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他国の重鎮達は、一足先に自国へと帰っていった。
王族総出で見送りをし、他国出身で亡くなった冒険者も共に連れて帰ってくれたことに感謝した。
今年度のダンジョン攻略は中止となり、来年度からの予定は白紙状態となってしまったものの、スタンピードで得た経験や戦利品は貴重である。
各国の援助に感謝すると共に、今後とも友好的な関係を築いていけるよう互いに連絡を密にしよう、ということで落ち着いた。
ただ一国、精霊王国を除いて。
あの国からは援助がなかった。
リアムのようにかの国出身の冒険者は存在したが、国としての支援は何もなかった。
援助物資については関税を無税にする、と言われたが、かの国を通していては時間がかかってしまって間に合わない。どの国も転移装置を使って運んでくれており、その迅速な対応に感謝したものであった。
かの国は、我が国と同じように王権と一部の大貴族の権力が強い。
それはすべて巫女姫の存在の為であった。
巫女姫は他国には嫁がない。
巫女姫は王家に近い直系からのみ生まれる。
自国の貴族へと降嫁することが建国当初からの決まりであり、巫女姫の降嫁先となるのだから当然大貴族が候補となる。
貴族家に巫女姫が生まれれば大変な名誉となり、その家は巫女姫が存命の間は安泰なのだった。
巫女姫がお忍びを希望したのも、おそらく親である王との関係を危惧した為であろうと思われた。
国からの援助がないのに、巫女姫がやって来るのはおかしな話だからだ。
実際に会った巫女姫は、まさしく神と精霊の加護を受けし、清廉なる存在であった。
いつか、巫女姫には我が国を挙げて感謝を申し上げねばならない。
受けた恩は忘れない。
巫女姫が助けに来てくれるまでの状況を陛下と第一王女、宰相には共有をした。
潜行していたAランク冒険者は最後まで戦闘には参加せず、連絡用ピアスで話された重要項目を王宮へ報告することと、映像を記録することに終始した。
陛下は名誉騎士の死に絶句したし、第一王女は為す術なく殺されていく冒険者達の有様に涙を浮かべた。
魔術師団顧問には見せていない。
見せなくていい、と、陛下を始め皆が反対をしたからだ。
全滅の危機であったと言えば、それまで平静であった宰相までもが蒼白になり、巫女姫が来なければ間違いなく自分も死んでいた、と言えば皆が俯いた。
王太子であるのだから、自身の安全を第一に考えて逃げればいいと言うのは簡単である。
だが逃げ出したとして、狂乱モードのアレをどうするのか。
あの場所で大人しくしている保証など、どこにもないではないか。
逃げた王太子を追って王都に来てしまったら、我が国は終わりだ。
この大陸で最強のSランク冒険者達が死に絶えたなら、どの道救いはないのだった。
誰も責めはしなかったし、言葉もなかった。
ただ静かに、スタンピードの終息を受け止めたのだった。
一週間のうちには全ての冒険者が帰宅していった。
Aランク冒険者達には、「ぜひ、Sランクへの昇級を目指して欲しい」と頼んで帰した。
来年度からのダンジョン攻略を考えれば、Sランク冒険者は多いに越したことはない。
リーダーであった名誉騎士を失って、中止にした方がいいのでは、とも一時は考えたのだが、名誉騎士のパーティーメンバー達が言ったのである。
「ダンジョン攻略は、この大陸に生きる者達の希望である。これからも続けていきたい」と。
強者は多い方がいいに決まっている。
陛下はまだまだ元気であるし、王太子自身もダンジョン攻略を進めたい気持ちは強かった。
自国へと帰る日の朝、魔法省長官はリアムについて、この国で冒険者として色々なパーティーに参加していたのは、巫女姫がこの国へ留学した際には、冒険者として活動してみたいと希望していた為、視察を兼ねていたのだと打ち明けられた。
前辺境伯から、頼まれていたのだと。
巫女姫が各国を見て回りたいと望んでいるということは他言無用である。
いらぬ混乱を招くことは必至であり、我が国へ留学の打診が来ていることも機密である。
サラが誘拐され名誉騎士が冷静さを失った時、議題に上がっていたのはまさにこの件だったのだが、それはまた別の話だ。
巫女姫があのような力を持っていることはおそらく公にされておらず、王国内でも知る者は僅かなのではないかと思う。
歴代の巫女姫において、奇跡の力は奉納祭でのみ発現し、精霊王国内では精霊達が喜び舞う姿が光となって視認でき、世界においては神の結界が淡く輝くことで、神と精霊の存在が証明され、巫女姫が特別な存在であると認識されていたのだった。
だが我々は直接、冒険者の誰よりも強い力の発現を見た。
あの力は、世界の礎となるだけではない、世界を変える可能性すら持つものだった。
巫女姫はおそらく自国内においても混乱やトラブルを避ける為、力を隠していたのだろう。
そして今後も、隠し続けたいのかもしれない。
もしかしたら、この世界が変わる。
何かきっかけがあれば、巫女姫が表舞台に出て来るかもしれない。
そんな予感に、王太子は身を震わせるのだった。
備える為には、早く全てを日常に戻さねばならなかった。
スタンピードで亡くなった我が国の冒険者達は、英霊として祀られることに決まった。
精霊教会の敷地内に霊廟が作られ、民が献花をしやすいようにするということだった。
名誉騎士の家族と言うことで宰相より直接説明を受けたが、反対する理由もない。
よろしくお願いしますと任せ、王宮内の自室へと戻った。
母は部屋に一人でいるのが辛いと言って、サラの部屋で寝泊まりをしていた。
兄も辛いのだろう、共に茶を飲みはするものの、終わると言葉少なに部屋へと引き上げていくのだった。
母もサラも引き止めることはせず、静かに見送る。
明日には自宅へと帰る。
ベッドに横になりながらぼんやりと天井を眺めるサラに、母はぽつりと話しかけてきた。
「冒険者、続けてちょうだいね」
「…お母様」
「殿下と婚約しても、卒業までまだ時間はあるわ。家族団欒だって、まだまだできるわ」
「……」
「ふふ、英雄になってしまったから、ダンジョン攻略にも駆り出されるかもしれないわね。殿下と一緒に」
「お母様…」
「仲良くするのよ。喧嘩したら私とクリスが味方だからね」
「……」
「私は長生きしてやるんだから。いつまで生きてるの?って言われるくらい、しがみついてみせるわよ。だから、…だから、幸せに、なってちょうだいね」
「お母様…っ」
息が詰まる。
隣で横になっている母に縋れば、頭を撫でられた。
「あの人ったら、娘の花嫁姿も、息子の晴れ姿も、見られないの。駄目な人。…っ、代わりに、私が、しっかり目に焼き付けてやるの。そしてあの人に、自慢するんだから、…っ」
母もまた、言葉を詰まらせ身体を震わせた。
「わたし、わたし、スタンピードが終わったら、お父様に話すって、でも、…っ、でも!」
話せなかった。
どうしてあの時、無理にでも話をしなかったのだろう。
遠慮などせず、話を聞いて、と、何故言わなかったのだろう。
反対されたかもしれない。
賛成してくれたかもしれない。
想像したように、王太子殿下とギスギスしたかもしれない。
でも。
でも、きちんと話をしたかった。
自分の口から、幸せになるからね、って、言いたかった。
言えない。
もう、言えないのだ。
聞いてもらえない。
頭を撫でてもらえない。
抱きしめてもらえないのだった。
「ごめんなさい、お母様、ごめんなさい…!私がもっと強かったら、侯爵令嬢に嫌われなかったら、こんな、こんなことに、ならなかったかもしれないのに!!」
どうしてスタンピードは起こったの。
どうして侯爵令嬢がボスだったの。
どうして私は何もできなかったの。
どうして。
どうして。
泣いて縋るサラの頭を撫で、母もまた涙を流しながら頭を振った。
「いいえ、いいえ。全力を尽くしたわ。私達は全力を尽くしたの。それでも足りなかった。後悔なんてたくさんあるわ。嫌になるほどあるわ。忘れちゃいけないの。私達は全力を尽くしたけれど、足りなかった。私達は生きているの。生きて行かなきゃいけないの。今度は失敗しないように。次はきちんとできるように。頑張らなきゃいけないの。私達は、まだ、終わってないんだから」
自身に言い聞かせているようだった。
辛い。
苦しい。
逃げ出したい。
でも、逃げてどうするの?と、母は言っているのだった。
強い人だった。
生きて行かなきゃいけないのだと、前を向ける人だった。
それでも悲しいと、泣くのだった。
母を心から尊敬する。
母はすごい人だった。
サラも、強くなりたいのだ。
誰も失わずに済むように。
大切な人を守れるように。
もっと。
もっと。
一頻り泣いて、母が笑う。
「さぁ、明日からまた忙しくなるわ。もうメソメソ泣くのはおしまい。私にはあなた達がいる。あの人の分まで、頑張らなきゃ」
「お母様」
「クリスも大変よ。爵位を継がなきゃいけないもの。サラ、協力してね」
「…はい、もちろんです」
「しっかり寝ましょう。お休み、サラ」
「おやすみなさい、お母様。…私、お母様の子供で、良かった」
「…ええ、あの人にも聞かせてあげたいわ。また一つ、自慢話が増えたわね」
涙を一筋零したが、母はそれきり泣くことはなかった。
サラもまた、目を閉じる。
そう、生きていかねばならないのだから。
王族総出で見送りをし、他国出身で亡くなった冒険者も共に連れて帰ってくれたことに感謝した。
今年度のダンジョン攻略は中止となり、来年度からの予定は白紙状態となってしまったものの、スタンピードで得た経験や戦利品は貴重である。
各国の援助に感謝すると共に、今後とも友好的な関係を築いていけるよう互いに連絡を密にしよう、ということで落ち着いた。
ただ一国、精霊王国を除いて。
あの国からは援助がなかった。
リアムのようにかの国出身の冒険者は存在したが、国としての支援は何もなかった。
援助物資については関税を無税にする、と言われたが、かの国を通していては時間がかかってしまって間に合わない。どの国も転移装置を使って運んでくれており、その迅速な対応に感謝したものであった。
かの国は、我が国と同じように王権と一部の大貴族の権力が強い。
それはすべて巫女姫の存在の為であった。
巫女姫は他国には嫁がない。
巫女姫は王家に近い直系からのみ生まれる。
自国の貴族へと降嫁することが建国当初からの決まりであり、巫女姫の降嫁先となるのだから当然大貴族が候補となる。
貴族家に巫女姫が生まれれば大変な名誉となり、その家は巫女姫が存命の間は安泰なのだった。
巫女姫がお忍びを希望したのも、おそらく親である王との関係を危惧した為であろうと思われた。
国からの援助がないのに、巫女姫がやって来るのはおかしな話だからだ。
実際に会った巫女姫は、まさしく神と精霊の加護を受けし、清廉なる存在であった。
いつか、巫女姫には我が国を挙げて感謝を申し上げねばならない。
受けた恩は忘れない。
巫女姫が助けに来てくれるまでの状況を陛下と第一王女、宰相には共有をした。
潜行していたAランク冒険者は最後まで戦闘には参加せず、連絡用ピアスで話された重要項目を王宮へ報告することと、映像を記録することに終始した。
陛下は名誉騎士の死に絶句したし、第一王女は為す術なく殺されていく冒険者達の有様に涙を浮かべた。
魔術師団顧問には見せていない。
見せなくていい、と、陛下を始め皆が反対をしたからだ。
全滅の危機であったと言えば、それまで平静であった宰相までもが蒼白になり、巫女姫が来なければ間違いなく自分も死んでいた、と言えば皆が俯いた。
王太子であるのだから、自身の安全を第一に考えて逃げればいいと言うのは簡単である。
だが逃げ出したとして、狂乱モードのアレをどうするのか。
あの場所で大人しくしている保証など、どこにもないではないか。
逃げた王太子を追って王都に来てしまったら、我が国は終わりだ。
この大陸で最強のSランク冒険者達が死に絶えたなら、どの道救いはないのだった。
誰も責めはしなかったし、言葉もなかった。
ただ静かに、スタンピードの終息を受け止めたのだった。
一週間のうちには全ての冒険者が帰宅していった。
Aランク冒険者達には、「ぜひ、Sランクへの昇級を目指して欲しい」と頼んで帰した。
来年度からのダンジョン攻略を考えれば、Sランク冒険者は多いに越したことはない。
リーダーであった名誉騎士を失って、中止にした方がいいのでは、とも一時は考えたのだが、名誉騎士のパーティーメンバー達が言ったのである。
「ダンジョン攻略は、この大陸に生きる者達の希望である。これからも続けていきたい」と。
強者は多い方がいいに決まっている。
陛下はまだまだ元気であるし、王太子自身もダンジョン攻略を進めたい気持ちは強かった。
自国へと帰る日の朝、魔法省長官はリアムについて、この国で冒険者として色々なパーティーに参加していたのは、巫女姫がこの国へ留学した際には、冒険者として活動してみたいと希望していた為、視察を兼ねていたのだと打ち明けられた。
前辺境伯から、頼まれていたのだと。
巫女姫が各国を見て回りたいと望んでいるということは他言無用である。
いらぬ混乱を招くことは必至であり、我が国へ留学の打診が来ていることも機密である。
サラが誘拐され名誉騎士が冷静さを失った時、議題に上がっていたのはまさにこの件だったのだが、それはまた別の話だ。
巫女姫があのような力を持っていることはおそらく公にされておらず、王国内でも知る者は僅かなのではないかと思う。
歴代の巫女姫において、奇跡の力は奉納祭でのみ発現し、精霊王国内では精霊達が喜び舞う姿が光となって視認でき、世界においては神の結界が淡く輝くことで、神と精霊の存在が証明され、巫女姫が特別な存在であると認識されていたのだった。
だが我々は直接、冒険者の誰よりも強い力の発現を見た。
あの力は、世界の礎となるだけではない、世界を変える可能性すら持つものだった。
巫女姫はおそらく自国内においても混乱やトラブルを避ける為、力を隠していたのだろう。
そして今後も、隠し続けたいのかもしれない。
もしかしたら、この世界が変わる。
何かきっかけがあれば、巫女姫が表舞台に出て来るかもしれない。
そんな予感に、王太子は身を震わせるのだった。
備える為には、早く全てを日常に戻さねばならなかった。
スタンピードで亡くなった我が国の冒険者達は、英霊として祀られることに決まった。
精霊教会の敷地内に霊廟が作られ、民が献花をしやすいようにするということだった。
名誉騎士の家族と言うことで宰相より直接説明を受けたが、反対する理由もない。
よろしくお願いしますと任せ、王宮内の自室へと戻った。
母は部屋に一人でいるのが辛いと言って、サラの部屋で寝泊まりをしていた。
兄も辛いのだろう、共に茶を飲みはするものの、終わると言葉少なに部屋へと引き上げていくのだった。
母もサラも引き止めることはせず、静かに見送る。
明日には自宅へと帰る。
ベッドに横になりながらぼんやりと天井を眺めるサラに、母はぽつりと話しかけてきた。
「冒険者、続けてちょうだいね」
「…お母様」
「殿下と婚約しても、卒業までまだ時間はあるわ。家族団欒だって、まだまだできるわ」
「……」
「ふふ、英雄になってしまったから、ダンジョン攻略にも駆り出されるかもしれないわね。殿下と一緒に」
「お母様…」
「仲良くするのよ。喧嘩したら私とクリスが味方だからね」
「……」
「私は長生きしてやるんだから。いつまで生きてるの?って言われるくらい、しがみついてみせるわよ。だから、…だから、幸せに、なってちょうだいね」
「お母様…っ」
息が詰まる。
隣で横になっている母に縋れば、頭を撫でられた。
「あの人ったら、娘の花嫁姿も、息子の晴れ姿も、見られないの。駄目な人。…っ、代わりに、私が、しっかり目に焼き付けてやるの。そしてあの人に、自慢するんだから、…っ」
母もまた、言葉を詰まらせ身体を震わせた。
「わたし、わたし、スタンピードが終わったら、お父様に話すって、でも、…っ、でも!」
話せなかった。
どうしてあの時、無理にでも話をしなかったのだろう。
遠慮などせず、話を聞いて、と、何故言わなかったのだろう。
反対されたかもしれない。
賛成してくれたかもしれない。
想像したように、王太子殿下とギスギスしたかもしれない。
でも。
でも、きちんと話をしたかった。
自分の口から、幸せになるからね、って、言いたかった。
言えない。
もう、言えないのだ。
聞いてもらえない。
頭を撫でてもらえない。
抱きしめてもらえないのだった。
「ごめんなさい、お母様、ごめんなさい…!私がもっと強かったら、侯爵令嬢に嫌われなかったら、こんな、こんなことに、ならなかったかもしれないのに!!」
どうしてスタンピードは起こったの。
どうして侯爵令嬢がボスだったの。
どうして私は何もできなかったの。
どうして。
どうして。
泣いて縋るサラの頭を撫で、母もまた涙を流しながら頭を振った。
「いいえ、いいえ。全力を尽くしたわ。私達は全力を尽くしたの。それでも足りなかった。後悔なんてたくさんあるわ。嫌になるほどあるわ。忘れちゃいけないの。私達は全力を尽くしたけれど、足りなかった。私達は生きているの。生きて行かなきゃいけないの。今度は失敗しないように。次はきちんとできるように。頑張らなきゃいけないの。私達は、まだ、終わってないんだから」
自身に言い聞かせているようだった。
辛い。
苦しい。
逃げ出したい。
でも、逃げてどうするの?と、母は言っているのだった。
強い人だった。
生きて行かなきゃいけないのだと、前を向ける人だった。
それでも悲しいと、泣くのだった。
母を心から尊敬する。
母はすごい人だった。
サラも、強くなりたいのだ。
誰も失わずに済むように。
大切な人を守れるように。
もっと。
もっと。
一頻り泣いて、母が笑う。
「さぁ、明日からまた忙しくなるわ。もうメソメソ泣くのはおしまい。私にはあなた達がいる。あの人の分まで、頑張らなきゃ」
「お母様」
「クリスも大変よ。爵位を継がなきゃいけないもの。サラ、協力してね」
「…はい、もちろんです」
「しっかり寝ましょう。お休み、サラ」
「おやすみなさい、お母様。…私、お母様の子供で、良かった」
「…ええ、あの人にも聞かせてあげたいわ。また一つ、自慢話が増えたわね」
涙を一筋零したが、母はそれきり泣くことはなかった。
サラもまた、目を閉じる。
そう、生きていかねばならないのだから。
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