクスと笑いながら窘める。
それを弥堂は肩を竦めてやり過ごした。
そして次の注意事項へ。
「次はお前自身のことだ」
「あ、はい」
「さっきの佐藤の口ぶりでわかったろうが、お前は昨夜死んだ。そういうことになっている」
「……はい」
わかってはいたことだが、改めて言葉にされたことで博士の表情は曇る。
やはり愛苗の時と同じで、弥堂はただ淡々と事実を並べていくだけだ。
「アメリカと日本の間でそういうことになった。だが、今回襲撃犯を嗾けてきた連中が、すぐにそれを信用することはないだろう。連中はお前を探す」
「そう、ですよね……」
「そしてこのビルの外に出れば、そんな連中の根城のすぐ近くだ」
「実質、私は外には出られないということですか……」
「当面はな」
沈鬱に溜息を漏らす彼女に弥堂は肩を竦める。
「どちらにしても時間の問題だ」
「どちら、というのは?」
「お前が見つからなくて連中が諦め、ほとぼりが冷めれば今度は現存のアムリタとその製法にヤツらの興味が向くだろう。そうすれば別にコンビニに行くことくらいは出来る」
「…………」
「しかし、それは短期的な話でもある。連中が諦めても諦めなくても、いつかはどこかで見つかる。その可能性は常に付き纏う。それもわかるな?」
「はい……」
博士の返事は暗いものだ。
しかし、それでも優秀な研究者で大人なだけのことはある。
先日愛苗に言って聞かせた時よりも話が速くて楽だと、弥堂は心中で苦笑いをした。
「だから、いつどっちに転ぼうとも、最も安全な場所に置く。簡単な話だろ?」
「それは、そうかもしれませんが……。でも、その時はここの方々にご迷惑なんじゃ……」
「あいつらはどっちみち外人街と敵対している。お前が居ようが居なかろうが、そんなことは関係なく。だから連中の弱みになるモノ。若しくは連中の上前を撥ねるようなモノ。その手のモノはむしろ歓迎なんじゃないのか?」
「なんというか……、いえ。むしろその方が気が楽かもしれませんね」
見も蓋もない弥堂の言い様に博士は笑う。
笑うしかなかったのかもしれない。
「それにここの人間はお前を裏切らない。そういうシノギをしていることもそうだし。そして、裏切れない」
「裏切れない?」
「そうだろ? 一度お前を受け入れてしまったんだ。アメリカにお前の生存を報せることは十中八九ない。隠してお前を匿う。もう手を引くことは出来ない」
「あ、あの……、わざとそういう風に陥れたんですか?」
「そんなわけない。偶然と成り行きだ」
恐ろしいモノを見るような目をする博士に、また肩を竦めてみせる。
当然、内心は違う。
(ここにお前が存在し続ける限り、お前が俺の握る脅迫材料になる……)
その為に、各国に身柄を狙われる憐れな女性を御影所長に押し付けたのだ。
郭宮家や御影家、そして清祓課も――
それを全力でフォローせざるを得ないだろう。
その秘密を守るためには、彼らは弥堂に――彼の周辺に手を出しづらくなる。
「というわけでさっきも言ったが、お前は御影所長を盾にしていれば当面は安全だ。適当に事務を手伝ってやれば彼女は満足するだろうし、お前も安全な寝床が手に入る」
「そう、ですね……」
「金は、まぁ、アメリカの研究員をやっていた時ほどは貰えないだろうが、食う分には困らないだろう。不満か?」
「いえ、元々無趣味でそんなにお金を使う性分でもないですし……。だから貯金が貯まりっぱなしで、それを下ろせば……」
「お前はバカか」
「え?」
御影所長は事務所の運営資金に困っている様子だった。
だから当面は無理に給料を払って貰わなくても――と、博士は気を遣ってそう言うつもりだった。
しかし、弥堂には呆れた眼を向けられてしまう。
「少しは考えろ。銀行の取引の履歴なんか増やしたら、アメリカから“G.H.O.S.T”が飛んでくるぞ」
「あ――」
「銀行口座もそうだが、今まで所有していた全てのアカウントへのアクセスもやめろよ。一発でバレるぞ」
「そ、そうですよね……っ。迂闊でした……」
それは考えてみれば簡単なことで、うっかりしていたと博士は恥ずかしそうに身を縮こまらせる。
しかし、そんな博士に呆れた眼を向ける弥堂に対して、メロも呆れた目を向けた。
「オマエってスマホもロクに使えないくせに、こういうことに関してだけは頭が回るよなッス……」
「うるさい黙れ」
熟達した犯罪者はパワハラで女児を黙らせる。
そして話を纏めに入った。
「とりあえず当座はそんなところだ。理解できたか?」
「は、はい……、えっと、私は探偵事務所の事務員として大人しく生活すればいいってことですよね……?」
「そうだ。何か質問があるなら言え」
「…………」
福市博士は目を伏せ、少し考える。
彼に訊きたいことならある。
小さなものから大きなものまで。
しかし、それよりももっと以前に――
彼女は今回自分の身に起きたこの事件を、どう受け止めればいいのかがまだわかっていなかった。
情報も心も、まだ何も整理がついていないのである。
『探偵事務所で事務員となって身を隠しながら生活する』
弥堂の指示。
その内容と、理屈はわかる。
聡明な彼女には理解することは簡単だ。
だが、それ以前に――
何故そうしなければいけないのかがわからない。
日本からも、アメリカからも、他の勢力からも、身を隠して生きる。
それは別に彼女が望んだことではない。
それというのも、そもそもの話だ――
“賢者の石”の開発者である福市 穏佳の身柄を強奪しようとしていたのは、アメリカや日本に敵対的な国が用意したテロリストたちである。
そのテロリストたちは実際のところ、博士の護衛に付いていた“G.H.O.S.T”の戦力を上回っていた。
イレギュラーなことはあったが、それは事実である。
そして、そのテロリストたちを撃退したのは弥堂だ。
だからその点で、弥堂が彼女をテロリストたちから守ったということになる。
それは紛れもない事実であろう。
しかし――だ。
アメリカは違う。
アメリカや“G.H.O.S.T”は別に博士の身柄を不当に拘束していたわけではない。
本国からずっと護衛に付いてくれていたのだ。
その“G.H.O.S.T”をテロリストの残党と一緒になって壊滅させ、そして日本の“G.H.O.S.T”のような立場の“清祓課”と裏取引のようなことをして、自分をここに攫ってきた。
弥堂のこの行いを、福市博士はどのように思えばいいのかがわからなかった。
かといって、彼の指示に逆らうという選択肢もない。
それをした場合、彼が自分をどう扱うかというのはもうよくわかっている。
だから――
だから、せめて――
「――あの、訊いてもいいですか……?」
「なんだ?」
「あの……、どうして、こんなことをしてくれるんですか……?」
――彼がどう思っているのかだけでも、それだけでも訊いておこうと思った。
弥堂は不可解そうに眉を歪める。
「どうして?」
「その……、正直に言うと、『してくれる』と、そう表現していいものかどうかもわからないんです」
「俺はお前が何を言っているかがわからないな」
「だから、その……、教えてください……! 私は、アナタに救われたんですか……? それとも、攫われたんですか……っ⁉」
「…………」
彼女が他人に対してあまり強くモノを言えない人だということは弥堂にもわかっている。
そんな彼女が精一杯瞳に力をこめて、切実に声を張って問いかけてきた。
弥堂は宙空を見上げ、少し言葉を探した。
実際、彼女が何を言いたいのかは弥堂にはわからない。
これから重要な話を彼女にするので、一応相手にしてやるかと少し考えてみる。
だけど、やはりわからない。
だから、とりあえず思いついたことをそのまま言ってみることにした。
「あー……、あれだ。お前、なんか言ってただろ。ホテルで」
「私、ですか……?」
「あぁ。目的がなくなって、何で“賢者の石”の研究をアメリカで続けているのかわからないって」
「え……? あっ――」
博士はハッと思い出す。
それは確かに自分が口にして、彼に聞かせた言葉だった。
福市 穏佳は元々日本で生まれ、日本で育ち、そして“がん治療”を学ぶためにアメリカの大学へ進学した。
そして在学中に特大の成果を出したことで現地で博士号を与えられ、そのままアメリカの研究機関へと囲われた。
しかし、彼女の発明したものは彼女が目指したものとは少し違う方向へと発展・進化していき、がんを完治させるという目的には辿り着かない。
そうしている内に、彼女が治したかった祖母は亡くなってしまい、博士は失意のまま惰性で研究を続けていた。
何の為に、何を目指しているのかわからないまま。
「俺も似たような経験がある。目的がなく、だが生きることは続けねばならない……。それは辛く……、はないが、なんだ? なんかイライラする。そうだな?」
「え? えっと、はい……?」
「適切な言葉がわからん。だが、気持ちはわかる。とりあえずムカつくよな?」
「ムカつくって……、ふふ……、あはは……っ。そうですね。むかついちゃいますね……」
「だから、なんだ……? その、とりあえず攫ってみた。どういうことだったのかは自分で決めろ」
「そんな無責任な……。でも、そうか……、わたし……」
彼女が思っていた閉塞感は実のところそこまで深刻ではなかったかもしれない。
確かに、何のために続けているのかはわからなかった。
それなのに、自分の立場ばかりがどんどんと分不相応に高くなっていってしまい、どこにも逃げられないのではないかと不自由を感じていた。
だけど、それは何処の国の、どんな仕事をしていても感じるような不満で、誰もが口にするような愚痴でもあった。
決して周辺を皆殺しにしてでも抜け出したいと、そんな大それたことを考えていたわけではない。
だけど――
「――わたし……、いま、自由なんだ……」
実感なく、自身の両手を見下ろしてみる。
そこに答えはない。
それでも、なにかじんわりと沁みて、身を浮かすものがあるような気がした。
確かに自分はこんなつもりではなかった。
だが、かといって、以前までの生活をずっと続けていてもそこに幸せはなかっただろう。
今回の事件を切り抜けてアメリカに帰っていたとしても、今後ずっと同じように狙われ続けるのだ。
きっと、ずっと息苦しいまま、自分が何故頑張っているのかもわからないままで、誰のためかもわからない研究をし続けることになっていただろう。
たくさんの人の生命が犠牲になったことは、それだけは肯定することは出来ない。
これからもずっと。
とはいえ、いくら非難したとて、無かったことには出来ないのだ。
昨日の今日で、非常に不謹慎だし不誠実で、さらに図々しいことではあるが――
しかし、現実問題として、事実として――
一旦それを、『もう起きてしまったこと』と、そうさせてもらえるのならば――
今の自分の現状はそう悪いものではないのではないかと、福市博士はそんな風に思えた。
以前までのように、自身の思惑や感情とは別に、必ずしなければいけないことはない。
確かに生活に色々と制限はあるだろう。
だけど、それはどんな生活をしていたとしても、誰もが同じ条件だ。
それなら――
ここで簡単な事務仕事を熟しながらゆっくりと自分を見つめ直し。
自分自身が何か興味を向けられるものを見つけ。
それから、それを探求していく。
そんな高尚なものが見つからなかったとしても、これまで余裕がなくて出来なかったが、何かささやかな趣味のようなものをして生きていく。
そんな暮らしも悪くはないのではないだろうか。
もう世界中に注目をされるような重圧に晒されなくてもいい。
少なくとも、最低限の衣食住と安全は保障されているというのだから。
だったら、今度は、これからは――
せめて自分の為に――
自分の幸福を求める――それはどんな状況でも、誰にでも、人として許されたことのはずだ。
それなら――
「――あ、あの……、わたし、いいんでしょうか……? これから……、自由にしても……っ」
「あぁ。もちろん――」
少し浮ついたような表情で期待を瞳に滲ませる福市 穏佳に対して、弥堂 優輝はやはり変わらない。
いつも通りの無表情で、しかし当たり前のことのように――
「――いいわけねえだろ」
――そう言い放った。
「………………え?」
ビシッと――博士の表情が固まる。
そんな彼女を無視して弥堂は顔だけ振り返らせる。
「おい――」
「――ヘイッ! アニキ……ッ!」
すると、すっかりと弥堂の手下ムーブが板についてきたメロが前に出てくる。
この部屋に置きっぱなしにされていた事務机に、自宅より持参してきた紙袋をドンッと置いた。
積もっていた埃が盛大に舞って、メロと博士はくしゃみをする。
「……さっさと出せ」
「ヘ、ヘイ……ップシィ……ッ!」
汚い場所に耐性のある弥堂が苛立ちながら命令をすると、メロは紙袋の中身を取り出して机に並べた。
「こ、これは……?」
目の前に出された物を見て、博士は困惑する。
メロが出した物は植木鉢が2つと、小さな革袋だった。
弥堂がその革袋を開けて、中身を机の上に出す。
それは何かの種のように見えた。
弥堂は事件後、華蓮さんの部屋で2時間ほど仮眠をとり、それから朝早くに愛苗ちゃんの病室を訪れた。
そこで主にエアリスと必要な相談を終えて、それから寝ぼけ眼のネコさんを徴収する。
そうして自分は一人で南口の名前の無いBARへと向かった。
そこでアレックスたちと落ち合い、約束通りに福市博士を引き取る。
その間に、メロは弥堂の自宅アパートに赴き、この植木鉢や種を回収した。
そして二人は合流し、探偵事務所へと乗り込んだのだった。
「なにか育ててる……?」
よく見ると、植木鉢からは草のようなものが生えている。
だが元気がないように見える。
今にも枯れてしまいそうだった。
「あの……? なんですか? これ……」
「わからないか?」
「え?」
「わかるんだろ? お前には。視れば、それがどういうモノなのか……」
「ま、まさか……」
弥堂の物言いに博士はイヤな予感を覚え、植木鉢から伸びる草を凝視する。
その彼女の横顔に弥堂は語り掛ける。
「お前のその眼――或いは感覚は“加護”だ」
「ライセンス……?」
「そうだ。恐らく錬金や調合、それか生成……。そういった類のチカラ。ただ目に写すだけで、それがどういうものなのか。それをどうすれば自分の創りたいものが出来るのか。それが何となくわかる。『世界』がそれをお前に許している」
「そ、そんなの……」
そんな意味のわからないことがあるわけがない――
そう否定しようとするが、出来なかった。
何故ならちょうどそのタイミングで、この植物がどういうものなのか直感的に理解してしまったからだ。
「――こ、これ……、なんで……、アムリタの……」
「多分お前らがアムリタと呼ぶモノの原料となる植物。お前が品種改良して開発したというそれと同一……、ではないだろうが、極めて似通ったモノ。そうだな?」
「…………」
博士は目を大きく見開いて、弥堂の顔を見る。
頷きも、頭を振りもしなかったが、その表情が答えを物語っていた。
「これはとある辺境の地域で『魔力草』と呼ばれていたモノだ」
「まりょく……?」
「魔力を増強させるクスリの原料。まぁ、そのままだな」
「それって、どこのことですか……?」
「言ってもわからないし、二度と行けないくらい遠いところさ」
弥堂は博士の問いをはぐらかし、自分の話を進める。
「もう察しがついていると思うが、これは俺が持っていた小瓶に入っていたクスリの原料となる植物だ」
「や、やっぱり……」
「そしてそのクスリはカルトの魔術師が使用したクスリと非常に似通ったモノでもある。お前はこれらを纏めて『何故アムリタを持っている』と俺に訊いたな?」
「…………」
何か高速で思考を回しているのか、博士は呆然としたまま動かない。
弥堂はその耳元に囁きかける。
「アメリカが秘匿して独占しているはずの“賢者の石”。お前が創ったモノ。その実態はコレだ」
「……『私のアムリタ』、誰が……」
小さく、だが確かに、博士はそう呟いた。
「ところで、俺は偶然こいつの種をいくつか持って日本に帰ってきちまったから、試しに自分で育ててみたんだ」
「え……?」
「しかし見ての通り、俺じゃ上手く育てられなくってな……」
博士はそれを聞きながら植木鉢の植物をもう一度見る。
そして、ハッとした。
ようやく気付いたようだと、弥堂は肝心な本題を彼女に告げる。
「お前ならこれを育てられるよな?」
「ま、まさか――ッ⁉」
答えはもうわかりきっている。
だが最後の悪あがきか、博士はそれを弥堂に訊ねる。
決定的なことを言われてしまうのはわかっているのに――
弥堂の態度はやはり変わらない。
当たり前のことのように口にする。
「――お前にはここで、ヤクの密造をしてもらう」
「な――っ⁉」
それはやはり、わかっていた答えだった。
しかしそれでも、博士は絶句してしまう。
弥堂はただ、冷酷な眼で淡々と告げる。
その眼は昨夜と変わらない――大勢の人を殺した眼だ。
「俺はお前の生命を助け、お前を解放してやった。だから、これからは精々俺の役に立てよ」
「そんな……」
「役に立たない者、裏切る者――そいつらを俺がどう扱うか……、昨夜嫌という程見たよな?」
自由に指をかける寸前から一転――福市博士の顔は一瞬で絶望に染まり、膝から崩れる。
しかし、前のめりに倒れる直前で彼女は机に手を着き、ギリギリのところで踏みとどまった。
「で、でも――」
「あ?」
頼りない抵抗を続ける。
「せ、設備が……、せめて最低限のものがないと……」
「安心しろ――」
弥堂は言いながら机の上にアタッシュケースの金を全てぶちまける。
その眼はやはり他人に安心を促せる類の眼つきではなかった。
「必要なものをリストアップしろ。全て揃えてやる」
「で、でも……、アメリカの機関にしかない専門的なものも……」
「それも含めて手に入れてやると言っているんだ。よく考えろ。難しいですと言われて、それで俺が取り下げると思うか?」
「そ、それは……」
「それに――」
弥堂は博士に近寄り彼女の肩に手を置くと、再び耳元に囁いた。
「――ムカつかねえか?」
「え――?」
「お前が、祖母を救うために生み出したものを。彼女が居なくなった後も作らされ続けたものを……」
「あ……っ」
「それを不当に横流しして、あんなクソッタレなクスリに変えやがったクズがいるんだぞ? 何人も。たんまりと儲けただろうな。お前がおばあちゃんを助けるために作ったクスリを勝手に改造して、それで何人もぶっ殺して……」
「あぁ……っ」
「もう一度聞くぞ? 『ムカつかねえか?』」
「…………っ」
博士は何も答えない。
だが、その瞳に確かに昏い光が宿ったのを視て、弥堂は身体を離した。
博士は机に手を着いたまま固まってしまった。
だから、それは無意識の行動なのだろう。
ただ、なんとなく、お金を乱雑に散らばしていてはいけないと――
特に考えた行動というわけもなく、一つ机から拾ってケースに仕舞おうとする。
その瞬間――
「――受け取ったな?」
「え――」
弥堂のその声が聴こえると同時に、彼女を激しい光の点滅が襲った。
「ゲキシャ御免……ッス!」
それはメロが持つカメラのフラッシュだ。
ここに来る前にコンビニで買ってもらった使い捨てカメラを連射し、メロは博士を撮影しまくる。
軽快なステップで様々なアングルから被写体をフレームに収め、そしてズザァーっと床を滑って彼女の足の間に寝転がり、ついでにパンチラもゲットした。
「ふぅ~っ。イイ仕事したッス……」
やがて満足したメロは額の汗を拭いながら撮影を終える。
「あ、あの……?」
「これでお前も共犯だ」
「え?」
「証拠もおさえた。もう逃げられないぞ」
「あ……」
今しがた撮影された写真に写ったもの。
それに写っているのは札束を手にした自分。
先程の佐藤と同じだ。
これを見た他人がどう思うか。
この時にようやく博士は完全に理解し、諦めた。
自分は悪魔に囚われてしまったのだと――
今度こそ膝から崩れ落ちて、床に蹲って泣きだしてしまう。
そんな彼女の姿を、悪魔が同情的な目で見た。
「オマエ、このために裏切りまくったんッスか?」
そして、今回の事件の最中の弥堂の立ち回り――その真意を訊ねてみる。
弥堂は何を聞かれているのかわからないと、首を傾げた。
「裏切った? 誰を?」
本気で言ってそうなその態度に、メロは寒気を覚えて訊いたことを若干後悔する。
だが、訊いてしまった以上はもう止まれない。
「い、いや! 裏切っただろ⁉ なんていうか、出会った人全員を……ッ!」
「言いがかりはよせ。俺は誰も裏切ってなどいない」
「ムリがあるッス!」
「ない。何故なら俺は、“推し変”をしただけだからだ――」
「…………はい?」
『この人何言ってんの?』といった風にメロは固まってしまう。
床に蹲って号泣していた博士も思わず反応して、地球外生命体を見るような目を弥堂へ向けた。
「いいか? “清祓課”にしろ、“G.H.O.S.T”にしろ。単発では報酬がデカイかもしれないが、昨日のような仕事はそうそうない。それに頼った生活は不安定だ」
「…………」
『どの口で安定した生活などと』と二人は思ったが声が出なかった。
「しかし、ヤクは安定した定期収入になる」
それをいいことにこのクズ男は、世界中のどこの国でも軽蔑されるようなとても犯罪的な言葉を堂々と言った。
「安定した定期収入があった方が、幸せの総量は多い。それは誰だってそうだ。だからそれを選んだ方が幸せになれると俺は判断した」
「…………」
「自分が幸せになる為なら“推し変”は許される。むしろ積極的に行うべきだと俺の上司が言った。彼は信頼出来る優秀な男だ。だから間違いがない」
「え、えぇっと……、するってぇと、つまり……?」
既に彼が何を言っているかわからなかったし、先を聞きたくなかったが、メロは義務感から続きを促してやった。
弥堂は力強く頷く。
「つまり。俺は“清祓課”から“G.H.O.S.T”へ推しを変え、そして最終的にはこの女を推しにした」
「推し……」
推しとは決してそのようなものではなかったはずだと、メロは考え込んでしまう。
メロにとっての推しとは大好きなパートナーであり家族でもある愛苗ちゃんだ。
決してヤクを密造できるお姉さんではない。
メロがフリーズしたので弥堂はギロリと推しを睨む。
「おい。俺がお前を推してやるから、お前は俺の役に立って俺を幸せにしろよ」
「こ、こまりますぅ……」
「だが勘違いするな。最推しは別にいる。調子に乗るなよ?」
「…………」
デビューしていないのに、なんならその予定もないのに、厄介ファンにロックオンされてしまった憐れな女性は恐怖に震える。
だが、この男は付き合ってないのにギャルと付き合っていると自由自在に思いこむことが出来る怪物だ。
常識は通用しない。
「その為にどうすればいいか。わかってるな? 定期的に提供しろ。ヤクというコンテンツを――」
「……それは推し活じゃねェッス……、恐喝ッス……」
弥堂の“殺し文句”に博士はゴーンっと白目を剥き、メロはなんとかツッコミを絞り出した。
弥堂はもう二人から興味を失う。
今回はバイトに来たのだ。
その目的は当然、金だ。
「ふん、外人街のゴミどもめ。せいぜい頑張ってコツコツと販路を広げていろ。こっちには加護持ちの創ったヤクがある。そのシノギを根こそぎ乗っ取ってやる」
力強く犯罪計画を供述するご主人に、メロはむしろ同情的な目を向けた。
「オマエはロクな死に方しねェッス……」
当然そんな言葉が通じる相手ではない。
「だろうな。だが今回は生き残った。だから最低でもあと一回。次の戦場までは行ける」
「そッスか……」
それに――
「次で、決着がつくだろう……」
「え? 誰と?」
なにか話の方向が変わったような気がしてメロは目を丸くする。
しかし、弥堂は適当に肩を竦めてはぐらかした。
「さぁな。だが、そろそろ姿を見せるんじゃないか? チョロチョロとシッポをチラつかせていた、ネコが――」
「ん……? ネコ……? えっ⁉ ジ、ジブン始末されるの……⁉」
今回はイジメる側だと思って完全に油断していたメロは、唐突に殺意を仄めかされたとショックを受ける。
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