BL短編まとめ(現) ①

よしゆき

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ブラコン×ブラコン 2

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 和希視点


───────────────



 和希が八歳のとき、母親が再婚することになった。再婚相手には息子がいて、和希には義兄ができることになる。
 どんな人? と母に尋ねれば、写真を見せてくれた。

「この人が新しいお父さんで、この子が和希のお兄ちゃんになるのよ」

 写真に写る陽太を一目見て、和希は恋に落ちた。
 早く会いたくて、顔合わせの日を和希は心待にしていた。
 そして写真ではない本物の陽太と出会い、和希は衝動のままに彼に抱きついた。「お兄ちゃん」と呼べば陽太はとても嬉しそうに微笑んでくれた。
 これから家族となり、陽太とずっと一緒にいられるのだと思うと心の底から嬉しかった。
 その後和希と陽太の親が正式に結婚し、同じ家で暮らすことになった。
 毎日陽太と顔を合わせられる生活は幸せだった。
 陽太は和希をとても可愛がってくれた。甘えれば、甘やかしてくれる。嫌がらず、偉ぶらず、疎ましがることなく和希に接してくれた。
 だから和希はどんどん陽太にベッタリになっていった。家で過ごす時間の殆どを陽太と過ごした。お風呂も一緒。寝るときも一緒。
 陽太は決して和希を拒絶しない。全てを受け入れてくれる。
 そんな陽太を和希はますます好きになっていった。
 陽太が他に関心を向けないよう、常に彼の気を引いた。
 幸い、陽太は和希にメロメロで、好きな女子もいないし、恋人も作らないでいてくれた。休日は殆ど和希と過ごしてくれる。
 陽太の心の大多数を占めるのは和希だと、自信を持って断言できるほど可愛がられていた。
 成長するにつれ、陽太への思いは大きくなっていく。
 最初は陽太の傍にいられるだけで満足できていた。けれど徐々にそれだけでは物足りなくなっていった。
 陽太に触れたい。キスしたい。舐めたい。匂いを嗅ぎたい。
 純粋な恋心はいつの間にかいかがわしい欲にまみれていた。
 陽太を見ているだけで、彼の声を聞くだけでムラムラして襲いかかりたくなる。
 だから、泣く泣くお風呂は別々に入ることにした。陽太の裸を見るだけで勃起してしまうから。
 陽太にとって和希はまだ子供で、可愛い義弟なのだ。しかし和希は陽太の裸を見るだけで勃起してしまう。勃起したぺニスを見られてしまったら、和希は平気だが、初心な陽太はびっくりするだろう。気まずくなってしまうかもしれない。まだ陽太の前では純粋で可愛い弟でいたかったので、一緒にお風呂に入るのは諦めることにした。残念だが、陽太とお風呂は恋人になるまでお預けだ。
 その代わり、寝ている陽太にいたずらしまくった。毎日同じベッドで寝ているので触りたい放題だった。
 まだ陽太が眠りに就く前、寝相が悪い振りをして彼のパジャマの裾から手を入れて柔らかい乳首を指で撫でると陽太はぴくぴくと肩を震わせて、でも和希を起こしてはいけないとじっと動かずにいて、健気な陽太にきゅんとして更にそこをぷにぷにすれば、乳首は徐々に固く膨らんでいって、ちょっと強く擦ると陽太は「んっ……」と甘い声を上げそうになり、必死に唇を噛み締めて声を我慢する陽太が可愛くて堪らなく興奮して和希も荒い呼吸を懸命に耐えた。
 いつまで弄っていたいがそうすると陽太が眠れないので、暫く楽しんだあとはさりげなく手を離した。
 陽太はほっと体の力を抜き、やがてすやすやと眠りに就く。
 陽太が眠りに落ちてから、再び和希は彼の体に触れた。今度は大胆に、遠慮なく至るところをまさぐった。
 陽太の唇に吸い付き、柔らかなその感触を楽しむ。唇をはむはむと食み、それから口内に舌を差し入れ、舐め回し、思う存分味わった。

「んっ、ちゅっ……はあっ、お兄ちゃんの口の中、あったかくてぬるぬるで、気持ちい……」

 ちゅうちゅうと陽太の舌を吸いながら、彼のパジャマを捲り上げる。ふにふにと両方の胸を掌で揉めば、陽太はもぞもぞと身動いだ。
 唇を離し、次は可愛い乳首を美味しく食べさせてもらう。ぷくりと尖ったそれを唇に含んでしゃぶって吸い上げる。もう片方も指で押し潰し、摘まんで捏ねて、弄り回した。

「お兄ちゃんの乳首、コリコリになったね。気持ちいいの?」
「んっ……んんっ……」

 陽太の口から、甘やかな声が漏れる。悩ましげに眉を寄せ、頬は紅潮し、濡れた唇から赤い舌が覗いていた。
 陽太の艶かしい表情に堪らなく興奮して、和希は自身の陰茎を取り出した。既に勃起していたそれを、陽太の乳首をねぶりながら扱く。
 あっという間に射精してしまい、陽太と恋人になってセックスするまでにはもっと耐えられるようになっておかないと、と考えながら陽太のズボンとパンツをずり下ろした。
 胸を弄られて感じたのだろう。彼のぺニスはやや膨らみを増していた。
 陽太が自分の愛撫に快感を得ていたのだと思うと酷く気持ちが高揚した。
 僅かに勃ち上がったぺニスにむしゃぶりつく。

「んんっ……はっ、ぁっ……」

 陽太の微かな喘ぎ声を聞きながら、彼の欲望の隅々まで舌を這わせる。

「はあっ、美味し、お兄ちゃんのおちんちん……」

 陰嚢を口に含んで舐めしゃぶり、幹に唇を押し当てちゅっちゅっと吸い付き、先端をぺろぺろと舐め回す。

「ふぅっ……ぁんっ」

 括れを舌先で刺激すれば、陽太の腰がびくんっと跳ねた。

「気持ちいいの? 可愛い、お兄ちゃん」

 鈴口からじわりと滲み出した先走りを音を立てて啜った。
 陽太のぺニスを口淫しながら、和希はまた自慰に耽る。
 こうして、和希は毎夜陽太にいたずらを繰り返した。
 いずれ自分の男根を受け入れてもらうアナルもしっかりと開発した。陽太に痛い思いはさせたくない。はじめてのときもちゃんと感じてもらえるように前立腺の場所を覚え、来るべき日に備えた。
 寝ている間に体を好きに触りまくっても、陽太は一度も目を覚まさなかった。心配になるほど眠りが深い。
 和希は別に陽太が起きてしまってもいいと思っていた。誤魔化せる自信があった。たとえどんな突拍子のない言い訳をしようと陽太は和希の言うことを信じてくれる。なにをしても許してくれる。陽太が和希を拒絶することはない。
 和希はそう確信していたし、実際にそうだった。
 だから和希はバレることなど恐れずに好き放題陽太の体を見たり嗅いだり触ったり舐めたりそれはもう色々した。
 起きている陽太に色々とできる日を心待ちにしながら。





 そして漸く、念願叶って陽太と結ばれることができた。かなり強引ではあったが、陽太は恋人になると言ってくれた。認めさせてしまえばこっちのものだ。撤回などさせないし、別れることも許さない。
 陽太は和希の気持ちを家族愛だと思っている。だからいつか和希がそのことに気づけば、この関係も終わると考えている。
 だが和希はこの先一生陽太を離す気はなかった。






「おお! 似合ってる! カッコいい!」

 高校の制服に着替えて陽太に見せれば、彼は興奮した様子で和希を褒め称えた。
 ブレザーにネクタイのなんの変哲もない制服なのだが、陽太は目をキラキラさせ、あらゆる角度から和希を見つめ、スマホを構えた。

「写真撮っていいか!?」
「うん、いいよ」

 頬を紅潮させて訊いてくる陽太に頷く。陽太は嬉しそうに頬を緩め、何度もシャッターを鳴らした。
 夢中になって写真を撮る陽太が可愛くて可愛くて今すぐ押し倒したくて堪らない。けれど楽しそうな陽太の邪魔はしたくないので我慢した。
 何十枚と撮り終え、漸く陽太はスマホを置いた。

「ありがと、和希」
「ううん。でも、代わりにお兄ちゃんの写真も撮らせてくれる?」
「俺の? 別にいいけど」
「ほんと? ありがとう」

 にっこり笑って、和希はおもむろに陽太に口づけた。
 突然のことに陽太は驚いていたが、もちろん抵抗はしない。
 戸惑いながらも決して抗わない陽太の口を割り、舌を差し込む。

「んっ、ふぁっ……」

 陽太の小さな舌を絡めとり、ちゅうちゅうと吸い上げた。
 仰け反る陽太の後頭部を手で押さえ、彼の口腔内を貪る。
 送り込まれる唾液を必死に飲み込み、深いキスに翻弄される陽太の腰を抱き寄せ、体を密着させた。陽太は震える手で和希にしがみついてくる。
 室内には陽太のくぐもった声と、ぴちゃぴちゃと濡れた音だけが聞こえていた。
 ねっとりと濃厚なキスをたっぷりと交わし、糸を引きながら唇を離す。
 陽太は惚けた顔で荒い呼吸を繰り返していた。
 とろりと潤んだ瞳。
 艶かしく赤く腫れた唇は二人の唾液で汚れている。
 その陽太の顔を、和希はスマホで撮った。
 シャッターの音に、陽太はぴくりと反応する。

「あっ、今、撮ったのか……?」
「うん」
「だ、ダメだ、消して、こんな顔撮るな……」
「どうして? すっごく可愛いのに」

 陽太の可愛い顔は飽きることなく永久に和希のオカズにできる。

「かっ、可愛いわけ、ないだろ……っ」

 自分の愛らしさをわかっていない陽太は怒ったように言って、真っ赤に染まった顔を手で隠す。
 その仕草も和希を煽るだけなのに、陽太は全くわかっていない。

「可愛い、すごく可愛い、好き、お兄ちゃん」
「んんぅっ」

 手をどけさせ、また唇を塞ぐ。角度を変えて、何度も何度もキスを交わす。

「んあっ、あっ、かず、んっ、も、ダメだっ」
「えー? なんで?」
「制服、そろそろ着替えないと、皺になる、だろ……っ」

 陽太はせっかくの新品の制服に皺がついてしまうのが気になるようだ。
 和希はにんまりと笑う。

「じゃあ、お兄ちゃんが脱がせて」
「へっ……」
「ね?」

 陽太の手を取り、ネクタイの結び目へと導く。

「脱がせて、お兄ちゃん」

 艶っぽく囁けば、和希の色気にあてられたように陽太の頬がじわりと紅潮する。
 和希の頼みを陽太は断らないと、和希はもちろんわかっている。それは幼い頃からずっと変わらない。陽太は和希を溺愛しているから。
 陽太は恐る恐るネクタイをほどく。その顔は真っ赤に染まっている。ただネクタイを外しているだけなのに恥ずかしがる陽太の可愛さに堪らなく興奮した。

「可愛い、陽太」
「かっ、和希の方が断然可愛い」

 陽太はむっと唇を尖らせ、なぜか張り合うように言い返してくる。
 陽太が和希を溺愛しているのはわかっているし、陽太にはいつまでも可愛いと思われていたいので否定はしないが、もちろん和希は陽太の方が可愛いと思っている。拗ねたような顔で可愛いことを言ってくる可愛い陽太を押し倒したくなるが我慢した。陽太に制服を脱がせてもらっている途中だから。
 裸なんて何度も見てるのに、脱がせるのは恥ずかしいようだ。陽太は辿々しい手付きで一つ一つボタンを外していく。
 赤く染まる可愛い耳にしゃぶりつきたい。
 煩悩と戦いながら、和希は大人しくブレザーを脱がされた。
 陽太は次にシャツのボタンに取りかかる。これも焦れったくなるほど時間をかけて全てを外し終えた。
 シャツを脱がせれば、残すはズボンだ。
 陽太は窺うように和希を見た。下も脱がせるのかと視線で問われ、和希は促すように微笑んだ。
 陽太はごくりと喉を鳴らし、ベルトに手をかける。
 赤面し、緊張した面持ちでベルトを外す陽太から和希は片時も目を離さない。
 震える指でボタンを外し、チャックを下ろす。
 僅かに膨らんだ股間を見て、陽太が動揺するのがわかった。更に顔を赤くし、目のやり場に困り視線をさ迷わせる。動揺を必死に押し隠しながら、陽太はズボンを下ろした。
 時間をかけ、和希は漸く制服を脱ぎ下着一枚の姿になった。

「ありがとう、お兄ちゃん」
「お、お、おうっ」
「これでもう制服のことは気にせず、思う存分お兄ちゃんに触れるね」
「へ……? あ、んうっ……」

 和希は陽太の唇を奪う。触りたくて我慢していた分、貪るような激しいキスを交わす。戸惑う陽太の口腔内を舌でめちゃくちゃに掻き回した。

「んっ……ふぅんんっ……」

 くぐもった声を漏らす陽太を強く抱き締め、体を密着させる。そのまま、後ろにあったベッドへと押し倒した。
 ぐんと体積の増した男根をぐりぐりと陽太の股間に押し付ける。布越しに揉みくちゃにされ、陽太のぺニスもズボンの上からわかるほどに膨らんだ。にちゅにゅといやらしい水音が聞こえてくる。

「んゃあっ、汚れ、るぅ……っ」
「じゃあ脱いじゃおうね」

 一度唇を離して陽太の衣服を剥ぎ取った。和希も下着を脱ぎ捨て、互いに全裸になった状態で再びキスをする。
 陽太の舌を吸いながら、彼の胸に触れる。掌で乳輪ごと乳首を優しく擦れば、そこはすぐに固く尖った。掌に、こりこりとした感触が伝わってくる。

「んふぅっ、んっ、はんんっ」

 陽太の背中が浮き、そんなつもりはないのだろうが、和希の手に乳首を押し付けるような状態になる。
 そんな陽太の痴態に煽られ、和希はキスをやめて彼の乳首にむしゃぶりついた。

「んああぁんっ」

 陽太の甘い悲鳴を聞きながら、ぷくんと尖った乳首を味わう。指と唇で、夢中になって交互に愛撫を繰り返した。

「ひあっあっあっあぁんっ」
「お兄ちゃん、気持ちい?」
「んっ、ぃ、いいっ」

 恥ずかしがりながらも、尋ねれば陽太は「気持ちいい」と言ってくれる。
 寝てるときには当然返ってこなかった反応だ。だから堪らなく嬉しい。もっともっと感じさせて、羞恥に悶えながらも恥ずかしい言葉を口にする陽太を見たい。

「乳首ぺろぺろされるの好き?」
「あっ、す、きぃっ、あっあっあんっ」
「じゃあ、ちゅうって吸うのは?」
「んあっ、それも、きもちいっ、んっ、ちゅうって、されるの、いいぃっ、はひっああっ」
「はあっ……お兄ちゃんのおちんちん、もう苦しそうだね」

 下肢に目を向ければ、陽太がびくびくと体を跳ねさせる度に、勃ち上がったぺニスがぷるぷると揺れている。その先端は漏らした先走りで濡れていた。
 和希は胸から離れ、下半身の方へ移動する。
 そこで、陽太が制止の声を上げた。

「あっ、和希、ま、待って……っ」
「うん?」
「あ、あ、きょ、今日は、入れるのは、ダメだ……」

 危険日だからと恥じらう少女のように顔を真っ赤にする陽太に興奮しつつ、表向きは平静を装う。

「どうして?」
「だ、だって、昨日も、したし……」

 昨日も一昨日もその前も、陽太と恋人になってからほぼ毎日体を重ねている。

「こ、こういうのは、こ、恋人、だからって、あんまり、毎日するのは、よくないと思う……」

 しどろもどろに陽太は言う。
 和希が強くねだれば最終的に陽太が折れることはわかっていたが、そうはせず和希はあっさり引き下がった。

「わかったよ、お兄ちゃん」

 にっこり笑えば、陽太はほっと表情を和らげた。
 安心している陽太に、和希はしっかり要求する。

「じゃあ、入れないから触ってもいい?」
「う、う、う、うん……」

 逡巡しながらも陽太は頷く。
 和希は素早くローションを手に出し、濡れた指で後孔に触れた。
 陽太は慌てて止めようとする。

「か、和希っ……」
「ちんぽは入れないよ。指を入れるだけ」
「で、でも……」
「指もダメなの?」

 悲しげに顔を曇らせれば、陽太は「ううっ……」と言葉を詰まらせた。

「指でくちゅくちゅするのもダメ? お兄ちゃん、もう俺にお尻弄られるの嫌になっちゃった?」
「ち、違う! 嫌じゃないから! していいから!」
「よかった」

 必死に否定する陽太を大変可愛らしく思いながら、和希はうっそりと微笑んで動きを再開する。
 粘液を窄まりに塗りつけ、ぬぷりと指を差し込んだ。

「お兄ちゃんの中、あったかくてぎゅって締まってて気持ちいい」
「ひうっ、んっあっあっ」
「お兄ちゃんもいい? ぬるぬるになったお尻おまんこ、指で擦られるの気持ちいい?」
「うっ、ん……きもち、いっ、あっあっあんっ」
「おちんちんも扱いてあげるね」

 指を抜き差ししながら、握ったぺニスを上下に擦った。
 解したアナルに指を増やし、ぐちゅぐちゅと音を立てて掻き混ぜる。無意識なのだろうが、肉壁が和希の指を締め付け、悦ぶように蠢いていた。
 和希の陰茎は痛いほどに張り詰め、今すぐにでも、誘うように収縮を繰り返す後孔に突っ込んでぐちゃぐちゃにしたい衝動に駆られるが、ぐっとこらえた。今は陽太を気持ちよくさせることに集中する。

「ひぁんっ、あっひんっ、かず、かずきぃっ」
「うん、気持ちいいね」
「いいっ、あっ、いくっ、もぉ、かずき、俺ぇっ」

 扇情的に腰をくねらせる陽太を目に焼き付けながら、和希は手の動きを速くした。
 溢れた先走りを塗りたくり、ぬちゅぬちゅとぺニスを擦る。同時に、中に埋め込んだ指で前立腺をこりこりと押し潰した。

「ひあっあっ、いく、いくぅっ、んっ、っ~~~~~~!」

 内腿を痙攣させ、ガクガクと腰を揺すりながら陽太は射精した。吐き出された体液を、和希が全て掌で受け止める。
 目を見開き、はっはっと荒い息を吐く陽太をじっと見つめた。焦点の合っていない瞳は涙で潤み、頬は紅潮し、開きっぱなしの唇は唾液で濡れている。普段は性欲とは程遠い純朴な雰囲気を纏っているのに、こういうときの陽太の表情は酷く艶を帯びている。和希は陽太の見せるそのギャップに、堪らなくそそられる。

「陽太、気持ちよかった?」
「ん……」

 あどけなく、こくりと素直に頷く陽太も可愛くて滾る。

「あ……和希も……」

 そう言って、下半身に手を伸ばしてくる陽太を止めた。

「いいよ、お兄ちゃん。俺、自分でするから」
「え……?」

 艶然と微笑み、和希は陽太の体液でべっとりと汚れた手で自身の性器を握った。反り返った肉棒を、ごしごしと擦り上げる。

「か、和希っ……」

 目の前で自慰をはじめられ、陽太は顔から火をふきそうになっている。

「はあっ、あっ……お兄ちゃんの精液、ぬるぬるで気持ちいい……っ」

 興奮で声が上擦る。
 和希は陽太の精液でべとべとになった陰茎を、激しく扱き上げた。

「あっ……あ……」

 陽太は小さく声を漏らした。
 動揺しながらも、陽太は和希から目を離せずにいる。自身の体液で汚れ、先端から先走りを滴らせ、ぐちゅぐちゅぐちゅぐちゅと大きく擦られる男根を、食い入るように見つめていた。
 その瞳がとろりと蕩けていく様に、和希は舌舐めずりする。

「っは、はあっ……お兄ちゃんのおちんちん、また勃ってるね」
「っ、あ……」

 指摘すれば、陽太は強い羞恥に体を竦ませる。
 射精したばかりの陽太のぺニスは、指一本触れられぬまま、再び頭を擡げていた。

「はあっ、はあっ……俺がオナニーしてるの見て、興奮したの?」
「ち、違っ、そんな……っ」
「んっ……俺は、お兄ちゃんに見られてすごく興奮してる……っ」

 情欲の浮かぶ瞳で、視姦するように陽太を見つめる。目が合い、陽太はぶるりと体を震わせた。発情したように息を乱し、もじもじと腰を捩っている。
 雌の顔を見せる陽太から目を離さずに、和希は陰茎を擦り続けた。

「はっ、あっ……もうイきそう、お兄ちゃんに見られながらオナニーして、もうイッちゃいそう……っ」
「あ、ぅ……」

 陽太は何度も内腿を擦り合わせている。
 そんな陽太を見つめてうっとりと目を細めた。

「精液出していい? お兄ちゃんの顔にかけたいな」
「はっ……あっ……」
「でも、お口の中にも出したいな。ピンクの可愛い乳首にかけるのもいいかな。それともお兄ちゃんのおちんちんにかけようか」
「っ、っ……」
「はあっ、オナニー気持ちいいっ、ねえ、もう出していい?」
「だ、だめっ……」

 陽太は泣きそうな顔で声を上げた。
 そんな陽太に微笑み、和希は手の動きを止める。

「どうして?」
「ぉ、オナニー……しないで……俺の中に、出して……っ」
「中って? お口の中がいいの?」
「っお、お尻、中……」
「いいの? お兄ちゃんの中気持ちいいから、一回入れちゃったらずっと入れっぱなしにしちゃうよ? 精液出なくなるまでいっぱい中に出しちゃうよ? それでもいいの?」
「っ……いい、から……」

 陽太は和希に縋りつく。
 すっかり後孔を開発され慣らされてしまった体を持て余し、我慢できなくなってしまったようだ。和希がそういう風にしたのだ。
 和希は内心ほくそ笑み、体勢を入れ替える。ベッドに寝そべり、陽太に体を跨がらせた。

「じゃあ、お兄ちゃんが自分で入れて」
「え、でも……」

 おろおろする陽太のアナルに、亀頭を押し付ける。

「大丈夫だから、ゆっくり腰落として……」
「う……」

 真っ赤になってぶるぶる震える陽太に甘く囁く。

「俺のちんぽお兄ちゃんの中に入れて……?」
「んあっ……」

 陽太は和希の声に感じたように肩を弾ませ、ふうっふうっと息を荒げながら少しずつ腰を落としていった。

「あっ、あっ、入るっ、和希の……っ」
「っ、うん、俺のちんぽ、陽太のお尻おまんこに入ってるよ」

 ぬぷぷ……っと、剛直が肉筒に飲み込まれていく。温かい粘膜に包まれる快感に、和希は熱い息を吐いた。

「ああっ、あっあっひんっ、きもちいっ? かずきぃっ、いい? おちんぽ、気持ちいい……?」
「すっごく気持ちいいよ。お兄ちゃんの中、熱くて、狭いのに柔らかくてとろとろで、ちんぽ溶けそうなくらい気持ちいい……っ」
「あっ、うれし……んっ、もっと気持ちよくなって、あっあっあっあぁっ」

 陰茎を扱くように、陽太は腰を上下に揺する。
 涙を流し、蕩けた顔で、一生懸命腰を振り立てる陽太の痴態に煽られ、和希の欲望は更に膨らんだ。

「はあっ、可愛い陽太、エロくて可愛い、大好きっ」
「んひっ、あっひっ、かず、かずきっ、あっあぁっ」
「っ、陽太、もう出そう……っ」
「うんっ、出して、俺の中ぁっ、あっんあっあっ」

 陽太は腰の動きを速くして、和希の射精を促す。
 ずっと耐えていた和希は、我慢せずに精を吐き出した。

「ひあっあっ、出てる、和希の……っ」

 陽太は大きく目を見開いて、搾り取るように男根を締め付ける。

「はあっ、すごい、陽太の中、ぎゅうぎゅうってちんぽ扱いて、精液、搾り取られる……っ」
「はっ、んっんっ……」
「んっ……はあっ、ありがとう、お兄ちゃん、気持ちよくしてくれて」
「うん……」

 和希の言葉に陽太は嬉しそうに頬を緩める。兄バカの陽太は和希の為になにかをするのが嬉しくて堪らないらしい。付け込み放題なのだ。そんな陽太が和希は愛しくて堪らない。
 上半身を起こし、対面座位の体勢になり和希は陽太の耳に囁く。

「お兄ちゃん、もう一回」
「う、うん……」
「今度は、もっと奥まで入れて?」
「っ……それ、は……」

 陽太は言い淀む。
 和希の陰茎は全てを埋め込まれてはいない。陽太がそれ以上腰を下ろすのを躊躇い、止めているのだ。

「ね、入れて?」
「で、でも、これ以上は……っ」
「ダメなの?」
「っ、っ、だって、奥、入っちゃう、からっ……」
「うん、入れて? 俺のちんぽ、全部陽太の中に入れさせて」

 耳の中に直接吹き込むように熱っぽく囁けば、陽太の瞳が揺れる。
 陽太が怖がっているのはわかっていたが、わかっていて和希は陽太にねだる。陽太が可愛い義弟のお願いを断れないと知っていて。

「入れたい、ちんぽの先っぽ、奥まで入れてぐぽぐぽしたい、お兄ちゃん」
「ふっ……う……でも、でも……っ」
「奥、痛くないよね? ぐりぐりされたらお兄ちゃんも気持ちいいでしょ?」
「っ、奥、きもちぃの、怖い、から……っ」
「大丈夫だよ、たくさんすれば怖くなくなるから」
「んああぁんっ」

 そういう問題ではない、と陽太が反論する前に、彼のぺニスを掌に包んで擦った。指の腹で鈴口をくちゅくちゅと撫でる。

「んひぁっあっあぁっ」

 自身の体を支えていた陽太の膝ががくりと崩れる。腰が落ちて、亀頭が最奥にめり込んだ。

「っ、~~~~~~っ」

 その瞬間、陽太は声も上げずに絶頂を迎えていた。びくんびくんと全身を震わせ、けれどぺニスから精液は出さずに。
 身悶え、腰を捩ればまた奥を抉られ、その刺激でまた達する。

「んひっひっ、いって、またいくぅっ、ひあぁっ、いく、いく、あっ、あ────っ」

 見開いた目からぽろぽろと涙を零し、陽太は連続絶頂に怯えて和希にしがみついてくる。和希の背中に爪を立てていることに気づかず、強すぎる快楽から抜け出そうともがいている。
 普段は決して和希を傷つけることなどしない陽太が、我を忘れて縋りついてくるのが嬉しくて、和希はうっとりと目を細めた。
 陽太が達する度に蠕動する肉筒が剛直をきつく締め付け、和希にも強烈な快感をもたらした。めちゃくちゃに突き上げてしまいたい衝動をこらえ、和希は陽太を抱き締める。

「大丈夫だよ、陽太。怖くない、気持ちいいだけでしょ」
「ひぅっうぅんっ、んあっあっ、かずきぃっ」

 すんすんと鼻を啜って泣きじゃくる陽太の顔に、何度も優しくキスを落として宥める。

「気持ちいいよね、陽太。奥まで俺のちんぽずっぽり嵌められて、何回もイッちゃったもんね」
「あっあっ、きもち、いぃっ」
「俺もすっごく気持ちいい。お兄ちゃんのここで、ちんぽぎゅうぎゅうしてもらって、すっごく嬉しいよ」

 陰茎が入り込んでいる陽太の腹部を外側から撫でた。
 蕩けた笑顔で甘えるように陽太の頭に頬擦りする。

「嬉しい、ありがとう、お兄ちゃん」
「う、嬉しい? んっ、あっ、和希、うれし……っ?」
「うん、すっごく嬉しくて、気持ちいいよ」
「あ……」

 義弟が嬉しいと自分も嬉しくなる兄バカの陽太は、わかりやすく喜色を浮かべる。

「俺と一緒にもっともっと気持ちよくなろうね」

 そんな和希の言葉に、陽太はあっさり頷いた。

「な、なるぅっ、かずきと、一緒……っ」
「チョロすぎるの可愛いけどチョロすぎて心配だなぁ。お兄ちゃんがチョロいのは俺だけにだと思うけど」

 和希の言葉に簡単に絆される陽太に不安になり、ぶつぶつと呟いた。正気に戻ったときに、ちゃんと「他の人とこんなことしないでね」と釘を刺しておかなくては。もちろん陽太は「するわけないだろ」と答えるだろうが、何度も繰り返して刷り込んでおくのが大事なのだ。
 和希は陽太を抱き締め、緩く腰を揺すりながら彼の耳元に囁く。

「お兄ちゃん、気持ちいい?」
「んっ、いいっ、きもちいいっ、あっあんっ、かず、も、きもちいい?」
「もちろん、気持ちいいよ。大好きなお兄ちゃんとエッチするの大好き。お兄ちゃんも好きだよね?」
「あっひあっ、すき、すきっ」
「じゃあ、どうして今日は入れちゃダメって言ったの? 俺はお兄ちゃん大好きだから、毎日こうやってちんぽ入れたいのに、お兄ちゃんはそうじゃないの?」

 快楽に蕩けた陽太は、和希の問いかけに素直に答えた。

「ひぁっあっ、だってぇっ、こわ、こわいぃっ」
「怖い? 怖くないよ、気持ちいいでしょ?」
「んひっううっ、らって、体、どんどん、おかひくなるっ、んんっ、おしり、ずっとむずむずして、おく、奥がきゅうってなって、あっあっんっ、かず、の、ちん、ぽ、入れてほしくなるっ、俺、自分から、あっひっひんっ、入れてって、言いそうになる、からぁっああぁあっ」

 興奮し、堪らずずんっと腰を突き上げた。

「っ、え、なにそれ、言ってよ、いつでも言ってよ、お兄ちゃんにそんなこと言われたらすぐ勃起するから即突っ込めるよいつでもどこでもちんぽ入れてあげるよっ」
「んゃああぁっあっあひぁっ、そんな、ぁあっ、らめ、そんなの、だめ、だからぁっ」
「全然ダメじゃないよ寧ろウェルカムだよ。俺のちんぽはお兄ちゃんのものだから。お兄ちゃんのお尻おまんこはもちろん俺のものだよ。恋人なんだから、いつでもどこでも俺のちんぽ欲しがるのはダメなことじゃないよ」

 掠れる声で長々と陽太に言い聞かせる。その間も腰をぐりゅぐりゅ回して内奥を擦り、びくびく痙攣する腸壁に陰茎を締め付けられ、強い快感に和希は耽溺した。
 甘い声を漏らす唇に吸い付き、ぷっくり膨らんだ乳首を指で押し潰し、快楽を与え続けながら陽太に教え込む。自分から和希を求めてもいいのだと。それは許されることなのだと。

「んっ、好き、好きだよ、陽太、大好き」
「んあっあっ、あっ、ひぅんんっ」
「ね、俺が陽太を好きなのわかるでしょ? 俺は陽太のことこんなに好きなんだよ。だから陽太とエッチできるのすっごく嬉しくて、幸せ。陽太が幸せにしてくれてるんだよ」
「ひっあっあっ、かず、かずきっ」
「陽太が俺のこと求めてくれたら、もっともっと嬉しくて、幸せになれるんだよ。陽太のこと、大好きだから」

 和希の気持ちを家族愛だと思い込んでる陽太に、何度も、繰り返し伝える。
 今はまだ、理解できないだろう。
 それでもいい。陽太の恋人というポジションはすでに手に入れたのだ。あとはじっくり時間をかけてわからせてあげよう。和希の愛が家族愛を超越し、どれ程重く陽太にのし掛かっているのか。この先一生、陽太は和希から離れられないのだということを。

「愛してるよ、お兄ちゃん」
「んっ、あっあっ、かずきぃっ」
「俺のこと好き?」
「すきっ、かずき、かずきっ」

 たとえ陽太の気持ちが、単に義兄が義弟に対して抱いているものだったとしても。
 それでも構わない。
 二人が義理の兄弟になった時点で、もう和希は陽太を手放す気はさらさらなかったのだから。
 可愛い義兄を腕の中に閉じ込めて、和希は恍惚とした笑みを浮かべた。
 



 了

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 読んでくださってありがとうございます。



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