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限界離婚
傾き始める達磨
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義母の京香は相変わらず外出が多かった。毎晩外出し、時には明け方に帰宅する事もある様子だった。
鈴奈は、義母とのやり取りや、家事の負担が増えた事を夫の良とも相談をしたが、来週からは義父が退職するから我慢してくれと宥められる。
確かに、今は大変だが、義父が退職して家にいるようになれば変わるだろうと鈴奈は思った。
その週末、義父の広一が退職した。
京香がいない食卓で、退職祝いにと豪華な食事を並べた。
良が広一へ話しかける。
「父さん。お疲れ様。」
広一は良へ言った。
「ああ、ありがとう。良。鈴奈さんもこれからよろしく。」
鈴奈は良と広一が話している間、家事をしていた。
良は同居をすれば、家事や育児が楽になるし、家賃が浮くと言っていた。
だが、鈴奈の負担は確実に増えていた。
家事をしない夫と義父。
家事ができなくなった義祖母の文。
退職してから外出ばかりの義母の京香。
食費を義母が持っている筈だが、渡されることがない。京香は少ない金額で食費のやりくりしていた。
夫も義父も自宅にいる時は、勇太とよく遊んでくれる。
だけど、、、、、、
良が言う。
「来週から出張になりそうだ。ちょっとトラブルがあったらしくて今回は長くなりそうだ。父さん。前にも相談しただろう。鈴奈と勇太の事をよろしく頼むよ。」
鈴奈は今がタイミングかと思い言った。
「お義父さん。買い物に行く間、勇太を見ていただきたいです。大丈夫でしょうか?」
広一は言った。
「ああ、任せてくれ。そうだ。京香と話をしたんだが、食費を返そうとしない。とりあえずこれを鈴奈さんに渡しておくよ。足りなければまた言ってくれ。やっと退職したからな。しばらくは勇太と遊ぼうと思う。鈴奈さんも何か手伝える事があれば教えてくれ。」
広一は鈴奈に現金が入った封筒を渡してきた。
良が言った。
「母さんはどうしたのだろう。退職してからおかしいよな。」
広一は言った。
「なかなか話もできないし、金遣いが荒くなったようだ。今まで働いていたから家事もほとんど母に任せていたからな。もしかしたら、、、、」
良は言った。
「俺もほとんど、お祖母さんに育てられてから。父さんが決めたことに異論はないよ。母さんの鈴奈への対応もキツイと感じるし。」
広一は言った。
「京香も退職金や年金があるはずだ。貯金も別でしていたからな。離婚しても困る事はないだろう。」
同居したタイミングで義両親の別れ話が出るとは鈴奈は驚いた。義父の様子を見ると、以前から考えていたみたいだった。
リビングの引き出しを開けて義父は離婚届を出してきた。
引き出しには予備なのか数枚の離婚届が入っているようだ。
広一は言った。
「良はいつ出張から帰ってくる?」
良は返事をする。
「週末には帰るよ。たぶん金曜日になるかな。」
広一は言った。
「そうか。それまでに結論がでるだろう。悪いな、良。」
良は笑った。
「いいさ。父さんもお疲れ様。」
鈴奈は二人を見る。二人の奥に置かれている達磨がわずかに傾いているように見えた。
鈴奈は、義母とのやり取りや、家事の負担が増えた事を夫の良とも相談をしたが、来週からは義父が退職するから我慢してくれと宥められる。
確かに、今は大変だが、義父が退職して家にいるようになれば変わるだろうと鈴奈は思った。
その週末、義父の広一が退職した。
京香がいない食卓で、退職祝いにと豪華な食事を並べた。
良が広一へ話しかける。
「父さん。お疲れ様。」
広一は良へ言った。
「ああ、ありがとう。良。鈴奈さんもこれからよろしく。」
鈴奈は良と広一が話している間、家事をしていた。
良は同居をすれば、家事や育児が楽になるし、家賃が浮くと言っていた。
だが、鈴奈の負担は確実に増えていた。
家事をしない夫と義父。
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退職してから外出ばかりの義母の京香。
食費を義母が持っている筈だが、渡されることがない。京香は少ない金額で食費のやりくりしていた。
夫も義父も自宅にいる時は、勇太とよく遊んでくれる。
だけど、、、、、、
良が言う。
「来週から出張になりそうだ。ちょっとトラブルがあったらしくて今回は長くなりそうだ。父さん。前にも相談しただろう。鈴奈と勇太の事をよろしく頼むよ。」
鈴奈は今がタイミングかと思い言った。
「お義父さん。買い物に行く間、勇太を見ていただきたいです。大丈夫でしょうか?」
広一は言った。
「ああ、任せてくれ。そうだ。京香と話をしたんだが、食費を返そうとしない。とりあえずこれを鈴奈さんに渡しておくよ。足りなければまた言ってくれ。やっと退職したからな。しばらくは勇太と遊ぼうと思う。鈴奈さんも何か手伝える事があれば教えてくれ。」
広一は鈴奈に現金が入った封筒を渡してきた。
良が言った。
「母さんはどうしたのだろう。退職してからおかしいよな。」
広一は言った。
「なかなか話もできないし、金遣いが荒くなったようだ。今まで働いていたから家事もほとんど母に任せていたからな。もしかしたら、、、、」
良は言った。
「俺もほとんど、お祖母さんに育てられてから。父さんが決めたことに異論はないよ。母さんの鈴奈への対応もキツイと感じるし。」
広一は言った。
「京香も退職金や年金があるはずだ。貯金も別でしていたからな。離婚しても困る事はないだろう。」
同居したタイミングで義両親の別れ話が出るとは鈴奈は驚いた。義父の様子を見ると、以前から考えていたみたいだった。
リビングの引き出しを開けて義父は離婚届を出してきた。
引き出しには予備なのか数枚の離婚届が入っているようだ。
広一は言った。
「良はいつ出張から帰ってくる?」
良は返事をする。
「週末には帰るよ。たぶん金曜日になるかな。」
広一は言った。
「そうか。それまでに結論がでるだろう。悪いな、良。」
良は笑った。
「いいさ。父さんもお疲れ様。」
鈴奈は二人を見る。二人の奥に置かれている達磨がわずかに傾いているように見えた。
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