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第2×
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ルチアは、食事を手早く済ませ、8人分の食器を洗う。
義娘は、小学校へ行き、夫が、3歳の息子を保育園へ連れて行く。
8人分の洗濯物は、1回では全て洗えない。毎日2~3回洗濯機を回して、何度も干しに行く。
夫の家は、代々農家を営んできた。広大な農地を持ち、昔は住み込みの小作人を雇っていたらしい。広大な屋敷は、母屋と二つの別棟、裏に設置されている蔵、農機を収納している倉庫がある。一日では、とてもじゃないけど隅々まで掃除をする事ができない。
家事に追われ、毎日あっという間に日が暮れる。
屋敷は義祖父が所有者として登録されている。光熱費も義祖夫が少ない年金から支払っているらしい。
電気や冷蔵庫、テレビ等の家電は光熱費削減の為、極力使わない様に言われている。
最低限の食材しかいれていない冷蔵庫を素通りして、ルチアは夕食を作る為に畑へ歩いて行った。
精米されていない米が蔵に山積みになっている。
畑には、旬の野菜が10種類以上栽培されている。
親戚から譲ってもらっているという数十個の卵が常備されている。
時折、仕事終わりに、義母が肉や魚を購入し冷凍庫へ入れている。
豊富な食材がある。
優しい夫がいる。喧嘩も無く、それなりに仲良く暮らしていると思う。
専業主婦として迎え入れられ、外へ働きに出る必要がなく、新鮮な食材で家族の為に料理を作る。望んだ暮らしをしているはずだ。
でも、ルチアは嫁いでから生活費を貰った事が一度もなかった。
近隣のスーパーまで車で20分かかる。ルチアには車がない。夫、義両親はそれぞれ車を持っている。ルチアだって運転免許を取得している。だけど、彼らは車を貸してくれない。
買い物は、義母が担当している。
ルチアは、何度か夫に生活費を貰えないか相談した。
夫は、難しい表情でルチアに告げてきた。
「僕は、農業で収入を得ている。収穫して納品した月に纏めて収入があるけど、それも農機具のローンや税金徴収の為にかなりの額を残しておかなければいけない。子供たちの学費も必要だからね。結婚前に、ルチアの事は食材に拘りがあって料理を、よくする人だからと紹介された。自由になる現金は少ないけれど、僕が作っている米は特Aの評価を受けた事がある一級品だし、畑の野菜は有機栽培を取り入れている。卵だって従弟の鶏卵場から新鮮な物を分けてもらっている。両親は会社員として働いているから、どうしても必要な物は彼らの月給から出して貰う事になっている」
「でも、私だって買いたい物があるの。車を貸してくれなくてもいい。ネットショッピングで注文してもいいわ」
「そうだな。父さんに相談してみようか?君に小遣いを渡せないか頼んでみてもいい。」
「そうじゃないの。私はただ、いつもの食事をもっと豪華にして、家族に満足してもらいたいから」
「ルチア。豪華な食事なんて必要ないよ。作って、食べて、感謝して生きていければ十分だ。僕は、君が嫁いできてくれて本当に感謝している。前の妻は、毎日の食事作りが苦痛だと言って出て行ってしまった。君の事を紹介された時に運命だと思ったよ。君の元夫は、食事を作らないで欲しいと言って別れたのだろう」
「ええ、私は毎日一生懸命作っていたのに、彼は…」
「僕の母は、料理が苦手でね。ずっと祖母が料理をしてきた。祖母が倒れて料理が出来なくなってからも、母は、家事から逃げるように仕事を続けてきた。君は毎日よくやってくれているよ。我が家には君が必要だ」
「本当に?でも、今朝もお義母さんに叱られたわ」
「母さんは、ああいう人だから。稲刈りが終わったら収入が手に入る。その時に君に現金を渡せないか考えるよ。いつもありがとう。ルチア」
「ええ、あなた」
私は必要とされている。間違っていない。大変だけど、辛いけどここには私を必要としてくれている家族がいる。
これでいいのよね。
きっと。
義娘は、小学校へ行き、夫が、3歳の息子を保育園へ連れて行く。
8人分の洗濯物は、1回では全て洗えない。毎日2~3回洗濯機を回して、何度も干しに行く。
夫の家は、代々農家を営んできた。広大な農地を持ち、昔は住み込みの小作人を雇っていたらしい。広大な屋敷は、母屋と二つの別棟、裏に設置されている蔵、農機を収納している倉庫がある。一日では、とてもじゃないけど隅々まで掃除をする事ができない。
家事に追われ、毎日あっという間に日が暮れる。
屋敷は義祖父が所有者として登録されている。光熱費も義祖夫が少ない年金から支払っているらしい。
電気や冷蔵庫、テレビ等の家電は光熱費削減の為、極力使わない様に言われている。
最低限の食材しかいれていない冷蔵庫を素通りして、ルチアは夕食を作る為に畑へ歩いて行った。
精米されていない米が蔵に山積みになっている。
畑には、旬の野菜が10種類以上栽培されている。
親戚から譲ってもらっているという数十個の卵が常備されている。
時折、仕事終わりに、義母が肉や魚を購入し冷凍庫へ入れている。
豊富な食材がある。
優しい夫がいる。喧嘩も無く、それなりに仲良く暮らしていると思う。
専業主婦として迎え入れられ、外へ働きに出る必要がなく、新鮮な食材で家族の為に料理を作る。望んだ暮らしをしているはずだ。
でも、ルチアは嫁いでから生活費を貰った事が一度もなかった。
近隣のスーパーまで車で20分かかる。ルチアには車がない。夫、義両親はそれぞれ車を持っている。ルチアだって運転免許を取得している。だけど、彼らは車を貸してくれない。
買い物は、義母が担当している。
ルチアは、何度か夫に生活費を貰えないか相談した。
夫は、難しい表情でルチアに告げてきた。
「僕は、農業で収入を得ている。収穫して納品した月に纏めて収入があるけど、それも農機具のローンや税金徴収の為にかなりの額を残しておかなければいけない。子供たちの学費も必要だからね。結婚前に、ルチアの事は食材に拘りがあって料理を、よくする人だからと紹介された。自由になる現金は少ないけれど、僕が作っている米は特Aの評価を受けた事がある一級品だし、畑の野菜は有機栽培を取り入れている。卵だって従弟の鶏卵場から新鮮な物を分けてもらっている。両親は会社員として働いているから、どうしても必要な物は彼らの月給から出して貰う事になっている」
「でも、私だって買いたい物があるの。車を貸してくれなくてもいい。ネットショッピングで注文してもいいわ」
「そうだな。父さんに相談してみようか?君に小遣いを渡せないか頼んでみてもいい。」
「そうじゃないの。私はただ、いつもの食事をもっと豪華にして、家族に満足してもらいたいから」
「ルチア。豪華な食事なんて必要ないよ。作って、食べて、感謝して生きていければ十分だ。僕は、君が嫁いできてくれて本当に感謝している。前の妻は、毎日の食事作りが苦痛だと言って出て行ってしまった。君の事を紹介された時に運命だと思ったよ。君の元夫は、食事を作らないで欲しいと言って別れたのだろう」
「ええ、私は毎日一生懸命作っていたのに、彼は…」
「僕の母は、料理が苦手でね。ずっと祖母が料理をしてきた。祖母が倒れて料理が出来なくなってからも、母は、家事から逃げるように仕事を続けてきた。君は毎日よくやってくれているよ。我が家には君が必要だ」
「本当に?でも、今朝もお義母さんに叱られたわ」
「母さんは、ああいう人だから。稲刈りが終わったら収入が手に入る。その時に君に現金を渡せないか考えるよ。いつもありがとう。ルチア」
「ええ、あなた」
私は必要とされている。間違っていない。大変だけど、辛いけどここには私を必要としてくれている家族がいる。
これでいいのよね。
きっと。
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