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2章 学園生活
5 お友達と、いじめっ子と、不審者状態の幼馴染
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魔法研究会……通称魔研。
入学2週目に魔研に入会したマリアベルの学園生活は、より充実したものとなっていた。
授業が終わってからは、魔研の仲間たちに会いにゆき、魔法の話に花を咲かせたり、実技を披露し合ったりする。
送迎の時間ついては、アーロンも部活動を再開したため、特に問題はない。
彼に送り迎えをしてもらっているマリアベルとしても、アーロンが部活に復帰してくれてほっとした。
まさか、自分のために帰宅時間を早めていただなんて、知らなかったからだ。
1つ気になる点があるとすれば、領地の守りなのだが――。そこも、マニフィカ家や国の努力により、どうにかなっている。
そもそも、マリアベルの入学が決定した時点で、マニフィカ領の守りが薄くなることはわかりきっていた。
マニフィカ家には馬車などないため、本来は入学と同時に寮暮らしが始まるはずでもあり。
マニフィカ領は、マリアベル不在の状態で領地を守れるよう、態勢を整えなおしていた。
ソルシエ王国からも兵が派遣され、マニフィカ領は、マリアベル頼りの状態から脱しつつあった。
ここに関しても、アーロンが、
「将来有望な彼女から、学ぶ機会を奪うべきではありません」
と、国に直談判したからなのだが、マリアベルはその事実を知らないままだったりする。
そんなこんなで、心配事も減り、仲間や友人もできたマリアベルは、学園生活を謳歌し始めた。
お昼休みを迎えたマリアベルは、お弁当を抱え、足取りも軽く中庭に向かう。
「コレット!」
「マリアベル様!」
マリアベルがたどり着いた先には、魔研でできた友人で、魔法特待仲間である、コレット・コルケットの姿が。
マリアベルが手を振ると、それに気が付いたコレットの表情が、ぱあっと華やぐ。
噴水前のベンチに座るコレットの傍らには、小さなバッグと水筒がおかれていた。
コレットは、平民の出身。彼女もマリアベルと同じで、学食にいくほどの余裕がないお弁当組なのだ。
二人の学年は同じだが、クラスは別。
彼女らは、魔研で出会って以来、こうして中庭で待ち合わせし、昼食をともにしている。
伯爵家のご令嬢と平民という組み合わせではあるものの、魔法特待同士、なんだか話しやすくて。
二人はすぐに、おかずやお菓子を交換し合う仲となった。
「これ、昨日とれた魔物の肉を焼いたものなんだけど……。よかったら、少し食べてみない?」
「いいんですか? お肉はあまり食べられないので嬉しいです! あの、私からは、よかったらこちらを……。昨日焼いたクッキーなのですが」
「ありがとう! コレットの作るお菓子、美味しいのよね~!」
魔物肉を入手する機会の多いマリアベルからは、肉のおかずを。
家でもよく料理をしていたというコレットからは、焼き菓子などをもらうことが多い。
女子同士できゃっきゃとする、平和で可愛らしい空間。
そんな彼女らを、少し離れた物陰から、じいっと見つめる者がいた。
マリアベルに片思いし続ける男、アーロン・アークライトである。
これまでのアーロンは、ミゲルがマリアベルの元へ向かうのを阻止するために昼休みを使っていた。
しかし、二人を引き合わせてしまった今、アーロンを止めるものはない。
マリアベルが学食奢りは気が引けるというのなら、自分がマリアベルに合わせ、弁当を持参すればいい。
そう考えた彼は、弁当を持ってくるようになったのだが……。
そのときには既に、マリアベルの隣にはコレット・コルケットがいた。
コレット・コルケットは、髪も瞳もピンクの、可愛らしい女の子だ。
愛らしい容姿と、貴族のご令嬢には少ない控えめな性格。
支援や回復に長けた、抜きんでた魔法の才。
コレットは、平民の身分でありながら、貴族の男子にも人気があった。
マリアベルと親しくなったことで、「あの二人の組み合わせ、いいよな……」などと言う男子も出始めたほどである。
「相手が男なら、なにがなんでも割り込むんだけどなあ……」
まるで不審者のように二人を覗き見ながら、アーロンは溜息をついた。
お弁当を持ってこそこそと女子二人を見つめる、微笑みの貴公子。武の名門の嫡男。
女子に見られたら、それなりに幻滅されそうな光景であった。
アーロンは、ずっとマリアベルのそばにいたからこそ、彼女が友人を欲しがっていたことを知っている。
せっかくマリアベルに友人ができたのに、男の自分がそこに割り込んでいくのは、なんだか気が引けた。
今日もアーロンは、女子二人に混ざることができないでいる。
――仕方がない、今日も一人で食べるか……。
と、アーロンが一人飯を覚悟し始めたころのことだった。
……ちなみに、アーロンにも友人はいるのだが、「女の子二人に混ざれないから、弁当持ってこっちに来ました!」などと話すのは流石に気が引けるため、大人しく一人で食事をとっている。
アーロンが隠れているのとは違う方向から、数名の女子がマリアベルたちに近づいていった。
「あれは……。クラリス・グラセス嬢か?」
マリアベルと同じクラスの、一年女子。
愛しのベル以外の女にはあまり興味がないアーロンだが、公爵家の嫡男として、各家の人間の顔と名前ぐらいはそれなりに把握している。
こつこつと威圧的に足音を立てながら、クラリスはマリアベルとコレットの前まで進んでいく。
入学2週目に魔研に入会したマリアベルの学園生活は、より充実したものとなっていた。
授業が終わってからは、魔研の仲間たちに会いにゆき、魔法の話に花を咲かせたり、実技を披露し合ったりする。
送迎の時間ついては、アーロンも部活動を再開したため、特に問題はない。
彼に送り迎えをしてもらっているマリアベルとしても、アーロンが部活に復帰してくれてほっとした。
まさか、自分のために帰宅時間を早めていただなんて、知らなかったからだ。
1つ気になる点があるとすれば、領地の守りなのだが――。そこも、マニフィカ家や国の努力により、どうにかなっている。
そもそも、マリアベルの入学が決定した時点で、マニフィカ領の守りが薄くなることはわかりきっていた。
マニフィカ家には馬車などないため、本来は入学と同時に寮暮らしが始まるはずでもあり。
マニフィカ領は、マリアベル不在の状態で領地を守れるよう、態勢を整えなおしていた。
ソルシエ王国からも兵が派遣され、マニフィカ領は、マリアベル頼りの状態から脱しつつあった。
ここに関しても、アーロンが、
「将来有望な彼女から、学ぶ機会を奪うべきではありません」
と、国に直談判したからなのだが、マリアベルはその事実を知らないままだったりする。
そんなこんなで、心配事も減り、仲間や友人もできたマリアベルは、学園生活を謳歌し始めた。
お昼休みを迎えたマリアベルは、お弁当を抱え、足取りも軽く中庭に向かう。
「コレット!」
「マリアベル様!」
マリアベルがたどり着いた先には、魔研でできた友人で、魔法特待仲間である、コレット・コルケットの姿が。
マリアベルが手を振ると、それに気が付いたコレットの表情が、ぱあっと華やぐ。
噴水前のベンチに座るコレットの傍らには、小さなバッグと水筒がおかれていた。
コレットは、平民の出身。彼女もマリアベルと同じで、学食にいくほどの余裕がないお弁当組なのだ。
二人の学年は同じだが、クラスは別。
彼女らは、魔研で出会って以来、こうして中庭で待ち合わせし、昼食をともにしている。
伯爵家のご令嬢と平民という組み合わせではあるものの、魔法特待同士、なんだか話しやすくて。
二人はすぐに、おかずやお菓子を交換し合う仲となった。
「これ、昨日とれた魔物の肉を焼いたものなんだけど……。よかったら、少し食べてみない?」
「いいんですか? お肉はあまり食べられないので嬉しいです! あの、私からは、よかったらこちらを……。昨日焼いたクッキーなのですが」
「ありがとう! コレットの作るお菓子、美味しいのよね~!」
魔物肉を入手する機会の多いマリアベルからは、肉のおかずを。
家でもよく料理をしていたというコレットからは、焼き菓子などをもらうことが多い。
女子同士できゃっきゃとする、平和で可愛らしい空間。
そんな彼女らを、少し離れた物陰から、じいっと見つめる者がいた。
マリアベルに片思いし続ける男、アーロン・アークライトである。
これまでのアーロンは、ミゲルがマリアベルの元へ向かうのを阻止するために昼休みを使っていた。
しかし、二人を引き合わせてしまった今、アーロンを止めるものはない。
マリアベルが学食奢りは気が引けるというのなら、自分がマリアベルに合わせ、弁当を持参すればいい。
そう考えた彼は、弁当を持ってくるようになったのだが……。
そのときには既に、マリアベルの隣にはコレット・コルケットがいた。
コレット・コルケットは、髪も瞳もピンクの、可愛らしい女の子だ。
愛らしい容姿と、貴族のご令嬢には少ない控えめな性格。
支援や回復に長けた、抜きんでた魔法の才。
コレットは、平民の身分でありながら、貴族の男子にも人気があった。
マリアベルと親しくなったことで、「あの二人の組み合わせ、いいよな……」などと言う男子も出始めたほどである。
「相手が男なら、なにがなんでも割り込むんだけどなあ……」
まるで不審者のように二人を覗き見ながら、アーロンは溜息をついた。
お弁当を持ってこそこそと女子二人を見つめる、微笑みの貴公子。武の名門の嫡男。
女子に見られたら、それなりに幻滅されそうな光景であった。
アーロンは、ずっとマリアベルのそばにいたからこそ、彼女が友人を欲しがっていたことを知っている。
せっかくマリアベルに友人ができたのに、男の自分がそこに割り込んでいくのは、なんだか気が引けた。
今日もアーロンは、女子二人に混ざることができないでいる。
――仕方がない、今日も一人で食べるか……。
と、アーロンが一人飯を覚悟し始めたころのことだった。
……ちなみに、アーロンにも友人はいるのだが、「女の子二人に混ざれないから、弁当持ってこっちに来ました!」などと話すのは流石に気が引けるため、大人しく一人で食事をとっている。
アーロンが隠れているのとは違う方向から、数名の女子がマリアベルたちに近づいていった。
「あれは……。クラリス・グラセス嬢か?」
マリアベルと同じクラスの、一年女子。
愛しのベル以外の女にはあまり興味がないアーロンだが、公爵家の嫡男として、各家の人間の顔と名前ぐらいはそれなりに把握している。
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