思い付き短編集

神谷 絵馬

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お役目、果たしましたが?3

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「アンジェリカの結婚式は、ワシが執るからの?
大神官は介添え役を頼むぞ?」

「良いのですか?」

「アンジェリカを最初に見付けたのは大神官じゃろ?
それにの?神からのお言葉でもあるのじゃよ。
『我の愛し子であるアンジェリカの介添え役は、大神官に頼んでほしい。
それと、教皇であるお主が結婚式を執れよ?』
とな?」

「おぉ、神よ...。有り難き幸せでございます。」

「フォッフォッフォッ!」

「はい、書けました!
ん?どうかしたのですか?」

ん?大神官様、いつの間に祈ってたの?
還俗の手続きの為の書類を書いてたんだけど、教皇様は楽しそうに笑ってるし?どうしたの?

「ん?アンジェリカの結婚式のことじゃよ。
神よりお言葉があっての?
アンジェリカの結婚式は、ワシらが全てを取り仕切るからの?」

「そうなのですか?分かりました。
彼にも伝えておきます。」

「うむうむ、そうしてくれ。

さて...............うむ、きちんと書けておるのぉ。
ここに承認の版を...ほい、これで完成じゃ!」

「ハッ!
アンジェリカ?これだけは忘れないでほしい。
たとえ還俗して聖女を辞めたとしても、アンジェリカが神の愛し子であることに変わりはない。
だから、家からでも構わないから神へと祈ってほしい。
アンジェリカ自身の幸せや、旦那や子供達の幸せでも良いからね?」

「はい。毎日祈ります。」

あー、やっぱり、聖女は辞められるけど愛し子は辞められないんだ...。
神様ったら、また夢に出てくるのかな?

「アンジェリカ...旦那、遅くないかの?」

「馬鹿王子のお目付役です。」

「ハァー、また侍従Bをやっておるのか...国王もそろそろ腹を決めねばのぉ?」

「うーん、いっそ、乗り込むか?」

「止めておけ、面倒臭いことになるだけじゃ!」

うん、神殿から出たら大神官と言えども一国民とか言われて、理不尽な王命を出されるだけ。
彼も、王命によって侍従Bをやれって言われて仕方無くやってるんだから。

「間に合いました?」

「ジルフォード、遅かったのぉ?」

「すみません...。
王命だとかで、第3王女を俺に降嫁させるとか宣われたので...
『あ、なんだろ?何か聞こえる?...どうやら神に呼ばれてるみたいです。
神殿に行って、神託頂いてきまーす!』
って言って逃げてきました。

俺の婚約者が誰かは知ってる筈なんですけど、第3王女が俺に惚れたんだから責任とって嫁にしろってことらしいです。
あの国王、思考回路が破綻しまくってて本当に迷惑ですよねー。
俺、アンジェ以外は土偶にしか見えないんですけど...?」

「ジルフォード?お前、アンジェリカ以外が、ど、土偶に見えてるのか?」

「はい。大体は土偶に見えてますね。
あ、でも、皆が同じ土偶じゃなくって、ちゃんと個人個人で違う土偶に見えてますよ?
じゃないと、間違えちゃうじゃないですか。」

うん、一理ある。
じゃなくて、ジル?貴方、本当に土偶に見えてるの?
個人個人で違う土偶に?
え、なにそれ、面白そう!私も見てみたい。

「アンジェリカの父である大神官様や教皇様は、ちゃんと最初から人として見えてます。
あと、アンジェリカの母であるナターリア巫女様とルイーゼ巫女様と、アンジェリカの姉であるシフォーニア巫女様とリーアンナ巫女様とアイーダ巫女様も、最初から人として見えてますよ?

自分の両親も土偶でしたし...何かおかしいですか?」

「ジルフォード、お前さん...特異体質過ぎやしないか?」

「?そうかもしれませんが...アンジェリカがいれば、自分の両親が土偶でも全然構いません。
アンジェリカは、出会ったときから光輝いてましたから...。」

「そうかそうか...ジルフォードが幸せならばそれで良いかのぉ?」

「はい。アンジェリカと共にいられるだけで幸せです。」

本当にそのままで大丈夫かな?
自分の両親も土偶にみえるってことは、自分の子供も土偶に見えちゃったりするのかな?





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