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翌日、六十四階から開始して昼前には抜けた。少し早い昼食を摂り、六十五階を攻略する。
六十五階を抜けた時には午後二時で時間があった為、もう一度六十一階から始める。
残りの時間はレベル上げを優先しようということで、敵を片っ端から倒していくことにした。進路から少し外れた所にいる敵も倒し、カマキリを発見すれば雑魚敵を延々と呼ばせて経験値を稼ぐ。
午後六時、六十二階へと通じる通路に到達した時には、サラはレジストされることがなくなっていた。
そのことを報告すると皆に喜ばれ、喜んでくれたことにサラは嬉しくなった。
パーティーメンバーって、仲間って、素晴らしいな、と思うのだった。
「では明日は一日休んで、また明後日だな。サラ嬢のレベルアップは大きい。殲滅力が上がるから、次からはもっと楽になるぞ」
「レベル上げは金策にもなるからな。いいこと尽くめだぜ」
「いっぱい敵を倒しましょう!そして六十六階へ!」
「Aランク素材は高く売れますからね。できる限りたくさん敵を倒したい」
「金策は重要ですね。いずれSランクを見据えるとなると、装備にお金がかかりますし」
リアムの言に、皆の表情が真剣になった。
「Sランク目指そうぜ。八十階まで遠いけどな!」
「いいわねぇ。英雄よ!」
「なかなかなれないから英雄なんですが、それは…」
兄の呟きは黙殺された。
「目標があるのはいいことだ。ダンジョン攻略は毎年行われているし、順調に進んでいる。いずれ我々も参加する日が来るかも知れないぞ」
王太子の笑顔に向ける皆の視線は胡乱げだ。
「…いや、レイは参加しちゃダメでしょ」
「殿下は安全な所でふんぞり返って指示する側でしょ」
「最先端のダンジョン攻略は、命の保証がありませんから…さすがに殿下は」
皆が否定し、王太子が拗ねる。
「なんと仲間がいのない奴らなのか。ここは一緒に頑張ろうぜ!と言う所ではないのか」
「さすがにそれは」
「死んだら俺らが殺される」
「まだ死にたくないものねぇ…」
「うーん、諦めて下さい、殿下」
「…サラ嬢、なんとか言ってやってくれ」
「…申し訳ありません、私も殿下が最前線に出るのは反対です…」
「なんと…サラ嬢まで…」
「ほら見ろ、俺らの言うこと聞いとけ」
皆の視線から逃げるように背中を向けながらも、王太子は拳を握りしめる。
「…誰にも文句を言わせない程に強くなれば問題なかろう。東国にもいたではないか、剣姫と呼ばれた女王が」
「サーラ女王か」
「サラの名前の元になった人でしょ?」
「はい。戦記を読みましたが、素敵な方だと思います」
「そうよねぇ。東国でも一、ニを争う人気の王よ。…レイがそのレベルを目指すっていうなら止めないけど…必然的に私達も付き合うってことかしら?」
「無論」
「あらぁ。この国の名誉騎士や、我が国の将軍を超えるくらいに強くなるってことね」
「できるだろう?」
王太子が言えば、カイルが豪快に笑った。
「ぶっは!親父殿超えは俺の悲願だからな!いやもうマジで頑張ろうぜ!」
「父上を超える自分を想像できないなぁ」
「弱気にならないで、クリス!」
「いや頑張りますけども」
「サラ嬢も、共に頑張ろう。リアム殿はパーティーメンバーと相談してもらうとして」
「はい!」
「強くなる分には、反対はされませんので大丈夫だと思います」
「ならば良かった。では今日は解散だな。また明後日会おう」
「了解!」
戦利品の分配をして、解散となった。
Aランクの魔石や素材を持ち込めば、どこの店も喜んでくれ、高値で買い取ってくれた。
Aランク冒険者の数は、現在百名に満たない。
現役で活動している者は八割程だが、ダンジョン攻略を積極的に行っているパーティーはそれほど多くない。
大抵は大陸に散らばって各国で依頼を受け、魔獣退治をしたり護衛をしたりすることで高額な報酬を手にしていた。
ダンジョン攻略をこつこつやればこちらの方が断然稼げるのだが、常に命の危険というリスクを負う。それに比べて王族や上位貴族から受ける依頼は危険性が低く、Aランク冒険者にとっては楽な仕事で実入りが良かった。
そちらへ流れる冒険者も多く、Aランク以上の素材は近年高騰傾向にあるのだった。
売却すると思った以上の金額になり、サラは喜んだ。
兄も嬉しそうにしている。
「金に困ることはなくなりそうだな」
「うん、でも魔法書貯金しないと」
「そうだった。Sランクになったらもっと高額になるぞ…」
「わぁ…」
「かといって副業なんてやっている時間はないからな…レベル上げを頑張って、こつこつ貯めていこう」
「うん、そうだね」
そして休日の一日をゆっくり過ごし、また攻略に備えるのだった。
夏期休暇の残りをダンジョン攻略に費やして、六十五階までを行ったり来たりしてレベル上げに勤しんだ兄妹は、王都のタウンハウスへと戻って来ていた。
一ヶ月ぶりになる帰宅であったが、執事や使用人が温かく迎えてくれ、一足先にタウンハウスへと戻って来ていた父はすでに仕事で王宮へ赴いているということだった。
充実した休暇を過ごし、サラは楽しかった。
兄が親しくしているとはいえ、これまで王太子殿下と接する機会はそれほど多くはなかった。
学園に入学し、生徒会に入ってからは毎日のように顔を会わせて会話する栄誉に浴していたが、それもここ数ヶ月のことである。
それが、ダンジョン攻略の為にパーティーを組んで共に行動することになったのだった。
食後、皆が忙しくしている少しの時間だけ殿下の話し相手をする、という役目を仰せつかったサラは、殿下がサラの家族をとても大切に思ってくれていることを知ったのだった。兄はもちろんであるが、名誉騎士を尊敬し、魔術師団顧問を尊敬してくれていた。
そしてサラ自身のこともよく見て下さっていると感じるのだった。
攻略中だったり、休憩中だったり。
一番年下でAランクとしては新入りのサラを、気遣って下さるのだった。
殿下は冒険者として活動していても、王族としての振るまいや気品を失うことはない。
だがカイルやリディア、兄と接していると気安いのだろう、ちょくちょく素と思われる年齢相応の反応を見ると、サラは驚きと共に嬉しくなった。
殿下もサラと同じように、冒険者の時には気楽でいられるのだろうと思うのだった。
カイル達に揶揄われ、ふてくされた様子の殿下を微笑ましく思って見ていると、気づいた殿下はいつもサラに助けを求めるのだった。
助けを求められても、サラにもできることとできないことがある。
失礼にならない程度に反応すれば、殿下はとても気安い態度で接して下さるのだった。
本当に仲間に入れてもらえたようで、サラは嬉しかった。
殿下も含め、皆はすっかりサラも含めた今後の話をしてくれる。
リアムだけは他にパーティーがあるので、都合次第ということになるのだが、皆それを受け入れて、そしてリアム自身の為人を好ましく思っている様子が窺えた。
リアムも、今のパーティーを楽しいと言ってくれ、ずっとお世話になっているサラは安堵したのだった。
上手くいっていて、不安がない。
サラは今まで、何の不安もなく冒険者活動をしてきた経験がない。
いつもレベル上げをどうしよう、今日はパーティーの募集はあるだろうか、昇級試験をどうしよう、と、不安と向かい合って過ごしてきたのだった。
実際にパーティーに入っても、何の問題もなく終われることは意外と少ない。
大抵はサラの年齢と性別によるもので、「こんな子供が?」「こんな少女が?」「貴族の令嬢のお遊びでしょ」という視線と言葉を無数に浴び続けてきたのだった。
もはやそれらの言葉はサラの心の表面すら傷つけることは適わない。
冒険者とはそういう職業なのだと納得したし、舐められないよう実力を磨いて見返すしかないのだということを学んでいた。
冒険者は自由だと感じる。
それは、「冒険者とはこうあれ」という形が決まっていないからだった。
理想とされる英雄像はあるが、実際の冒険者は千差万別である。
生きたいように生きることができる。
「貴族令嬢とはこうあれ」というように、決まった形はないのだった。
だからこそ、不安のない今の状態が不安にもなる。
兄がいてくれるから、サラは不安を感じても表に出さずにいられる。
兄がいれば、突然パーティーを放り出されることはないだろう。
必要ない、と言われる日が来るとしても、きちんと正面から話をしてくれるだろう。
そう、信じることができる。
それが仲間なのだろうと思うと、サラは幸せだった。
王太子殿下もカイル達も、信じることができる。
リアムはもちろんだった。
自分にできることを、しっかりやろう。
それでも受け入れてもらえず駄目なら、仕方がない。
そう割り切ることで生きてきたサラに、気遣いと思いやり、優しさに満ちた今のパーティーは理想的すぎて怖いとすら思うのだった。
大切にしよう。
私は、私を大切にしてくれる人を大切にしたい。
私のことを好きでいてくれる人を好きでいたい。
今のパーティーで、自分にできることをしっかりしよう。
前向きに思える今この瞬間が、幸せだと思うのだった。
冒険者ギルドで記念プレートを受け取ったり、防具屋から連絡を受けて細部の詰めや、仮縫いなどの為に何度か出向くこともあったが、完成したとの連絡を受けて受け取りに行ったりして、サラの夏期休暇は終了したのだった。
従者カールは血の気が引いていく思いを必死に隠していた。
クリストファーについてタウンハウスへと戻って来たら、ユナがいなくなっていた。
同じ場所で働いていた女に尋ねると、突然辞めたというのだった。
「全く、挨拶もなく消えるだなんて、迷惑しかかけない女だった」
と不満をぶつけられて辟易したが、それどころではなかった。
ユナが自主的に辞めたとは思わない。辞められない、と言っていたのだから。ということは、賊から雇い主がバレ、雇い主からユナのことがバレたということである。
あいつ、俺のこと話してないだろうな。
今のところ、カールに話を聞きたいと言ってくる者はいなかった。
味方を作ろうと使用人に話しかけ、親しくなろうとことあるごとに試してきたが、最初の頃とは違って、乗ってくる使用人がいなくなっていることにも不審を抱いた。
マリアがいい例で、ユナの後にサラ付きとなった彼女は無愛想で無駄口も叩かない。だがこいつもユナと同じように、サラの弱みを握るか、クリストファーの愛人志望なのだろうと思って気安く話しかけてやったのに、無視したのだった。
聞こえなかったのかと思って何度か話しかけると、迷惑そうに顔を歪め、「自らの職務を全うしないのに、何故クビにならないのですか?」と逆に質問されて不快になったのだった。
全く、思いも寄らぬことだった。
カールが叱られたことなどない。
そっけないと感じることはあれども、執事だってクリストファーだって、サラだって、カールを叱ったりああしろこうしろと命令されたことなどないのだった。
自分なりに仕事をしているし、それで給料ももらっているのだ。
なんだこの女は、と思い、それからは口をきかないようになった。
向こうからは話しかけて来ないし、視線が合うこともないのでちょうど良かった。
他の使用人も、何故か同じような反応をする。
こちらから話しかけても迷惑そうに顔を歪め、「仕事中なので」と言って立ち去ろうとするのだった。
引き留めようと腕を掴めば悲鳴を上げられ、駆けつけた他の使用人に同じような目で見られる。執事にはため息をつかれ、「近づかないように」と窘められるのだった。
今、この屋敷に話ができる使用人はいなかった。
クソ、と呟いて中庭のベンチに腰掛ける。
クリストファーはサラと一緒に出かけていた。
カントリーハウスでの一件から、冒険者装束であれば使用人をつけなくてもいい、という暗黙の了解ができたようで、こちらの執事もそれを受け入れており、カールやマリアを伴うことが減っていた。
学園が始まればまた変わるのだろうが、今はやることもないし休憩時間だ、と自分を甘やかし、こうして中庭に出てきたのだった。
本当の雇い主に、サラがAランクになったこと、クリストファーのパーティーと一緒にダンジョン攻略を始めたことを報告した所、何故止めなかったのか、と叱責を受けて意味がわからなかった。
休日に町へ出た時に、雇い主の使用人と会った時のことである。
「何故止める必要があるんですか?」
「兄と王太子は同じパーティーメンバーだろうが。そこに妹が入るということだぞ?そんなこともわからんのか」
潰れたバーの店内は薄暗く、埃が舞っていて、長居したい場所ではなかった。
「…王太子殿下と同じパーティーだったのですか?」
「…貴様…従者として兄に侍っておきながら、何故そんなことも知らん?本当に従者としてあの屋敷にいるのだろうな…?」
疑われ、慌てて首を振った。
「あの男は、何かと一人で行動したがります。従者である俺を連れて行く場所なんて、屋敷内くらいで」
「はぁ?」
「冒険者ですから」
「…はぁ…まったく野蛮人め…あんな男が殿下の側近だなどと…おまけに妹まで」
無言で見守っていると、使用人はギロリと従者を睨みつけた。
「妹は殿下にすり寄る気だろう。兄のおまけで殿下と同じパーティーとは…」
それについては、否定しなかった。
「妹が一人で行動することはないのか」
「…わかりません」
「なければ作れ」
「……」
無茶を言う、と、従者は思った。
「側近の妹とあれば、殿下も無碍にはできまい。強引に既成事実でも作られたらコトだ。…妹には別の相手が決まっている。妹も冒険者というが、強いわけではないのだろう?」
「妹が戦っている所は見たことがありません」
事実を述べれば、男は一人頷いていた。
「妹が一人で馬車に乗る用事を作れ。できたら日程を連絡しろ」
「…はい」
自分は妹付きではない、と従者は思ったが、口には出さなかった。
「誰にも見られないように帰れ」
言うなり立ち去ろうとする男の背に向かって、カールは話しかけた。
「あの、俺が解放される条件って、今も変わってませんよね?」
「…ああ。なんだ?」
「じゃぁ、これで解放してもらえませんか?」
「上手く行ったらな」
「…わかりました」
男は去り、時間を置いてカールも周囲を確認しながらバーを後にする。
狭い路地にあるバーは、再開発予定地にある為、人通りは全くない。
ダンジョンのおかげで豊かなこの国は、王都の平民街を中心に少しずつ建て替えが進められているのだった。
ここは王都の外れに近く、元々貧民街だったのだが、少しずつ福祉が充実し始めてからは道端で生活する者が減り、治安が良くなることで人の出入りが増え、店も増え、古く崩れそうな建物は王家主導で資金を募り、少しずつ新しくなっているのだった。
路地をすり抜け、男爵家へと戻る。
解放される条件とは、侯爵家の役に立つこと。
抽象的であったが、今回のことでサラがあちらに取り込まれることになれば十分だろう。
カールは早く解放され、冒険者に戻りたいと思うようになっていた。
庭園には老庭師が丹誠込めて整えた夏の花が今を盛りと咲き誇っているが、花の名前など知らないので、色々あって綺麗だな、程度の感想しか持ち得なかった。
ぼんやりと花を見つめていると、メイドが歩く靴音が聞こえてきた。
そちらを見ると、にこりと微笑まれる。
「…何か?」
と問えば、女は周囲をはばかるように見渡して、それから声を潜めて囁いた。
「何か企んでいるんでしょう?私にも協力させてちょうだい」
「…へぇ」
思わぬ味方の登場に、カールはほくそ笑んだのだった。
六十五階を抜けた時には午後二時で時間があった為、もう一度六十一階から始める。
残りの時間はレベル上げを優先しようということで、敵を片っ端から倒していくことにした。進路から少し外れた所にいる敵も倒し、カマキリを発見すれば雑魚敵を延々と呼ばせて経験値を稼ぐ。
午後六時、六十二階へと通じる通路に到達した時には、サラはレジストされることがなくなっていた。
そのことを報告すると皆に喜ばれ、喜んでくれたことにサラは嬉しくなった。
パーティーメンバーって、仲間って、素晴らしいな、と思うのだった。
「では明日は一日休んで、また明後日だな。サラ嬢のレベルアップは大きい。殲滅力が上がるから、次からはもっと楽になるぞ」
「レベル上げは金策にもなるからな。いいこと尽くめだぜ」
「いっぱい敵を倒しましょう!そして六十六階へ!」
「Aランク素材は高く売れますからね。できる限りたくさん敵を倒したい」
「金策は重要ですね。いずれSランクを見据えるとなると、装備にお金がかかりますし」
リアムの言に、皆の表情が真剣になった。
「Sランク目指そうぜ。八十階まで遠いけどな!」
「いいわねぇ。英雄よ!」
「なかなかなれないから英雄なんですが、それは…」
兄の呟きは黙殺された。
「目標があるのはいいことだ。ダンジョン攻略は毎年行われているし、順調に進んでいる。いずれ我々も参加する日が来るかも知れないぞ」
王太子の笑顔に向ける皆の視線は胡乱げだ。
「…いや、レイは参加しちゃダメでしょ」
「殿下は安全な所でふんぞり返って指示する側でしょ」
「最先端のダンジョン攻略は、命の保証がありませんから…さすがに殿下は」
皆が否定し、王太子が拗ねる。
「なんと仲間がいのない奴らなのか。ここは一緒に頑張ろうぜ!と言う所ではないのか」
「さすがにそれは」
「死んだら俺らが殺される」
「まだ死にたくないものねぇ…」
「うーん、諦めて下さい、殿下」
「…サラ嬢、なんとか言ってやってくれ」
「…申し訳ありません、私も殿下が最前線に出るのは反対です…」
「なんと…サラ嬢まで…」
「ほら見ろ、俺らの言うこと聞いとけ」
皆の視線から逃げるように背中を向けながらも、王太子は拳を握りしめる。
「…誰にも文句を言わせない程に強くなれば問題なかろう。東国にもいたではないか、剣姫と呼ばれた女王が」
「サーラ女王か」
「サラの名前の元になった人でしょ?」
「はい。戦記を読みましたが、素敵な方だと思います」
「そうよねぇ。東国でも一、ニを争う人気の王よ。…レイがそのレベルを目指すっていうなら止めないけど…必然的に私達も付き合うってことかしら?」
「無論」
「あらぁ。この国の名誉騎士や、我が国の将軍を超えるくらいに強くなるってことね」
「できるだろう?」
王太子が言えば、カイルが豪快に笑った。
「ぶっは!親父殿超えは俺の悲願だからな!いやもうマジで頑張ろうぜ!」
「父上を超える自分を想像できないなぁ」
「弱気にならないで、クリス!」
「いや頑張りますけども」
「サラ嬢も、共に頑張ろう。リアム殿はパーティーメンバーと相談してもらうとして」
「はい!」
「強くなる分には、反対はされませんので大丈夫だと思います」
「ならば良かった。では今日は解散だな。また明後日会おう」
「了解!」
戦利品の分配をして、解散となった。
Aランクの魔石や素材を持ち込めば、どこの店も喜んでくれ、高値で買い取ってくれた。
Aランク冒険者の数は、現在百名に満たない。
現役で活動している者は八割程だが、ダンジョン攻略を積極的に行っているパーティーはそれほど多くない。
大抵は大陸に散らばって各国で依頼を受け、魔獣退治をしたり護衛をしたりすることで高額な報酬を手にしていた。
ダンジョン攻略をこつこつやればこちらの方が断然稼げるのだが、常に命の危険というリスクを負う。それに比べて王族や上位貴族から受ける依頼は危険性が低く、Aランク冒険者にとっては楽な仕事で実入りが良かった。
そちらへ流れる冒険者も多く、Aランク以上の素材は近年高騰傾向にあるのだった。
売却すると思った以上の金額になり、サラは喜んだ。
兄も嬉しそうにしている。
「金に困ることはなくなりそうだな」
「うん、でも魔法書貯金しないと」
「そうだった。Sランクになったらもっと高額になるぞ…」
「わぁ…」
「かといって副業なんてやっている時間はないからな…レベル上げを頑張って、こつこつ貯めていこう」
「うん、そうだね」
そして休日の一日をゆっくり過ごし、また攻略に備えるのだった。
夏期休暇の残りをダンジョン攻略に費やして、六十五階までを行ったり来たりしてレベル上げに勤しんだ兄妹は、王都のタウンハウスへと戻って来ていた。
一ヶ月ぶりになる帰宅であったが、執事や使用人が温かく迎えてくれ、一足先にタウンハウスへと戻って来ていた父はすでに仕事で王宮へ赴いているということだった。
充実した休暇を過ごし、サラは楽しかった。
兄が親しくしているとはいえ、これまで王太子殿下と接する機会はそれほど多くはなかった。
学園に入学し、生徒会に入ってからは毎日のように顔を会わせて会話する栄誉に浴していたが、それもここ数ヶ月のことである。
それが、ダンジョン攻略の為にパーティーを組んで共に行動することになったのだった。
食後、皆が忙しくしている少しの時間だけ殿下の話し相手をする、という役目を仰せつかったサラは、殿下がサラの家族をとても大切に思ってくれていることを知ったのだった。兄はもちろんであるが、名誉騎士を尊敬し、魔術師団顧問を尊敬してくれていた。
そしてサラ自身のこともよく見て下さっていると感じるのだった。
攻略中だったり、休憩中だったり。
一番年下でAランクとしては新入りのサラを、気遣って下さるのだった。
殿下は冒険者として活動していても、王族としての振るまいや気品を失うことはない。
だがカイルやリディア、兄と接していると気安いのだろう、ちょくちょく素と思われる年齢相応の反応を見ると、サラは驚きと共に嬉しくなった。
殿下もサラと同じように、冒険者の時には気楽でいられるのだろうと思うのだった。
カイル達に揶揄われ、ふてくされた様子の殿下を微笑ましく思って見ていると、気づいた殿下はいつもサラに助けを求めるのだった。
助けを求められても、サラにもできることとできないことがある。
失礼にならない程度に反応すれば、殿下はとても気安い態度で接して下さるのだった。
本当に仲間に入れてもらえたようで、サラは嬉しかった。
殿下も含め、皆はすっかりサラも含めた今後の話をしてくれる。
リアムだけは他にパーティーがあるので、都合次第ということになるのだが、皆それを受け入れて、そしてリアム自身の為人を好ましく思っている様子が窺えた。
リアムも、今のパーティーを楽しいと言ってくれ、ずっとお世話になっているサラは安堵したのだった。
上手くいっていて、不安がない。
サラは今まで、何の不安もなく冒険者活動をしてきた経験がない。
いつもレベル上げをどうしよう、今日はパーティーの募集はあるだろうか、昇級試験をどうしよう、と、不安と向かい合って過ごしてきたのだった。
実際にパーティーに入っても、何の問題もなく終われることは意外と少ない。
大抵はサラの年齢と性別によるもので、「こんな子供が?」「こんな少女が?」「貴族の令嬢のお遊びでしょ」という視線と言葉を無数に浴び続けてきたのだった。
もはやそれらの言葉はサラの心の表面すら傷つけることは適わない。
冒険者とはそういう職業なのだと納得したし、舐められないよう実力を磨いて見返すしかないのだということを学んでいた。
冒険者は自由だと感じる。
それは、「冒険者とはこうあれ」という形が決まっていないからだった。
理想とされる英雄像はあるが、実際の冒険者は千差万別である。
生きたいように生きることができる。
「貴族令嬢とはこうあれ」というように、決まった形はないのだった。
だからこそ、不安のない今の状態が不安にもなる。
兄がいてくれるから、サラは不安を感じても表に出さずにいられる。
兄がいれば、突然パーティーを放り出されることはないだろう。
必要ない、と言われる日が来るとしても、きちんと正面から話をしてくれるだろう。
そう、信じることができる。
それが仲間なのだろうと思うと、サラは幸せだった。
王太子殿下もカイル達も、信じることができる。
リアムはもちろんだった。
自分にできることを、しっかりやろう。
それでも受け入れてもらえず駄目なら、仕方がない。
そう割り切ることで生きてきたサラに、気遣いと思いやり、優しさに満ちた今のパーティーは理想的すぎて怖いとすら思うのだった。
大切にしよう。
私は、私を大切にしてくれる人を大切にしたい。
私のことを好きでいてくれる人を好きでいたい。
今のパーティーで、自分にできることをしっかりしよう。
前向きに思える今この瞬間が、幸せだと思うのだった。
冒険者ギルドで記念プレートを受け取ったり、防具屋から連絡を受けて細部の詰めや、仮縫いなどの為に何度か出向くこともあったが、完成したとの連絡を受けて受け取りに行ったりして、サラの夏期休暇は終了したのだった。
従者カールは血の気が引いていく思いを必死に隠していた。
クリストファーについてタウンハウスへと戻って来たら、ユナがいなくなっていた。
同じ場所で働いていた女に尋ねると、突然辞めたというのだった。
「全く、挨拶もなく消えるだなんて、迷惑しかかけない女だった」
と不満をぶつけられて辟易したが、それどころではなかった。
ユナが自主的に辞めたとは思わない。辞められない、と言っていたのだから。ということは、賊から雇い主がバレ、雇い主からユナのことがバレたということである。
あいつ、俺のこと話してないだろうな。
今のところ、カールに話を聞きたいと言ってくる者はいなかった。
味方を作ろうと使用人に話しかけ、親しくなろうとことあるごとに試してきたが、最初の頃とは違って、乗ってくる使用人がいなくなっていることにも不審を抱いた。
マリアがいい例で、ユナの後にサラ付きとなった彼女は無愛想で無駄口も叩かない。だがこいつもユナと同じように、サラの弱みを握るか、クリストファーの愛人志望なのだろうと思って気安く話しかけてやったのに、無視したのだった。
聞こえなかったのかと思って何度か話しかけると、迷惑そうに顔を歪め、「自らの職務を全うしないのに、何故クビにならないのですか?」と逆に質問されて不快になったのだった。
全く、思いも寄らぬことだった。
カールが叱られたことなどない。
そっけないと感じることはあれども、執事だってクリストファーだって、サラだって、カールを叱ったりああしろこうしろと命令されたことなどないのだった。
自分なりに仕事をしているし、それで給料ももらっているのだ。
なんだこの女は、と思い、それからは口をきかないようになった。
向こうからは話しかけて来ないし、視線が合うこともないのでちょうど良かった。
他の使用人も、何故か同じような反応をする。
こちらから話しかけても迷惑そうに顔を歪め、「仕事中なので」と言って立ち去ろうとするのだった。
引き留めようと腕を掴めば悲鳴を上げられ、駆けつけた他の使用人に同じような目で見られる。執事にはため息をつかれ、「近づかないように」と窘められるのだった。
今、この屋敷に話ができる使用人はいなかった。
クソ、と呟いて中庭のベンチに腰掛ける。
クリストファーはサラと一緒に出かけていた。
カントリーハウスでの一件から、冒険者装束であれば使用人をつけなくてもいい、という暗黙の了解ができたようで、こちらの執事もそれを受け入れており、カールやマリアを伴うことが減っていた。
学園が始まればまた変わるのだろうが、今はやることもないし休憩時間だ、と自分を甘やかし、こうして中庭に出てきたのだった。
本当の雇い主に、サラがAランクになったこと、クリストファーのパーティーと一緒にダンジョン攻略を始めたことを報告した所、何故止めなかったのか、と叱責を受けて意味がわからなかった。
休日に町へ出た時に、雇い主の使用人と会った時のことである。
「何故止める必要があるんですか?」
「兄と王太子は同じパーティーメンバーだろうが。そこに妹が入るということだぞ?そんなこともわからんのか」
潰れたバーの店内は薄暗く、埃が舞っていて、長居したい場所ではなかった。
「…王太子殿下と同じパーティーだったのですか?」
「…貴様…従者として兄に侍っておきながら、何故そんなことも知らん?本当に従者としてあの屋敷にいるのだろうな…?」
疑われ、慌てて首を振った。
「あの男は、何かと一人で行動したがります。従者である俺を連れて行く場所なんて、屋敷内くらいで」
「はぁ?」
「冒険者ですから」
「…はぁ…まったく野蛮人め…あんな男が殿下の側近だなどと…おまけに妹まで」
無言で見守っていると、使用人はギロリと従者を睨みつけた。
「妹は殿下にすり寄る気だろう。兄のおまけで殿下と同じパーティーとは…」
それについては、否定しなかった。
「妹が一人で行動することはないのか」
「…わかりません」
「なければ作れ」
「……」
無茶を言う、と、従者は思った。
「側近の妹とあれば、殿下も無碍にはできまい。強引に既成事実でも作られたらコトだ。…妹には別の相手が決まっている。妹も冒険者というが、強いわけではないのだろう?」
「妹が戦っている所は見たことがありません」
事実を述べれば、男は一人頷いていた。
「妹が一人で馬車に乗る用事を作れ。できたら日程を連絡しろ」
「…はい」
自分は妹付きではない、と従者は思ったが、口には出さなかった。
「誰にも見られないように帰れ」
言うなり立ち去ろうとする男の背に向かって、カールは話しかけた。
「あの、俺が解放される条件って、今も変わってませんよね?」
「…ああ。なんだ?」
「じゃぁ、これで解放してもらえませんか?」
「上手く行ったらな」
「…わかりました」
男は去り、時間を置いてカールも周囲を確認しながらバーを後にする。
狭い路地にあるバーは、再開発予定地にある為、人通りは全くない。
ダンジョンのおかげで豊かなこの国は、王都の平民街を中心に少しずつ建て替えが進められているのだった。
ここは王都の外れに近く、元々貧民街だったのだが、少しずつ福祉が充実し始めてからは道端で生活する者が減り、治安が良くなることで人の出入りが増え、店も増え、古く崩れそうな建物は王家主導で資金を募り、少しずつ新しくなっているのだった。
路地をすり抜け、男爵家へと戻る。
解放される条件とは、侯爵家の役に立つこと。
抽象的であったが、今回のことでサラがあちらに取り込まれることになれば十分だろう。
カールは早く解放され、冒険者に戻りたいと思うようになっていた。
庭園には老庭師が丹誠込めて整えた夏の花が今を盛りと咲き誇っているが、花の名前など知らないので、色々あって綺麗だな、程度の感想しか持ち得なかった。
ぼんやりと花を見つめていると、メイドが歩く靴音が聞こえてきた。
そちらを見ると、にこりと微笑まれる。
「…何か?」
と問えば、女は周囲をはばかるように見渡して、それから声を潜めて囁いた。
「何か企んでいるんでしょう?私にも協力させてちょうだい」
「…へぇ」
思わぬ味方の登場に、カールはほくそ笑んだのだった。
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だが、彼女のように歪んでしまえば、ゲームと同じように罪を暴かれて牢屋に行くだけだ。
そのため、私は心を強く持つしかなかった。悲惨な結末を迎えないためにも、どんなに不当な扱いをされても、耐え抜くしかなかったのである。
そんな私に、解放される日がやって来た。
それは、ゲームの始まりである魔法学園入学の日だ。
全寮制の学園には、歪な家族は存在しない。
私は、自由を得たのである。
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※作者創作の世界観です。史実等とは合致しない部分、異なる部分が多数あります。
※この物語はフィクションです。実在の人物・団体等とは一切関係がありません。
※実際に用いられる事のない表現や造語が出てきますが、御容赦ください。
※リアル都合等により不定期、且つまったり進行となっております。
※上記同理由で、予告等なしに更新停滞する事もあります。
※まだまだ至らなかったり稚拙だったりしますが、生暖かくお許しいただければ幸いです。
※御都合主義がそこかしに顔出しします。設定が掌ドリルにならないように気を付けていますが、もし大ボケしてたらお許しください。
※誤字脱字等々、標準てんこ盛り搭載となっている作者です。気づけば適宜修正等していきます…御迷惑おかけしますが、お許しください。
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