【完結】限界離婚

仲 奈華 (nakanaka)

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限界離婚

紛失した通帳

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良は、自宅へ帰り、父の携帯電話の充電をした。倒れた時に父は携帯電話を胸ポケットに入れたまま搬送されたらしい。

ベッドの横の床頭台の引き出しに、充電が切れた携帯電話が入っていた。充電が終わる間、良は、父に頼まれた貴重品の確認に向かった。

父の広一と母の京香の仲は、冷え切っていた。

丸田家の金庫の開け方について、良は父から聞いていた。母は金遣いが荒い所があり、父は財布を別にして管理していたらしい。母には金庫の開け方を伝えないように良は言われていた。

金庫の中を確認すると、祖母の預金通帳、父の預金通帳が複数出てきた。どうやら金庫の中は無事らしい。

リビングに移動して、父の引き出しを開ける。その中に入っているはずの生活費の通帳が見当たらなかった。父が母に渡した離婚届もどこにもない。

まさかと思ったが、どうやら父の疑惑は現実らしい。強盗が入っていないと分かった今、母が通帳を持って出て行ったとしか考えられなかった。もしかしたら既に父と母は離婚が成立しているのかもしれない。

良は、鈴奈の署名が入った離婚届を思い出しゾッとした。


良は、電源が入った父の携帯電話を起動させた。父から教えてもらった暗証番号を入力し、電話帳を開く。

そこには妻鈴奈の携帯電話番号と、妻の実家の電話番号が乗っていた。

良はほっとした。きっと鈴奈とすぐに連絡が取れる。そう思った。



さっそく、鈴奈に電話をかける。


プルルルルプルルルル。


鈴奈は、電話に出る気配がない。


何度か電話をかけて、良は諦めた。


なにか事件に巻き込まれたとか、、、、




次に、良は鈴奈の実家に電話をかけた。

鈴奈の実家の電話はすぐにつながった。

「はい、真田です。」

鈴奈の父が電話に出た。

良は言った。
「お義父さん。丸田良です。鈴奈がそちらに帰っていないでしょうか?」



義父は暫く無言で何かを考えた後、言った。
「・・・・・・・・・・。良君。鈴奈は今入院しているよ。」




良は驚き、声を失った。
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