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「国王陛下!?」
「陛下! お待ちください……!」
問答無用で侯爵邸へと入って行くホセに、執事や侍女達が声をかけるけれど、ホセは悉く無視をして、ただ一直線に屋根裏部屋へと歩を進めた。
そう、ラウラの部屋だと案内された屋根裏部屋に。
到着するとすぐにホセは、主の居なくなった部屋を漁り始める。
小さな机の引き出し、申し訳程度にあるクローゼット、積まれた木箱などを漁っているうちに、ホセの脳裏に記憶が蘇る。
パウラはいつも着飾っていた。ラウラにドレスやアクセサリーを奪われていたと言っていたにも関わらず、だ。
しかし、この部屋にあるのは質素なドレスだけ。アクセサリーの類など一つもない。
「くそっ!」
ホセは自分がいかに見ていなかったのかを思い知らされ、八つ当たり気味に叫ぶ。
そして……見つけた。木で出来た、質素な釣り具。
これこそ、思い出に残る、ペンダントを渡した少女が手にしていた釣り具だ。
「へ……陛下!?」
慌てて部屋へと入って来たナバーロ侯爵夫人は、ホセが手にしている物を見て、身体を強張らせた。
忘れる筈もない。
ホセを救った時に、ラウラが持っていた釣り具なのだから。
「……どういう事だ」
低く、地を這うようなホセの声に、ナバーロ夫人は血の気が引き、真っ白な顔になった。
「どういう事だと聞いている」
魅入られるように釣り具を持っていたホセは、鬼の形相でナバーロ夫人へと振り返った。
夫人は震え、奥歯がカタカタと音を鳴らす。
もはや弁明など今更だろう。しかし、このままではいけないという事は理解している夫人は、必死に言葉を絞り出した。
「あの子では……駄目なのですか……?」
「俺を助けたのは誰か、ハッキリと言え!!」
もはやラウラは居ない。
そしてパウラは子を宿しており、既に王妃となっているのだ。
時は既に遅い。
「……嘘を吐けば、どうなるか分かっているだろうな」
「ひっ!」
言い逃れようと思案していた夫人の口から、小さな悲鳴が漏れ、目からは涙が溢れ出した。
それ程までに、ホセの圧倒的な威圧感に恐怖を抱いたのだ。
「……ラウラです……」
観念したナバーロ夫人は、小さく呟くように白状すると、ホセはその場へと崩れ落ちた。
知りたくなかった事実を、現実として今まさに突きつけられたのだ。
望む者を手に入れていたのに……ホセが自ら虐げ、手放し……もうこの世には居ない、あの時の少女。
悲しい目をした少女を、自分が絶望へと叩き落としたのだ。
生きてさえいればと願っていた彼女を、死を望む程に追い詰めたのも自分なのだ。
「ペンダントは……」
「陛下! お待ちください……!」
問答無用で侯爵邸へと入って行くホセに、執事や侍女達が声をかけるけれど、ホセは悉く無視をして、ただ一直線に屋根裏部屋へと歩を進めた。
そう、ラウラの部屋だと案内された屋根裏部屋に。
到着するとすぐにホセは、主の居なくなった部屋を漁り始める。
小さな机の引き出し、申し訳程度にあるクローゼット、積まれた木箱などを漁っているうちに、ホセの脳裏に記憶が蘇る。
パウラはいつも着飾っていた。ラウラにドレスやアクセサリーを奪われていたと言っていたにも関わらず、だ。
しかし、この部屋にあるのは質素なドレスだけ。アクセサリーの類など一つもない。
「くそっ!」
ホセは自分がいかに見ていなかったのかを思い知らされ、八つ当たり気味に叫ぶ。
そして……見つけた。木で出来た、質素な釣り具。
これこそ、思い出に残る、ペンダントを渡した少女が手にしていた釣り具だ。
「へ……陛下!?」
慌てて部屋へと入って来たナバーロ侯爵夫人は、ホセが手にしている物を見て、身体を強張らせた。
忘れる筈もない。
ホセを救った時に、ラウラが持っていた釣り具なのだから。
「……どういう事だ」
低く、地を這うようなホセの声に、ナバーロ夫人は血の気が引き、真っ白な顔になった。
「どういう事だと聞いている」
魅入られるように釣り具を持っていたホセは、鬼の形相でナバーロ夫人へと振り返った。
夫人は震え、奥歯がカタカタと音を鳴らす。
もはや弁明など今更だろう。しかし、このままではいけないという事は理解している夫人は、必死に言葉を絞り出した。
「あの子では……駄目なのですか……?」
「俺を助けたのは誰か、ハッキリと言え!!」
もはやラウラは居ない。
そしてパウラは子を宿しており、既に王妃となっているのだ。
時は既に遅い。
「……嘘を吐けば、どうなるか分かっているだろうな」
「ひっ!」
言い逃れようと思案していた夫人の口から、小さな悲鳴が漏れ、目からは涙が溢れ出した。
それ程までに、ホセの圧倒的な威圧感に恐怖を抱いたのだ。
「……ラウラです……」
観念したナバーロ夫人は、小さく呟くように白状すると、ホセはその場へと崩れ落ちた。
知りたくなかった事実を、現実として今まさに突きつけられたのだ。
望む者を手に入れていたのに……ホセが自ら虐げ、手放し……もうこの世には居ない、あの時の少女。
悲しい目をした少女を、自分が絶望へと叩き落としたのだ。
生きてさえいればと願っていた彼女を、死を望む程に追い詰めたのも自分なのだ。
「ペンダントは……」
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