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21話 救出
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一階にいる奴らはリーゼマスターに任せて、俺は単独二階へ上がる。
目についたドアから順に開けていき――その中で鍵の掛かったドアに当たったので、ロングソードを突き込んで強引に破壊し、蹴破る。
部屋の中にいたのは、昨日の冒険者三人組のリーダーと、エトナだ。
「あ、あんたは昨日の……バカな、一階には二人がいたはず……!?」
俺がこの場に踏み込んできたのがそんなに意外だったのか、目を見開いて驚いている。
「あぁ、その二人ならリーゼマスターに"処理“を任せてきたよ」
武器を一瞬で凍らせるほどの強力な魔力を持っているのだ、万が一でも遅れは取らないだろうし、いざとなればアンドリューさんが身体を張ってくれるだろう。
それよりも、と俺はエトナを見やる。
エトナは縄で縛られ、猿轡を噛まされて、制服も破かれたのかビリビリになっており、下着が見えそうになっていると言うひどい有り様だ。
「女の子相手に抵抗出来ないようにして、好き放題か。お前、割りとマジで最低のクズ野郎だな」
「こ、こいつ、こいつが俺達の邪魔をしたのが悪いんだよ!」
リーダーはエトナを指差す。
「大体、こいつは他の冒険者相手でも似たようなことやってるんだ!何かちょっとでもありゃすぐに呼び止めてギルドマスターを呼びやがって!」
「それは彼女が受付嬢の仕事を真面目にやっているからだろうが。俺に言わせれば、呼び止められるようなことをしている方が悪いように聞こえるな」
エトナには何の落ち度も無い。不正を摘発しようとしていたから、むしろ冒険者ギルドとしては正しい行いだ。
それを悪し様に言うとは……ただの逆恨みもいいところだ。
「ふざけんな!俺達冒険者がいなけりゃ、受付嬢なんてただの顔がいいだけの女だろうが!そんな奴が俺達を上から扱き下ろすなんて間違ってる!こいつには、それを理解らせてやる必要があるんだよ!」
いっそ清々しいまでの言い掛かりだな、これっぽっちも褒めたつもりはないが。
「バカかお前は。受付嬢がいるから、俺達冒険者は真っ当に依頼を受けられるんだよ。それも分からないか?」
「それでも、上から目線で扱き下ろされるのは我慢ならねぇ!」
とうとう痺れを切らしたか、リーダーは手にしていた剣で俺に斬りかかってきた。
――【タイム連打】、発動解除発動解除発動解除発動解除発動……――
一昨日の山賊よりは実戦慣れしている動きだが、【タイム連打】で動きが視えている俺にとっては御しやすい動きだ。
ここで息の根を止めてやるのは簡単だが、こいつらにはしっかりと罪を償ってもらわなくてはならない。
――【タイム連打】、解除――
振り下ろされる剣に対し、ロングソードを寝かせて構え、刀身の腹をぶつけるようにバッシュガード。
「っあ……!?」
剣が弾かれ、相手の手から飛ぶ。これで丸腰だ。
すかさず踏み込んだ軸足でくるりと回転させて――右の裏拳。
「ぶべっ」
裏拳を頬骨に直撃したリーダーは白目を剥いてぐるんと吹き飛び、倒れた拍子に口から歯が何本か零れ落ちた。咄嗟に歯を食い縛っておかないからこうなるんだよ。
気絶したようだし、とりあえずその辺に転がしておこう。
あとは、エトナを解放しなくては。
「大丈夫か?」
猿轡を解いて、縄をナイフで切って、……ビリビリにされた制服のまま外を歩かせるのは可哀想なので、カーテンを切り離して上着代わりにする。
「……ありがとう、ございます」
エトナはカーテンに身を包むと、そっと俺に頭を下げてきた。
「あぁ、どう致しまして」
それにしても冒険者の風上にも置けない奴らだった、しっかり裁かれて自分達の行いを悔い改めてもらいたいものだ。
「一階にリーゼマスターが待ってくれている。行こうか」
「……ぐすっ、ひぐっ……」
ひとまずリーゼマスターとアンドリューさん、アイリスの三人と合流しようかと言うと、突然エトナが嗚咽を洩らした。
「ど、どうした?」
カーテン生地が悪かったのだろうかと不安になって、
「ぇぐっ、こわっ、かっ、怖かったで、すぅっ……!」
涙をポロポロ流して泣き出してしまった。
……そりゃそうだよな、ある日いきなり拉致られた挙げ句暴行されたんだ、怖かっただろうに。
ここで手引いて連れ出そうとしたら、また怖がってしまうかもしれないな。
どうするべきかと少し考えて、へたり込むエトナの隣に座り込んで、出来るだけ優しく語りかける。
「大丈夫だ、俺がついてる。俺で不安ならリーゼマスターもいる。だから、安心してくれ」
「っぐ……すんっ……ふぁぃ……」
落ち着いてきたらしく、少しずつ泣き止んでいくエトナ。
ふぅ、泣き止んでいくれて良かった。
すると、複数の足音が一階から登ってくる。
「リオくん、そっちはどう?」
「リオさん、大丈夫ですか?」
リーゼマスターとアイリスが部屋に入ってきた。
「大丈夫です。……彼女は、ちょっと無事じゃないですけど、今落ち着いてもらってます」
「無事じゃない?」
俺の言葉にリーゼマスターは目を細め、部屋を睥睨し――倒れているリーダーと、カーテンに身を包むエトナを見て「あぁ、なるほどね」と頷き、すぐにエトナに寄り添う。
「エトナちゃん、彼らに乱暴されたのね?」
「……はぃ、そぅです」
蚊の鳴くような声で頷くエトナ。
「なんてひどいことを……同じ女性として許せませんっ」
アイリスも、エトナが暴行されたことに憤っている。
アンドリューさんの姿は見えないが……一階でねじ伏せただろう二人が逃げないように見張ってくれているのだろう。
さて、エトナも救出したことだし……事後処理の時間だな。
目についたドアから順に開けていき――その中で鍵の掛かったドアに当たったので、ロングソードを突き込んで強引に破壊し、蹴破る。
部屋の中にいたのは、昨日の冒険者三人組のリーダーと、エトナだ。
「あ、あんたは昨日の……バカな、一階には二人がいたはず……!?」
俺がこの場に踏み込んできたのがそんなに意外だったのか、目を見開いて驚いている。
「あぁ、その二人ならリーゼマスターに"処理“を任せてきたよ」
武器を一瞬で凍らせるほどの強力な魔力を持っているのだ、万が一でも遅れは取らないだろうし、いざとなればアンドリューさんが身体を張ってくれるだろう。
それよりも、と俺はエトナを見やる。
エトナは縄で縛られ、猿轡を噛まされて、制服も破かれたのかビリビリになっており、下着が見えそうになっていると言うひどい有り様だ。
「女の子相手に抵抗出来ないようにして、好き放題か。お前、割りとマジで最低のクズ野郎だな」
「こ、こいつ、こいつが俺達の邪魔をしたのが悪いんだよ!」
リーダーはエトナを指差す。
「大体、こいつは他の冒険者相手でも似たようなことやってるんだ!何かちょっとでもありゃすぐに呼び止めてギルドマスターを呼びやがって!」
「それは彼女が受付嬢の仕事を真面目にやっているからだろうが。俺に言わせれば、呼び止められるようなことをしている方が悪いように聞こえるな」
エトナには何の落ち度も無い。不正を摘発しようとしていたから、むしろ冒険者ギルドとしては正しい行いだ。
それを悪し様に言うとは……ただの逆恨みもいいところだ。
「ふざけんな!俺達冒険者がいなけりゃ、受付嬢なんてただの顔がいいだけの女だろうが!そんな奴が俺達を上から扱き下ろすなんて間違ってる!こいつには、それを理解らせてやる必要があるんだよ!」
いっそ清々しいまでの言い掛かりだな、これっぽっちも褒めたつもりはないが。
「バカかお前は。受付嬢がいるから、俺達冒険者は真っ当に依頼を受けられるんだよ。それも分からないか?」
「それでも、上から目線で扱き下ろされるのは我慢ならねぇ!」
とうとう痺れを切らしたか、リーダーは手にしていた剣で俺に斬りかかってきた。
――【タイム連打】、発動解除発動解除発動解除発動解除発動……――
一昨日の山賊よりは実戦慣れしている動きだが、【タイム連打】で動きが視えている俺にとっては御しやすい動きだ。
ここで息の根を止めてやるのは簡単だが、こいつらにはしっかりと罪を償ってもらわなくてはならない。
――【タイム連打】、解除――
振り下ろされる剣に対し、ロングソードを寝かせて構え、刀身の腹をぶつけるようにバッシュガード。
「っあ……!?」
剣が弾かれ、相手の手から飛ぶ。これで丸腰だ。
すかさず踏み込んだ軸足でくるりと回転させて――右の裏拳。
「ぶべっ」
裏拳を頬骨に直撃したリーダーは白目を剥いてぐるんと吹き飛び、倒れた拍子に口から歯が何本か零れ落ちた。咄嗟に歯を食い縛っておかないからこうなるんだよ。
気絶したようだし、とりあえずその辺に転がしておこう。
あとは、エトナを解放しなくては。
「大丈夫か?」
猿轡を解いて、縄をナイフで切って、……ビリビリにされた制服のまま外を歩かせるのは可哀想なので、カーテンを切り離して上着代わりにする。
「……ありがとう、ございます」
エトナはカーテンに身を包むと、そっと俺に頭を下げてきた。
「あぁ、どう致しまして」
それにしても冒険者の風上にも置けない奴らだった、しっかり裁かれて自分達の行いを悔い改めてもらいたいものだ。
「一階にリーゼマスターが待ってくれている。行こうか」
「……ぐすっ、ひぐっ……」
ひとまずリーゼマスターとアンドリューさん、アイリスの三人と合流しようかと言うと、突然エトナが嗚咽を洩らした。
「ど、どうした?」
カーテン生地が悪かったのだろうかと不安になって、
「ぇぐっ、こわっ、かっ、怖かったで、すぅっ……!」
涙をポロポロ流して泣き出してしまった。
……そりゃそうだよな、ある日いきなり拉致られた挙げ句暴行されたんだ、怖かっただろうに。
ここで手引いて連れ出そうとしたら、また怖がってしまうかもしれないな。
どうするべきかと少し考えて、へたり込むエトナの隣に座り込んで、出来るだけ優しく語りかける。
「大丈夫だ、俺がついてる。俺で不安ならリーゼマスターもいる。だから、安心してくれ」
「っぐ……すんっ……ふぁぃ……」
落ち着いてきたらしく、少しずつ泣き止んでいくエトナ。
ふぅ、泣き止んでいくれて良かった。
すると、複数の足音が一階から登ってくる。
「リオくん、そっちはどう?」
「リオさん、大丈夫ですか?」
リーゼマスターとアイリスが部屋に入ってきた。
「大丈夫です。……彼女は、ちょっと無事じゃないですけど、今落ち着いてもらってます」
「無事じゃない?」
俺の言葉にリーゼマスターは目を細め、部屋を睥睨し――倒れているリーダーと、カーテンに身を包むエトナを見て「あぁ、なるほどね」と頷き、すぐにエトナに寄り添う。
「エトナちゃん、彼らに乱暴されたのね?」
「……はぃ、そぅです」
蚊の鳴くような声で頷くエトナ。
「なんてひどいことを……同じ女性として許せませんっ」
アイリスも、エトナが暴行されたことに憤っている。
アンドリューさんの姿は見えないが……一階でねじ伏せただろう二人が逃げないように見張ってくれているのだろう。
さて、エトナも救出したことだし……事後処理の時間だな。
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