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限界離婚
不思議な部下
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良は、出張先に着いた。
今回の出張は、若い部下が大きなトラブルを起こしたと呼び出されたのだ。
引っ越しをしたばかりで、父も母と離婚を考えているらしい。
できれば、出張を断りたかったが、そういう訳にもいかなかった。
取引先の工場の確認・修繕を請け負った部下が、問題ないと報告した後で、工場を稼働させたら、液漏れが発生した。
ケガ人はいなかったが、使用している劇薬が漏れたため、工場を全て停止させることになっていた。
若い部下は、仕事ができないと同僚たちからも嫌煙されている人物だった。
報告書を提出していないのに提出したと言う。
取引先から伝えられた事を、報告しない。
下請けからは、勤務中に携帯ゲームをしていたとの話も聞いていた。
それでも、もう勤務して2年になる。営業職と一緒の現場だから大丈夫かと任せてみた途端問題を起こした。
部下に確認する。
「僕は手順通り、行いました。」
良は言った。
「ならなぜこんな事になる。」
部下は言う。
「それを僕に聞かれても分かりません。」
良は言った。
「報告書を見せてくれ、全工程で写真を撮る事になっているだろう。」
部下は言った。
「はい。写真を撮りました。」
良は言う。
「報告書もできているよな。」
部下は言った。
「できています。」
一緒に確認すると、報告書は作成できていなかった。写真も既定の半分以下しか撮影されていない。
本当に、工場の指定の場所を確認したのかも怪しかった。
一緒にいた営業マンも、険しい表情をしている。
今日の午後には取引先へ謝罪・報告へ行かなければならない。
問題があった箇所の修理もすぐにしなければならない。
良は頭が痛かった。
「これは、困るな。とにかく、できるだけ纏めないと。本社へ連絡が必要だ。あまりにも出来ていない。今回は損害が大きいから、、、」
良は鞄から仕事用の携帯電話を取り出そうとした。
その時、間違って私用の携帯電話を取り出してしまう。
良は、その携帯電話を机の上に置き、鞄の中に再度手を入れた。
「僕は、間違った事はしていない。報告なんて!」
その時、部下が良の私用の携帯電話を取り、窓へ向かって走って行き、外へ良の携帯電話を投げた。
呆気にとられ、良は声を掛けられなかった。
ガン、、、ポチャン
投げられた携帯電話は、窓の外で激しく衝突した後、深い水路に落ちて行った。
良は部下へ詰め寄る。
「おい!なにをする。」
部下は激高して言った。
「こんな会社辞めてやる。働いている人間を責めてくるなんておかしいだろ。」
そのまま、部下は出て行ってしまった。
営業マンが良に言う。
「丸田さん。どうしましょうか。」
良は言った。
「仕方がないだろ。私達だけで収拾をつけるしかない。上も大体の事を把握して動いてくれているから、とにかく、トラブルがあった箇所の再点検と補修を済ませないと、、、、。」
営業マンが言った。
「あれは、私用の携帯電話ですか?もう使えないのでは、、、」
良は言う。
「はあー。あんな行動を取るとは、信じられないな。とりあえず、回収しに行ってくるよ。」
溝に落ちていた携帯電話は、液晶画面が大きく割れており、水没していた。
電源も入らないし、SIMカードも反応しない。
すぐに、新しい携帯電話を買いたいが、時間がなかった。
良は自宅へ電話をかけた。
プルルルプルルルプルルル
「はい。丸田です。」
出たのは、祖母の文だった。
「御祖母さん。良だけど、父さんや鈴がいれば替わってくれないか?」
祖母の文は言った。
「今、ここにはいないみたいだよ。なにかあれば伝えるよ。」
良は言った。
「ああ、少しトラブルがあってね。携帯電話が壊れたんだ。今から会社の携帯電話の番号を伝えるから何かあればそっちに掛けるように言ってくれないか?」
祖母は言った。
「分かったよ。そうする。」
良は言う。
「電話番号は080・・・・・・。」
祖母は、メモに記入した様子だった。
良は尋ねた。
「皆変わりないかな。」
祖母は、笑いながら言った。
「ああ、元気にしているよ。なにも変わりない。」
高齢な祖母の文は最近足腰が衰え家事が難しくなっていると、父から聞いていた。
実家には、祖母の文、父の広一、母の京香、妻の鈴奈、息子の勇太が暮らしている。
なにかあっても、誰かが対処するだろう。
今回の出張は想像以上に大変だが、同居して良かったと電話を切りながら良は思った。
今回の出張は、若い部下が大きなトラブルを起こしたと呼び出されたのだ。
引っ越しをしたばかりで、父も母と離婚を考えているらしい。
できれば、出張を断りたかったが、そういう訳にもいかなかった。
取引先の工場の確認・修繕を請け負った部下が、問題ないと報告した後で、工場を稼働させたら、液漏れが発生した。
ケガ人はいなかったが、使用している劇薬が漏れたため、工場を全て停止させることになっていた。
若い部下は、仕事ができないと同僚たちからも嫌煙されている人物だった。
報告書を提出していないのに提出したと言う。
取引先から伝えられた事を、報告しない。
下請けからは、勤務中に携帯ゲームをしていたとの話も聞いていた。
それでも、もう勤務して2年になる。営業職と一緒の現場だから大丈夫かと任せてみた途端問題を起こした。
部下に確認する。
「僕は手順通り、行いました。」
良は言った。
「ならなぜこんな事になる。」
部下は言う。
「それを僕に聞かれても分かりません。」
良は言った。
「報告書を見せてくれ、全工程で写真を撮る事になっているだろう。」
部下は言った。
「はい。写真を撮りました。」
良は言う。
「報告書もできているよな。」
部下は言った。
「できています。」
一緒に確認すると、報告書は作成できていなかった。写真も既定の半分以下しか撮影されていない。
本当に、工場の指定の場所を確認したのかも怪しかった。
一緒にいた営業マンも、険しい表情をしている。
今日の午後には取引先へ謝罪・報告へ行かなければならない。
問題があった箇所の修理もすぐにしなければならない。
良は頭が痛かった。
「これは、困るな。とにかく、できるだけ纏めないと。本社へ連絡が必要だ。あまりにも出来ていない。今回は損害が大きいから、、、」
良は鞄から仕事用の携帯電話を取り出そうとした。
その時、間違って私用の携帯電話を取り出してしまう。
良は、その携帯電話を机の上に置き、鞄の中に再度手を入れた。
「僕は、間違った事はしていない。報告なんて!」
その時、部下が良の私用の携帯電話を取り、窓へ向かって走って行き、外へ良の携帯電話を投げた。
呆気にとられ、良は声を掛けられなかった。
ガン、、、ポチャン
投げられた携帯電話は、窓の外で激しく衝突した後、深い水路に落ちて行った。
良は部下へ詰め寄る。
「おい!なにをする。」
部下は激高して言った。
「こんな会社辞めてやる。働いている人間を責めてくるなんておかしいだろ。」
そのまま、部下は出て行ってしまった。
営業マンが良に言う。
「丸田さん。どうしましょうか。」
良は言った。
「仕方がないだろ。私達だけで収拾をつけるしかない。上も大体の事を把握して動いてくれているから、とにかく、トラブルがあった箇所の再点検と補修を済ませないと、、、、。」
営業マンが言った。
「あれは、私用の携帯電話ですか?もう使えないのでは、、、」
良は言う。
「はあー。あんな行動を取るとは、信じられないな。とりあえず、回収しに行ってくるよ。」
溝に落ちていた携帯電話は、液晶画面が大きく割れており、水没していた。
電源も入らないし、SIMカードも反応しない。
すぐに、新しい携帯電話を買いたいが、時間がなかった。
良は自宅へ電話をかけた。
プルルルプルルルプルルル
「はい。丸田です。」
出たのは、祖母の文だった。
「御祖母さん。良だけど、父さんや鈴がいれば替わってくれないか?」
祖母の文は言った。
「今、ここにはいないみたいだよ。なにかあれば伝えるよ。」
良は言った。
「ああ、少しトラブルがあってね。携帯電話が壊れたんだ。今から会社の携帯電話の番号を伝えるから何かあればそっちに掛けるように言ってくれないか?」
祖母は言った。
「分かったよ。そうする。」
良は言う。
「電話番号は080・・・・・・。」
祖母は、メモに記入した様子だった。
良は尋ねた。
「皆変わりないかな。」
祖母は、笑いながら言った。
「ああ、元気にしているよ。なにも変わりない。」
高齢な祖母の文は最近足腰が衰え家事が難しくなっていると、父から聞いていた。
実家には、祖母の文、父の広一、母の京香、妻の鈴奈、息子の勇太が暮らしている。
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