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帰還
1.気がついたら森の中にいた
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気がついたら森の中にいた。
どうやら元の世界に戻ってきたみたいだ。
水の流れる音がするということは近くに川があるんだろうか。
喉も乾いてるし、とりあえずそっちに行ってみよう。
俺の名前はアラカワ テツヤ。
これは本名じゃない。
この名前は俺が異世界に飛ばされた時に出会った人が付けてくれた名前だ。
本名はリュエシェ・タウソンというのだけど、異世界で六年も暮らしてきたので今となってはこのテツヤという名前の方がしっくりきてる。
元々俺が住んでいたこの世界、ミネラシアではごく稀に俺のように異世界に飛ばされて数年後に戻ってくる人間が現れるらしい。
飛ばされる理由も戻ってくる理由も不明なんだけど、戻ってきた人はみな一様に特殊スキルを身につけていて、その特殊スキルのおかげでこの世界で英雄となった者や地位名声を手に入れた者も多いのだとか。
この世界ではそういう異世界から戻ってきたものを帰還者と呼んでいる。
まさかこの俺の身にそんなことが降りかかるとは思いもしなかったけど、確かに俺は異世界に飛ばされ、六年もの間そこで暮らしてきた。
俺が異世界に飛ばされたのは十四歳の時で、そこは地球という世界だった。
地球という世界は魔法が存在せず、その代わりに科学という知識が高度に発展していた。
日本という国に転移した俺はそこでホームレスのおっちゃんたちと出会い、彼らを師匠と仰いで暮らしてきたのだ。
俺の名字のアラカワはその師匠たちと出会った川の名前から来ている。
テツヤは師匠たちの好きな俳優から取ったのだとか。
日本で十六歳になった俺はなんだかんだあって高校にも通うようになり、必死になって勉強した。
いつの日かミネラシアに戻るかもしれないからその時に役立ちそうな知識を片っ端から覚えていった。
高校を卒業してからも師匠たちの仕事を手伝いつつ勉強を続けていた。
師匠たちは大丈夫だろうか?
俺がこの世界に戻る瞬間を見ていたから事情は察してくれているはずだけど。
そんな事を考えながら歩いていると小さな泉にたどり着いた。
湧水が小さな川を作り流れている。
喉を潤し、それから泉のほとりに腰を下ろした。
まずは自分が得たかもしれない特殊スキルの確認だ。
先ほど言った通り地球には魔法が存在しないため、地球上で俺が特殊スキルを得ることはなかった。
でもこの世界に戻ってきた時に何らかのスキルを得ているかもしれない。
とりあえず子供の頃に習った属性の確認をしてみることにした。
ちなみに子供の頃は属性なしの判断を下され、そのせいで随分と馬鹿にされたものだ。
まず手を上にあげ、指の間を通り抜ける風に意識を集中させる。
何も感じない。
どうやら風属性ではないらしい。
次に泉に近寄ってみた。
水面には見慣れた顔が映っている。
濃い茶色の髪に同じ色をした瞳、右眉にある傷は地球でついたものだから体は地球の時の体そのままのようだ。
そう言えば服や靴も地球にいた時のままだ。
ポケットをまさぐると財布とスマホ、家の鍵が出てきたけど当然ながら圏外だ。
スマホ自体は使えるけど電池が切れるのも時間の問題だろうな。
とりあえずそのことは置いておいて、泉に手を入れて水に意識を集中する。
少しでも水属性の特性があるなら波紋が立つはずだけど何も起こらない。
水属性でもないか。
諦めて水から手を出し、近くにあった小石を拾い上げた。
小石に意識を集中、するまでもなく頭の中にイメージが飛び込んできた。
(流紋岩、主成分はニ酸化ケイ素、モース硬度は六)
ふむ、俺が身につけた特殊スキルは土属性か。
土属性はこの世界では外れ属性とも言われていて、土属性持ちであることを隠す人もいるくらいだ。
だけど俺は全く失望していなかった。
むしろこれは大当たりだとすら感じている。
土属性と分かったことだし、まずはどの位のレベルか調べてみるか。
あたりを見渡すと少し先に巨大な岩があるのが見えた。
その岩に手を当ててみる。
(火成岩、主成分は二酸化ケイ素、重量は五十二トン)
先ほどと同じように岩の情報が頭に流れ込んでくる。
次にその岩が持ち上がる様子をイメージしてみた。
本来魔法は詠唱が必要になるけど自分の属性の魔法は詠唱を唱えずに使える者もいるそうな。
イメージすると俺の身長、一八○センチよりも大きな岩が音もなく持ち上がった。
これは凄いぞ。
この時点でB級クラスの力は持っていることになる。
次にその岩が真っ二つに割れる姿をイメージしてみる。
すると自分の想像通りに岩が割れた。
再び岩が元に戻る様子をイメージすると岩も同じように元に戻った。
さっきまで割れていた跡すらついていない。
面白い。
試しに岩をいろんな形に変えてみた。
ダイナマイトでもないと破壊できないような岩がまるで粘土のように形を変えていく。
どうやらただの土だけでなく中に含まれている鉱物や金属も意のままに操れるみたいだ。
しばらく遊んでいたけど飽きてきたので、その岩を泉で水を飲む猫の形に変えて止めることにした。
余談だけどこの岩は後に神様の飼い猫が水を飲みに来てそのまま岩になったという言い伝えとなり、恋人たちのデートスポットとして人気になったとかならなかったとか。
ともかくここまでできるということはA級クラス、ひょっとしたらS級クラスの力を持っているのかもしれない。
でもこれ以上詳しく調べるには町の教会に行って専門的なレベルチェックを行わないと駄目だな。
土属性持ちになったことでここから少し行ったところに比較的大きな町がある事を感知していたから、とりあえずそこへ向かう事にした。
どうやら元の世界に戻ってきたみたいだ。
水の流れる音がするということは近くに川があるんだろうか。
喉も乾いてるし、とりあえずそっちに行ってみよう。
俺の名前はアラカワ テツヤ。
これは本名じゃない。
この名前は俺が異世界に飛ばされた時に出会った人が付けてくれた名前だ。
本名はリュエシェ・タウソンというのだけど、異世界で六年も暮らしてきたので今となってはこのテツヤという名前の方がしっくりきてる。
元々俺が住んでいたこの世界、ミネラシアではごく稀に俺のように異世界に飛ばされて数年後に戻ってくる人間が現れるらしい。
飛ばされる理由も戻ってくる理由も不明なんだけど、戻ってきた人はみな一様に特殊スキルを身につけていて、その特殊スキルのおかげでこの世界で英雄となった者や地位名声を手に入れた者も多いのだとか。
この世界ではそういう異世界から戻ってきたものを帰還者と呼んでいる。
まさかこの俺の身にそんなことが降りかかるとは思いもしなかったけど、確かに俺は異世界に飛ばされ、六年もの間そこで暮らしてきた。
俺が異世界に飛ばされたのは十四歳の時で、そこは地球という世界だった。
地球という世界は魔法が存在せず、その代わりに科学という知識が高度に発展していた。
日本という国に転移した俺はそこでホームレスのおっちゃんたちと出会い、彼らを師匠と仰いで暮らしてきたのだ。
俺の名字のアラカワはその師匠たちと出会った川の名前から来ている。
テツヤは師匠たちの好きな俳優から取ったのだとか。
日本で十六歳になった俺はなんだかんだあって高校にも通うようになり、必死になって勉強した。
いつの日かミネラシアに戻るかもしれないからその時に役立ちそうな知識を片っ端から覚えていった。
高校を卒業してからも師匠たちの仕事を手伝いつつ勉強を続けていた。
師匠たちは大丈夫だろうか?
俺がこの世界に戻る瞬間を見ていたから事情は察してくれているはずだけど。
そんな事を考えながら歩いていると小さな泉にたどり着いた。
湧水が小さな川を作り流れている。
喉を潤し、それから泉のほとりに腰を下ろした。
まずは自分が得たかもしれない特殊スキルの確認だ。
先ほど言った通り地球には魔法が存在しないため、地球上で俺が特殊スキルを得ることはなかった。
でもこの世界に戻ってきた時に何らかのスキルを得ているかもしれない。
とりあえず子供の頃に習った属性の確認をしてみることにした。
ちなみに子供の頃は属性なしの判断を下され、そのせいで随分と馬鹿にされたものだ。
まず手を上にあげ、指の間を通り抜ける風に意識を集中させる。
何も感じない。
どうやら風属性ではないらしい。
次に泉に近寄ってみた。
水面には見慣れた顔が映っている。
濃い茶色の髪に同じ色をした瞳、右眉にある傷は地球でついたものだから体は地球の時の体そのままのようだ。
そう言えば服や靴も地球にいた時のままだ。
ポケットをまさぐると財布とスマホ、家の鍵が出てきたけど当然ながら圏外だ。
スマホ自体は使えるけど電池が切れるのも時間の問題だろうな。
とりあえずそのことは置いておいて、泉に手を入れて水に意識を集中する。
少しでも水属性の特性があるなら波紋が立つはずだけど何も起こらない。
水属性でもないか。
諦めて水から手を出し、近くにあった小石を拾い上げた。
小石に意識を集中、するまでもなく頭の中にイメージが飛び込んできた。
(流紋岩、主成分はニ酸化ケイ素、モース硬度は六)
ふむ、俺が身につけた特殊スキルは土属性か。
土属性はこの世界では外れ属性とも言われていて、土属性持ちであることを隠す人もいるくらいだ。
だけど俺は全く失望していなかった。
むしろこれは大当たりだとすら感じている。
土属性と分かったことだし、まずはどの位のレベルか調べてみるか。
あたりを見渡すと少し先に巨大な岩があるのが見えた。
その岩に手を当ててみる。
(火成岩、主成分は二酸化ケイ素、重量は五十二トン)
先ほどと同じように岩の情報が頭に流れ込んでくる。
次にその岩が持ち上がる様子をイメージしてみた。
本来魔法は詠唱が必要になるけど自分の属性の魔法は詠唱を唱えずに使える者もいるそうな。
イメージすると俺の身長、一八○センチよりも大きな岩が音もなく持ち上がった。
これは凄いぞ。
この時点でB級クラスの力は持っていることになる。
次にその岩が真っ二つに割れる姿をイメージしてみる。
すると自分の想像通りに岩が割れた。
再び岩が元に戻る様子をイメージすると岩も同じように元に戻った。
さっきまで割れていた跡すらついていない。
面白い。
試しに岩をいろんな形に変えてみた。
ダイナマイトでもないと破壊できないような岩がまるで粘土のように形を変えていく。
どうやらただの土だけでなく中に含まれている鉱物や金属も意のままに操れるみたいだ。
しばらく遊んでいたけど飽きてきたので、その岩を泉で水を飲む猫の形に変えて止めることにした。
余談だけどこの岩は後に神様の飼い猫が水を飲みに来てそのまま岩になったという言い伝えとなり、恋人たちのデートスポットとして人気になったとかならなかったとか。
ともかくここまでできるということはA級クラス、ひょっとしたらS級クラスの力を持っているのかもしれない。
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