ヒロインはモブの父親を攻略したみたいですけど認められません。

haru.

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ー番外編ーヴィオレット*隣国編*

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「うわぁ~。これが町なのね・・・」

モーラナ町は多くの平民や商人などが住んでおり、多くの店が建ち並び、そこら中から良い匂いがして、店の人の呼びかけの声が聞こえてくる・・・

貴族の頃の買い物は商人を家に呼んだり、貴族街の店を馬車で行って買い物したりとかしかなかったから、町の中を歩くという貴重な体験に心が踊っているヴィオレット・・・

だが・・・

「お嬢様・・・あまりキョロキョロしていると目立ちます。落ち着いてください・・・」

「・・・うっ・・・」

「ご希望通り馬車は使わなかったのですから、安全の為に従って下さい。」

「・・・うぅっ・・・・ご、ごめんなさい。」

私のそんな挙動不審な様子はかなり怪しく危険な様子だったらしく、お祖父様に用意された護衛のサンからは嗜められ、ついてきてくれたイブは「そうですわよ。大人しくしてくださいませ・・・これでは侍女長への報告案件になりますよ。」と言い、困ったお嬢様ですわ。と微笑まれた・・・

(何だか恥ずかしいッッッ!!!
初めての町で浮かれてる子供・・・目を離してはいけないわ。みたいな目で見られてるよ・・)

私はサンの呆れる視線やイブや私達のやりとりを見ていた周囲の人達の生温い視線に恥ずかしくて顔を俯かせながら足早に町を歩いた・・・

「あ、あれ美味しそうよ!」
「それとも、あっちにする?!」
「お祖父様やお祖母様にお土産を買っていきましょう!」
「はぁ~、良い匂いね・・・」

町のざわめきや匂いにつられ、次第に恥ずかしさも忘れてまた町での散策に興奮し始めた・・

「・・・仕方ありませんね。今日だけですよ」
「・・・・・・・・・・・・・」
「フフフ。お嬢様ったら・・・」


サンは、はぁ~と溜め息をつきながら、ずっと無言でいたもう一人の護衛・レイに向かって「気を抜くなよ・・・」と声をかけていた。

今歩いているのは屋台が沢山の建ち並んでいるおり、惣菜品や果物や野菜などを売っている市場のような所なのだろう・・・

「どうだい!今日のリンゴは甘くのが入ってるよ!」
「うちの串焼きを見てってくれ!」
「さあ!新鮮な野菜が沢山あるよ!」
「綺麗なお嬢様には特別サービスするよ!」
「どうぞ!どうぞ!!」
「甘い菓子もあるよ!食べとくれ!!」

店の前を通る度に声がかかり立ち止まりたくなったが、「止まらないで下さい。」とサンが急かすので足を止められなかった・・・

「どうして止めるのよ!」

「はぁ・・・お嬢様は彼等にとって良いカモになっていたからですよ。」

「・・・え?・・・・・・」

サンが言うには、私は見たことのない他所からきた訳ありのお嬢様に見えており、姿から金を持っていそうだと判断され、巻き上げる為に声がかけられていたらしい。

「で、でも初日だし・・・それに少しくらいの買い物なら、巻き上げるだなんて・・・」

「では聞きますが、お嬢様に野菜や果物が、必要ですか?・・・馬車は本日ございませんし、護衛の我等に荷物は持てませんので、イブに荷物は持ってもらう事になりますが?・・・それとも、家の場所を告げて家にまで届けてもらいますか?
それにお金を持ってるだろうと思われるのと、実際に持っているのを見られるのとでは危険が全く違います・・・」

「うっ・・・ごめんなさい。
とんでもなく浮かれてますわね・・・私。」

至極全うなお説教を受け、私は自分が浮かれていて思考が低下しているのを自覚をした・・・

「買い物はまた馬車で来た時にするわ。」

「それがよろしいかと・・・」

昨日イブとの相談で私が着てもおかしくない程度の薄緑色のワンピースやハーフアップの髪型にする事を決めて、今日の予定を歩きで町中を散策したいと希望していた・・・お祖父様達とも交渉して、この先私に護衛をつける事を条件に外出が許されたのに・・・

(私のワガママで、このお忍び風の外出が決行になったのに・・・面倒ばかりかけてるわね。)

不甲斐ない自分に落ち込んでいた私はこっそりと溜め息をついていた。だがそんな私の様子にイブ達は気づいてくれていたみたいで、

「お嬢様・・・気にし過ぎですわ。
確かに今日のお嬢様はいつもより危なっかしい行動をとっています。
でも、護衛や侍女の意見を聞いて従ってくれていますわ。
それだけでも私達は助かっています。
他のご令嬢達ではこうはいきません。彼女達は自分の都合だけで、使用人達の言葉など聞こうとはしてくれませんから・・」

「それに本来なら私達のこの軽口も許されませんわ。・・・ですから私にとってはこれ以上ない程可愛らしくて素晴らしいお嬢様なのですわ。フフフ。」

そう言いながら、荷物も少しなら私が持てますし・・・とイブは笑ってくれた。そして私に聞こえない小さな声で「それにお嬢様の安全に関しては旦那様が、この2人以外の護衛を町に潜ませているのでしょうから問題ございませんわ・・・」と呟いた・・・

その後は適度に店を見ながら町を歩き続けた。

「お願いします!!!
俺なんでもしますから、だから・・・おれを」

「やかましいわッッッ!!!」

ドンッッッ!!!

屋台の端で少し古びた服を着た幼い少年が必死に頭を下げながら何かを頼み込み、店の関係者のような男性に怒鳴られ突き飛ばされていた。

「・・・ぁ・・・・・・」

状況がわからない為しばらく遠目から眺めていると、「あれは孤児が仕事を探してる姿だ」とレイが呟いた。

「・・・え?」

「俺も孤児。だからわかる。・・・親も学もツテもない。・・・出来る事も少ない。だから誰も雇わない・・・」

少年の姿をもう一度見ると、男性に拒否されながらも起き上がる、その瞳に諦めの色はなかった・・・

令嬢だった頃貴族の嗜みとして、領地の孤児院に寄付や慰問に行く事があった。だけど、そこの子供達は元気に庭で駆け回り、将来の夢を語っていた・・・

針子になりたい、鍛冶屋になりたい、騎士になりたい、花屋になりたい・・・

楽しそうに話していたあの子達は夢を叶えられたのだろうか・・・

あの頃私は孤児院の子達へ差し入れしたり、本を呼んであげたりとか上辺的な事しかしてあげられなかった気がする。
あの子達にとって本当に必要だったのはなんだったのだろう・・・

目の前で何度も頭を下げながら、仕事を恵んで下さいと言っている姿を見つめる・・・

最初は男性がこれ以上の暴行を働くようならこの町の騎士を呼ぶべきだと思っていた。だけど男性はあれ以降手を出すこともなく、ただ淡々と読み書きも算出も出来ない奴は雇えない。仕事は遊びじゃねぇんだ!何も出来ない奴を雇えるかッ!と言っていた。

(そうよね・・・あの男性だってお金を稼ぐ為に必死で仕事をしているのだもの・・・同情で雇うのはお互いの為にならないわ。)

少年も自分が何も出来ないのがわかっているのだろう。苦しそうな顔で・・・これから覚えます。何でもします。お願いします。そう何度も頼んで頭を地面に擦り付けている・・・

(わかってるわ・・・中途半端に助ける事は何の手助けにもならないと・・・でも・・・)

目の前の光景を見ながら手をギュゥっと握りしめ、唇を噛み締めた・・・そんな私の様子にサン達が動き出した。

「お嬢様・・・如何されますか?」

「・・・・・・」

「・・・ご命令を・・・・・・」

イブが暖かい笑顔で私を見る・・・私達は味方だ。と伝えてくれているようだ・・・

レイの真っ直ぐな視線とサンの仕方ありませんね・・・と笑う姿に私は少しだけ気が緩んだ。

「今はまだ何も出来ませんわ・・・私は平民の娘でお祖父様の許可無しでは何も出来ない世間知らずだもの。でも・・・・・・」

「何だか今すぐ買い物がしたくなりましたわ。ですがイブは女性ですから荷物は持たせたくありませんし・・・この町に詳しそうな方を荷物持ちに雇いません?・・どなたか連れてきてもらえるかしら?」

「・・・畏まりました。」

中途半端な頭で考えた今できる精一杯の事・・・それを伝えると、全員笑顔で承知してくれて、サンが少年達の方へ向かっていき、男性に話しかけた・・・

「話の途中すまん。・・・こいつお前の店の子か?」

「あ?・・こんな奴俺には関係ねぇガキだ。」

「そうか。おい・・・働く気があるなら荷物持ちと道案内をしろ。」

「お、おい・・何でこんな何も役に立たないガキを・・」

「いや使い勝手の良いガキを探していてな。」

「そ、そうか・・・・・・」

サンは好意や同情で助けるのではないと見せつける為なのか、わざと悪そうな雰囲気を出して少年を連れてきた・・・

(まあ、そうだよね。明らかにお嬢様風の私が善意で子供を助けたのがわかったら、自分達もと思う者達で身動きとれなくなりそうだものね)

咄嗟に機転を働かせたサンに感謝しつつ、私達は人目のつかない位置へと移動して目の前の少年へと声をかけた・・・

「私、荷物持ちを探してるの・・・今日だけやってくれる?」

「へ、あ、あ・・・」

いきなり自分とは明らかに生きてきた場所が違う相手に萎縮してしまったのか、言葉があまり出ていなかった・・・

すると同じ孤児として思う所があるのかレイが「選べ・・・。ビビって逃げるか、それともこの方に従って荷物持ちをするか・・・お前にはそのどちらかしかないだろ。」と厳しくも正しい言葉を少年へと浴びせた・・・

恐らく少年には今日も明日もまともな仕事はないのだろう・・・金が手に入るなら怪しい奴らでもいい。そんな気持ちなのだろうか「何でもやります!俺を雇ってください!」と頭を下げてきた。

「わかったわ・・・では金額はレイに任せるわ。貴方が妥当だと思う金額を帰りに渡してちょうだい・・・」

「・・・コクリ・・・・・・」

平民にとってどの程度金額が給金として妥当なのか、孤児に渡しても問題ない金額など私にはさっぱりわからない為、レイに頼むことにした。

少年はマルロという名前で、薄い茶色髪と目をしたヤンチャそうな10歳の男の子だ。そしてやっぱり怪しい私達に緊張しているのか少し固い表情をしていた。

だが町を歩いている内に少しずつ警戒心が溶けてきているのか、表情がほんの少しだけ柔らかくなっていった・・・

マルロは安くて美味しい出店の店や、行った事はないけど良い匂いがして美味しいなど、評判良い店などを案内してくれて、凄く楽しかった。そして、私がそろそろ帰らなくてはいけない時に美味しそうなお菓子をいくつか買った。そして袋から一つだけ焼き菓子を取り出し「今日は楽しかったから給金に上乗せよ・・」と渡した。

マルロは興奮しているのか顔を赤らめながら大事そうに焼き菓子を眺めている。

「いい?孤児院に着く前に食べてしまいなさい・・・」

「え、・・・」

「他の子達が羨むわ・・・だから秘密よ。」

菓子を一つだけ持って帰るなど揉め事にしかならないだろう・・・マルロもそれがわかったのか・・・急いで口の中へ放り込み隠すようにして食べていた。その顔は年相応の笑顔をした可愛らしい子供だった・・・

その後レイが給金を渡して私達は別れた。
町を案内してもらっている途中、マルロは何処の孤児院なのか、どういった生活なのかを軽く聞いてみた・・・

孤児院は、この商店を抜けた先にある広くて何もない場所にあるらしい・・・

生活は1日2回食事があり、洗濯・掃除・料理・下の子供達の面倒をみたりしている。
孤児院は15歳には出なきゃいけない決まりがあり、子供達はその時に困らなくて済むように10歳から少しずつ仕事を探してお金を貯めるらしい・・・

(15歳か・・・一人で生きるには、衣食住を確保して、その上怪我や病気の時のお金だって必要になるし、男の子なら好きな子が出来て結婚する事になったら養わなきゃいけない・・・
お金はいくらあっても足りないよね・・・)

恐らく今日私がした事は自己満足だろう。それも周囲に守られながら行った行為だ・・・
今の段階で何が出来るかもわかっていないのに同情心で見捨てられなかった偽善者・・・

お祖父様達に何か相談するにしても、情報がないと私がやりたい事の構想も見えない・・・

「ねぇ。頼みがあるのだけど・・・今の孤児院の事を調べる事って出来るかしら?」

「問題ありません。」

私は孤児院の内情と子供達の状況、周囲の環境などを知りたいと言い、調べてもらう事にした




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