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ただの客だったのに気づいたら恋人になっていた話 ①
しおりを挟むゲイ向けの風俗店のキャストである攻めを好きになってしまった受けが、風俗通いをやめようとしたら気づいたら恋人になっていた話。ほぼエロです。
美形×平凡
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「あっあっ、ヨウさ、ぁんっ、んんんぅっ」
「っは、侑良さん、気持ちいいっ?」
「んっ、んっ、きもちぃっ、あっああぁっ」
ベッドがギシギシと軋み、結合部からはぱちゅぱちゅぱちゅぱちゅっと卑猥な音が鳴り響く。
侑良の頭は快楽と幸福でふわふわになっていた。
好きな人と抱き合う時間はなんて幸せなんだろう。
幸せにどっぷりと浸かり、けれど今が幸せであればあるほど、この時間が終わった後の虚しさは大きく深くなる。
何度体を重ね、深く繋がっても、幸せは長くは続かない。時間が終わればそこでプツンと途切れてしまう。
なにせ相手は侑良の恋人でもなんでもない。この風俗店のキャストで、侑良は金を払って彼に抱いてもらっている客に過ぎないのだ。侑良は彼の事など源氏名くらいしか知らない。
地味で平凡な容姿の侑良は、人生も地味で平凡だった。元々引っ込み思案だった侑良は思春期に自分がゲイだと気付き、それを知られるのを恐れますます内気になり誰にも深く関わらないようにして生きてきた。
特に夢もなく大学を卒業し、やりたいこともなく無難な会社に就職し、職場と家を往復するだけの何もない人生を送っていた。
親しい友人もいないので、一人で過ごす休日。
良いことも悪いことも起きない、平坦な毎日。
慣れてはいるが、たまに無性に人恋しくなる。
寂しくて、誰かに傍にいてほしいと思う事がある。
そんな時だった。ゲイ向けの風俗店を見つけたのだ。
お金を払えば、平凡な侑良でも抱いてもらえる。客である立場なら、乱暴されるという不安もない。
風俗を利用しても、余計に寂しい気持ちになるだけではないか。金を払ってセックスしてもらって嬉しいのか。
そんな風にも考えたけれど、一度でいいからセックスをしてみたいという願望に抗えず。一度ならいいじゃないかと、侑良は風俗店のサイトを物色しはじめた。
そこで見つけたのが「ヨウ」というキャストだった。
爽やかな甘い風貌。優しそうな瞳。サイトに載っていた彼の顔写真に一目惚れした。
他のキャストと比べ群を抜いた美形だけあって、彼は人気ナンバーワンだった。予約は一ヶ月待ちで、けれど侑良は迷わず予約のボタンを押した。
それからずっとソワソワして、落ち着かない一ヶ月を過ごし。当日、ガチガチに緊張して店に向かった。何度も足を止めそうになりながら、一度きりの事なのだからと勇気を振り絞って店まで辿り着いた。
受け付けして部屋に案内され、そして遂にヨウと対面することになった。
生で見る彼は写真で見るよりもずっと綺麗で、輝いて見えた。すらりと背が高く、体格までも完璧に整っている。
侑良は憧れのアイドルと遭遇したかのように緊張しまくってしまい、まともに会話もできない状態だった。けれど彼はそんな侑良を笑うこともなく優しく接してくれた。まあ、客に対する態度としてはそれが当たり前なのだけれど。
内心は、こんな地味で平凡な客が相手かとガッカリしていたのかもしれない。こんなに緊張するくらいなら来るなよ、とか思われていたのかもしれない。
心の中でどう思っていたのかはわからないが、彼は終始優しく接してくれた。
誰にも触れられたことのなかった体を、丁寧に愛撫してくれた。自分でしか弄ったことのない後孔をぐちゅぐちゅに柔らかくほぐされ、何度も何度も絶頂へと導かれ、そして侑良ははじめてそこに男の欲望を咥え込んだ。しっかりと準備を施されたそこは、はじめてだと思えないくらいの快楽を侑良に与えた。感じすぎて涙を流す侑良を彼は優しく甘やかし、セックスの快感を教え込んだ。触れ合う肌の感触も感じる体温も何もかもが心地よく、侑良は身も心もとろとろに溶かされた。
結果、ずっぷりハマってしまったのだ。
一度客になれば優遇されるらしく。店からヨウ個人に支給されているスマホに連絡すれば簡単に予約が取れると言われ、その連絡先を教えられ。
一度だけのつもりだったのに、もう一回、もう一回だけ、と通いつめるようになってしまった。
優遇されるというのは本当で、何日の何時に予約したいとメッセージを送れば断られることなく予約が取れた。
気づけば侑良は週に一回のペースで店に通うようになっていた。
五、六回目の来店の際、ヨウに「いつも指名してくれてありがとうございます。俺とのセックス気に入ってもらえましたか?」と言われて。
こいつ毎回毎回指名してきてキモい。まさか俺の事好きなんじゃねーだろーな。と思われてるかもと被害妄想に囚われ、侑良は咄嗟に否定した。
「そ、そういうわけじゃないんです! あっ、も、もちろん、いつもすごく気持ちよくしてもらってますけど! 実は僕好きな人がいて、その人がとても経験豊富な人で、その人に相手にしてもらえるように経験を積みたくて、それで人気ナンバーワンのヨウさんのところで修行させて頂いてる次第でありまして……!」
思い切りヨウ目当てで店に通っているのに、ヨウ目的で店に通っているわけではないのだとアピールしたくて嘘をついた。
ヨウは数秒の沈黙ののち、穏やかに笑う。
「……そっかぁ。侑良さん、好きな人いるんですね」
「う、う、うん、そうなんだ」
「もしかして、だからキスはダメなんですか?」
プレイの最中、ヨウに「キスしてもいいですか?」と訊かれ、侑良はそれを断った。もちろんキスしたかった。でも、ヨウに申し訳なかったのだ。客とはいえ、自分のような凡庸な男とキスなんて本当はしたくないだろう。セックスしてもらえるだけでも有り難いのだ。だから侑良はキスは遠慮することにした。それが、都合よく侑良の嘘に信憑性を与えてくれた。
「あ、うん、そう、キスは、好きな人としかしたくないから……」
「そうだったんですか。侑良さん、その人とうまくいくといいですね」
ヨウの爽やかな微笑みに、胸が痛んだ。わかってはいたが、彼にとって侑良はただの客に過ぎない。侑良に好きな人がいようと、彼には何の関係もないのだ。
虚しくなるだけだとわかっているのに、侑良はそれからも店に通い続けた。会うたびにどんどん彼を好きになっていく。金を払っているから優しくしてくれるだけだというのに、彼に優しく甘やかされると嬉しくて堪らない。彼が与えてくれる快楽に溺れ、抜け出せなくなる。
二ヶ月、三ヶ月と過ぎ、さすがにまずいと思いはじめた。風俗は決して安くない。今まで趣味という趣味もなくつまらない生活を送ってきた侑良は貯金だけはあったのでまだ余裕はあるが、このまま通い続ければ確実に貯金は底を尽き、借金を背負うという事態に陥ってしまうだろう。つい、毎回毎回差し入れも持っていって貢いでしまっているのだ。
一度きりのはずが、ずるずると続けてきてしまった。いい加減終わらせなくてはならない。
侑良は風俗通いをやめる決心をした。
最後と決めて店へ行き、終わったあとヨウに告げた。もうここには来ないと。
ヨウは驚いたように目を見開く。
「え……もう、来てくれないんですか?」
「う、うん、ごめんなさい……」
「じゃあ、侑良さんにもう会えないってことですよね……」
ヨウは寂しそうに肩を落とす。
金蔓が一人減るのだ。ショックなのかもしれない。それとも清々すると思っているだろうか。
「もしかして、前に言ってた好きな人とうまくいったんですか?」
「えっ、あ、うん、そんな感じかな……」
「そうなんですね……」
ヨウは黙り込んでしまう。
彼は売れっ子だし常連などたくさんいるはずだ。侑良の事などすぐに忘れられてしまうのだろう。切なく思うが、それが現実なのだ。全て承知の上だったのに、やっぱり悲しくなってしまう。
風俗店で泣きそうになって、侑良は慌てて無理やり笑顔を作った。
「ヨウさん、ホントに今までありがとうございます。じゃあ、僕はもう行くので……」
「待って下さい……!」
去ろうとする侑良を彼は引き止めた。珍しく必死な顔で、侑良は困惑する。
「ど、どうしたの……?」
「お願いします、侑良さん。最後に一度、店の外で会ってもらえませんか?」
「えっ、店の外って……」
「侑良さんにお礼がしたいんです。たくさん指名してもらったから」
「そ、そんなの、僕が勝手にしたことだし……」
「それでも、俺は嬉しかったから。だからどうしてもお礼がしたくて」
「お礼なんて、そんな、いいよ……」
お礼なら侑良の方がしたいくらいだ。
侑良は遠慮するが、ヨウは引き下がらなかった。
「お願いします、本当に一度だけでいいので。わがまま言ってるのはわかってます。でも、どうしてもお礼がしたいんです」
「ヨウさん……」
「ダメですか……? 俺と店以外で会いたくない……?」
「そ、そんなこと……っ」
「侑良さん、お願いします……」
縋るような瞳で見つめられたら、断る事などできなかった。好きな人の最後の頼みなのだ。
わかったと頷けば、ヨウは嬉しそうに顔を輝かせた。その場で日時と待ち合わせ場所を決め、それから侑良は店を出た。
わざわざ店の外で会いたいなんて、他の客にも同じことを言っているのだろうか。もしかして、最後に高いプレゼントを貢がせようと思っているのかもしれない。それならそれで構わなかった。ヨウにお礼として何かプレゼントしたかったから。
約束の日、早めに待ち合わせ場所に行くと彼は既に待っていた。侑良は慌てて彼に駆け寄る。
「ヨウさん……っ」
「侑良さん、来てくれたんですね」
嬉しそうに目を細めるヨウに、胸が高鳴る。
彼とはもう何度も顔を合わせているが、店の外で会うのはこれがはじめてだ。そう考えると緊張してきた。
「それは、約束、したし……」
「嬉しいです、侑良さん」
彼の笑顔も言葉も全部仕事の内だとわかっているが、どうしたってときめいてしまう。
「ま、待たせてごめんなさい……」
「いえ、俺が早く来ただけですから」
「ヨウさん、何分に来たんですか? 僕ももっと早く来れば……」
「翔真です」
「っ……え?」
「俺の名前、翔真っていうんです。だから今日はそっちで呼んでもらえませんか?」
「あ、そうなんですね……。えっと、翔真さん……?」
「はい」
名前を呼べば、彼はふにゃりと頬を緩めた。
可愛い笑顔にまたときめいてしまう。自分が相当チョロいという自覚はある。
とりあえず食事を、ということで翔真に連れられカフェに入った。
スタイルもよく美形な彼は道行く人にチラチラと視線を向けられる。侑良のような地味な男と一緒にいて、恥ずかしいと思っていないだろうか。ネガティブな侑良はそんなことを考えてしまうが、翔真は周りの視線など全く気にする様子もなく話しかけてくる。
「侑良さん、何食べます?」
「どうしようかな……。全部美味しそうですね」
迷う侑良に翔真はオススメを教えつつ、メニューを決めやすいようにスマートに導いてくれた。
一緒に食事をしている間も、口下手な侑良に気を遣って翔真の方から色々と話してくれた。そのお陰で気まずい雰囲気になることもなく、穏やかな時間を過ごすことができた。
侑良が奢るつもりだったのに、翔真は当然のように支払いを済ませてしまった。自分の分は払うと言っても、今日は自分が誘ったから。お礼の為に来てもらったんだから。と受け取ってもらえなかった。
「翔真さん、欲しいものとかないですか? 腕時計とか、指輪とか。見に行きませんか?」
ならばプレゼントを……と思い、侑良は自分から誘ってみた。それが目的だとしても、プレゼントが欲しいなんて明け透けに言いにくいだろう。
翔真はすぐに乗ってくると思ったのだが。
「いえ、特に欲しいものは……。侑良さんが欲しいものあるなら、見に行きますよ」
「え、いや、僕も欲しいものは、別に……」
さらりと断られ、困惑する。最後に貢がせようと考えて誘ったのではなかったのだろうか。
「侑良さんが行きたいところないなら、来てほしい場所があるんです」
「はい、もちろん。どこですか?」
「俺の家です」
「え……?」
そうして、意図もわからぬまま彼の家に行くことになった。
連れてこられたマンションの高層階の一室。高級感漂うリビングは素通りし、通されたのは寝室だった。
「あ、あの、翔真さん……? ここで何を……?」
「それはこれから教えますから、とりあえずベッドに上がってもらえますか?」
「はあ……」
自分相手に変なことなどしないだろう。そう考えて、侑良は素直にベッドに上がった。
警戒心皆無の侑良は、強く肩を押されあっさりベッドに倒れた。
「へっ? えっ、翔真さん……!?」
困惑している間に両手首を掴まれ、アダルトグッズのモコモコのついた痛みのない手錠をかけられた。そして紐を使って頭上でベッドに固定される。
あまりの手際のよさに、侑良は抵抗らしい抵抗もできずされるがままだった。
「え、なに、なんで、翔真さん……どうして……?」
「侑良さん、警戒心なさすぎて心配です。こんなんじゃ、すぐに変な男に捕まって監禁されちゃいますよ」
「はあ……?」
わけがわからずポカンと翔真を見上げる。
彼はいつもの穏やかな雰囲気を纏いつつ、その瞳は暗い欲望を孕んでいた。
「ふふ。その呆けてる顔、可愛いです」
「いや、あの、それよりこれ、外して……」
「まだダメです。これから、侑良さんにしたいこといっぱいあるんですから」
「したいこと……?」
戸惑う侑良を横目に、翔真はサイドテーブルを引き寄せる。その上には所謂大人のオモチャであるローターなどが並べられていた。それを目にし、侑良は息を呑む。
「侑良さん、お店では全然オモチャのオプション付けてくれませんでしたよね。俺、侑良さんに使いたいのたくさんあったのに」
「えっ……あ? え……?」
翔真の態度はいつもと変わらなくて、それが余計に侑良を混乱させた。
「しょ、まさ……なんで、僕にこんなこと……」
「侑良さんが悪いんですよ。もうお店に来ないなんて言うから」
「ぁ……」
今まで散々優しくしてやった金蔓が、勝手にいなくなるなんて許せないということだろうか。
「あの……僕、また、店に行くから……」
「もう店には来なくていいですよ。俺も辞めますし」
「え……? じゃあ、なんで……。翔真さ、手、外して……こ、怖い、から……」
「ダメですってば。大丈夫、痛いことはしません。気持ちいいことをするだけです」
「な、なんで……?」
翔真が何を考えているのかさっぱりわからない。怖くて泣きそうになる侑良を見下ろし、彼は艶然と微笑んだ。
「侑良さんが、好きな人のところに行けなくなるようにするためです」
「ぇ……?」
「俺じゃなきゃ満足できない体にして、俺から離れられないようにするんです」
「? なに……わかんな……?」
「わからなくてもいいですよ。俺が勝手にそうするんで」
そう言って、翔真はベッドに乗り上げ侑良の服をがばりと捲った。
「ひゃっ……」
「まずは乳首、いっぱい可愛がってあげますね」
「やっ、ぁんっ」
自分で弄ったことなどなかったのに、翔真にしっかりと快感を教え込まれ今ではすっかり性感帯となってしまったそこは、優しく撫でられただけで気持ちよくなってしまう。
くり、くりとゆっくり転がされ、あっという間に固く勃ち上がった。
「侑良さんの乳首、ちょっと弄っただけですぐ勃起しちゃいますね」
「やっ、やだぁ、くりくり、しちゃ……っ」
「そうですね。侑良さんはもっと強く弄られるのが好きですもんね」
「ひぁあんっ、あっあんっ」
「ほら、すぐ可愛い声出しちゃって。俺に開発されて、感じやすい乳首になっちゃいましたからね」
「んあっあっあっんっ、きもち、いいっ」
「顔もすーぐ蕩けちゃって、可愛い……」
うっとりと侑良の顔を見つめながら、翔真は両方の乳首を捏ねくり回した。
きゅうっと摘ままれ、快感に背中が浮き上がる。愛撫をねだるように突き出した乳首をピンピンピンピンッと弾かれ、びくんっびくんっと体が跳ねた。
「んひぁっあっひぅうんっ、んっ、んう~~っ」
「っおっと……」
不意に愛撫の手が離れた。
高まっていた体は、急に快感を取り上げられ物足りないと疼く。
無意識に媚びるように身をくねらせれば、翔真は艶を帯びた笑みを浮かべた。
「侑良さん、イきそうだったでしょ」
「あっんっ、んぅ……」
「足りない、もっとしてって顔してますね。可愛い……」
「やっ、違っ……」
「違わないでしょう?」
「あっ……」
ズボンと下着をずり下ろされ、ぷるんっとペニスが飛び出す。勃起したそれは、既にたらたらと先走りを漏らしていた。
「ほら、もうおちんぽトロトロになっちゃってますよ」
「あっ、やぁっ……」
隠したいのに、ズボンと下着を足から引き抜かれてしまう。
「射精したそうに震えてるおちんぽには可哀想ですけど、今日はコレ使いましょうね」
「ふ、え……?」
翔真が手に取ったのは、小さな玉が連なったような細長いシリコンの棒だ。
「な、に……? なに、するの……?」
アナルに使うには細すぎる。使用方法がわからず怯える侑良に、翔真はうっそりと笑う。
「コレで、侑良さんのおちんぽ犯すんですよ」
楽しげに囁き、翔真はその棒にたっぷりとローションを垂らす。
「え、ぅ、えっ……? おち、んぽ……?」
「そうです。コレでいっぱいおちんぽくちゅくちゅしましょうね」
棒の先端をペニスの鈴口に宛がわれ、侑良は漸く理解する。
「ヒッ、や、やだぁっ、入れないで……っ」
「動いちゃダメですよ、侑良さん」
「やだ、こわいっ……翔真さん、お願い、やめてっ」
「大丈夫、怖くないですよ」
「やっ、そんなの入れたら、痛いもん……っ」
怯える侑良を見つめる翔真は、どんどん笑みを深めていく。恍惚としたその表情は今まで見たことがなかった。
「痛くないですから、ね?」
口調は優しいが、やめる気は一切ないようだ。
ペニスをしっかりと握られ、棒の先端がぬぷ……っと差し込まれる。
「ひぅっ……」
侑良は恐怖で動けなくなり、翔真はその隙に棒を奥へと進めていく。
「いい子ですね、侑良さん。上手に飲み込めて偉いですよ」
「ひっ、うっ、うっ、んっ、ううぅ~~っ」
ぬぷぬぷと尿道に異物が入り込んでくる。ローションでぬめったそれは、引っ掛かることもなく侵入を果たす。
絶対に痛いと身構えていたのに、翔真の言う通り痛みはなかった。
はじめて味わう感覚に最初は違和感しか覚えなかったというのに、ずりゅずりゅと尿道を棒で擦られ、徐々にぞくぞくとした快感が込み上げてきた。
「はっぁうっ、ふっ、ふぅっ、あんうぅっ」
「声が甘くなって、瞳もとろんてしてきましたね。おちんぽ犯されて気持ちいいですか?」
「ち、がぁっ、あうぅっんっあっあっやぁあっ、くちゅくちゅ、だめぇっ」
翔真に棒をぬちゅぬちゅと抜き差しされ、痺れるような快感に腰がぶるぶると震える。
「隙間からトロトロがぷちゅぷちゅって溢れてくるの、すごくエロいですよ」
「んゃっあっあっ、やめぇっ、おちんぽ、なかぁっ、擦らないで、ぇああっあんうぅ~~っ」
ぬちゅぅっと、更に奥まで挿入される。
「はひっ、ひうぅっ、やらっ、おく、はいってるぅっ」
「はい。おちんぽの一番奥まで犯しますからね」
「んひぃっ、ひっ、んうっ、うぅーっ」
見たくないのに、自分のペニスに棒が飲み込まれていく光景から目が離せない。
「ひっあっあっ、んぁあっあんっ」
「奥まで入りましたよ」
「やぁっあっ、なに、おく、あたって、あっあっあぁんっ」
「奥、気持ちいいでしょう? 先っぽでぐりぐりしてあげますね」
「んああぁっあっあぁっ、まって、ぐりぐり、らめぇっ、あっあっあっ、きもちぃっ、ひっあっあーっ」
「いやらしく腰振って、そんなに気持ちいいですか?」
快感に悶える侑良を見つめ、翔真はにんまりと唇に弧を描く。
「感じてもらえて良かったです。侑良さんは絶対好きだろうなって思ってて、ずっと使ってみたかったんですよね」
「ひはっはっ、あっあっんあっんうぅっ」
「おちんぽの穴、犯されるの気に入ってもらえました?」
「んひぅうっんぅーっ、いきたっ、あっ、いく、いくぅっ、んぁっあっ、いきそ、なのにっ、んっんっんんうぅうっ」
塞がれていなければとっくに射精していた。吐き出したいのに吐き出せないもどかしさに、はしたなく腰が揺れてしまう。
「やぁぁっ、しょ、まさぁっ、ぬいて、んっあっあっ、おちんぽ、いかせてぇっ」
「侑良さんのおねだりはとっても可愛いですけど、ダメですよ」
涙を浮かべ懇願するが、翔真は笑顔を崩すことなくあっさりと突き放す。
いつもなら、彼はすぐにお願いを聞いてくれた。常に優しくて、意地悪なんてされたことなどなかったのに。
侑良がもう客じゃなくなるから、だから優しくしてくれなくなってしまったのだろうか。
そう考えて泣きそうになる。
「泣かないで、侑良さん」
眦に滲む涙に、翔真の唇が触れた。唇の感触は酷く優しい。
優しくされたり意地悪されたり、侑良はどうすればいいのかわからなくなる。
「じゃあ、さっき途中でやめちゃった乳首、また気持ちよくしてあげますからね」
「やっ、しないで、きもちぃのいらないからぁっ」
射精できない状態で愛撫されれば辛くなるだけだ。
いやいやとかぶりを振るが、やはり翔真は聞き入れてくれない。
「ウソ。さっき『もっと』って顔してましたよ。乳首、いっぱい気持ちよくしてほしいんでしょう?」
「あぁんっ」
「ほら、軽く撫でただけでそんな感じちゃって」
「あっあっあっんゃぁあっ、ちくび、だめぇっ」
乳頭を優しくすりすりと指の腹で擦られる。弱い刺激にも侑良は過敏に反応し、翔真を楽しませてしまう。
「弄りすぎると痛くなっちゃいますから、ローション使いましょうね」
「はぇっ、えっ、あっやっ、ぬるぬる、つけないで、あっあっあんんっ」
「侑良さんの乳首、ぬるぬる光ってエロくて可愛いですよ」
「ひぁあああんっ」
ローションをまぶされた両方の乳首をにゅるにゅると押し潰される。ぬるぬるした感触が気持ちよくて、侑良は喘ぎ声を止められない。
摘ままれればにゅるんっと滑り、鋭い刺激に無意識に腰が動いた。
「乳首気持ちいいですか? 腰動いちゃって、やらしー」
「んぁっやっ、やらぁっ、はずかし、見ないで、へぁっあっあっあぅんっ」
「見るでしょ侑良さんのこんなエッチな姿。腰の動きに合わせて、射精できないおちんぽぷるぷるさせて、ホントかぁわいいんだから」
乳首を弄られて、射精を求めるように腰を振る。そんな侑良の痴態を、翔真は舐めるように見つめた。
「も、やぁぁっ、せぃえき、出せないのつらいぃっ、ちくびやめて、あっんっんっ」
「そうですね。指で弄るのはやめて、今度はコレ使ってみましょうね」
「んぇ……?」
指が離れたと思ったら、今度はローターを持って戻ってきた。
翔真がスイッチを入れると、ヴヴヴヴ……と振動する。それを乳首に近づけられた。
「ひっ、やぁっ、まっ、だめっ……んひぁあっ」
ブルブル震えるそれが乳首に触れ、その刺激に侑良は背中を仰け反らせた。
「いい反応。ローターで乳首ぐりぐりされるの気持ちいいですか?」
「ひっひぃんっ、まって、とめてぇっ、あっあっひゃあぅんっんっんんぅっ」
にゅるんっにゅるんっと逃げる乳首を、ローターで執拗に追いかけられる。小刻みな振動は指や口でされるのとは全く違う快楽を侑良にもたらした。
両方の乳首に交互にローターを押し当てられ、気持ちよくて堪らない。ぞくぞくっと快感が背中を這い上がる。けれど熱は塞き止められ、蓄積していく一方だ。
「やあぁっ、きもちぃっの、つらい、ぁああっあっいくっ、いきたいのにぃっ、おちんぽ、くるし、んやっあっひっ、しゃせぇしたいっ」
「射精するくらい気持ちいいんですね? そんなに喜んでもらえて嬉しいです」
にこにこと嬉しそうに微笑んで、翔真はもう一つローターを手に取った。
それを目にし、侑良はひっと息を呑む。
「侑良さん、気に入ってくれたみたいなんで、乳首に固定しときましょうね」
「やっ、なに、やだ、やめて……っ」
「今まで侑良さんのそういう反応見たことなかったけど、すごい興奮するなー」
「ひぃっ……」
「いいですね、その怯えた顔」
瞳に嗜虐の陰を帯び、翔真はローターを乳首に押し付けテープで固定する。
「や、だぁっ、こんな、しないでぇっ、ひっあっあぅうっ、やぁあっ、はずしてぇっ」
手首を拘束され抵抗もできず、やめてと頼んでも無視され、二つの乳首にローターをテープで貼り付けられてしまう。
ブルブルとした振動が延々乳首に伝わってくる。敏感な突起が押し潰され刺激を与えられ続け、侑良を甘く苦しめた。
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