これはあくまでフィクションですが、私がみた夢の話を誰かきいてくれませんか?

芝 稍重

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1話 私のみた夢の話をきいてください※2023.01投稿の復刻

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 フィクションなのかノンフィクションなのかわからない、新ジャンルのホラーノベルが流行りはじめている。

 そんなネット記事を見かけて、普段より読書を趣味にしている私は、すぐに該当作が思い浮かんだ。

 先日友人に薦められて読んだ、あの小説ともコラムともつかぬ不思議な本が、おそらくそうだったのだろう。

 たしかにあの本は新感覚だった。ホラー小説のつもりで購入したものの、淡々とまとめられているリアルな記事に感情はなく、いったいどんな気持ちで読みすすめればいいのかと、冒頭では多少当惑した。ところがそれは、開示されていく情報が妙な重なりをみせはじめ、読者の想像力を掻き立てるという、計算された内容だった。

 そして私は考えた。
 こういった手法が可能であれば、当然、創作物を真実と匂わせて伝えることもできるが、反面、真実を創作物と偽り伝えることも可能なのではないか、と。

 私のベッドの枕元には、いつも一冊のノートが置かれている。それはいわゆる“夢日記”というもので、簡単に言えば私が毎晩みる夢の記録帳だ。
 私はこの夢日記について、手に余る悩みを長年抱えている。誰にも話せない内容だ。これを他人に語るには、いくばくか問題があるのだ。

 ちょうどいい、と、そう思うのは都合が良いだろうか。これは創作物で、それを読んだ人はただの読者だ。そうであれば“読書感想文”として、私のかかえる悩みに助言、あわよくばこたえをくれる人が現れるのではないか。その微かなのぞみに賭けて、今、筆をとっている。

***


子供の頃みた夢について(重要な内容のみ抜粋。読みやすく編集済み)


 不気味な夢をみた。
 秋田のナマハゲに似た鬼のような怪物が、昔ながらの大きな日本家屋に侵入し、子供たちを探し回る夢だ。
 私の視点はその子供のひとりで、一緒に逃げていた三、四歳の女の子と手を繋ぎ、一緒に大人たちが宴会をしている長い炬燵の中に入った。
 オレンジ色の仄かな灯りと、誰のものともつかぬ無数の足。重たい布団が空気を薄くし、自分の呼吸の音だけが大きくきこえた。
 いったいどれくらい時間が経ったのか、まだ鬼はいるのか、他の子供たちはつかまったのか、なにもわからないまま時間はすすみ、不安だけが募ってゆく。
 私はあわてて母の名を呼んだ。母も炬燵を囲む足の中にいるはずだったからだ。
 しかし、炬燵を囲む談笑にかき消されて、私の声は届かない。嫌な汗が首筋を這っていった。
 もう一度、今度は大きな声でしっかりと母の名を呼んだ。
 と、全員の足がピタリと止まった。
 私は息をのんだまま、恐る恐るコタツの布団を少しめくった。
 そこにあったのは、鬼の仮面をつけた顔と、じっとこちらを見据える目だった。目は私の存在を認識しているかのように、重く、静かに、しかし確かに存在していた。
 その瞬間、体が固まるのを感じた。声を出したくても出せず、ただじっと、目と目を合わせているしかなかった。


***

 この体験の先には何が待っているのか。私はそれを知っている。でもここには書かない。
 だが、もしこの文章を読んでなにか「ピンときた」という人がいるなら、コメント欄で知らせてほしい。
 私はこの先のことを話したくない。
 でもこれでピンときた人がいるのなら、何故話したくないのか、何を話したくないのか、自ずとわかるはずだ。

※あくまでこれはモキュメンタリーホラーであり、フィクション小説です。
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