悪役令嬢はヒロインに敵わないのかしら?

こうじゃん

文字の大きさ
2 / 3

2 大天使降臨

しおりを挟む

転生した悪役令嬢たちに問う!



――諸君は、なぜ問題点の元から絶たなかったのだろうと。



婚約者との関係を強化する、親との関係を改善する、追放されてもいいように手に職をつける。

それも、良いだろう。



前世ではいつも不思議に思っていた。



 なぜ、ヒロインを元から絶たないのかと。



 わたしの立ち位置は、攻略者のひとりである王子の婚約者である。

ヒロインが王子ルートに入ると、ヒロインであるマーガレットに執拗な嫌がらせをし、最後にはそれがバレて婚約破棄され、魔物のあふれる森へ魔力を封じられ武器も持たず放置されてしまうのだ。



ハッキリ言って死亡確定である。



王子ルート以外なら安全かというとそれも違う。

教師ルートでは不道徳だとヒロインをいじめ教師にこっそり毒殺される。

魔法使いルートでは、ヒロインが魔物に襲われるシーンで巻き添えになって死ぬ。

騎士ルートでは、隣国との戦争が起り人質として攫われた末、救出が間に合わず戦死する。

義弟ルートでは、じゃまな義姉として加虐趣味のある侯爵に嫁がされ衰弱して死亡する。



ゲームの制作者から憎まれてるんだろうか?と言うくらいの死亡ぶりである。

もしかすると制作者の元カノに似てるんじゃないか?と、疑うレベルだ。



婚約者との関係を改善したり家族と仲良くするなどという生ぬるい手を使っている場合では無いのだ。



『 殺られる前に殺れ 』 である。



ハッキリ言って、私は自分が一番かわいい。

殺らなければ殺られるのだ。これは立派な正当防衛である。



世の中は弱肉強食なのだ。











 そう決心した私は、我が家の暗部を使いヒロインを探せた。

ヒロイン7歳。彼女はこの年、母親に死なれて孤児院に引き取られる。

彼女は実は伯爵がメイドに産ませた子供で、その後伯爵が引き取り学園へ通わせてゲーム開始となる。







 それに平行して、打てる手は全部打つ!フラグは全て叩くことにした。

生存確率を1つでも上げるのだ。

石橋を叩いて叩いてたたき壊すぜ!



前世は、ちゃきちゃきの現代女性だったから、婚約破棄なんてどうでも良い。

終わった恋のひとつやふたつ、気にすんな。

次に行けば良いのだ。ゴーツーネクストだ。





皇太子妃なんて一見華やかだが大変な仕事。

めんどくさい皇太子妃を返上できるなんてむしろウェルカム!







もう一度言おう。



私は自分が一番かわいい。



できれば貴族のまま楽して暮らしたい。

王子など結婚しなくて良い。

行かず後家で、領地で蟄居大歓迎だ。















 結論から言うと、王子と婚約はしなかった。



元々ゲームでも、王子様に一目惚れしたローズが父親にねだって、王子が傷物にしたこと(物理:池ポチャで後頭部負傷)を盾に無理やり婚約を迫ったのだ。



もちろん王子も、池から藻を頭にかぶって血まみれで上がってきて足首を掴んだ女を嫁にはしたくなかったようだ。



ホラーだ。トラウマものだ。



嫌われるのも無理は無い。ちびっこなら夜泣きするレベルだ。





もちろん、何が起ってもいいように魔法だけはしっかり学ぼう。



光魔法が仕えるなら、けが人の治療、火傷、切り傷、骨折なんでもこいで、治療師として職に困らないのだが、私は悪役らしく闇魔法しか仕えない。

ヒロインはハイスペックで全属性が仕える。ちっ、うらやましくなんかないやい。



家から追放され市井で生計を立てる場合は、しょうがないので闇魔法で怪しい占い師でもして稼ぐ所存だ。

あ、のろいもできますわ。

闇魔法上級を扱えるくらい上達すれば、精神支配系や隷属魔法も使えるから、金持ちの商人を欺して左うちわで暮らすという手もある。

















 そうこうしているうちに、私の前に暗部が孤児院に引き取られる前のヒロインを連れてきた。



探せと言っていたが連れてこいとは言ってないよね?

探した後、サクッとやあっておしまい!の予定だったのに……









 ぽやぽやした金髪に、紫水晶のような瞳、ふっくらとした愛らしい唇、薔薇色のほっぺ。透き通る様な白い肌。

知らないところに連れてこられて不安に揺れていた小さな女の子が、私を見つめると目をキラキラさせてニッコリと微笑んだ。













――みなさーん、事件です。大天使、降臨ですっ!!!!!!















しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

私はざまぁされた悪役令嬢。……ってなんだか違う!

杵島 灯
恋愛
王子様から「お前と婚約破棄する!」と言われちゃいました。 彼の隣には幼馴染がちゃっかりおさまっています。 さあ、私どうしよう?  とにかく処刑を避けるためにとっさの行動に出たら、なんか変なことになっちゃった……。 小説家になろう、カクヨムにも投稿中。

もしもヒロインが生粋の貴族であったなら!(by転生悪役令嬢より

naturalsoft
恋愛
初めまして。いつもお馴染みの【シオン】と申します。今回は久々の悪役令嬢を務めさせて頂きますわ。 最近は、髪の色と同じく頭の中身がピンク色のヒロインばかりなので、一風変わったヒロインをお楽しみ下さいませ~ これが本当の【真】のヒロインの在るべき姿なのですから………

悪役令嬢なのかヒロインなのか、まずはそこからが問題だ

霜月零
恋愛
 わたし、マルガレーテ・フォンディーヌ伯爵令嬢は、生死の境を彷徨った拍子に前世を思い出した。  わたしは、前世で好きだった乙女ゲームのヒロインに転生していたのだ。  だが、ちょっと待って欲しい。  わたしは、本当にヒロインなのか?  前世のわたしはweb小説も好きだった。  中でも悪役令嬢が主人公の物語が好きで、軽く三桁は読み漁ったと思う。  悪役令嬢が主人公の物語では、ヒロインは大抵お馬鹿で自業自得で悲惨な目に合う。  もしかしてわたしは、乙女ゲームのヒロインじゃなく、悪役令嬢の物語の当て馬ヒロインだったりしないかしら。  わたしは乙女ゲームのヒロインなのかそうじゃないのか、まずはそこから調べることが必要だと思う。  破滅の未来を引き寄せない為にね! ※小説家になろう様等、他サイト様にも掲載予定です

悪役令嬢の物語は始まりません。なぜならわたくしがヒロインを排除するからです。

霜月零
恋愛
 わたくし、シュティリア・ホールオブ公爵令嬢は前世の記憶を持っています。  流行り病で生死の境を彷徨った時に思い出したのです。  この世界は、前世で遊んでいた乙女ゲームに酷似していると。  最愛のディアム王子をヒロインに奪われてはなりません。  そうと決めたら、行動しましょう。  ヒロインを排除する為に。  ※小説家になろう様等、他サイト様にも掲載です。

【完結】転生令嬢が、オレの殿下を"ざまあ"しようなんて百年早い!〜"ざまあ王子"の従者ですが、やり返します〜

海崎凪斗
恋愛
公爵令嬢ロベリアは、聖女への嫌がらせを理由に婚約破棄された――はずだった。だが夜会の席、第二王子が「冤罪だった」と声を上げたことで、空気は一変する。 けれど第一王子の従者・レンは言う。 「いや?冤罪なんかじゃない。本当に嫌がらせはあったんだよ」「オレの殿下を"ざまあ王子"にしようなんて、百年早い!」 ※ざまぁ系ではありますが、"ざまぁされそうな王子の従者が、それを阻止して悪役令嬢気取りの転生者をざまぁし返す話"です。主従モノに近いので、ご注意ください。 プロローグ+前後編で完結。

悪役令嬢は殿下の素顔がお好き

香澄京耶
恋愛
王太子の婚約者アメリアは、 公衆の場で婚約破棄される夢を見たことをきっかけに、自ら婚約解消を申し出る。 だが追い詰められた王太子、ギルバートは弱さと本心を曝け出してしまい――。 悪役令嬢と、素直になれない王太子の“逆転”ラブコメディ。

悪役令嬢に転生したら手遅れだったけど悪くない

おこめ
恋愛
アイリーン・バルケスは断罪の場で記憶を取り戻した。 どうせならもっと早く思い出せたら良かったのに! あれ、でも意外と悪くないかも! 断罪され婚約破棄された令嬢のその後の日常。 ※うりぼう名義の「悪役令嬢婚約破棄諸々」に掲載していたものと同じものです。

モブとか知らないし婚約破棄も知らない

monaca
恋愛
病弱だったわたしは生まれかわりました。 モブ? わかりませんが、この婚約はお受けいたします。

処理中です...