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第二部~頭角 旅立ち
6.旅立ちの朝
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「貴様あ!出立の前夜に女と会っていただとおっ!?」
アマーリアの屋敷にソラノの怒号が響き渡った。
「だからそれは違うんだって」
俺はうんざりしたようにため息をついた。
この説明をするのはこれで三度目だ。
今朝キリに説明した時点でむくれるキリを説得するのにどれだけ時間がかかったことか。
あやうく朝飯抜きで出なくちゃいけない羽目になるところだった。
◆
「つまり、そのリュースという女はテツヤに幻術をかけて情報を引き出そうとしていたわけなのか?」
「それどころかリンネ姫からもらった指輪がなければ殺されてたかもしれない」
俺はそう言って右手を見た。
指輪は何事もなかったかのように煌めいているがあの夜のことははっきりと覚えている。。
結局俺はリンネに事情を話してアマーリアとソラノ、キリにもカドモインを調べる計画があることを説明することにした。
リンネもその辺は理解して快諾してくれた。
実際協力してくれる仲間がいるのはありがたい。
「なるほど、そのリュースという女はカドモインが差し向けた刺客である可能性が高いわけか」
「まだわからないけどな。俺が狙われるとしたらその辺が一番説得力があるだろうな。リンネ姫の予想も当たっていたわけだし」
「とりあえずそのリュースとやらの行方は未だわからない、ということは今後もテツヤを狙ってくることは十分に考えられる。今以上に気を付けねばならないだろうな」
「……それはいいんけど、なんでそんな髪型をしてるんですか?アマーリアさん?」
「ん、テツヤはこういう髪型が好きなんじゃないのか?」
何のことかわからない、という素振りをしているアマーリアの髪は……上の方で結ったツインテールになっている。
悔しいが結構、いやかなり可愛い。
「なにぃ!さてはその女がそういう髪をしていたからテツヤはほいほいついていったのか!だったら何故もっと早くそういうのが好みだと言わないんだ!」
「だあああ!だからそれは違うと言ってるだろ!キリまで真似してるじゃないか!」
くそう、リュースの容姿を事細かく説明するんじゃなかった。
俺たちはわいわいと騒ぎながら荷物をアマーリアの屋敷の庭に作り上げた巨大な荷台へと積んでいった。
いや、俺とキリの荷物はそんなに多くない。
せいぜいそれぞれ木箱一つ分くらいだ。
しかしアマーリアとソラノの荷物がとにかく多いんだ。
それぞれ木箱二十箱分はあるんじゃないだろうか。
しかもそれではまだ足りずにあとで荷馬車で送らせるとか言ってる。
女子には身だしなみが必要だから、なんて言ってるけどこれが普通なのか?
ともかく俺が引っ越し用に用意した荷台は木箱で満載になってしまった。
俺の能力を使って飛んでいく手はずになっているんだけど、大丈夫なのか?これは。
「テツヤ、いつでも戻ってきていいんだからな!」
見送りに来てくれたゲーレンが俺の腰をどやしながらがなってきた。
「ありがとう、ゲーレンさん。また遊びに来るよ」
「おう、お前のせいで仕事量が百倍になったんだ、その責任はきっちり取ってもらうからな!」
「キリちゃん、辛くなったらいつでも帰ってきていいんだからね!」
城外町のパン屋、オクゾーのおかみさんが目を真っ赤に泣き腫らしながらキリに大量のパンの差し入れを渡している。
「ありがとう、おばさん!大切に食べるね」
キリも目を潤ませながらおかみさんに抱きついた。
「テツヤさん、ソラノさん、戻ってきた時はぜひうちに寄ってくださいね。更に進化したパフェをご馳走しますよ」
【子猫とクリーム亭】の店主、コグランも見送りに来てくれた。
「ああ、この町を出て一番惜しいのが【子猫とクリーム亭】に行けないことだからな。しばらくは夢に見ることになりそうだ」
「そう言ってもらえて何よりです。これを道中で召し上がってください」
コグランはそう言ってソラノに白布に来るんだものを渡した。
「テツヤさんに教えてもらったクレープ、という菓子です。冷却魔法をかけてあるので一日は持つはずです」
「おお、これはかたじけない!大切にいただかせてもらおう!」
ソラノはコグランにお土産を貰って上機嫌だ。
アマーリアはフェナクやセラなど屋敷のメイドや調査隊の面々と今後の打ち合わせをしている。
今やアマーリアの屋敷の庭は今は見送りに来た人で溢れかえっていた。
まさかこんなに人が来るなんて予想もしてなかったぞ。
「それだけテツヤの人望があるということだ。誇ってよいぞ」
アマーリアが微笑んできた。
確かに、ここまで人に慕ってもらえたのはひょっとしたら初めてじゃないだろうか。
俺がこの世界に戻ってきたのも間違いではなかったのかもしれない。
やがて荷物の準備が済み、旅立ちの時が迫ってきた。
俺たちは荷台に乗り込み、宙へと舞い上がった。
「元気でなあっ!」
「アマーリア様、お達者で!」
「テツヤァ!このラッキーな野郎め!キリちゃんを泣かせたら承知しねえぞ!」
見送りに来てくれた人たちが口々に別れの言葉?を叫んでいる。
俺たちはみんなに手を振りながら更に上空へと舞い上がった。
目指すは王国の遥か西方、トロブ地方だ。
アマーリアの屋敷にソラノの怒号が響き渡った。
「だからそれは違うんだって」
俺はうんざりしたようにため息をついた。
この説明をするのはこれで三度目だ。
今朝キリに説明した時点でむくれるキリを説得するのにどれだけ時間がかかったことか。
あやうく朝飯抜きで出なくちゃいけない羽目になるところだった。
◆
「つまり、そのリュースという女はテツヤに幻術をかけて情報を引き出そうとしていたわけなのか?」
「それどころかリンネ姫からもらった指輪がなければ殺されてたかもしれない」
俺はそう言って右手を見た。
指輪は何事もなかったかのように煌めいているがあの夜のことははっきりと覚えている。。
結局俺はリンネに事情を話してアマーリアとソラノ、キリにもカドモインを調べる計画があることを説明することにした。
リンネもその辺は理解して快諾してくれた。
実際協力してくれる仲間がいるのはありがたい。
「なるほど、そのリュースという女はカドモインが差し向けた刺客である可能性が高いわけか」
「まだわからないけどな。俺が狙われるとしたらその辺が一番説得力があるだろうな。リンネ姫の予想も当たっていたわけだし」
「とりあえずそのリュースとやらの行方は未だわからない、ということは今後もテツヤを狙ってくることは十分に考えられる。今以上に気を付けねばならないだろうな」
「……それはいいんけど、なんでそんな髪型をしてるんですか?アマーリアさん?」
「ん、テツヤはこういう髪型が好きなんじゃないのか?」
何のことかわからない、という素振りをしているアマーリアの髪は……上の方で結ったツインテールになっている。
悔しいが結構、いやかなり可愛い。
「なにぃ!さてはその女がそういう髪をしていたからテツヤはほいほいついていったのか!だったら何故もっと早くそういうのが好みだと言わないんだ!」
「だあああ!だからそれは違うと言ってるだろ!キリまで真似してるじゃないか!」
くそう、リュースの容姿を事細かく説明するんじゃなかった。
俺たちはわいわいと騒ぎながら荷物をアマーリアの屋敷の庭に作り上げた巨大な荷台へと積んでいった。
いや、俺とキリの荷物はそんなに多くない。
せいぜいそれぞれ木箱一つ分くらいだ。
しかしアマーリアとソラノの荷物がとにかく多いんだ。
それぞれ木箱二十箱分はあるんじゃないだろうか。
しかもそれではまだ足りずにあとで荷馬車で送らせるとか言ってる。
女子には身だしなみが必要だから、なんて言ってるけどこれが普通なのか?
ともかく俺が引っ越し用に用意した荷台は木箱で満載になってしまった。
俺の能力を使って飛んでいく手はずになっているんだけど、大丈夫なのか?これは。
「テツヤ、いつでも戻ってきていいんだからな!」
見送りに来てくれたゲーレンが俺の腰をどやしながらがなってきた。
「ありがとう、ゲーレンさん。また遊びに来るよ」
「おう、お前のせいで仕事量が百倍になったんだ、その責任はきっちり取ってもらうからな!」
「キリちゃん、辛くなったらいつでも帰ってきていいんだからね!」
城外町のパン屋、オクゾーのおかみさんが目を真っ赤に泣き腫らしながらキリに大量のパンの差し入れを渡している。
「ありがとう、おばさん!大切に食べるね」
キリも目を潤ませながらおかみさんに抱きついた。
「テツヤさん、ソラノさん、戻ってきた時はぜひうちに寄ってくださいね。更に進化したパフェをご馳走しますよ」
【子猫とクリーム亭】の店主、コグランも見送りに来てくれた。
「ああ、この町を出て一番惜しいのが【子猫とクリーム亭】に行けないことだからな。しばらくは夢に見ることになりそうだ」
「そう言ってもらえて何よりです。これを道中で召し上がってください」
コグランはそう言ってソラノに白布に来るんだものを渡した。
「テツヤさんに教えてもらったクレープ、という菓子です。冷却魔法をかけてあるので一日は持つはずです」
「おお、これはかたじけない!大切にいただかせてもらおう!」
ソラノはコグランにお土産を貰って上機嫌だ。
アマーリアはフェナクやセラなど屋敷のメイドや調査隊の面々と今後の打ち合わせをしている。
今やアマーリアの屋敷の庭は今は見送りに来た人で溢れかえっていた。
まさかこんなに人が来るなんて予想もしてなかったぞ。
「それだけテツヤの人望があるということだ。誇ってよいぞ」
アマーリアが微笑んできた。
確かに、ここまで人に慕ってもらえたのはひょっとしたら初めてじゃないだろうか。
俺がこの世界に戻ってきたのも間違いではなかったのかもしれない。
やがて荷物の準備が済み、旅立ちの時が迫ってきた。
俺たちは荷台に乗り込み、宙へと舞い上がった。
「元気でなあっ!」
「アマーリア様、お達者で!」
「テツヤァ!このラッキーな野郎め!キリちゃんを泣かせたら承知しねえぞ!」
見送りに来てくれた人たちが口々に別れの言葉?を叫んでいる。
俺たちはみんなに手を振りながら更に上空へと舞い上がった。
目指すは王国の遥か西方、トロブ地方だ。
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