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7. 籠の鳥
SS①ノイル
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年末年始、感謝の気持ちのSSです。(①、②の2話予定)
番外編的な扱いになりますが、
この後新章突入前の箸休めとして楽しんでいただけると幸いです
******************************************
――えらいものを拾ってしまった。
それが、率直な感想だった。
長く生きていても良いことなんてほとんど無い。
新しいことを知ると、その喜びの分だけ未知が減るつまらなさにも襲われる。
心が揺れる瞬間も、『ああ、この感情か』と気づいた途端に陳腐になる。
ついでに、どんなに可愛がっても愛犬には先立たれる。
悪魔の一生なんて、半分以上は惰性で続いているようなものだ。
ノイルは久しぶりに見る星空の下を歩きながら、そんなことを考えていた。
魔塔は、少し歩けば夜の散歩にちょうどいい森林に囲まれている。
設立当初は魔王城内の一室をあてがわれそうになったが、嫌だと突っぱねて良かった。
魔法に関する実験場を確保したいから、というもっともらしいだだの捏ね方をし、ノイルは最高の散歩道を手に入れたのだ。
サクサクと、長雨のせいで濡れた草を踏みしめながら歩く。
湿った土と草の匂いがノイルを包み込んだ。
猫背を少し反らして、深呼吸しながら夜空を見上げる。
そういえば――『あの子』が堕ちてきたのもこんな夜だった。
魔塔ができるよりも随分前の話だ。
真新しい血の匂いに惹かれて歩いた先で、蹲るように身体を小さく抱えながら震える姿を見つけたのだ。
それが悪魔であることはすぐに分かった。
酔っ払いか死に損ないの類だろうと無視を決め込むつもりだったが――その背にある翼に、一瞬にして目を奪われた。
これが、『堕天』か。
天使と悪魔はセットで認識されがちだが、実際のところお互いに興味もなければ干渉もしない。
何か愚かなことをして天界を追われたのだろうと思ったが、その時ノイルは何故か彼から目が離せなかった。
堕天には痛みが伴うのだろうか。
生来悪魔のノイルには想像しかできない。
後天的な悪魔には何度か出会ったことがあるけれど、ここまで見事な漆黒は初めて見た。
星空に溶けそうなほど深く黒い翼。
肩を震わせながら痛みを堪えるようなその様子に、不思議と庇護欲が湧いた。
信じられないほどの熱を持ったその身体を横抱きにして、ノイルは魔王城へと飛んで帰った。
久しく忘れていた『未知』に触れる感覚に、ノイルは僅かに高揚していた。
しかし、それからが大変だった。
「君……いい加減慣れなよ」
高潔な堕天使様は、いつも部屋の隅でこちらを威嚇するような顔をしていた。
堕天の経緯は知らないが、堕ちたならばそれなりの身の振りかたをするべきだろうと思う。
「まだ熱下がってないんだよ~?」
全く懐かない犬の気を引くように、解熱用の薬草を左右に振ってみる。
もちろん、冷たい瞳でひと睨みされて終わりだ。
「まあいいけどさあ……ここに置いておくから気が向いたら飲むんだよ」
興味のないふりをして、背を向ける。
実際、暇でもなかった。
魔塔設立に向けて、それなりにバルドラッドとやり取りを重ねる必要もある。
それに、この堕天使の扱いについても。
面倒だが説明はする。
しかし、処遇についてはバルドラッドの意志を汲むつもりは無かった。
『先立たない犬』を見つけたかもしれないという好奇心が、ノイルを緩やかに動かしていたのだ。
数日が経ち、ノイルは少しの変化を感じていた。
与えた薬は、こちらが見ていない間にいつの間にか無くなっている。
熱もおおかた下がったのだろう。
顔には僅かに血色が戻ったようだった。
銀色の髪とまつ毛が輝くその面差しは、まさしく天使だ。
「レヴィ、君にいくつか仕事があるんだ」
ようやく聞き出した名前を呼ぶ。
ノイルの言葉にはほとんど反応しないが、名前を呼ぶときだけピクリと肩が動く。
依頼した仕事のほとんどは、増えすぎたモンスターの討伐や、魔塔で請け負う予定の実験の補佐などだった。
彼は黙々とそれをこなした。
その成果はあまりにも優秀で――ただ、彼は『時間を消化しているだけ』のようにも思えた。
ノイルは内心もやついていた。
彼の姿を通して、これまでの自分を見ているような心地がしていたのだ。
あまりに長い時間を、ひたすらに消化する。
そんな彼の姿にもひっかかりを覚えるのは、ほんの少しだけ、彼の存在によってノイルの生活が色づいたからかもしれない。
レヴィアスは仕事を終えた後ふらりとどこかへ消えては、次の仕事まで姿を現さないこともあった。
首輪をつけたつもりだったが、するりとそれを抜けてどこかへ行く。
いつ消えたって構わないというように、彼はどこにも痕跡を残さないのだ。
ふむ……とノイルは思案した。
元来、他人にそこまで興味がある方ではない。
正直ここで生きることを望まないのなら、どこかへ出ていくこともやむを得ないことなのだろう。
いつものノイルならば思考を放棄し、そう結論付けたことだろう。
だがその時は、なぜか違った。
ノイルはレヴィアスに仕事を与え続けた。
休む暇も殆どないほどに、大小によらず詰め込んだ。
「嫌そうな顔しないでよ~」
時々無言の抗議を受けることがあったが、それでもレヴィアスは仕事をこなした。
それをしている間は、彼の命を『ここ』につなぎ留められている気がしたのだ。
そして……『天使』がやってきた。
天使は「レヴィアスを引き渡せ」と言う要求をこちらに突き付け、隠す気も無い殺意でノイルの体を刺した。
――不快だった。
レヴィアスと対を成すような金髪をした天使。
その姿を見たレヴィアスの瞳は、あっさりと色を失った。
あの手この手でつなぎ留めようとした彼を、当然のように奪おうとする天使。
奪われることを受け入れようとしているレヴィアス。
……面白くない。
ノイルは無言で拒絶する。
レヴィアスが引き渡されないと悟った天使は、ためらいもなく強硬手段に出た。
繰り出される魔法の刃はレヴィアスを狙っている。
ノイルはそれを全て防ぎ、苛立ちのままに天使を睨みつけた。
「うちで拾った悪魔に勝手に手を出さないでくれる?」
『悪魔』という言葉に、天使が表情をゆがめた。
それはまるで、『受け入れられない』と彼の心が拒絶しているようにも見えた。
不快感と面倒臭さに苛立ちながら、背後のレヴィアスを振り返る。
「……ええ……なに、その顔?」
信じられないものを見るかのような顔で、レヴィアスはノイルを見つめている。
先ほどまでの、全てを放棄したかのようなくすんだ瞳はどこかへ消えていた。
「拾った生き物には責任持ちましょうって教わらなかった?」
歴代の愛犬たちの顔がノイルの頭の中をよぎる。
二番目の大型犬にちょっと似ているか……?と、思わず笑った。
背後で、閃光がさく裂する。
おや、と思って振り返ると、天使が放った刃をレヴィアスが魔法で弾いたのだと気が付いた。
ノイルの背中を狙ったのだろう。
「守ってくれたんだ?」
にやりと笑うノイルに、レヴィアスは曖昧な反応を返した。
自分でもよくわからない、というように。
予想外の彼の行動に、ノイルの感情が一瞬揺れた。
ノイルは満足そうに息をひとつ吐くと、天使の方へと向き直る。
「今ここで、本気でやりあいたいの?」
少年のようなノイルの瞳に、狂暴な色が浮かびあがる。
何かを奪おうというのなら、殺すことも辞さない。
ノイルは元来そういう性質だ。
天使は一瞬考え込むそぶりを見せた後、何も言わずに空へと消えていった。
ちらりとレヴィアスの顔を見る。
その顔にははっきりとした陰りがあったが、ノイルはその正体を知ろうとは思わなかった。
――かさ、と草を踏みしめる音が聞こえる。
はっとしてノイルが振り返ると、そこには小さな人影があった。
「あれっ、ノイルさんお散歩ですか?」
柔らかな女性の声。
「お散歩日和だね、シオン」
ノイルは微笑みながらそう返した。
急に現実に引き戻されて、少し頭がくらくらする。
足並みをそろえようと、シオンが小走りでこちらに近づいてきた。
「雨が上がって……久しぶりに星が見えるなって思ったんです」
えへへと笑う彼女の首元には、レヴィアスの瞳と同じ色をした魔法石が揺れている。
じっとそれを見つめて、ノイルはふっと微笑んだ。
首輪をつけられたのは、彼女ではなく彼のような気がして、笑いがこみ上げたのだ。
「どうしましたか?」
動きを止めたノイルに、不思議そうな顔をしてシオンが尋ねた。
「何でもないよ、まだ少し冷えるから魔塔でお茶でもしていく?」
「良いんですか? 魔塔のビーカーコーヒー、ちょっと癖になるんですよね」
コーヒーカップを出すのが面倒で、最近はビーカーでコーヒーを淹れるのが流行っている。
最初はおっかなびっくり飲んでいたシオンだが、随分と慣れたものだ。
「君って適応力すごいよねえ」
「そ、そうでしょうか」
褒めてますか?と言うシオンに「さあ」と返す。
それから二人で並んで歩きながら、星の数を数えた。
「レヴィってさ」
「はい?」
ふふっ、とノイルが噴き出した。
「なんか、犬に似てない?」
ふたりで顔を見合わせて、笑う。
夜風が草木を揺らして、水滴が虹色に輝いた。
ノイルが見る世界は、今もほんの少しだけ、鮮やかに色づいている。
年末年始、感謝の気持ちのSSです。(①、②の2話予定)
番外編的な扱いになりますが、
この後新章突入前の箸休めとして楽しんでいただけると幸いです
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――えらいものを拾ってしまった。
それが、率直な感想だった。
長く生きていても良いことなんてほとんど無い。
新しいことを知ると、その喜びの分だけ未知が減るつまらなさにも襲われる。
心が揺れる瞬間も、『ああ、この感情か』と気づいた途端に陳腐になる。
ついでに、どんなに可愛がっても愛犬には先立たれる。
悪魔の一生なんて、半分以上は惰性で続いているようなものだ。
ノイルは久しぶりに見る星空の下を歩きながら、そんなことを考えていた。
魔塔は、少し歩けば夜の散歩にちょうどいい森林に囲まれている。
設立当初は魔王城内の一室をあてがわれそうになったが、嫌だと突っぱねて良かった。
魔法に関する実験場を確保したいから、というもっともらしいだだの捏ね方をし、ノイルは最高の散歩道を手に入れたのだ。
サクサクと、長雨のせいで濡れた草を踏みしめながら歩く。
湿った土と草の匂いがノイルを包み込んだ。
猫背を少し反らして、深呼吸しながら夜空を見上げる。
そういえば――『あの子』が堕ちてきたのもこんな夜だった。
魔塔ができるよりも随分前の話だ。
真新しい血の匂いに惹かれて歩いた先で、蹲るように身体を小さく抱えながら震える姿を見つけたのだ。
それが悪魔であることはすぐに分かった。
酔っ払いか死に損ないの類だろうと無視を決め込むつもりだったが――その背にある翼に、一瞬にして目を奪われた。
これが、『堕天』か。
天使と悪魔はセットで認識されがちだが、実際のところお互いに興味もなければ干渉もしない。
何か愚かなことをして天界を追われたのだろうと思ったが、その時ノイルは何故か彼から目が離せなかった。
堕天には痛みが伴うのだろうか。
生来悪魔のノイルには想像しかできない。
後天的な悪魔には何度か出会ったことがあるけれど、ここまで見事な漆黒は初めて見た。
星空に溶けそうなほど深く黒い翼。
肩を震わせながら痛みを堪えるようなその様子に、不思議と庇護欲が湧いた。
信じられないほどの熱を持ったその身体を横抱きにして、ノイルは魔王城へと飛んで帰った。
久しく忘れていた『未知』に触れる感覚に、ノイルは僅かに高揚していた。
しかし、それからが大変だった。
「君……いい加減慣れなよ」
高潔な堕天使様は、いつも部屋の隅でこちらを威嚇するような顔をしていた。
堕天の経緯は知らないが、堕ちたならばそれなりの身の振りかたをするべきだろうと思う。
「まだ熱下がってないんだよ~?」
全く懐かない犬の気を引くように、解熱用の薬草を左右に振ってみる。
もちろん、冷たい瞳でひと睨みされて終わりだ。
「まあいいけどさあ……ここに置いておくから気が向いたら飲むんだよ」
興味のないふりをして、背を向ける。
実際、暇でもなかった。
魔塔設立に向けて、それなりにバルドラッドとやり取りを重ねる必要もある。
それに、この堕天使の扱いについても。
面倒だが説明はする。
しかし、処遇についてはバルドラッドの意志を汲むつもりは無かった。
『先立たない犬』を見つけたかもしれないという好奇心が、ノイルを緩やかに動かしていたのだ。
数日が経ち、ノイルは少しの変化を感じていた。
与えた薬は、こちらが見ていない間にいつの間にか無くなっている。
熱もおおかた下がったのだろう。
顔には僅かに血色が戻ったようだった。
銀色の髪とまつ毛が輝くその面差しは、まさしく天使だ。
「レヴィ、君にいくつか仕事があるんだ」
ようやく聞き出した名前を呼ぶ。
ノイルの言葉にはほとんど反応しないが、名前を呼ぶときだけピクリと肩が動く。
依頼した仕事のほとんどは、増えすぎたモンスターの討伐や、魔塔で請け負う予定の実験の補佐などだった。
彼は黙々とそれをこなした。
その成果はあまりにも優秀で――ただ、彼は『時間を消化しているだけ』のようにも思えた。
ノイルは内心もやついていた。
彼の姿を通して、これまでの自分を見ているような心地がしていたのだ。
あまりに長い時間を、ひたすらに消化する。
そんな彼の姿にもひっかかりを覚えるのは、ほんの少しだけ、彼の存在によってノイルの生活が色づいたからかもしれない。
レヴィアスは仕事を終えた後ふらりとどこかへ消えては、次の仕事まで姿を現さないこともあった。
首輪をつけたつもりだったが、するりとそれを抜けてどこかへ行く。
いつ消えたって構わないというように、彼はどこにも痕跡を残さないのだ。
ふむ……とノイルは思案した。
元来、他人にそこまで興味がある方ではない。
正直ここで生きることを望まないのなら、どこかへ出ていくこともやむを得ないことなのだろう。
いつものノイルならば思考を放棄し、そう結論付けたことだろう。
だがその時は、なぜか違った。
ノイルはレヴィアスに仕事を与え続けた。
休む暇も殆どないほどに、大小によらず詰め込んだ。
「嫌そうな顔しないでよ~」
時々無言の抗議を受けることがあったが、それでもレヴィアスは仕事をこなした。
それをしている間は、彼の命を『ここ』につなぎ留められている気がしたのだ。
そして……『天使』がやってきた。
天使は「レヴィアスを引き渡せ」と言う要求をこちらに突き付け、隠す気も無い殺意でノイルの体を刺した。
――不快だった。
レヴィアスと対を成すような金髪をした天使。
その姿を見たレヴィアスの瞳は、あっさりと色を失った。
あの手この手でつなぎ留めようとした彼を、当然のように奪おうとする天使。
奪われることを受け入れようとしているレヴィアス。
……面白くない。
ノイルは無言で拒絶する。
レヴィアスが引き渡されないと悟った天使は、ためらいもなく強硬手段に出た。
繰り出される魔法の刃はレヴィアスを狙っている。
ノイルはそれを全て防ぎ、苛立ちのままに天使を睨みつけた。
「うちで拾った悪魔に勝手に手を出さないでくれる?」
『悪魔』という言葉に、天使が表情をゆがめた。
それはまるで、『受け入れられない』と彼の心が拒絶しているようにも見えた。
不快感と面倒臭さに苛立ちながら、背後のレヴィアスを振り返る。
「……ええ……なに、その顔?」
信じられないものを見るかのような顔で、レヴィアスはノイルを見つめている。
先ほどまでの、全てを放棄したかのようなくすんだ瞳はどこかへ消えていた。
「拾った生き物には責任持ちましょうって教わらなかった?」
歴代の愛犬たちの顔がノイルの頭の中をよぎる。
二番目の大型犬にちょっと似ているか……?と、思わず笑った。
背後で、閃光がさく裂する。
おや、と思って振り返ると、天使が放った刃をレヴィアスが魔法で弾いたのだと気が付いた。
ノイルの背中を狙ったのだろう。
「守ってくれたんだ?」
にやりと笑うノイルに、レヴィアスは曖昧な反応を返した。
自分でもよくわからない、というように。
予想外の彼の行動に、ノイルの感情が一瞬揺れた。
ノイルは満足そうに息をひとつ吐くと、天使の方へと向き直る。
「今ここで、本気でやりあいたいの?」
少年のようなノイルの瞳に、狂暴な色が浮かびあがる。
何かを奪おうというのなら、殺すことも辞さない。
ノイルは元来そういう性質だ。
天使は一瞬考え込むそぶりを見せた後、何も言わずに空へと消えていった。
ちらりとレヴィアスの顔を見る。
その顔にははっきりとした陰りがあったが、ノイルはその正体を知ろうとは思わなかった。
――かさ、と草を踏みしめる音が聞こえる。
はっとしてノイルが振り返ると、そこには小さな人影があった。
「あれっ、ノイルさんお散歩ですか?」
柔らかな女性の声。
「お散歩日和だね、シオン」
ノイルは微笑みながらそう返した。
急に現実に引き戻されて、少し頭がくらくらする。
足並みをそろえようと、シオンが小走りでこちらに近づいてきた。
「雨が上がって……久しぶりに星が見えるなって思ったんです」
えへへと笑う彼女の首元には、レヴィアスの瞳と同じ色をした魔法石が揺れている。
じっとそれを見つめて、ノイルはふっと微笑んだ。
首輪をつけられたのは、彼女ではなく彼のような気がして、笑いがこみ上げたのだ。
「どうしましたか?」
動きを止めたノイルに、不思議そうな顔をしてシオンが尋ねた。
「何でもないよ、まだ少し冷えるから魔塔でお茶でもしていく?」
「良いんですか? 魔塔のビーカーコーヒー、ちょっと癖になるんですよね」
コーヒーカップを出すのが面倒で、最近はビーカーでコーヒーを淹れるのが流行っている。
最初はおっかなびっくり飲んでいたシオンだが、随分と慣れたものだ。
「君って適応力すごいよねえ」
「そ、そうでしょうか」
褒めてますか?と言うシオンに「さあ」と返す。
それから二人で並んで歩きながら、星の数を数えた。
「レヴィってさ」
「はい?」
ふふっ、とノイルが噴き出した。
「なんか、犬に似てない?」
ふたりで顔を見合わせて、笑う。
夜風が草木を揺らして、水滴が虹色に輝いた。
ノイルが見る世界は、今もほんの少しだけ、鮮やかに色づいている。
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