34 / 40
限界離婚
忘れたはずの思い
しおりを挟む
写真には、数人の女性がホストに取り囲まれて笑っている光景が映っていた。
中央にホスト姿の徹が映っている。その徹に寄り添うように笑っているのは、あの京香だった。
派手な化粧に、真新しい服、ネックレスやピアスは輝いている。
麗奈は、その女性を指さして徹に聞いた。
「ねえ、この人は?」
徹は言う。
「ああ、京香さんね。最近よく店に来る人だよ。退職金があるとか言っていたけど、もうかなりの金額を店で使っている。沢山彼氏がいて昔からいろいろ貢がれていたって。それなりに身だしなみに気を遣っているけど、もう年だろ。誰も本気にしていないけどね。」
麗奈は言った。
「この人よ。父を騙したのは、、、、」
麗奈の父は遺書を残して亡くなった。結婚すると言われた女が家の貴金属や通帳を盗んで消えたと書かれていた。その遺書には京香の名前までは書いていなかったが、麗奈は京香の事だと確信していた。
麗奈は父が亡くなった後、京香の事を訴えようと思った。だけど、証拠は何もない。祖父母宅を追い出された日しか、父と京香が一緒にいる姿を見た事がない。それに、京香は叔父の妻だった。援助してくれている家の者を訴える事なんてできない。
徹は驚いて言った。
「自殺した叔父さんの?でも、確か京香さんは結婚しているらしいよ。夫が急に老け込んで嫌になるってよく愚痴を言っているし。」
麗奈は、忘れたはずの怒りを思い出して、震えた。
この人さえいなければ、私は家を追い出される事がなかった。
この人さえいなければ、丸田家で家族と一緒に暮らせたかもしれない。
この人さえいなければ、元夫と結婚する事もなかったかもしれない。
この人さえいなければ、私は子供を産む事が、、、、、
「麗奈?大丈夫か?」
様子がおかしい麗奈に徹が優しく声をかけてきた。
その様子を静観していた高齢な菊が言う。
「徹。やっぱり仕事を変えないと。お前が、そんな女達の相手をする必要なんてない。私は、ここじゃなくてもいいから。」
徹は言った。
「お祖母ちゃん。やっと落ち着くところに入れたじゃないか。ここは新しいしサービスも整っているから生活が楽になったって言っていただろ。俺も、近くに住む場所が見つかったらもっと会いに来る。今住んでいる両親の遺産のマンションが売れそうだから、そのお金で新しい家を買うよ。そうだ。麗奈。施設管理者って言っていたよね。このあたりの住居は紹介者がいないと購入できないらしいけど、紹介してくれないかな?」
麗奈は、考え込んだようすで徹へ言った。
「紹介できない事はないわ。でも、この町の性質上住む人の職業がある程度選ばれるの。だけど、方法がないわけじゃない。」
そう、こんな事うまく行くはずがない。
だけど、もしあの女を丸田家から引き離せられるなら、
優しい祖母や叔父をあの女から解放できるかもしれない。
だから、麗奈は幼馴染の徹に依頼する事にした。
「マンションを徹に紹介するわ。必要ならこの町での仕事も紹介し、菊さんを入居費用の減免対象に選出するようにする。でもその代わりお願いしたい事があるの。」
麗奈は、徹に向かって妖艶に笑った。
中央にホスト姿の徹が映っている。その徹に寄り添うように笑っているのは、あの京香だった。
派手な化粧に、真新しい服、ネックレスやピアスは輝いている。
麗奈は、その女性を指さして徹に聞いた。
「ねえ、この人は?」
徹は言う。
「ああ、京香さんね。最近よく店に来る人だよ。退職金があるとか言っていたけど、もうかなりの金額を店で使っている。沢山彼氏がいて昔からいろいろ貢がれていたって。それなりに身だしなみに気を遣っているけど、もう年だろ。誰も本気にしていないけどね。」
麗奈は言った。
「この人よ。父を騙したのは、、、、」
麗奈の父は遺書を残して亡くなった。結婚すると言われた女が家の貴金属や通帳を盗んで消えたと書かれていた。その遺書には京香の名前までは書いていなかったが、麗奈は京香の事だと確信していた。
麗奈は父が亡くなった後、京香の事を訴えようと思った。だけど、証拠は何もない。祖父母宅を追い出された日しか、父と京香が一緒にいる姿を見た事がない。それに、京香は叔父の妻だった。援助してくれている家の者を訴える事なんてできない。
徹は驚いて言った。
「自殺した叔父さんの?でも、確か京香さんは結婚しているらしいよ。夫が急に老け込んで嫌になるってよく愚痴を言っているし。」
麗奈は、忘れたはずの怒りを思い出して、震えた。
この人さえいなければ、私は家を追い出される事がなかった。
この人さえいなければ、丸田家で家族と一緒に暮らせたかもしれない。
この人さえいなければ、元夫と結婚する事もなかったかもしれない。
この人さえいなければ、私は子供を産む事が、、、、、
「麗奈?大丈夫か?」
様子がおかしい麗奈に徹が優しく声をかけてきた。
その様子を静観していた高齢な菊が言う。
「徹。やっぱり仕事を変えないと。お前が、そんな女達の相手をする必要なんてない。私は、ここじゃなくてもいいから。」
徹は言った。
「お祖母ちゃん。やっと落ち着くところに入れたじゃないか。ここは新しいしサービスも整っているから生活が楽になったって言っていただろ。俺も、近くに住む場所が見つかったらもっと会いに来る。今住んでいる両親の遺産のマンションが売れそうだから、そのお金で新しい家を買うよ。そうだ。麗奈。施設管理者って言っていたよね。このあたりの住居は紹介者がいないと購入できないらしいけど、紹介してくれないかな?」
麗奈は、考え込んだようすで徹へ言った。
「紹介できない事はないわ。でも、この町の性質上住む人の職業がある程度選ばれるの。だけど、方法がないわけじゃない。」
そう、こんな事うまく行くはずがない。
だけど、もしあの女を丸田家から引き離せられるなら、
優しい祖母や叔父をあの女から解放できるかもしれない。
だから、麗奈は幼馴染の徹に依頼する事にした。
「マンションを徹に紹介するわ。必要ならこの町での仕事も紹介し、菊さんを入居費用の減免対象に選出するようにする。でもその代わりお願いしたい事があるの。」
麗奈は、徹に向かって妖艶に笑った。
3
あなたにおすすめの小説
サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします
二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位!
※この物語はフィクションです
流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。
当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。
🥕おしどり夫婦として12年間の結婚生活を過ごしてきたが一波乱あり、妻は夫を誰かに譲りたくなるのだった。
設楽理沙
ライト文芸
2026.1.4 73話見直した際、瑛士の台詞《本音/懺悔》を加筆しました。😇
☘ 累計ポイント/ 200万pt 超えました。ありがとうございます。
―― 備忘録 ――
第8回ライト文芸大賞では大賞2位ではじまり2位で終了。 最高 57,392 pt
〃 24h/pt-1位ではじまり2位で終了。 最高 89,034 pt
◇ ◇ ◇ ◇
紳士的でいつだって私や私の両親にやさしくしてくれる
素敵な旦那さま・・だと思ってきたのに。
隠された夫の一面を知った日から、眞奈の苦悩が
始まる。
苦しくて、悲しくてもののすごく惨めで・・
消えてしまいたいと思う眞奈は小さな子供のように
大きな声で泣いた。
泣きながらも、よろけながらも、気がつけば
大地をしっかりと踏みしめていた。
そう、立ち止まってなんていられない。
☆-★-☆-★+☆-★-☆-★+☆-★-☆-★
2025.4.19☑~
裏切りの代償
中岡 始
キャラ文芸
かつて夫と共に立ち上げたベンチャー企業「ネクサスラボ」。奏は結婚を機に経営の第一線を退き、専業主婦として家庭を支えてきた。しかし、平穏だった生活は夫・尚紀の裏切りによって一変する。彼の部下であり不倫相手の優美が、会社を混乱に陥れつつあったのだ。
尚紀の冷たい態度と優美の挑発に苦しむ中、奏は再び経営者としての力を取り戻す決意をする。裏切りの証拠を集め、かつての仲間や信頼できる協力者たちと連携しながら、会社を立て直すための計画を進める奏。だが、それは尚紀と優美の野望を徹底的に打ち砕く覚悟でもあった。
取締役会での対決、揺れる社内外の信頼、そして壊れた夫婦の絆の果てに待つのは――。
自分の誇りと未来を取り戻すため、すべてを賭けて挑む奏の闘い。復讐の果てに見える新たな希望と、繊細な人間ドラマが交錯する物語がここに。
初恋にケリをつけたい
志熊みゅう
恋愛
「初恋にケリをつけたかっただけなんだ」
そう言って、夫・クライブは、初恋だという未亡人と不倫した。そして彼女はクライブの子を身ごもったという。私グレースとクライブの結婚は確かに政略結婚だった。そこに燃えるような恋や愛はなくとも、20年の信頼と情はあると信じていた。だがそれは一瞬で崩れ去った。
「分かりました。私たち離婚しましょう、クライブ」
初恋とケリをつけたい男女の話。
☆小説家になろうの日間異世界(恋愛)ランキング (すべて)で1位獲得しました。(2025/9/18)
☆小説家になろうの日間総合ランキング (すべて)で1位獲得しました。(2025/9/18)
☆小説家になろうの週間総合ランキング (すべて)で1位獲得しました。(2025/9/22)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる